こんだけのガスであんな動き出来るわけないだろ! 作:山崎春のご飯まつり
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Sideアルミン
初めて会ったのはまだシガンシナ区の壁が壊される前の時だった。
あの時僕はいじめっ子達に追われてた。逆恨みみたいなものだった、いつもミカサやエレンの後ろで抗弁垂れる姿が気に食わなかったのだろう。でもそんな姿僕だって嫌いだ。2人に守られるだけの自分が大嫌いだった。
どうにか追跡を逃れて川沿いを歩いていると、ここら辺では珍しい黒髪黒目の、僕やエレンぐらいの歳の子供がいた。けど、その時してた顔は今でも印象に残っている、エレンみたいな憎悪じゃなくてもっとこう…諦めのような感じだった。定かではないけど、決して僕らの年齢でしていい顔ではなかった。
気づいた時には既に彼に歩み寄っていた。僕の顔を見た時に酷く驚いていたけど、すぐに平静を取り戻していた。
僕は恐る恐る質問をする。そしたら彼は僕に優しいと言ってくれて、今まで引きつっていた顔を綻ばせた。その言葉と仕草が嬉しかった、今まで守られる側で何も出来なかった僕が誰かの役に立てた事実がこの上なく嬉しかった。
いつも周りに助けられてるから役に立ててる自信がなかった。だから自分には何も無いと感じていた。けど、彼の言葉が少しずつ僕の雲がかった気持ちを晴らしてくれた。
頭も撫でてくれた。頭に置かれた手は温かかった、お父さんとお母さんが死んでからおじいちゃんしか頭を撫でてくれなかったから、恥ずかしい気持ちもあったけど不快ではなかった。
その時複数の足音が聞こえた。身に覚えのある顔つきでこちらに近寄って来て本を奪おうと手を伸ばしてくる。以前いじめられた記憶に、自分は弱者なのだと自覚させられる。恐怖による震えが止まらず無意識に彼の裾を握ってしまう。
彼はその手を制止させ、そのいじめっ子を蹴り飛ばした。衝撃的すぎて驚きを隠せなかった。けど彼の晒された足が真っ赤に腫れてることに気づいて血の気が引く気分を覚える。先程の驚きはとっくにボクの心の中になりを潜めていた。
えっ、死ぬ?いや、人はあの程度では死なない。けどすごく痛そうだ。ど、どうしよう、ボクのせいだ。ボクが手を煩わせたから。…イェーガー先生だ、あの人なら治せるかもしれない。
ぼくはそのことを提案したが彼は間髪を容れず拒否をして足を引きずりながらそそくさと帰ってしまった。イェーガー先生はシガンシナ区問わず腕の高い町医者として有名だ。拒否する理由がない。そんな考えが脳裏を過ぎるがそれ以上に、提案を拒否されたことが心に残ってしまった。
そう感傷に浸ってると後ろから聞き覚えのある2人が聞こえる。そういえば彼の名前を聞きそびれた。また会えるといいけど
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次に彼に再会したのは訓練兵時代の訓練中だった。僕も結構伸びた方だと思うが、彼は僕より頭1つ大きくなっていた。恐らくエレンと同じか少し大きいくらいだろう。
彼の名前はセラスというらしい。昔の件で改めて感謝をしたらおあいこだから気にするなと言われた。彼は最初から僕を対等な相手として見てくれていたんだと心が温かくなる。
訓練兵になってから、昔助けてくれたエレンやミカサに座学で少し恩返しができた。自覚はないだろうけど、結果的に僕に自信を持たせてくれたセラスには感謝してもしきれない。一緒に過ごした時間こそ少ないが、今の僕がいるのはセラスのおかげでもある。彼は既に僕の中ではエレンとミカサと同じくらい大切な存在になっていた。
だから彼が頭から血を流して倒れた時、自分の中の何かが割れそうになった。
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というわけでやって来ましたトロスト区。ゲームと違ってかなり広い印象がある、商店や雑貨店も多く賑わってるイメージが強い。
ただ、その分宗教活動も多い気がする。やはり心の支えである壁の崩壊は宗教の拡大を促進させるらしい。
知的生命体が生態系の頂点じゃないとこういう結果に成りうるのは興味深い。自分よりも上な存在がいると不安が募り、その不安を解消するために架空の存在である神などに縋る。
そう考えると俺もある程度展開が見えてなかったら当初以上に絶望してると思う。記憶あってよかったぁ。
そう考えながら歩いていると、アルミンの言う通りコニーとサシャ(通称バカップル)と遭遇した。
「あ、セラスではないですか!奇遇ですね」
「お前も街探索か?」
「あぁ、じっとするのは苦手でね。"も"ってことは2人も?」
「はい、我々は田舎育ちなので、こういう賑わってるところには前々から興味があったんです」
「セラス、お前も一緒にどうだ?人は多ければ多いほどいいからな!」
…まぁ、狩りを教わって肉食いたいし仲良くなっとくか。
「じゃあ同行させてもらうよ。2人は行きたいところでもあるの?」
「それがよぉ、全く見当がつかねぇんだよ」
「はいぃ、先程から歩いて見たりしてますが、何を取り扱っているのかとか、よく分からなくて」
まぁそうなるよな、事前情報もなく散策できたら適応能力の天才だよ。
「でも俺も初めて来たから、無理に楽しもうとせずに今日は散策だけでいいんじゃない?」
2人はハッとしてこちらを指して、
「それもそうですね、何故私達はそこまで急いでいたのでしょうか?」
「そりゃお前がバカだからだろ?」
「それを言うならコニー、あなただってバカでしょう?」
こいつらほんとに仲良しだなぁ。
街を散策してるとジャンに遭遇する。最近関わる機会が多いな。同行してた2人がニヤニヤしながらジャンに近づき、
「おぉ、ジャン坊ではないですか?」
「あははっ!よっ、ジャン坊!」
「うるせぇ!その名前で呼ぶんじゃねぇよ!」
「もうっ、水臭いですね!ところで、お母さんの手紙、ちゃんと返事は書いたんですかぁ?」
「…っ!どこから知ったんだよ!てかお前には関係ないだろ!」
「あ、そうだ…セラスっ、ジャンの"あの話"を知っていますか?」
サシャが笑いを堪えながら言う。
「ジャンが部屋にいて、お母さんがドアを開けたら…もご!」
「言いふらしてんじゃねぇよ!この芋女!オイ、セラス!こいつが言ってるのは全てデタラメだからな!ぜってぇ信じるんじゃねぇぞ!」
「お、おう」
聞き出すにはもう少し時間と好感度がいるようだ。本当になんだろう。
ジャンと解散してしばらく。3人で帰路を辿ってると、当初の目的を思い出す。
「そういえばサシャは狩りが得意なんでしょ?機会があったら教えてくれ」
「狩りに興味があるんですか!?もちろん、任せてください!」
「そういやサシャって代々狩りの家系だっけか?食って行けるのか?」
「それが、最近は獲物が取れなくなってきて…これもよそ者が、獲物を横取りするからやし!会う機会があったら絶対締めたる!…はっ」
「サシャなんだその喋り方?」
「あっ…いや、これは違くてっ」
「訛りでしょ?よくあることだよ」
大阪弁とか、外国だって地域によって発音が変わったりするし。
「いや、でも…」
「隠す必要は無い、というか周りの目を気にしすぎだよ」
「っ…!」
「無知は罪じゃないよ。知らないことはこれから知っていけばいい。少なくとも俺やコニーの前では自然体でいてほしい」
「そうだぜサシャ。お前はバカなんだからそんな難しいこと考えんなって」
慰めの言葉なのだろうか…まぁコニーなりに考えたなのだろう。それを聞いたサシャは悩みが取れた顔ではにかんだ。
「サシャはその顔の方が可愛いよ」
「か、かわっ…!も、もうやめてくださいよっ!」
何故か顔が真っ赤になっている。可愛いはそこまで恥ずかしい言葉だろうか、まぁ彼女できたことないし、この時期では恐らく恥ずかしいのだろう。謝っておくか
「ごめん、配慮が足りてなかった。次から気をつける」
「えっ?い、嫌って訳じゃなくて…その、あまり言われたことなかったので…」
?どっちなんだ?嬉しいのか?
「何言ってんのか全然聞き取れねぇし、変なサシャだな。なぁセラス、ほっといて帰ろーぜ」
「…それもそうだな」
「…あっ!ちょっと待ってくださいよー!」
置いてくと後ろからサシャが慌てながら追ってくる。それを見た俺とコニーは思いついたかのように笑いながら顔を合わせ、一斉にサシャから逃げるように走り出す。傍から見れば鬼ごっこだろう。
この楽しい束の間の休息がずっと続けばいいのに。
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次から話が一気に進みます。
多分卒団間近の話から始まると思います。
あと後述で申し訳ないですが、
バカップルというのは「バカ」の「2人組」略してバカップルなので、男女の恋愛を表現したわけではありません。
恐らくこの小説を読んでくださる方は本編履修の方が多いと思いますが、念の為付け加えさせて頂きました。
あったけぇコメントと評価待ってます!
ヒロインって誰がメジャー?
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アルミン
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リコ
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オルオ
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(大穴)女型の巨人