超古代の施し系TSオリ主の話   作:全手動創作Bot

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新キャラ出します
接続詞とかおかしいんでちょいちょい修正かけてます


紀元前からのお約束

 マスターがバビロニアの聖杯を回収した。

 絶対魔獣戦線バビロニア。これまでの特異点の中で神秘が最も濃く、神々が人の前に姿を現していた最後の時代。

 

 なのでワンチャンあると思って、出撃メンバーに立候補したのだ。

 俺の集落を文明化する際に参考にしたのがメソポタミアだ。本家本元を一度は見ておきたかった。

 

 しかし、問題が起きた。該当地域の聖杯がサーヴァントの侵入を阻む魔術防壁を組んでいたため、サーヴァントを連れ立ってのレイシフトができなかったのだ。

 そのためマスターとマシュの二人で特異点を解消することとなった。

 

 ただ、それに加えてもう一枚障壁が張られていた。

 排除条件が紀元前一万年以前のランサークラスのサーヴァントを指定しており、こちらに関しては聖杯ではなく現地の連中がみんな仲良く足並みそろえて張っていたのだ。

 

 つまり、該当地域の有力者全員の同意のもと、ほぼ名指しで出禁を食らったのである。

 全員というのは賢王やマーリンも含まれる。というかあの夢魔が主導していた。泣いていいかな……?

 

 賢王に先んじてカルデアに来ていたアーチャーのギルガメッシュは、これを聞いて当然と言いつつ大爆笑。翌日、オジマンディアスが『黄金のは笑いすぎて腹筋を攣ったらしい』と言っていた。ざまみろ。

 出立前のマスターとマシュにお土産持って帰ってくるからねと慰められ、管制室で応援しながらお留守番と相成ったのである。

 

 グガランナ不在が判明した際、マスターが代わりにワタシを召喚するのはどうかという提案に対して賢王が言い放った

 

 『よさぬか。対価はそこなイシュタルの霊基を捧げればよいとはいえ、あのような神秘の塊……歩くだけでこの世界のテクスチャを削ぎ落す卸金(おろしがね)もいいような存在であろう。我は味方によって壊滅する趣味はないぞ』

 

 という言葉は今でもワタシに突き刺さっている。

 おまえカルデア来たら覚悟しろよ、別に何もしないけど。

 

 そんなこんなで紆余曲折あり、マスターたちは全てを終わらせ帰還したのである。

 ワタシも行きたかったな、メソポタミア……。

 

 

 「そういうわけだから、ザヴァングの再臨行ってみようか」

 「話が飛びましたね、マスター」

 

 そのお土産兼賢王からの報酬の一部として、本来であれば現状手に入らない魔術素材をいくらか譲ってもらって帰還したのだという。

 工房にて、さすがに最終再臨までは行けないものの、第三再臨を行うのには十分な量の素材が目の前に並べられていた。

 

 「それじゃあ、ザヴァングはこっちのサークルに立っててね。藤丸君はそこで何かあった時のために令呪を用意して待機。それじゃ、やるよ」

 

 ガチャコン。ダ・ヴィンチちゃんはそんな効果音が聞こえてきそうなレバーを下げた。絶対面白がってそんなデザインにしてますねこれは。

 サークルに設置された盃に備えられた素材から光が迸り、体を包むようにそれが迫ってくる。正規の霊基再臨は初めてなのだが、なんだか目がチカチカする。

 初めて宝具を使った時のような、生前には感じたことのない奇妙な感覚。それが収まったとき、体に滾る何かを感じた。直感的に、悟る。これが、神秘、あるいは魔力だと。

 ディスプレイに表示されたステータスを見て、何か確信を得たようにダ・ヴィンチちゃんが頷いた。

 

 「……やっぱり、神秘の数値が上がってるね。並みの神霊系サーヴァントにも引けを取らない数値だ」

 『だろうなあ。俺ってほら、現代文明を過去に齎した神秘殺しだから? 現代文明に神秘なんてなければ、俺も神秘の側じゃなかったからな。それでも作ったものに神秘判定が出てたなんて思わなかったわ』

 

 不意に聞こえた、耳になじむ知らない声。

 その発生元に最初に視線を向けたマスターは唖然とした様子で立ちすくんでいた。

 

 そこにいたのは、体長20センチほどの銀白色のドラゴン? のような何かだった。

 

 『オッスオッス、こうして顔合わせてしゃべるのは初めてだな。なにせ今まで顔なんてなかったし』

 

 それでも色味や体のパーツから、なんとなく思い当たるものがあった。

 ストレージに手を突っ込み、槍を探すがどこにもない。おそらくこのドラゴンの正体は今まで振り回していたあの槍とみていいだろう。

 

 「ドラゴン、そういうのもあるのか……」

 『お、わかる? わかっちゃう? カッコいいよな、男なら家庭科の裁縫セットやエプロンをドラゴンにして呆れられるのが定石だよな。でも格好いいからやめられない止まらない! マスターも修学旅行じゃドラゴンキーホルダーを買った仲間だな、俺にはわかる』

 

 しかしこいつ、怒涛の勢いで喋る。これでもかと喋るし何かマスターと謎に通じ合っていてもうよくわからない。

 

 「えーっと、ザヴァングの霊基から分かれて出てきた感じかな。悪いんだけど、まず名前を教えてくれるかな」

 『24歳、指導者です。いや、25歳だったかもしれんけどまあ、些事よ些事。俺のことはそうだなー、大きなもの、強きもの……は味気ないから、ヴァンちゃんって呼んでくれたまえ。ほら、ヴァンガードでヴァンちゃん。かっこいいだろ?』

 

 ヴァンガード・ドラゴンって遊戯王にありそうだよね*1。そんなどうでもいい言葉を垂れ流す謎のドラゴンはダ・ヴィンチちゃん相手に鼻の下を伸ばしていた。俗物感がすごい。

 ただそれはそれとして話が通じそうな気配はあった。

 

 「口ぶりからするに、今までもこちらを知覚することはできてた感じだね。思ったんだけど、もしかして霊基が持ってる権能のいくらかは君が持ってた感じかな?」

 『あー、そうだよなそこ聞きたいよな。説明しないとだし、まず取り立ての基準は俺が決めてたし、今後もそうだから気を付けたまへ』

 

 適当ドラゴンことヴァンが言うには、ワタシの権能は1つしかないという。

 与えたものを回収する、それだけだ。しかもその権能はスイッチをヴァンが持っており、基準も彼の匙加減次第。

 聖杯(マグカップ)に関しては『さすがにかつての同族に献上されたものを良くわからんまま譲るのはダメだろ』とのことで、聞けば割とまともな理由があった。なお、魚の切り身に関しては『なんか神秘宿っただけで、元はカルデアの食糧だしなあ……』とのこと。

 でもワタシはマグカップを手に入れた経緯、覚えてないんだよね。すまない、かつて献上してくれた誰かよ……。

 

 『ザヴァングに関していうなら、俺の娘みたいなもんだからな。流石に口車に乗せられてたり、騙されてたり、無下に扱われれば怒るよ。そうじゃなければ本人が喜んでればいいんじゃね? 幸せならオッケーです!』

 

 短い前足を持ち上げ、たぶんサムズアップしているらしい。

 

 『そいで、ほかに聞きたいこととかあったりする?』

 「えっと、ザヴァングの、お父さん……?」

 『いえす! とはいえ、聞きたいのはそういう意味じゃないのは分かるよ。マスター殿』

 

 曰く、『偉大なるザヴァング』という存在には前身がある。

 大きなもの、強きものと呼ばれた真に文明を立ち上げた存在。魚をはじめとして食糧を安定供給し、農耕の概念を作り上げ、武器を握らせ、動物といって差し支えない生き物に文明を与えた存在。

 

 それが大きなもの、強きものと呼ばれる歴史上の誰かだという。

 

 そこから信仰が始まり、名を与えることで成立したのが『偉大なるザヴァング』という神性。

 つまり、ワタシは彼を下敷きに作り上げられた虚構。後の世で名を与えられることで成立した正真正銘、本物の神。

 

 『ザヴァングはショックだろうけど、お前はお前だから思いつめんなよ。ぶっちゃけ、お互いどっちが本物かわからんコピーみたいなもんだし。こっちとしても驚いたけど、こんなかわいい娘ができたと思えば役得よ。さすがになー、原人相手はなー……』

 

 流石に現代人的にはさ、あれに興奮するって結構無理あるんだわ。ケモナーでもちょっとこう、半端に人間要素の入ったケモで難しいんじゃねえかな。しかも結構に臭うんだわこれが。水浴びすることとかも教えたけど、それでもなあ。

 そんなどうでもいい言葉を聞かれてもいないのに口から垂れ流すそれに、どうにも嫌な親近感を覚えた。ある程度の価値観が引き継がれていると、非常に不本意ながら納得せざるを得ない。

 

 「じゃあ、私からも一ついいかな。なんで、そんな姿をしているんだい?」

 『そりゃ、大きくて強いっていうとドラゴンじゃん? あと、魔法少女にはマスコットが居るのは紀元前からのお約束よ』

 

 ダ・ヴィンチちゃんからの問いに、珍妙ドラゴンは胸を張ってそう答えた。

 そうか、ワタシは魔法少女だったのか……。

*1
ありそうだけど無い




というわけで権能の仕様の説明回
ちょくちょく考察されていた一騎で複数とか竜種の判定はこいつが持ってます。ミスリード一切なしの確定情報です

本編の更新が滞る場合の対応について

  • はよ本編書け
  • ギャグ回でお茶濁せ
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