ゲマトリア所属の強欲の権化   作:ぬこぱんち

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導かれた衝撃の事実

 

「──勢いのまま、アビドスの借金事情に手を出してしまったけど……大丈夫だよな、僕?」

 

 カイザーの基地から少し距離を置いた場所で、ようやく僕は一息ついていた。深く息を吐きながら、思い出すだけで胃に穴が空きそうな過去の出来事を振り返る。

 

 ──あの時の僕は、冷静じゃなかった。いや、そもそも今まで冷静だったことなんてあっただろうか?そういう意味では、無かった気もするが。

 

 後先を何も考えず、カイザーの基地に足を運んだ理由……心当たりなら、ありすぎるほどある。

 

 まずは昨日の出来事。ゲマトリアの一員にして、隙あらば僕を実験体にしようとしてくる黒服。あの狂人がきっかけで、僕は柴関ラーメンの店に行くことになった。

 

 そこでただラーメンを食べていただけだというのに、突然爆発に巻き込まれ、雲を突き破る勢いで上昇し続け、そのまま宇宙の果てまで吹っ飛ばされかけたところで、今度は重力に従って落下。

 

 ──その後はどうなったかって?

 

「アスファルトに叩きつけられ、銀髪の子……銀鏡イオリから腹部に一発蹴りを入れられ、百人を超える生徒たちに銃口を向けられる始末……ビナーの時よりもある意味ひどい、のか……?」

 

 ……いや、やっぱりあれには敵わないか。

 

 ビナーの時はまだ、強欲の権能の扱いも未熟だった。おまけに、破壊光線のようなビームを真正面から喰らった時のことは、今でも忘れようにも忘れられない。

 

「その後に確か……僕はアスファルトに叩きつけられ、腹部に蹴りを入れられ、百人を超える生徒たちに銃口を向けられ……何だ、僕の命日はもうすぐなのか?このままノミ以下のごとくくたばれと?」

 

 そんなことをぼやきながら、僕は震える手で自分の頬を軽く叩いた。思い出すだけで鳥肌が立つ。仮にそんな状況で、諦めて強欲ムーブを止めてしまったらどうなるのか?

 

 答えは簡単、僕は死ぬ。

 

 それだけだ。

 

「……ヒナには本当に頭が上がらないな」

 

 あの時は本当に助かった。風紀委員の生徒だったからまだマシだったかもしれないが……彼女は、普段はもっと手のつけようのない不良たちを相手にしているんだろう。身体は疲労しないといっても、精神の方はどうだ? むしろ、常に働き続けている分、精神のほうは限界を迎えていたりしないだろうか。 

 

 ……そういった意味では、僕とヒナは似ているのかもしれない。いや、相手はそんな風に思ってないかもしれないけど。

 

「その後は震えながら寝て、いつも通り花たちの手入れしようと思ったらオアシスの水がもうなくて、水を手に入れるためにオアシスに足を運んだらその道中で車に轢かれて、車で暴走する生徒をおしおきしてたらトラックと正面衝突して……ああ、あの子たち、あのあと無事だったのか……?」

 

 特にハルカ。自分の銃で自分の頭を狙うような真似、もう二度としないよな……見ているこっちが心臓に悪いからな。あれは。

 

「……」

 

『金は命よりも重い』

 

 どこかで聞いたことのある言葉だ。金と命を天秤にかけ、その上でどちらが大切なのか……でも、僕は命の方が重いと思っている。

 

 だって、死んだらそれっきりだから。逆に、死んでも死ねないのはもっと嫌だが……命というのは、一つだからこそより大切に扱おうとするもの。そうでなければ、命が軽すぎる物になってしまう。

 

 ……あれ、そんな境遇の人物いたような……気のせいか。

 

「結局、あの子たちと別れてようやくオアシスに行けると思ったらトラックに跳ねられて……オアシスにたどり着いたと思ったら、頭に弾丸を撃ちこまれて……」

 

 ──いや、待てよ?

 

「そういう意味では、僕はキヴォトスに来て何回死んだことになるんだ?」

 

 外に出るたびに強欲ムーブを続けてきたせいで、今までまともに数えたことがなかった。キヴォトスに来て約二年。襲撃や事故の数を合わせたら、すでにとんでもない事になっている気が──

 

「……考えるのを止めるのも、時には大事な事だよね」

 

 嫌な予感がした僕は、考えるのをやめた。

 

 ──その時だった。

 

「"──はぁ、はぁ、待って、レグルスー!"」

 

 背後から、僕を呼ぶ叫び声が聞こえてきた。顔を少しだけ後ろに向けると、なぜか先生とアビドスの生徒たちが、息を切らしながら僕の方へと走ってくるではないか。

 

「……えっ?」

 

 僕は、何かマズいことをしてしまったのか?余計なことでも言ってしまったのか? 

 

 その真相を考える前に、思わず笑ってしまった。

 

「……なるほどなるほど」

 

 ──僕が何をしたって言うんだッ!?

 

 

 

 

 

 ◆

 

 

 

 

 

「"──はあ、はあ、レグルスッ!"」

 

 荒い息を吐きながら、先生はようやくの思いでその背に追いついた。レグルスはすでに基地の外へと歩き出していたが、先生の声に反応し、足を止める。

 

 ──少し前のことだった。レグルスが去った直後、理事は怒りに震え、地面を踏み鳴らすようにして言い放った。

 

『貴様らは早くこの場から去れッ!私からはもう特に用はないッ!』

 

 怒りの矛先は、レグルスに向けられていた。

 

 アビドスからさらなる資金を搾り取れる寸前、土壇場でそれを打ち砕かれたのだから当然かもしれない。彼にとっては、自分の支配計画を阻む厄介な部外者だったのだ。

 

 だが、レグルスはその部外者としての立場でありながら、状況を勝ち戦へと変えてみせた。まるで、それが当然のことのように。

 

 先生の声に気づき、レグルスがゆっくりと振り返る。その目が、先生の視線をまっすぐにとらえた。

 

「……誰かと思えば、君たちだったのか。あれから何もされなかったかい?あの図体だけ無駄にでかいポンコツロボ……失礼、カイザーの理事だったね。さっきは今にも暴れ出しそうなほど、憤怒に支配されていたからさ」

 

 その怒りの火種を作ったのが他ならぬレグルスであるのは明白だったが……この場でそれを咎める者は、誰一人としていなかった。なぜなら、理不尽なのは常に理事の側だったから。

 

「"──貴方のおかげで、この子たちが理不尽な目に遭わずに済んだ。本当にありがとう。感謝してもしきれないよ"」

 

 先生は深々と頭を下げた。

 

 先生として、生徒を守ることが己の責務だと信じて疑わなかった。だが今回ばかりは、どうにもならなかった。大人として、教育者として、あまりにも無力だった自分が悔しかった。

 

「ん、ずっと思ってたけど……レグルスって、やっぱりすごいよね」

 

 シロコがフンス、と鼻を鳴らしながら言う。

 

「銀行の時は銀行員を脅して、市街地では風紀委員を蹂躙して、今回はカイザーをボコボコにした。私も、同じことしてやりたいと思ってたから……正直、スッキリした」

 

 その表情には、素直な解放感があった。長らく押さえ込まれていた感情が、レグルスの行動によって解放された……らしい。

 

『わ、私からも……本当に、ありがとうございました』

 

 ホログラム越しに姿を見せたのは、エルフ耳の生徒であるアヤネ。彼女もまた、先生と同じように深々と頭を下げた。

 

 温和な性格の彼女だったが、あの電話が届いた時は、恐怖と絶望に心を支配されかけていた。それを払拭してくれたのが、他ならぬレグルスだった。

 

「あの時の太陽、綺麗でしたねー☆あんなにも空は曇っていたのに……レグルスさん、弾丸一つであそこまで力を出せるんですね☆」

 

 いつも筋トレに励んでいるノノミですら、彼の一撃には驚かされた。空に向かって放たれた弾丸が、まるで天をも貫くかのように、全てを変えたように見えた。

 

「……なんだか、言葉が出ないわ……」

 

 セリカは、柴関ラーメンを食べに来たあのときの青年が、ここまでの力を持つ人物だったとは想像もしていなかった。彼とアビドスの繋がりの始まりを思い返せば、あの一杯のラーメンこそが発端だったのかもしれない。

 

 ……もっとも、元を辿れば、黒服に渡されたクーポンが運命の分岐点だったのだが。

 

「……」

 

 ホシノは黙ったまま、じっとレグルスを見つめていた。何かを思い出しているようでもあったが、彼女がその胸中で何を考えているのか、知る者は誰もいなかった。

 

 ──先生と対策委員会の面々は、それぞれの想いをレグルスへとぶつけた。感謝、謝罪、そして敬意。様々な感情が、彼に向けられていた。

 

 だが、それを聞いたレグルス本人の反応は……

 

「──勘違いしないでほしいな」

 

「"……え?"」

 

 頭を下げたままの先生が、小さく声を漏らす。レグルスはため息をひとつ吐き、肩をすくめた。

 

「僕は、君たちを助けたつもりはないよ」

 

 レグルスの言葉は、淡々としていて感情の波をほとんど感じさせなかった。まるで、それが最初から当然であるかのように、レグルスは続けた。

 

「そもそも、そんな義務は僕にはないからね。君たちが借金を抱えているって話も、今回ではっきり分かったけど……残念ながら、それは僕には一切関係のないことだ」

 

 静寂が落ちる。レグルスの声が消えたあとも、その余韻は耳の奥に焼きついていた。

 

「"……そう、だね"」

 

 先生が小さく頷きながら答える。その声音には、納得と寂しさが入り混じっていた。

 

 レグルスが言っていることは正論だ。

 

 どこまでいっても彼は他人であり、アビドスに関わる義務など存在しない。

 

 だが……だからこそ、彼の行動の動機が、どうしても気になってしまうのだ。

 

『……あの、それなら、何故あんなことを……?』

 

 先生の代わりに、アヤネが問いかけた。

 

 彼女の言葉は、この場に居る全員の心の中にあった疑問そのものだった。なぜレグルスは、わざわざカイザーローンに電話をしてまでアビドスの危機を救ったのか。

 

 その問いに、レグルスは躊躇いもなく、むしろ当然といった様子で答える。

 

「僕が被害を被り、気に入らなかった。ただそれだけのことさ」

 

「"──"」

 

 先生は、言葉を失った。

 

 確かに、レグルスはカイザーに対して苛立っていたかもしれない。それでも、アビドスにまで関与する理由にはならないはずだった。

 

 ……つまり、レグルスは、カイザーという存在そのものが気に入らなかった。ただそれだけの理由で徹底的に叩き潰したのだ。

 

「だからさ、いつまでも頭を下げるような真似をして、僕を困らせるのはやめてくれないかな?」

 

 少し眉をひそめながら、レグルスはため息混じりに言った。

 

「──この際はっきり言わせてもらうけど、正直、とても不愉快なんだよね。だって、君がそんなことをする必要性なんて、どこにもないんだからさ。それでも僕の言葉を無視して頭を下げ続けるような真似をするのなら……それは僕の権利の重篤な侵害だ」

 

 まっすぐに告げられたその言葉は、ある意味での救いでもあった。レグルスは、先生の謝罪や感謝を否定しているわけではない。ただ、それが『義務』や『責任』によって為されるものであってほしくないと、そう言っているように聞こえた。

 

「"──分かったよ。ごめんね、変な真似をして"」

 

 先生はゆっくりと頭を上げた。先ほどまでの自己嫌悪に沈んだ表情は、ほんのわずかに晴れていた。

 

「そうそう、分かれば良いんだ。物分かりが良いのは嫌いじゃないよ。その点、あのポンコツロボは物分かりが悪すぎたけどね」

 

 先ほどは理事を『ポンコツロボ』と称したことを訂正していたレグルスだったが、今ではそれを訂正することなく言い切っていた。仮にも一組織の理事が、一人の男からポンコツロボと呼ばれる光景は、想像するだけで少し滑稽ですらある。

 

「……さて、もう用は済んだかな?僕はこう見えて忙しい身だ。さっきも言ったけど、この後僕には予定がある。だから、僕はもう──」

 

『──私は、アビドス対策委員会一年生、奥空アヤネと言います!』

 

 レグルスがこの場から去ろうとした瞬間、その言葉を遮って、アヤネが大きな声を上げた。

 

「……は?」

 

 レグルスの眉がぴくりと動いた。

 

 突然の自己紹介に、思考が一瞬だけ止まったようだ。今の流れで名乗る要素など微塵もなかった。それにも関わらず、アヤネは姿勢を正し、まっすぐ彼に向き直っていた。

 

「同じく、黒見セリカといいます!」

 

「十六夜ノノミでーす☆」

 

「ん、砂狼シロコ」

 

「……うへー、おじさんは小鳥遊ホシノっていうんだあ」

 

 アヤネを皮切りに、次々と自己紹介が連鎖する。突然始まった事に、レグルスは目を瞬かせながら、視線を先生へと向けた。

 

「……これは、どういうつもりなのかな?」

 

 その問いかけに、先生は少し照れくさそうに笑った。

 

「"実は、ずっと考えていたことがあったんだ。こうして対面で話す機会ができたら、自己紹介しようね、って。レグルスは度々自分の名前を名乗っていたけど、私たちはレグルスに対して自己紹介をロクにしてこなかったからね。それだと、不公平でしょ?名前が分からないというのも、不便だと思うから"」

 

 レグルスはあちこちで自己紹介を繰り返している。

 

 否応なしにその名前は広がっていき、知らぬ間に知れ渡る。だが、それを知っている側が何も名乗らないのは、あまりに片手落ちだった。だからこそ、先生はこうして一歩踏み出したのだ。

 

「……良い心がけだ。君たちに敬意を払おう」

 

 と、レグルスはほんの少し口元を綻ばせて言った。

 

「知り合いが言うには、そういった語りの形式そのものが、自身のテクストを構成するらしいからね。言い換えれば、それは君たち自身を語る言葉そのものってわけだ」

 

 いつもの調子で難解な言い回しを織り交ぜる。意味はよく分からないが、少なくとも悪い気はしていないようだった。対策委員会の面々は、それで良しと受け取ることにした。

 

「"そして、改めて私からも。私は先生だよ、よろしくね"」

 

 もちろん、自分だけ名乗らないなどということはしない。先生もまた、真っ直ぐにそう名乗った。

 

「……そういえば、ずっと気になっていたんだけどさ。君の名前は『先生』なのかな?」

 

「"……?うん、私は『先生』だよ?"」

 

「……?」

 

「"……???"」

 

 二人の間に、一瞬だけ妙な空気が流れる。互いに首を傾げた。レグルスは疑問を感じ、先生は不思議そうに見つめ返す。

 

 名前の概念がある世界で、『先生』という名前が通るのか……?誰もが一度は思う謎だった。

 

「まあ、気にしなくていいよ。ほんの少し、疑問に感じてしまっただけだからさ……それも、すぐに消える程度の些細な事さ」

 

 レグルスはまた、考えるのを止めた。

 

「……さて、今度こそ用は済んだかな?」

 

「"うん、もう大丈夫。本当に、色々とありがとう"」

 

 先生は穏やかな微笑を浮かべて答えた。伝えるべきことは、全て伝えきったという自負がそこにはあった。対策委員会の面々も同じようだった。ただ、心の中でそれぞれに感謝を抱えて。

 

「……………………」

 

 ただ一人、ホシノを除いて。

 

 彼女だけが、何かを伝えたそうにレグルスを見つめていた。問いかけたいことが山のようにあるのだろう。

 

 ──けれど。

 

「……うへー」

 

 結局、その全てを飲み込むようにして、肩を落とした。

 

 聞きたいことは尽きないが、今はその時じゃない。ホシノは内心でそう結論を出した。

 

「それじゃ、僕はこれで失礼するよ」

 

 レグルスはそう一言だけ残して、対策委員会と先生に背を向ける。機嫌が良いのか、その足取りは軽やかだった。

 

 ──かと思えば、レグルスの足がふと止まり、その視線がある一人に注がれた。

 

「……?あの、なにか……?」

 

 見つめられたのは、セリカ。

 

 突然の注視に戸惑いを隠せず、声を上ずらせながら尋ねる。

 

「──セリカ。あれから身体は大丈夫だったかな?」

 

「…………ぇ?」

 

 思いもよらぬ言葉に、セリカは目を瞬かせた。

 

 あれから、とは。彼が自分の体調を気遣う理由に、思い当たる節はなかったはずだ。

 

「──うん、大丈夫そうだ……それじゃあね」

 

 レグルスはそれだけを告げ右足を上げると、ためらいもなく砂漠の地面へと振り下ろした。

 

「うわっ!?」

 

 靴の裏が砂を打つと同時に、ふわりと乾いた砂が宙を舞い上がり、濃密な砂のカーテンが視界を覆い尽くす。

 

 だが、次の瞬間には風が吹きぬけ、砂は音もなく流れていった。

 

『……居なくなっちゃいましたね』

 

 砂の向こうには、既にレグルスの姿はなかった。

 

 先生はその事実を確認し、軽く息をついた。

 

「"……まあ、伝えたいことは、大体伝えられたかな。皆も、こんな私のわがままに付き合ってくれてありがとう。さあ、アビドス高校に戻って、今後の対策を──"」

 

 彼女はそう言って、対策委員会のメンバーに振り返った……が、すぐに声の調子を変える。

 

「……セリカ?」

 

 その視線の先、セリカは目を大きく見開き、両手で口元を覆っていた。まるで、目の前で信じられないことが起きたかのように。

 

「セリカちゃん、どうかしたんですか?」

 

 ノノミが優しく声をかけ、そっと肩に手を添える。

 

「──え……嘘……でしょ?」

 

 ──セリカの声は、ほとんど震えていた。

 

「セリカちゃん、どうしたのさー。何か悩み事? おじさんが相談に乗るよー?」

 

「"セリカ、どうかした? 私に出来ることがあれば、何でも言ってね"」

 

 ホシノと先生も駆け寄るが、セリカの様子は明らかにいつもとは違っていた。ただの不安や悩みではない。もっと深く、記憶の底から浮かび上がってきた、強い確信のようなもの。

 

「……わ、私が、カタカタヘルメット団に襲われた時に、私を抱えていた人が居て……確か、全身に白い服を纏っていて──」

 

「─────」

 

「"……えっ? セリカ、君は何をいっ──まさか……!?"」

 

 ホシノの顔から笑みが消え、目を見開く。同様に、先生も驚愕の表情を浮かべて目を見開いていた。

 

 先生とホシノの二人は、全く同じことを考えていた。

 

 夜空の上で、セリカが一瞬だけ目を覚ました時に見た誰か。

 

 ──その答えを導くには、十分な材料が揃っていた。

 

「──まさか、私を助けてくれたのって……!?」

 

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