「ん?知らない天井だ」
「目が覚めましたかイツキさん」
あっ、そっか
たしかビナーと戦った後に黒服が来て助けてもらったんだっけ……
あの時は爆発する瞬間に全身を神秘で覆ったからなんとか死なずにすんだけどあのままだとどっちにしろ出血多量で死んでたから正直黒服が助けてくれないと危なかったな…
一応お礼言っとくか
「黒服ありがとな
助けてくれて」
「……どういたしまして」
何故か少し照れたように言う黒服がちょっと気持ち悪かった
「今失礼なこと考えました?」
「いや、ソンナコトナイヨ」
シンプルに人の心読んでくるなよ!
「そういえば、あの時からどんだけ時間経ったんだ?」
前ヘルメット団と戦って倒れた時は3時間ぐらいだったから今回もそんぐらいかな?
そんなことを思っていると…‥
「40日ですね」
「へ?」
「最初の1週間は治療していましたがそれからはずっと眠っていましたよ」
…………すぅーーーーー
マジか……
ふたりとも絶対心配してるだろうな
早く戻らないと
「黒服、俺をアビドスに戻してくれないか?」
「それならそれ相応の対価を出してください
治療に関しては見学料ということでさせていただきましたが今回私に何も利益がありませんよね?」
そうだった……
こいつ対価支払わないとなんもしてくれないやつだった
俺が払える対価か、最悪体売るか?
だけどそうしたらアビドスに戻れなくなるし……
そうだ!!
「あの俺が倒したやつ*1あげるよ
それならどうだ?」
正直あいつの価値なんて全くわからない……
だけどめっちゃ強かったし護衛用とかに利用するぐらいならできるんじゃないか?
そんなことを思っていると……
「クックックックック」
なんだこいつ急に笑い始めたぞ?
「どうした?ついに頭でも壊れたか?」
「これはこれは失礼しました
ちなみにイツキさんはあれの価値をご存知で?」
「いやまったく」
「クックック、あなた詐欺師に引っかかりそうなタイプですね
やっぱりあなたはバカなようだ」
今普通に罵倒しなかった?
まぁいいや
「で?あれで足りるの?」
「えぇ、もらえるのならアビドスに戻すのに追加で1億も渡しますよ」
「い、1億!?」
「本当にいいのか?」
「はい、あれにはそれほどの価値があるのです
では、契約しくれますか?」
黒服は契約書を取り出す
「あぁ、でもちょっと待ってくれ
契約書の内容確認するから」
……………………
「よしっ、これでいいか?」
「はい、ありがとうございます」
「じゃあ俺をアビドスに戻してくれ」
早く戻らないとな
「それとイツキさん、これは契約してくれたおまけなのですが今アビドスの生徒会長が行方不明になっていますよ」
「は?」
ユメ先輩が行方不明?
「黒服はユメ先輩がどこにいるのかわかってるのか?」
「はい、あなたが寝ている間は暁のホルスの動向を追っていたので自然と」
いま不安な言葉が聞こえたような………
まぁいい
「黒服、契約内容を変更してくれないか?
1億はもらわなくていい、だからユメ先輩のところにいかせてくれ」
「……わかりました、あなたならそういうと思っていましたからね
ではこちらの契約書にサインを」
こいつ……わかってんなら先に言えよ……
「はぁ、これでいいか?」
「ありがとうございます
それではイツキさんまたどこかで」
「じゃあな」
「うわっ!」
気づいたら辺り一面砂まみれになってる
ということは、ここはアビドスの砂漠か!
「はやくユメ先輩をみつけないと……」
…‥って、いた!
けっこうちかくにいるじゃねぇか!
「ユメ先輩!ユメ先輩、大丈夫ですか?—————」
————————————————————————————————
それで今に至るということだ
「ようやくついたー!」
「ユメ先輩、わかってますよね」
「うん、とりあえず会いに行こ」
ホシノ大丈夫かなー
アイツけっこうさみしがりだからやばいような……
「あれ?ホシノどこにいるんだ?」
「うーん、わかんないから二手に分かれて探そうよ
私生徒会室探してくるから、イツキくんはホシノちゃんの部屋見てきて!」
「わかりました
見つけたらすぐ言いますね」
ダッダッダ
コンコン「おーいホシノ、いるかー?」
返事がないってことはいないのか……だったら生徒会室の方か?
……まぁ一応俺の部屋も見てみるか
ガチャ
うわっほこりくさ
10日間掃除してないだけでこんなやばいのかよ———-ってホシノ!?
「まてなんで俺のベッドで寝てるんだ?」
ホシノの顔を見てみると目の周りは赤く、隈もできていた
泣いて疲れちゃったのか?
とりあえずユメ先輩に伝えないと「イツキ?」
ゆっくりとホシノが起き上がる
「え?うそ本当にイツキなの?」
起きちゃったかー
まぁそれなら仕方ないな
「そうだよ、ごめんな急にいなくなったりして」
そう告げるとホシノは目からポタポタと涙をこぼしながら
「イツキ!!!」
そう言って俺に抱きついてきた
「イツキ、イツキ!!
私ひとりぼっちでずっと怖かったです!!
ユメ先輩に私が酷いこと言っちゃったからユメ先輩もいなくなっちゃって!!もうどこにもいかないでください!私とずっと一緒にいてください!!」
…‥やばいなこれ
ホシノありえんぐらい病んじゃってる
「ホシノちゃん!」
「あっ、ユメ先輩」
ようやくきたよこのひと……
「え?ユメ先輩まで……」
「急にいなくなってごめんねホシノちゃん!!
それと……あの時はごめんね
これからはもっとしっかりするよ」
「ユ、ユメ先輩……
私の方こそごめんなさい
あんなひどいこといっちゃって……」
「もう大丈夫だよ
これで仲直り!」
————————————————————————————————
「あのーホシノさん?少し離れてくれると——はい、ごめんなさい」
さっきの話からずっとホシノに左腕を抱きつかれている
「イツキがいけないんですよ?いっしよにいてくれるっていう約束破ったんですから」
それはそうだけど……
ふつうに俺の心臓が持ちそうにない
ちなみにユメ先輩は右腕に抱きついている
「♪」
なんでこの人は抱きついてんの?
まぁいいや、とりあえずホシノをどうにかしないと…
「ホシノ〜なんとか許してくれないか?」
「……そうですね
じゃあ頭を撫でてくれたらいいですよ」
「え?そんなことでいいの?」
むしろ俺からしたらご褒美なんだけど
「うるさいです//もっといろんなことやってもらってもいいんですよ!」
「ありがたくやらせていただきまーす!」
「ちょっとユメ先輩どいて」
右腕動かせないからホシノの頭撫でられない……
「え〜どうしよっかなー」
ピキッ
少しからかってくるような態度のユメ先輩に少しイラッとした
「そんなこと言うんだったらご飯作ってあげませんよ」
シュバッ
どくのはや!
どんだけご飯食べたいんだよこの人……
「それじゃあ……」
ホシノの頭を撫でる
なんかちょっとボサボサしてるな……
髪の毛手入れできてなかったのか?
「うへへ♪」
あっ(尊)
ちょっと待ってホシノの笑顔の破壊力やばすぎ!
俺じゃ無かったら一発であの世行きだったな
なんとか致命傷で済んだ
「うぅー、ホシノちゃんだけずるい!!
私もナデナデしてよイツキくん!」
「だめですよユメ先輩
イツキは私のものなんですから」
「俺いつの間にホシノのものになったの!?」
そんなこと記憶にないんだけど…
「イツキ、男の人は約束破ったら責任取らないといけないんですよ…
つまりそういうことです」
いやたしかに約束破った俺が悪いとは思ってるけどなんでそうなった!
「ふふっ!」
「何笑ってるのホシノちゃん?」
「いや、なんだかいつもの日常が戻ってきたんだって思うと嬉しくて」
たしかに、この40日間俺は眠ってたから短く感じたけど2人はずっと頑張ってたのか…‥
「なぁ、みんなで写真撮らない?
また3人で集まれたんだからその記念に」
「イツキくん、それいいアイデア!私カメラ取ってくるねー!」
…………
「……イツキ」
「どした?ホシノ」
「………次、勝手にいなくなったら監禁しますから」
「ホシノさん!?」
「あはは、じょうだんですよ」
目が全然笑ってないんですけど!?
「おーいふたりとも!カメラ持ってきたよ」
ユメ先輩ナイスタイミング!
「じゃあ写真撮りますか」
「ふたりとも先に並んでて」
……正直、少し前まではこの世界の人をゲームのキャラクターとしか思っていなかった
でも、この2人のおかげでこの世界の人も生きているということを実感することができた
「じゃあいくよー!」
「3!」
「2!」
ふたりのこと大好きだなぁ
優しい2人が好き
おっちょこちょいなユメ先輩が好き
可愛いホシノが好き
今なら胸を張って言える
俺は2人のことをゲームに出てくるキャラクターとしてではなく人として————大好きだ!
「1!はいチーズ!」
パシャッ!
これからは俺がこの青春の物語を命にかえてでも守っていこう、そう思った
これにて過去アビドス編終了です!(番外編とかは普通にあります)
これから数話書いたら原作入ります
ここまで見てくれた方々、本当にありがとうございました!
次の章はどれにしますか?(どれにしろ数話挟んでからのスタートです)
-
パヴァーヌ編
-
エデン条約編
-
アビドスリゾート編