こんだけのガスであんな動き出来るわけないだろ! 作:山崎春のご飯まつり
マジの本当に執筆初心者なのであまり高度な技巧とか期待せずに、気軽にお読みいただけると幸いです。
エレン含む精鋭班と大岩に1番近い壁まで壁の上を走っている、割と小走りで少し疲れる。というかこの立体機動って20kgぐらいあるよね?上下する度に重さが直に来て結構クるんだが。
「エレン、体は大丈夫?」
走りながらミカサがエレンの体を心配している。巨人化は体力をだいぶ食うらしいからな、さっきも少し鼻血出てたし。
「あぁ…囲まれてた時よりだいぶマシだ」
平気な物言いで返すが、いつもより元気がないのは一目瞭然だ。巨人の制御は十分な体力による意識の綱引きが必要なのだろうか。それとも目的意識の強度によるものだろうか。
「極秘人間兵器と言っていたが、穴を塞げるのならなんでもいい。最優先でお前を守る、頼んだぞ」
「は、はい!」
プレッシャーを与えるようにイアンさんがエレンに宣言する。この作戦で沢山死ぬんだからな、中には同僚もいるだろうし、納得だな。
「1つ言っておくぞイェーガー」
今まで後ろを走っていたリコさんが速度を上げてエレンとミカサの隣を並走して話しかける。
「今回の戦い、決して少なくない数の兵が死ぬことになるだろう、あんたの為にな。」
「そいつらはもちろん我々の同僚や、先輩や、後輩の兵士たちだ。当然兵士である以上死は覚悟の上だが」
「だがな、彼らは物言わぬ傀儡じゃない。彼らには名前がある、家族があり、その分だけ思いもある。」
その後リコさんは恐らく同僚の駐屯兵の名前を並べていく。
「皆、血の通った人間だ。訓練兵時代から同じ釜の飯を食ってる奴もいる、そんな彼らが今日あんたの為に死ぬことになるだろう」
「アンタには彼らの死を犬死にさせてはいけない責任がある、何があろうともな。その事を甘えた心に刻め。そして、死ぬ気で責任を果たせ」
「…はい!」
リコさんの追撃で渾身のプレッシャーがエレンに襲いかかる。っぱリコさんよ。やべぇ今一瞬だけ駐屯兵の奴らが羨ましくなっちまったよ、多分俺が居なくても物語進むだろうし…駐屯兵団行こうかな…あぁダメだリヴァイ班が死んじまう。
「そろそろ大岩までの最短ルート地点だ、行くぞ!」
各々が立体機動に移り町中を飛んで大岩に向かっていく。 巨人は他の兵が引き付けてくれたおかげで居ないためガスを節約しながら噴き、遅れて続く。
エレンが大岩付近に到着するのを確認した瞬間、エレンを囲む周囲が雷のような眩い光で包まれてそこを中心に骨、筋肉の順に大きな肉体を形成していく。
『ア"ア"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"!!』
顔を上げて咆哮する。その後我々に背を向け大岩を見るが、人の気配を察知したのか屋根に待機している我々の特にミカサの方に体ごと向いて来た。…来るぞ。
ミカサと目が合った瞬間彼女目掛けて右ストレートを放つ。その衝撃で屋根が大幅破損し、ギリギリ避けたミカサがこちらに瓦礫とともに飛んでくる。
ミカサはこの奇怪な行動が信じられず立体機動でエレン巨人の顔に張り付き目を覗き込むように必死に問いかける。
「エレン!私が分からないの!?私はミカサ!貴方の!家族!」
「っ!アッカーマン避けろ!」
その呼び声も虚しく、顔に付いた蚊を叩くようにエレン巨人は自身の顔面をグーで殴る。イランさんの掛け声あってか、ミカサは無事避けれたようだが…エレンは自傷で顔が欠けてしまったようだ。後ろにある大岩を背もたれに座り込み、顎が砕けたせいで舌をデロンと出している。
「作戦失敗だ、わかっていたよ…秘密兵器なんか存在しないことぐらい」
リコさんは自然な動作で胸の内ポケットから口の太い銃を取り出して上に向け、赤い信煙弾が空中に舞い上がる。エレンを見るその目は眼鏡が夕日に反射してよく分からなかったが、仲間の犬死を悔やんでいるのだろうか。
「なんだコイツ…頭の悪い普通の巨人じゃないか」
倒れ込むのと同時に周囲の場面が変わっていく、それにつられて巨人が増えてきた。エレン巨人の気配を察知したのか?
「イアン班長!前扉から巨人2体!10mと6m接近です!」
「後ろから12m級接近しています!」という付け加えで、精鋭班の気持ちは淡い希望から更なるどん底へと落ちていく。リコさんと髭もじゃは撤退を求め、エレンを置いていくことを進言する。
エレンを放置する声にミカサがイアンさんを睨みつける。さもないとお前を殺すとでも言わん様で、やっぱ怖ぇよアッカーマンまじで…
先の展開もさっきのメモで粗方覚えてる。ここからは遊撃担当の俺が行くか
「イアンさん、俺は前扉の2体を倒してきますので!」
「ま、待て!無許可で行動を…!」
その場を離れて前扉の巨人に向かう。壁にアンカーを刺して壁沿いを移動していく、視線の端に壁の上を走っていく黄色い何かが見える。頼んだよアルミン。
前扉の巨人を2体討伐し終え、周囲を見渡す。大岩と離れた壁の端に巨人が多く集まっているのが見えるが、そこ以外にも巨人は周りに散らばっている。慣れない死臭にも気持ち悪さを感じてしまう。やべぇゲロりそう。
「も、もう倒しちまったのか…ってお前、大丈夫か!?」
近づいてくる立体機動の音で横を見ると、ミタビさんが近づいてきた。どうやら加勢しに来たようだ。
「か、加勢感謝します。大したことでは無いですが死体と硝煙の混ざった臭いが慣れなくて…」
するとミタビさんは髭を触りながら周囲の状況を見て言う。
「それに関しては同感だ、硝煙には慣れているが死臭はオレだって慣れねぇ。気張っていくぞアービス!」
背中を叩いて励ましてくれる、優しい人だ。だが、
「ありがとうございます…ただ俺には1人で戦わせて欲しいです」
勿論嫌いだからではなく、1人の方が他人を想定しなくて済むから戦闘に集中できるからだ。予想してなかったのか、ミタビ班の方々は少しだけ驚いた顔をするが、ミタビさんはすぐに理解してが口を開く。
「…さっきの動きで十分に納得できるさ、人類の勝利の為だ!行ってこい!…死ぬなよ」
「…っはい!」
そう言って中央部にいる巨人に向かっていく。
ミタビ班と離れて少し経ち、巨人もある程度倒して屋根で一息ついていると、ジャンが地面を走って巨人をおびき寄せているのが見える。だが少し違和感があった。何故あそこまで近づく必要があるんだ?
ジャンは確かマルコとコニーが同じはず、周りを探すと既に上に2人は退避していた。何故あそこまで危険を犯すんだ…まて、ジャンがガス欠になるなんて有り得ない、それにジャンなら立体機動で難なくおびき寄せぐらいこなせるはず…まさか
思い出した…あいつ立体機動故障してんだ!急いでジャンの方に向かうが目の前に巨人が2体襲ってくる。なんとも間の悪い…!
近づいてくる巨人の隙間からジャンを見ると、どうやら部屋に入ったようだが、今はそんなことより目の前の巨人をどうするかだ。
幸いにも今回の作戦では補給班が機能している、ガス欠のままっていうのは考えなくていいだろう。ガスは残り4分の1前後、この2体の討伐で消費してギリギリか…補給する暇があればいいんだが。
思考を目の前の2体の巨人に戻す。幸い7m級は足腰のみが筋肉質で12m級は全体的にガリガリだ、2体とも掴まれたとしても現状の体力では脱出は容易だろうし四肢を切り落とすのも苦労しないだろう。
懸念事項はガス欠のみ。よし、行くか。
屋根を走って12m級に近づく。手を開いて伸ばしてくるのを斬撃で指の第二関節まで切り落とす。
ガスを一瞬だけ強く噴いて眼球向けて二振りで失明させ肩に着地する。すぐに首方向に飛び降り、後ろを向く回転力を用いてうなじを深く損傷させる。
倒れる直前の巨人の背中を蹴って体勢を整え、対面の屋根に飛び移る。
残り一体は7mだが、幸いにも飛び移った建物が高いおかげで不意打ちは避けられるだ──っ!!
突然目の前に巨人が口を開いて飛び込んでくる。
「っぶねぇ!」
ガスを噴射してギリギリ横に転がって難を逃れる。こいつっ…飛んできやがった!あぁそうだ…こいつらの一番の怖さは見た目に寄らない身体能力の高さだ。活発な動きの巨人をあまり見てないから油断してた…
エレンの大岩運びだったり、獣のロングスローだったり、あれは巨人本来の力+7つの巨人の力で成り立っているんだ。もう少し懸念しておくべきだった!今のガス噴射でほとんど使っちまった…
どうする、良くてあと一回、悪くて加速途中にガス切れ。
そして運がいいのか悪いのか…その巨人が軽いせいで、屋根が倒壊せずに原型を保っている。そのせいで俺の眼前に7m級が見つめてきやがる、つまり逃げ道なし。
現在の装備を確認する、刃は装備中含めて三式、ガスは残り一噴射。刃は正直斬撃の腕から予備一式で事足りる。
チャンスは一回、全ての工程でひとつでもミスがあったら為す術なく食われる。
──水滴が落ちる音が聞こえる、汗が頬を零れることにも気にすることができない緊張感が走る。
左足に力を入れ、屋根を強く蹴って巨人向かって加速する。巨人も動き出し、四足歩行で近づいてくる。
双方の距離が縮まっていく。
──────まだだ
────まだ
──今だっ!
装備中の刃一式を確実な距離で巨人の両目に向かって投げる。巨人は怯み、足を止めるが慣性で上体が前のめりになる。
そこを見逃さず、接触直前に最後のガスを噴いて高い高度のバク宙をする。回転中に鞘から予備の一式を装備する。
一回転して目の前のうなじを捉える。
「ハぁぁっっアぁぁぁ!」
腕力だけで思いっきり削ぎ落とす。
うなじを削がれた巨人は脱力し、屋根から転げ落ちていく。
「はぁ、はあ…」
力が抜けて膝をつく。危なかった…ガスは、、もう切れてるな…
「痛っ!」
立ち上がろうとすると左足裏がズキズキと痛みを感じる。久々にやっちまったよ…
一応耐えられる痛みの為無理やり立ち上がりジャンを探す。
あ、いた。
ってなんかあいつ下手じゃね?いつもの余裕のある飛行ではなく、こう、ワイヤーの巻きとかを考慮していない、不慣れな動作だ。
ジャンが突っ込んだ先を見ると、巨人が裏返りながら口を開けて待っている。え?
その瞬間アニが巨人の顎に乗っかってきて重力で下がっていきジャンは終ぞ食われずに済んだ。ん?アニがなんか持ちながらこっち来るぞ?
「ほら、替えのガス。さっきので…ってなんで泣いてるの…」
目の前に女神がいる。
「…?どっか痛めたの?」
傷の有無の確認もしてくれるのか!?これを素で?まじ!?
「あ、あっ、アニィィィィ!」
つい感極まってアニの胴体に抱きついてしまう。
「ちょっ…!いきなりどうしたんだよ!ていうか早く離れなよ!?」
あぁ……!こんな優しい子が好きで人殺してるわけないじゃん!なんでこんな簡単なことに気づかなかったんだよっ…きっと補給拠点での心配だってただの善意に決まってるじゃんっ…俺のバカ野郎!
「うぅ…ごめんよぉアニィ…」
「謝るんだったら早くガス替えして離脱しなよ!」
あ、それもそうだな。感情的になるとつい周りが見えなくなる、いかんいかん。ガスを取り替えて少し噴射させて確認する。うん、大丈夫そうだな。
「…さっきはごめん。アニが居なかったら今頃死んでた、多分一番危機を感じた」
アニは少しそっぽを向いて頬を赤らめて言う。
「いいよ別に…アンタも命知らずだね、ほぼガスなしで戦うなんて」
返す言葉が見当たりません、何故でしょうね、ガス噴きの才能がゴミだからですかね。
「まぁいいや、アンタも離脱するの?」
「いや、エレンの護衛につかないとだから行ってくる」
「……そうかい、気をつけなよ」
「ありがとう、行ってくる」
別れの言葉を言ってエレンの元に向かう。
「……………」
「ミカサ!」
道中ミカサに会いそのまま合流する。こいつずっと戦ってたのか?
「っ!セラス、そっちは大丈夫だった?」
「何とかな、ミカサの方こそガスは大丈夫なのか?」
流石に補給しないとやばくないか?
「うん、まだ半分残ってるから大丈夫」
……マジで?どんだけ効率高いんだよ。これだからアッカーマンはよぉ、規格外だわー、やっぱ関わらんとこ。
怖いとはいえ巨人よりかは安心するのはお約束、にしてもさっきまでずっと単独だったからか、実力者と一緒にいると張り詰めた緊張が一気に解き放たれて…頭いてぇ。
この後ってなにあった?というかちゃんと原作通り続くのか?もし辿る結果ではなかったらどうする?どう対処する?
「っ!セラス危ない!」
「へ?あぁぁぁぁぁっ!」
足を巨人に掴まれ体が逆さまになる。あ、やばい。
「ハッ!」
咄嗟に反応したミカサが指を切ってくれて脱出する。体勢を整えて屋根に着く頃にはミカサがトドメを刺していた。
「…セラス。」
近くに来られてミカサに肩を揺さぶられる。
「セラス、ここは戦場。油断したら死ぬ」
「…ごめん、ずっと張り詰めてたからかなり油断してた。気をつける」
「うん、気をつけて。早く行こう」
そう言ってエレンの方へ近づいていく。
──瞬間
ズシンッ
大きな地響きが聞こえる。エレンがいる方向を見ると、大岩が蒸気とともに動いていくのを目撃する。
やっと起きたか、エレン。
……………待て?
………………………案外早かったな?
ちなみに最後の早くなった根拠は2つ
1.アルミンがエレンのところまでいく時間が短くなった。(セラスと体力トレーニングをしたため)
2.アルミンの自己肯定感を少し上げたため、キッツによる詰問の時間が短縮された。(勿論後にエレンとミカサはアルミンに原作通りの事を言った為より自己肯定感は上がってる。良かったねアルミン)
原作より5~10分ぐらい早くなっている。やばいですね。
以下評価についての報告です。
「もこそ」さん、評価する際の文字数について、ありがとうございます。僕自身も当初は日間上位に乗るまで、評価がつかないことに現実の辛さを勝手に味わってましたが、知らぬ間に勝手に自身を追い詰めてたただの阿呆という事実を知りました。ありがとうございます!新参者で以前まで読む専だったのでそのような機能を活用しておらず、今日遅れてあなたの評価する際のコメントを見て知りました。もし反映されておらず、自分の意見が無視されているのではと心配させてしまったのでしたら大変申し訳ございません。それと感謝申し上げます。
そしてそんな中、無名な小説に勇気をもってコメントを書き加えてくださった43名の方々へ、あなた方のおかげで日間でも掲示され、より多くの方々にこの文章が届きました。ありがとうございます。
それはそれとして反響が凄くてビビりながら執筆してるので、暖かい感想と評価お願いします!
ヒロインって誰がメジャー?
-
ヒストリア
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アニ
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サシャ
-
ジャン
-
ミーナ
-
ライナー
-
アルミン
-
リコ
-
オルオ
-
(大穴)女型の巨人