普通の高校生たちによるクトゥルフのリプレイ   作:白痴イア

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第五話『……ハイ』

 氷山の中部。そこは、氷の洞窟という表現が一番近いようだった。

 

 夢達は、まるで客人を招くように奥からやってきたルリム・シャイコースに案内され、洞窟内部にある一室を与えられた。

 

「古そうな感じだね。書斎なのかな」

 

 そこには机と椅子が8セットあり、全てに手錠と足枷が付けられている。

 

 ベッドはかつて8個あった形跡があるが、今は殆どが壊れており、まともに使えそうなものは1つしかない。

 

「……ここの本、読んでもいいのかな」

 

「知らないわ。まあ、いいんじゃないかしら」

 

「適当だね……」

 

花見夢【『図書館』65→27/成功】

 

 ふと、机に置かれた様々な本を夢は開いてみる。

 

「……読めない」

 

花見夢【『オカルト』40→95/失敗】

 

「無理だな。ティア、この言語は読めるかい?」

 

「ん? 貸しなさい。……ああ、ハイパーボリア語ね。懐かしいわ」

 

「ハイパーボリア語……そういえば、ここの大陸はハイパーボリア大陸だっけ? この大陸の言語ってことかい?」

 

「そうなるわね」

 

ティア【『クトゥルフ神話』98→23/成功】

 

「あのエイボンの書やネクロノミコンよりも古い、あらゆる魔術の原点となるものね、この本は」

 

「……? なるほど……え、魔術? 魔術って、僕も使えるのかな?」

 

「教えてあげることはできるけど」

 

「できれば僕に教えてほしいんだけど、どう!?」

 

「そ、そう……テンションが高いわね……」

 

 それから夢は、ティアに本の内容について教えて貰った。

 

 とはいえ、いくらティアでも日常使用しない言語の読み解きには時間がかかった。具体的には丸一日。

 

花見夢【『正気度ロール』74→65/成功】

 

花見夢【SAN : 74→67】

 

「まず、ここに書いてある呪文はこれらね」

 

〈引力〉

・習得に10年以上掛かる。

・詳細は分からないが、対象の引力を底上げする効果をもたらすようだ。

 

〈火焔〉

・習得に10年以上掛かる。

・詳細は分からないが、原子核融合を起こし、熱エネルギーを発生させる効果を発揮するようだ。

 

〈鋭敏な二人〉

・コスト:4MP+【SANc 0/1】

・記憶力を増大させる呪文。

・この呪文は、血縁のような物理的に近い存在でなければ発動しない。

・効果は1MP毎に1D4+4時間になる。

・この儀式は、二名が性的な接触を行う必要がある。

 

〈魂の抽出〉

・コスト:8MP

・対象の魂を保護する目的で使用する。

・人形、土器等に魂を移動することが可能になる。

・また、魂を移す対象を生物にすることも可能だが、それが悪意ある魂だった場合、 POW対抗に敗北してしまうと、肉体の主導権を奪われてしまう。

 

〈銀の光線〉

・コスト:任意のMP+SAN減少1

・1Rかけて、使い手の手のひらから不透明な銀色の光線が放たれる。

・射程距離は3mだ。

・この光線を浴びた者にかけられた魔術的異常・効果は全て解除される。

・ただし、光線に込められた魔力が、魔術的異常・効果に込められたMPに打ち勝たなくてはならない。

 

「こんなものね」

 

「まずは使い方を教えて下さい。お願いします」

 

「いいわ、まずは──」

 

花見夢【『INT×3』42→67/失敗】

 

花見夢【『INT×3』42→25/成功】

 

花見夢【『INT×3』42→54/失敗】

 

「…………〈魂の抽出〉だけはなんとか覚えられた」

 

 魔術、難しい。全く分からないというわけでもないが、教えてもらってようやくといった具合だ。

 

「夢は……少しだけ才能がある、かもしれないタイプね」

 

「つまり良くも悪くも無い、ってことか。複雑だ」

 

「ふぅ……いい時間ね、そろそろ寝ましょうか」

 

「あ、それなら先に寝ててくれよ。僕はもう少し他の本を見てみるからさ」

 

 見る限り、ベッドは一つしかない。だからこそ、こう言ってティアに先に寝てもらった後に、僕は床などで寝るつもりだ。

 

 女の子、それもティアのような美少女と同じベッドで寝るだなんて申し訳無いというか恥ずかしいというか……。

 

 夢が内心でそんな言い訳をしていると。

 

「……いえ、貴方も寝なさい。疲れているでしょう。見ればわかるわ」

 

「へ……?」

 

「ほら、寝るわよ」

 

「ま、待て。待って? ベッドは一つしかないじゃないか。どうするんだい?」

 

「どうするって……眠る以外にやることないでしょ?」

 

「そうじゃなくて、男女が同じベッドだなんて……」

 

「花見くんはそういうことをする人じゃないでしょ。問題ない」

 

「それは……そうなんだけど……」

 

「ほら、入りなさい」

 

 ティアに引きずられて、強制的にベッドに入れられる。

 寝る前に、せめて何か説得できる要素が無いかと辺りを見回す。

 

花見夢【『目星』55→77/失敗】

 

花見夢【『聞き耳』60→94/失敗】

 

「さ、寝るわよ」

 

 ……抵抗は無理だな、これは。

 

 そう悟った夢は、おとなしく寝ることにした。

 

「……ハイ」

 

 すぐ隣に、とんでもない美少女がいる。

 

 その事実に胸がざわめき、すぐに眠ることなど夢にはとてもできなかった。

 

 

■□■

 

 

ティア【『POW対抗』70→28/成功】

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