こんだけのガスであんな動き出来るわけないだろ!   作:山崎春のご飯まつり

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前回のヒストリア回で出てきた青い花は『勿忘草』です。

あとリヴァイ兵長って性格上、主人公の死生観を嫌悪してそう、特に自分が死のうとも味方を助けようとするところが。



女型の巨人襲来編
15、


 

 

 

 

 

 

 

 

────あ

 

目が覚める。

知らない天井だ。

 

周りを見渡すと、隣にはヒストリアがベッドに突っ伏して寝ている。

目の下には隈ができて、左手は彼女に握られている。

 

「ん~~~~っ、っあたた!」

 

いつもの癖で体を伸ばすが、脇腹が痛む。

筋肉痛の3倍ぐらいの痛さで少し顔をしかめる。

 

「ふぅぅ…よく寝た」

 

自身の体を見ると、全身が包帯まみれだった。

だが巻かれた包帯があまり汚れてないことから、彼女の献身的な介護のおかげだとわかった。

 

 

あれからどんくらい寝てた?

 

時系列が分からない以上、下手に行動するのは嫌だしなぁ。

あと体痛てぇし。

 

近くの机には俺の私物がある。痛む体を伸ばして、どうにか手帳を掴んでこちらに持って来て開く。

 

 

ふむふむ、あー、エレンが裁判かけられるのか。

 

…やばくね?

あ、続き書かれてある。

どれどれ、兵長の足攻めありっと。…よし行くか。

 

だがその前にまずはこの握られた手を退けなければ。

 

彼女の手首を握って、握られたもう片方の手から遠ざけるように移動させる。

 

…………あれ?

 

 

 

 

だが動かなかった。

 

もう一度試みる。

だが動かなかった。

 

……………お前も?

いや待て、オデノカラダハボドボドなんだ、筋力が下がってるのは仕方ない。

そう、仕方ないんだ。

 

 

現実を受け入れられず、どうにか逃げ道を創造して自身の無力さを否定した所で

 

「はぁ……起こすか」

 

寝てほしかった気持ちを押し殺して、肩を揺らす。

 

「クリスタ?おーい、起きろ?」

 

 

少し肩が震わせ、ムクリと頭をあげて目を開ける。

そして、こちらを見て目を見開いては口を開く。

 

「セラス…?」

 

「はい、セラスでございm 「っ…バカっ!」 ブッフォォォ!」

 

急に突進される。ま、待ってそこ肋骨ぅぅ!!

 

「なに、勝手に……勝手にこんな目にあって……っ!死にかけてっ!」

 

「お願いだから……私を置いて消えようとしないでよ……!やっと見つけたのに…やっと………やっと見つけてくれたのに……!」

 

 

胸に顔を押し付けて泣く姿はまるで何かに縋る様子だった。

 

おそらくまだ自分で自分を支えることができないのだろう。王政復興で親との因縁を断って初めて自身を認められるまで、弱音吐かせて毒抜きしておくか。

……フグかな?

 

まぁ、それはそれとして無理をしない理由にはならないんだけどね。目的の為だから仕方ないんだよ、許してくれ。

 

 

今はとりあえず、肋骨部分が痛い。

 

 

 

 

 

 

 

暫くして、

背中をさすって安心したのか、寝息が立つ音が聞こえてきたため、ゆっくりとベッドに寝かせた。

顔を見たら目元は泣いて赤いし、隈で黒くなってててメイクで失敗した人みたいだった。

 

すぐ横の壁にかかってたズボンと兵団服を見つける。恐らくこれもヒストリアだろう、ありがたい限りだ。

 

感謝を噛み締めながら病人服を脱ぎ、先程の服に着替える。一応動いた時に血が滲んで汚すのは嫌なので、包帯は巻きっぱなしにしておく。

 

ベッドから降りて自分の足で地面に着く。

うん、歩く度に痛みはするが大丈夫そうだな。

どちらかといえばさっきの突進の方が響いている、主に肋骨に。

 

腕はまだギプスがあって袖を通せないので、兵団服は羽織るようにして医務室を後にする。

 

 

審議所ってどこなんだ?

というかまずここはどこなんだ?

 

呆然と歩いて周囲を見渡す。

あっ!あの馬面は………ジャン!

 

「ジャン!」

 

「おまっ!セラス!?もう大丈夫なのか!?」

 

歩きながら向かうこちらに対し、あちらは駆け足で寄ってくる。

食い気味だなぁ、照れるやろガイ。

 

「唐突で悪いんだけどさ、俺って何日ぐらい寝てた?」

 

「…はぁ?マジで突然だな……ったくお前なぁ、折角心配してやってんのに本当に調子狂うぜ。」

 

やれやれと言いながら少し笑みを浮かべてる。

全く素直じゃないやつめ。

 

「…あの作戦でお前が意識を失ってから優に10日は過ぎてる。大変だったんだぞ?」

 

「と、十日!?」

気分としては休日に寝過ごした気分なんだけどなぁ…

俺の様子を呆れ顔で見てくる、照れるだろ。

 

「……というか、何が大変だったんだ?人手不足とかか?」

 

「それもそうだが…お前1人ぐらい居なくなったところで対して人手は変わんねぇよ」

 

あら!私はなんの役にも立たないって言うの!?

「…じゃあ何が大変だったんだよ」

 

「…クリスタだよ。血だらけのお前の姿を見て茫然自失な状態が続いたんだぞ?」

 

まぁ…さっきの様子から何となくイメージはつくけど。

「クリスタ1人でそんなに大変だったの?」

 

「馬鹿っ、クリスタだから大変だったんだ。あいつが普段から雰囲気を良くしてたおかげで、周りの士気が安定してたが…」

 

「クリスタをそうさせたお前が原因でもあるんだぞ?」と、付け加えて言ってくる。

 

……もしかしてやらかしたか?

少し気持ちを軽くさせてやりたかっただけなんだが………まぁ大丈夫か。

 

「アニやミーナも気落ちしてたしな。けっ!モテて羨ましい限りだぜ……」

 

「何言ってんだジャンは……まぁ、とりあえずクリスタは医務室で寝かせてるから、ユミルに会ったら介護するよう言っといて」

 

「は?つかお前は包帯だらけの体でどうするんだよ?」

 

審議所

 

「はぁ??」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

はぁ…はぁ…どうにか着いたぞ……審議所。

ここまでめちゃくちゃ時間かかった。

 

ジャンに"今日がエレンの審議だ"って言われた時は改変レベルに焦ったからな、無事着いて安心してる。

 

 

さて、この扉かな。

 

 

「おい!貴様!ここで何をしている!」

 

扉に手を触れようとしたら1人の憲兵が駆け寄ってくる。

 

 

「はっ、104期訓練兵、セラス・アービスです。エレン・イェーガーの此度の審議の証人として、遅れながら、馳せ参じました。」

 

念の為自己紹介をするが、反応が悪い。

 

 

「……お前は今回の証人として呼ばれていない、立ち去れ。」

 

 

「…?俺はトロスト区奪還作戦において、ミカサ・アッカーマン、アルミン・アルレルトと共にエレン・イェーガーの護衛に当たっていました。」

 

 

「……だが呼ばれていないんだ、諦めろ。」

 

 

「そんなわけありません、防衛戦の報告書に俺の名前が書かれているはずです。アッカーマンとアルレルトと同様に呼ばれているはずです」

 

 

「…っ、一介の訓練兵が憲兵に楯突くんじゃない!怪我人に手を出せない我々だと思っているのか?」

 

 

「………それは単にあなたで情報をストップさせてるだけなのでは?」

 

 

おそらくイアンさん達もいるはず。それで俺が呼ばれてないのはまずありえない。

 

ということは…招集にかかっているが、憲兵に有利に進めたいためにこいつ独自で情報統制してるか、それとも………

 

 

「……あぁ、報告書、見てないんですね。憲兵になったからって弛みすぎでは?」

 

 

「……っ!こいつ!」

 

正論を言われてプライドが傷つけられたのか、拳を振りかざしてくる。

 

 

「待て!お前たち何をしている!」

 

2人目の憲兵が静止させようと声を張り上げる。

だがもう遅く、拳は俺の頬に当たる直前で、身体ごと頬が後ろに下がった。

 

 

ドン!!!

 

 

背中で扉を押して中に入り、思惑通りになる。

演出をするため、受身を取りながら殴られて吹き飛ばされるフリをする。

 

 

 

「!何事だ!」

 

 

その結果。大衆の目に映るのは、

手を振りかざした余韻が残っている憲兵と

それを受けて倒れていると思われる怪我人。

 

 

「「「セラス!?」」」

 

その重なる声をバックにわざとゆっくり立ち上がり、"私食らってますよ"という演技を見せる。

 

 

「……君は誰かな?」

 

裁判における最高裁判官の位置にいる白髪のご老人。変人のダリス・ザックレー総統が声を掛けてくる。その問いかけに答えるように、ギプスをつけてない方で敬礼をし、自身の立場を伝える。

 

 

「はっ、104期訓練兵、セラス・アービスです。エレン・イェーガーの此度の審議の証人として、遅ればせながら、馳せ参じました。」

 

 

総統は、手元の資料を確認して告げる。

 

「アービス君、だね?君は確かに此度の報告書にはイェーガー君の護衛として、殿を務め、巨人討伐に貢献したと書かれている」

 

「私の方でも証人として呼んだはずだが、確か君は意識不明の重体ではなかったか?」

 

 

「はっ、先程起きまして、同期の知らせで見届けに来ました」

 

「先程とはっ………ふむ、まぁいい。結論を出す上での参考材料が増えるのは私としてもありがたい。今回の無礼は、報告書に書かれた君の防衛戦での功績で無かったことにしよう、証人の位置に移動したまえ」

 

 

「…はっ、ありがとうございます」

 

えぇ…めちゃくちゃ優しいし融通利くじゃん…ズレた感性じゃなかったらジャンの次に好きになりそうだゼ。

 

 

「それと、そこの憲兵。罪の疑いのない者への暴行は認められない、連れて行け」

 

「い、いや!俺はやっていない!そいつが!」

 

「構わん、連れて行け」

 

 

 

前言撤回、めちゃくちゃ怖いわ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アルミンとリコさん達のところに合流する。

 

「お、起きたのk「それは後で説明するから」う、うん…」

 

 

俺の姿を見て興奮しながら声を張り上げるアルミンに被せて制止させる。犬かな?

 

エレンがこちらを変な目で見ている。気味が悪いので、ジェスチャーで前を向けと送りザックレー総統の方へ向かせる。

 

 

「コホン。少し中断が入ってしまったが、審議を再開する。両者、問題ないかね?」

 

「「はい」」

 

調査兵団団長及び、憲兵団支団長が了承し、審議が続行する。

 

 

 

 

 

 

──────────

 

──────

 

──

 

どうやら、今はミカサへの巨人化直後の攻撃についての議論のようだ。

…長らく聞いてると足に疲労が溜まってくる、やっぱり治りかけで来るべきじゃなかったか?

 

 

突然大衆がこちらを指さして言ってくる。

 

「あいつもだ!」

「人間かどうか疑わしいぞ?」

「そうだ!」

「隣にいるあの男もイカれてやがる!」

「普通起きてすぐ来れねぇよ!」

「念の為解剖でもした方が……」

 

おい誰だイカれてるって言ったやつ

 

 

「違う!!」

「ィ、イヤ……違います」

 

「オレは化け物かもしれませんが、ミカサとセラスは関係ありません。………無関係です」

 

 

 

「大体、あなた方は…巨人を見たことも無いくせに何がそんなに怖いんですか?」

 

 

 

「力を持っている者が戦わなくてどうするんですか?生きるために戦うのが怖いって言うのなら力を貸してくださいよ!!」

 

 

 

「この……腰抜け共め…」

 

「いいから黙って!全部オレに投資しろ!!」

 

 

 

憲兵が銃を構える。

すぐ横から、エレンに近寄る小さい影が視界端に映った。

 

 

ドゴッ!

ゴスッ!

 

ガシッ!バキッ!

 

リヴァイの足がエレンに突き刺さる、めちゃくちゃ痛そう。

 

 

「これは持論だが、躾に1番効くのは痛みだと思う」

 

 

「今お前に一番必要なのは、言葉による教育ではなく教訓だ。しゃがんでるから丁度蹴りやすいしな」

 

 

そう言って、審議所は瞬く間に人の打撃音が連続して響き渡る地獄の部屋と化す。

 

…画面で見るとそうでもない記憶だった気がするけど、目の当たりにするとかなり絵面やばいなこれ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後エルヴィン団長の提案で、エレンは原作通り次の壁外調査での功績を条件に一時的に調査兵団の預かりとなった。

 

 

 

審議が終わり、別室にて

エレンと団長含む、ハンジさん、ミケさんといった調査兵団の幹部が一部屋に集まっていた。

 

 

 

 

何故か俺も一緒で。

 






多分次ぐらいから壁外調査だと思うんでよろしくお願いします。

あと効果音のフォントで特に打撃音、斬撃音なんですけど、オススメあったら教えてください。


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ヒロインって誰がメジャー?

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