こんだけのガスであんな動き出来るわけないだろ!   作:山崎春のご飯まつり

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すいません、遅れた自覚はあります。待っていた方がこれを読んでいたのなら、お待たせしました。

主要キャラの心情描写と進撃の巨人の内容の深堀りをして、なるべく頭の中で解像度をあげてました。


8、

 

 

 

あれからもうすぐ3年が経つ。この3年間を思い返すと、沢山の人に助けられた。馬術や対人格闘ではクリスタとアニによく助けられたし、座学ではマルコやアルミンによく教えてもらった。

 

だが立体機動の、特にガスの節約は上手くいかなかった。ジャンやコニーにコツを教えて貰っても斬撃と合わせるとタイミングが合わなくなってしまう。2人とも最後まで教えてくれてはいたが、その努力は実を結ばなかった。ガス節約の才能ってなんだよ。

 

けど、決して無駄な3年間ではなかった。体も鍛えて力加減を覚えれてきた、頑丈になったので前ほど大きな怪我はしなくなった。

 

明日の卒団式以降物語は大きく動き出す。そこから暫くの間安寧とは程遠い日常を送るだろう、モブとして死ぬかもしれないし、登場人物以外の知り合いが食われる所を目の当たりにしてしまうかもしれない。

 

覚悟を決めた以上進むしかない。だが束の間の休暇も大事だと思う。今日の休養日はコツコツ貯めたお金でちょっぴり贅沢するか!

 

とは言っても1人は寂しいな、誰か誘うか。アルミンは…確か幼馴染の2人と過ごすって言ってたな。アニは1人が好きっぽいし、ジャンは…ないな。

……あ、今のうちに王女に媚び売っとくか、馬術で世話にもなったし。

 

「というわけで、一緒に遊びに行かない?」

 

「?よく分からないけど、私も見たいものがあったんだ。よろしくね」

 

笑顔で答えられ、その神々しさに意識が飛びそうになる

 

「…ついでにユミルも誘っとくか」

 

別に、2人だと話が続かないとかじゃないからな、一応あいつにも助けられた、座学のサボり方とかだけど…

 

「ユミルも?…ん~、来るかなぁ?」

 

 

 

 

 

 

 

「あ?出かけようだぁ?なんでお前なんかと…」

 

「クリスタも来r「早く行くぞ」食い気味だね…」

 

「私が行かなかったらお前ら2人で行くつもりだっただろ?私が生きてるうちはクリスタに男一匹近づけさせねぇからな」

 

「俺をなんだと思ってるんだよ、クリスタは馬術関連で世話になっただけだ」

 

「はっ、どうだかな」

 

「もう!ユミルもそんな喧嘩腰でいたらこれからのお出かけが台無しだよ!ほら、そんなことしてないで行くよ!」

 

そう言ってユミルと俺の手を引いて前を歩いていく。流石のユミルもクリスタには敵わないらしい、今ではさっきの言い争いが嘘かのようにクリスタにデレデレである。だがこちらに対しては無言の圧力を感じる。解せぬ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

街を歩きながら話していると、どうやらクリスタは新しい髪留めが欲しいらしい。というのも訓練中に落として壊してしまったとか、それを聞いたユミルに半ば強引に目的地を雑貨屋に変更させられた。

 

「本当に良かったの?誘ってくれたのはセラスなのに…無理にユミルの言うことに賛同しなくていいんだよ?」

 

「街をぶらぶらして気になった店に行こうとしてただけだから、目的を作るのは歓迎だよ。クリスタは気にしないで」

 

「そうだぜクリスタ?てかセラス、お前予定もなくクリスタ誘おうとしてたのか?だからモテねぇんだよ」

 

「…」

 

「言い過ぎだよユミル!セラスは素敵な人だよ、確かに今居なくても将来絶対素敵な人が現れるはずだよ!」

 

…天然のたまに吐く毒ってなんでこんな痛いんだろ。無自覚がかなりくる。

 

「…まぁ、なんだ、言いすぎたよ。元気出せよ」

 

「こういうところで気遣うのはやめてくれ…」

 

「?」

 

 

 

 

 

 

 

 

雑貨屋で、俺はクリスタの隣で髪留めの選別に協力していた。どうやら戦闘に支障が出ないものを探しているらしい。ちなみにユミルは見たいものがあると別行動してしまった。

 

「うーん…何がいいかなぁ。装飾が大きすぎるのも危ないし、だからといって質素過ぎるのもなぁ」

 

しっかり悩んでいるようだ。見た感じ青い花の装飾が施されている髪飾りが気になってるらしい。あるよね、目的の物を買おうとしたはずが目的外の物が気になっちゃうの。

 

「よしっ!これに決めた。これをこうして…っと、どうセラス?似合ってる?」

 

選んだのは花が少し装飾されたヘアゴムらしい。どうやらあの青い花の髪飾りは断念したようだ。

 

「うん、機能性もバッチリだし、小さい装飾の花の色が金色の髪と合ってていいと思うよ」

 

「良かった!じゃあ買ってくるから少し待っててね」

 

そう言って会計に駆け出して行った。だが去る直前に名残惜しそうにあの髪飾りを見てた気がする。…さて、俺も何か買おうとするか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

買い物が終わり、ちょうどユミルとも合流ができた。けどあいつは頑なに何をしに行ったのか教えてくれなかった。

 

「今日は久々に買い物が出来て楽しかったよっ、誘ってくれてありがとうセラス!」

 

「クリスタの可愛い所が見れたからな、いい働きをしたよお前」

 

「クリスタは勿論、ユミルにも一応助けてもらったことがあったからね。はいこれ、お礼」

 

2人に紙袋を渡す。

 

「へ~?粋な計らいだな。もしかしてさっきの言葉がそこまで効いたのか?」

 

「もうユミル、せっかく渡してくれたんだから素直に感謝を伝えようよ!ありがとうセラス、今見てもいい?」

 

「もちろん」

 

そう言うと彼女はおもむろに紙袋を開き、中の物品を見ると動きを止め、こちらと紙袋の中を交互に見てから口を開く。

 

「えっ…これさっき見てた髪飾り…気づいてたんだ」

 

紙袋から取り出したそれは5本の青い花の装飾がついた髪飾り、先程の雑貨屋で彼女が見てた物だった。間違えてなくてホッとした。

 

「けど、これすごく高かったし、それに…私はそこまで大したことしてないよ」

 

「死んだら金なんてただの金属に成れ果てるんだ、生きてるうちに使った方がいいだろ?それに馬術は俺にとっては必要なものだった、使えなければ死活問題だったからすごく助かったんだ」

 

「…私よりできる人も沢山いたし、そ、それに最後まで頑張ったのはセラス自身だよ」

 

「あの時クリスタが声をかけてくれなかったら今の俺はいなかった、あの時声をかけてくれた君だから恩返しをしたかったんだ」

 

「っ…あなたは、私の事そう思ってくれるんだ…あっ、ご、ごめん!別に嫌ってわけじゃないの!ただお礼をされる覚えがなかったから気になっただけで…」

 

「いや、俺も貰う側の気持ちを汲んでなかった。お互い様だよ」

 

「ふふっ、お互い様だね」

 

そう言ってクリスタは髪飾りに目を向ける。

 

「…この髪飾りの花、小さい頃に誰かと一緒に採ったのを思い出して…懐かしくて」

 

 

 

…消された記憶、か。今のクリスタが模倣してるのは、確かその女性だったな。まぁ、記憶にない以上無意識下なんだろうが。

 

「気に入ってくれた?」

 

「うん、ありがとう、セラス。今までで一番嬉しい!」

 

屈託のない笑顔でそう言ってくれた。おそらくここ最近ので見た中で一番人間味のある笑顔だった。願わくば、この時だけは心に従った笑顔であることを祈るばかりだ。

 

 

 

 

 

 

「おい、私を置いてクリスタとイチャイチャとはいいご身分だなぁ?セラス」

 

「「あ」」

 

完璧に忘れていた、雰囲気に溶け込むのがお上手なこと。というかクリスタも忘れてなかった?ハモってたよな?

 

「なんか変なこと考えてねぇか?ったく、で、これはどういう意味だ?」

 

紙袋から出したそれを俺に見せてくる。

 

「?指輪にしか見えないだろ?」

 

「私に指輪なんて渡してどういう意味だって言ってんだrってクリスタ…?」

 

ユミルの様子が何かおかしい、クリスタに何かあったのか…って怖!何この子!こんな怖い顔する子だった!?

 

「ク、クリスタ?どうかし「なんで指輪なの?」え?」

 

「どうしてユミルには指輪なのかって聞いてるの」

 

「え?」

 

ユミルと顔を見合わせる。どうやら彼女も困惑してるようだ。……まさか男女の指輪だと勘違いしてるのか?

 

「……ユミル、その指輪の表面にある凹凸をゆっくりなぞってみて」

 

「ん?これか?……っとこれは、刃か?」

 

「そ、お前には必要ないかもしれないが、万が一に備えてな。護身用の指輪だ、ここ最近街で流行ってるらしい」

 

「え!?そ、そういうこと?うぅぅ…」

俺の説明を聞いたクリスタは途端に頬を赤らめて顔を下げる。あぁ、そういう事ね?これは確信犯だわ。

 

「クリスタ、嫉妬してるのか?」

 

「えっ!?いやっ、そういうわけじゃなくて!その…えっとぉ…」

 

「大丈夫、大切な人を奪われるのは嫌だもんな?」

 

「セラス…?な、何を言って…」

 

頬を赤くしてじっと見つめてくる。大丈夫だよ、

 

「お前と仲のいいユミルは絶対取らないから心配しないで!」

 

「…………え?」

 

わかるよクリスタ、友達関係でもそうだよな、先に仲良くなったのにいつの間にか自分のいない所で仲良くなってる人とのやり取りを見せられたら少しジェラシー感じるあれ、凄くわかる。…ってあれ、なんか2人とも呆れてね?なんか間違えたか?

 

「……私、セラスのこと嫌い」

 

「…私にとっちゃ上出来だが、やってるよお前」

 

 

 

………え?

 

 

 

ちなみに帰りにご飯奢ったら許してくれました。ユミルは1番高い奴を頼みやがりました。お前は慎みを覚えろ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

───────────────

 

 

 

──今日は訓練兵団解散式、皆が胸を張って列を組んでいる。

 

 

『心臓を捧げよ!』

 

『ハッ!』

 

 

「本日を以て訓練兵を卒業する諸君らには、3つの選択肢がある」

 

「壁の───────」

「────」

「─」

 

 

「無論、憲兵団に希望できるのは今から言う成績上位10名だけだ!」

 

 

発言者がシャーディス教官に入れ替わる。

 

『ではこれより、成績上位10名を発表する。呼ばれた者は前に出ろ!』

 

『10番、クリスタ・レンズ!』

 

『9番、サシャ・ブラウス!』

 

『8番、コニー・スプリンガー!』

 

『7番、マルコ・ボット!』

 

『6番、ジャン・キルシュタイン!』

 

『5番、エレン・イェーガー!』

 

『4番、アニ・レオンハート!』

 

『3番、ベルトルト・フーバー!』

 

『2番、ライナー・ブラウン!』

 

『首席、ミカサ・アッカーマン!』

 

『以上10名────』

 

『ただし、これはあくまで訓練上の成績であり…実戦で能力を発揮できるかどうかは、別の尺度で測るべきものだ』

 

『成績上位に入らなかった者も、よく考えておけ』

 

『自分に何ができるのか、何を為すべきなのかをな』

 

『後日、配属兵科を問う!』

 

『これにて、第104期訓練兵団解散式を終える…以上!』

 

 

10名の発表が終わり、胸を撫で下ろす。下手にターニングポイントを変更したらどうなるか分からない、計画通りに事が進んでよかった。

 

解散式が終わる。これまでの3年間を振り返り、昨日の彼女の笑顔を見て改めて俺の目的を思い出した。

 

 

 

この目的は俺だけにしかできないことだと、異分子の俺にしか変えられないことだと不思議と感じてしまった。

 

 

 

例え、この命が尽きようとも。

 

 

 

 

 






クリスタの心情描写ってかなり深くて、というか登場人物全員深いんですけど、その内にある固まった何かってなんだろうなって調べてました。

改めて読むとめちゃくちゃ面白いのでぜひ原作もしくはアニメをもう一度見ることをおすすめします。

ヒロインって誰がメジャー?

  • ヒストリア
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  • ミーナ
  • ライナー
  • アルミン
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  • オルオ
  • (大穴)女型の巨人
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