魔王バルドVS勇者セージ ~極悪非道なバーコードハゲ魔王をフサフサ勇者がやっつけるお話~   作:ナオ3

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処女作で色々とおかしな点があるでしょうが大目に見ていただけると嬉しいです。
執筆にはチャットGPTくんに大いに助けられています、アイディアは殆どオリジナルです。


一話 セージ、やがて勇者になる男

魔王バルド・コード。

かつて、世界を闇で覆い尽くした最強の魔王。

その魔王が300年前、全世界を支配したとき——彼は一つの“呪い”を遺した。

 

「二十歳になれば、すべての希望は剥がれ落ちる。」

 

それは、容赦なき頭髪の呪い。

 

男性は二十歳を迎えると、必ずバーコードハゲに変貌し、

女性も同様に、頭頂にうんこヘアーを宿すことになる。

 

「女にバーコードは酷だろう?」

 

そう言って微笑んだ魔王の配慮は、まるで悪意の宝石。

 

男たちは、頭に刻まれたバーコードの数だけ絶望を知り、

女たちは、自由な髪型を奪われ、“うんこ”という名の牢獄に囚われた。

世界が叫び、民が嘆く中——魔王は高らかに宣言した。

 

「お前たちも、私と同じになるがいい。」

 

そう、魔王バルドは自らがバーコードハゲであった。

己のハゲを“絶対正義”とし、世界に押し付けたのだ。

——だがこれは、そんな悪逆非道の魔王に挑む一人の勇者、セージの物語である。

 

 

 

人類の希望(髪)を取り戻すために戦う、若き勇者の物語だ。

 

 

 

300年後——現在。

世界はまだ、魔王バルド・コードの呪いに縛られていた。

男たちは20歳を迎えると、例外なくバーコードハゲに。

女たちもうんこ……いや、髪型的にとてもコメントしづらい感じに。

 

そんな世知辛い時代でも、人々は日常を生きていた。

 

________________________________________

 

 

「おい〜っす、精算頼むぜー!」

 

 

ギルドの受付に、ひとりの青年がやってくる。

冒険者セージ。元気いっぱい、髪もフッサフサ。

今日は魔物退治でガッポリ稼ぎ、ニコニコ顔で受付へ。

だが、受付嬢の表情は冴えなかった。

 

 

「……どうしたんだ?」

 

 

セージが首を傾げると、受付嬢は言いにくそうに目を逸らした。

 

 

「……だって、今日、誕生日なんでしょ?

 明日には……その……」

 

 

「ハゲるって?」

 

 

ズバァッ!!

あっけらかんと返すセージ。まるで気にしていない。

 

 

「大丈夫大丈夫、髪型が変わるだけだって、男は中身よ、中身。」

 

 

強がりには見えない。笑顔にウソはなかった。

受付嬢は何も言えず、黙って明細を渡す。

 

 

「じゃ、また明日な!」

 

 

セージは手を振って帰っていった。

 

 

________________________________________

 

 

 

……静かな帰り道。

笑顔だったはずなのに、街灯の下の影はどこか寂しい。

彼の家には、誰も待っている者はいなかった。

玄関のドアを開けても、ただ静寂が迎えてくれる。

靴を脱ぎ、ふと鏡の前に立つ。

 

 

「……今日が最後か、俺のフッサフサ……」

 

 

髪を撫でながら、しんみり呟く。

それでも、彼は笑った。

 

 

「よし、今日は髪の毛に感謝して、シャンプー3回やっとくか!」

 

 

自宅に帰るセージ。

玄関の扉を開けると、静寂が迎えてくれる。

誰もいない家。

誰も「おかえり」と言ってはくれない。

でも、それがいつもの日常だった。

靴を脱ぎ、ふと廊下の先にある家族の写真に目を向ける。

 

 

――そこには、若くして亡くなった両親の姿があった。

 

 

母は、体が弱かった。

それでもセージを産むために命を懸けて、

たった三ヶ月の短い時間だけ、母親でいてくれた。

 

父は、自分が十三の時に大病を患い、

二年に及ぶ闘病の末に、静かにこの世を去った。

気丈で、優しくて、どこか間の抜けた笑顔の父親だった。

……そして、立派なバーコードハゲだった。

 

セージは、写真に写る父の額を見つめて、

ぽつりと呟く。

 

 

「親父みたいに、なれるかな?」

 

 

口元には、どこかくすぐったそうな笑み。

寂しさと、ほんの少しの期待が混ざったような表情。

明日は、自分もその年齢になる。

明日は、髪が変わる日だ。

でも、セージにとってそれは「終わり」ではなかった。

 

むしろ――

 

 

「……やっと、近づける気がするんだ。」

 

 

その夜、セージはいつもより丁寧に髪を洗った。

母が好きな香りのシャンプーで。

父と暮らした小さな家で。

誰も見ていない、静かな夜の中で。

夜が更けていく。

 

セージは、ベッドの枕元に大きめのタオルを敷いた。

明日の朝、抜け落ちた髪が散らばらないように。

ささやかだが、整然とした準備だった。

照明を落とし、横になって、目を閉じる。

だが、眠気はまだやってこない。

考えるのは、明日訪れる“変化”と、その根源のこと。

 

――魔王バルド・コード。

 

300年前、世界が混迷と争いに沈んでいた時代、突如として現れた存在。

圧倒的な力で世界を統一し、それから一度もその座を明け渡していない。

 

 

そして彼は、人類に“奇妙な呪い”をかけた。

 

 

「20歳以上の男はバーコードハゲになる。女は……うんこヘアーだ。」

 

 

考えれば考えるほど、突っ込みどころが多すぎる。

 

 

「……うんこヘアーってなんだよ……」

 

 

自分にツッコミを入れながらも、誰もがそれを受け入れている現実がある。

社会はその呪いを前提に成り立ち、ギャグのような髪型にすら適応している。

だが、魔王の呪いはそれだけではない。

 

 

「人の髪型を笑うと、一ヶ月間、髪がゲーミングに光る。」

 

 

そう、レインボーに、ギラッギラに。

電飾の如くビカビカに。

しかも夜でも関係なし。反射材もびっくりの安全設計。

セージは苦笑した。

 

 

「慈悲……なのか? 1ヶ月で戻るとはいえ、絶対きついよなあ……」

 

 

バーコードに、うんこに、ゲーミングヘアー。

世界中がツッコミどころ満載な髪型で生きている。

だが不思議なことに――

魔王は、それ以上の“害”を人類に与えてはいない。

 

支配されてはいるが、戦争も、理不尽な殺戮もない。

治安は保たれ、食料も行き渡り、誰も飢えない。

髪型以外は、「平和」と呼べる世の中だ。

 

セージはふと思う。

 

――もし、父と母が誰かの悪意で命を落としていたとしたら。

 

その時、自分は絶対に許せないだろう。

どれだけ事情を語られようと、謝罪されようとも。

 

 

「……そう考えると、バーコードになるくらい、大したことないよな。」

 

 

言葉に出すまでもなく、本心だった。

世界は奇妙だが、それでも人は生きていける。

セージは大きく息を吐く。

魔王バルド・コード。

今もどこかで生きているという噂はあるが、人前には決して姿を見せない。

いったい、どんなヤツなんだろう。

そう思った瞬間、意識はゆっくりと沈んでいった。

世界で最も平和で、最も不可解な“髪の呪い”に包まれながら——

 

セージのフサフサの最後の夜が、静かに過ぎていく。

 

 

 

 

 

まだ幼さの残る少年が、静かな病室に立っていた。

その視線の先には、病に伏した父の姿がある。

頬は少し痩せ、声にもかすれが混じるようになった。

それでも、その瞳には変わらないものがあった。

 

——強さと、優しさ。

 

いつものように、静かに、セージを見つめていた。

 

 

「……そんなの、早すぎるよ……!」

 

 

少年の声は震え、今にも涙がこぼれそうだった。

父は、終末治療を選んだ。

現在の医療をもってしても治せない難病。

延命の選択肢はあったが、それはただ、苦しみを先送りするだけ。

セージは必死に訴える。

 

 

「もっと……生きようよ。俺、頑張るから……!

 お金も集める、医者にも相談する、だから……!」

 

 

その言葉に、父はゆっくりと微笑んだ。

まるで、すべてを理解し、すでに受け入れているように。

 

 

「セージ……生きるってのは、“どれだけ”生きるかじゃない。」

 

「……え……?」

 

「“どう生きるか”だよ。」

 

 

ふと、セージの心に、母の人生を思い出した。

体の弱かった母は、自分を産むために、命を懸けた。

そしてその代償として、わずか三ヶ月だけしか生きられなかった。

それでも、あの短い時間は、父にとってかけがえのないものだった。

 

 

「母さんも、そうだったろう?

 長く生きることが、すべてじゃない。

 誰かのために生きて、ちゃんと終われたなら、それで十分なんだ。」

 

 

父の言葉は、どこまでも静かで穏やかだった。

 

 

「セージ、お前は立派になる必要はない。

 英雄なんか、ならなくてもいい。

 平凡のまま終わったって、悪くないんだ。」

 

 

そして、父はセージの手を握り、まっすぐに語りかけた。

 

 

「ただな……いつも言ってるだろ。

 自分に、そして他人に誠実に生きろ。」

 

 

セージは小さく頷く。

 

 

「……うん……」

 

「他人を見下したり、嘲笑ったりする奴はな、

 たいてい、ろくな人生を送らない。

 どれだけ力を持っていても、心が貧しいままじゃ、何も守れやしない。」

 

 

それは、怒りでも恨みでもなく、

長い人生を歩んできた者の、揺るがない信念だった。

 

 

「お前は……誰かを笑う側になるな。

 笑うより、笑わせてあげる側でいてくれ。」

 

 

父の手の温もりが、まだそこにあった。

それは、セージの心の奥にずっと残っている。

まるで灯火のように、消えずに照らし続けている。

 

——そして、朝。

 

差し込む陽の光に、セージのまぶたがゆっくりと開かれる。

現実へと引き戻される中、

彼の胸には、父の声がまだはっきりと響いていた。

 

 




何事も気の持ちようってことで。

※新しいネタを思いついたので書いてた補足を消しました、既に読んでしまった方はごめんなさい。
設定を変えるというわけじゃないのでご安心を、ただ出す場所を変えるだけです。
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