ガノタ、ティターンズに就職するってよ   作:SW好きのガノタ

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増援は天使?

 

 

<新サイド6・ムーア近海 マゼラン改級戦艦"ラ・グロワール"作戦室>

 

 

「現在、ジオン残党は旧12バンチ内に潜伏しているものと思われる」

 

 

副長が俺たちを見渡す。

普段はジョークが飛び交う場面もあるが、今日ばかりは違った。

 

 

「忌々しいテロリストである連中は人質6名を取って立てこもっている」

 

 

俺たちの顔に緊張が走る。

何時の時代でも立てこもり事件は危険という認識に変わりはないのだ。

 

 

「早急に犯人を制圧、人質の安全を確保せよ」

 

 

ここで艦長が前に出る。

 

 

「諸君らの働きに期待している」

 

 

言葉は少ないが、確かな信頼関係があっての事だろう。

一気に作戦室の空気がより真剣なものになる。

 

 

「それと今回、グリプスの部隊から増援が来る。注意するように」

 

 

最後の言葉にパイロットたちが顔を合わせながら、会議はお開きとなった。

 

 

 

 

 

 

 

<新サイド6・ムーア近海 マゼラン改級戦艦"ラ・グロワール"MSデッキ>

 

 

「急げ! 出撃命令がいつ出るか分からないぞ!」

 

 

ブルクハルトが声を張り上げながら、メカニックたちを急かす。

俺もハイザックのコクピットへジャンプして乗り込む。

 

 

「あっ、ヨハン中尉!」

 

 

中で若い技術者がタブレットを見ながら、OSと格闘していた。

 

 

「…どうしたんだ?」

「昨日話があった新型OSへのアップデートなんですが…時間がかかっていて」

 

 

急いでやっているらしいが、まだまだ時間が掛かりそうな雰囲気がある。

 

 

「急いでくれよ。 ブルクハルト大尉の言った通り、いつ出るか…」

 

 

彼が頷いて、またOSとの格闘を始めたのを見て俺は外に出る。

 

 

「補給艦が本艦後方より接近する。第2小隊は積み込み作業中の護衛を行え」

 

 

艦長からの通信を受けて、第2小隊が出撃するのが見える。

小隊長機のガルバルディβを先頭に、ハイザックキャノンとハイザック通常型が続く。

 

 

「ヨハン、OSのセットが終わらなければ補給艦が予備で持ってきたMSがある」

 

 

ブルクハルトが俺の前までやってきて、話す。

 

 

「予備機…ですか? しかし機体変更を今から…」

「大丈夫だ。お前も慣れているジム・クゥエルを持ってきて貰っている」

 

 

ジム・クゥエルか…

俺が転移する前にヨハン中尉はどうやらジム・クゥエルを使っていた経験があるらしい。

 

 

「本艦と相対距離3000に所属不明艦を捕捉。第1小隊は直ちに出撃せよ」

 

 

ヘッドセットに艦橋からの指示が響く。

 

 

「ヨハンはここで待機。俺が出る」

 

 

ちらりと俺を見て、ブルクハルトが艦橋へ報告する。

報告が終わるとすぐさまアドバンスド・アレックスに搭乗して、出撃する。

 

 

「"ガンダム"か…」

 

 

俺の呟いた言葉は開いた扉の先の闇へと消えていった。

 

 

 

 

 

 

 

<新サイド6・旧12バンチ近海 マゼラン改級戦艦"ラ・グロワール"休憩室>

 

 

「グリプス隊から派遣されたサイラス・キング中尉であります!」

 

 

結局、所属不明艦は連邦軍から注文を受けて配達中の輸送艦だったそうだ。

肩透かしを食らった気分で休憩室へ向かった俺達だが、先客が居た。

そう、グリプスからの増援パイロットだ。

 

 

「ラ・グロワールのMS隊隊長のフォン・ブルクハルト大尉だ。よろしく」

「はい!よろしくお願いします!」

 

 

元気が良すぎないか…

俺とアレクサンダーは顔を見合わせる。

 

 

「ヨハン…サイラス君は少年兵みたいだが…」

 

 

アレクサンダーが小声で俺に話しかけてくる。

無論、俺も彼を一目見たときから同じ感想を抱いていた。

 

 

「いや…まさかティターンズがそんな事をするはずが…」

 

 

もしかしなくても…ニタ研案件か!?と俺はびくびくしてしまう。

 

 

「キング中尉は…だいぶ若いようだが…?」

 

 

ブルクハルトも訝しげにサイラスに質問する。

だがサイラスはにっこりと微笑んで、言葉を発する。

 

 

「そうですか? 一応15ですけど…」

 

 

サイラスの年齢にも驚いた。しかし、それ以上に俺は彼の容姿に目を奪われていた。

まるで天使だな…

"美"を象徴するかの様な微笑み、そして無重力で靡く銀髪が俺の理性を奪っていた。

 

 

「…ヨハン?アレクサンダー?」

 

 

ブルクハルトの声でハッとする。

どうやらアレクサンダーも彼に見惚れていたらしい。

 

 

「全く。すまないな、キング中尉」

 

 

俺も頭を下げる。

 

 

「いえ、気にしてませんから!」

 

 

サイラスが笑っているが、俺の中で一つの疑念が浮かび上がっていた。

やはりニタ研出身の強化人間かクローンじゃ…?

そう考えれば、この容姿にも多少納得がいく。

 

 

「俺はアレックスの調整に行ってくる。…お前たち、失礼が無いようにな」

 

 

ブルクハルトが俺達を睨んで、立ち去っていく。

休憩室に取り残された俺たちの間に気まずい空気が流れる。

 

 

「あー悪い。俺は補充物資の確認してくるわ」

 

 

アレクサンダーがこの空気感から逃げ出すようにそそくさと休憩室を出る。

残された俺は何を話せば良いか分からずに突っ立ている。

 

 

「…ブルクハルト大尉、かっこいいですね!"蒼い稲妻"って呼ばれているんですよね!」

 

 

空気感に堪えられなくなったのか、サイラスが俺に語り掛けてくる。

 

 

「ああ…そうだな…」

 

 

先程の失態はもうしない。

俺は出来るだけサイラスの方を向かずに会話していた。

 

 

「暇ですね… そうだ!シミュレーターでもしませんか!?」

 

 

何の脈絡もなく、サイラスが模擬戦を提案してくる。

イヤだよ…強化人間疑惑がある奴とやるなんて…

 

 

「おっ!新人同士で模擬戦か?」

 

 

だが、運が悪いことにちょうど休憩室に入ってきた第2小隊の連中が煽りだした。

ここで日和ったら、間違いなく艦の笑いものにされるだろう。

 

 

「1戦だけなら…」

 

 

おおっ、と周りが湧く。

 

 

「本当ですかっ!」

 

 

サイラスの顔もぱっとなる。

 

 

「ああ。じゃあ移動するか」

 

 

直ぐ近くの待機室の中に設置されているシミュレーターを起動する。

 

 

「使う機体はそれぞれの乗機で、ルールは1対1のマップは暗礁宙域で良いかな?」

「はいっ! お願いします!」

 

 

サイラスの声が無線機から飛び出す。

当然の如くハイザックHWSを選んだ俺は画面とレーダーを睨む。

 

 

「…来るッ!」

 

 

俺は前回の戦闘以来、何か新しい感覚に目覚めていた。

言葉にするのは難しいが、簡単に言えば"視線"を感じていた。

 

 

「やりますねっ!!」

 

 

サイラスの声が響く。

その瞬間、俺は機体を捻ってビームを回避した。

 

 

「へぇ…」

 

 

今までの俺なら確実に墜とされていたであろう一撃。

それを回避した俺を見て、サイラスの声が冷たくなる。

 

 

「くっ…!」

 

 

戦場の空気が変わったのがはっきりと分かった。

俺的に言えば、"視線"が遊びから本気に変わったのだ。

 

 

「それじゃ遊びを終わらせようか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

美しく、それでいて何処まで冷たい声が俺の背筋を凍らせたー

 

 

 





どうも、SW好きのガノタと申します。


今回は新キャラ登場させてみました。
容姿的にはFateのアストルフォ君を想像していただければ大丈夫です。

そんな彼の過去についても、いつか書きたいですね…


評価・感想くれると嬉しいです。
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