超古代の施し系TSオリ主の話   作:全手動創作Bot

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一方:カルデア_資料室

 カラカラカラ。そんな音が資料室に響く。

 現在、資料室は図書室へと拡張、改装中だ。

 

 人理焼却を阻止し、戦闘力以外の能力が求められる昨今。非戦闘系サーヴァントの参入により、文化系サーヴァントの層が厚くなりつつある。作家こそそれなりに居たが、司書を務められる式部さんの加入をきっかけに図書室を新設することと相成った。

 

 図書室というからには、書籍を収めておくことが求められる。

 しかし、現代文明において紙媒体の書物を場所をとって収納するのが非効率であるのは言うまでもないだろう。実際におよそ必要なデータはデジタル化され、データベースへと収められている。

 情報量に対する収納効率においていうのであれば、デジタルデータに勝るものはない。なにせシミュレーターを使用し、広大なスペースを確保した図書室に収められた蔵書を手のひらに乗るサイズに収納できる。そのコストパフォーマンスの差は歴然といえるだろう。生前に私が趣味で作っていた資料館に関して言うなら、それこそ数世代前のUSBですら事足りる。

 

 それを押して、紙媒体の書物を収める。これが何を意味するかといえば、媒体にうるさい魔術関連への対応である。

 魔導書という連中は記述される媒体にも形式や様式を要求してくる。つまり、大体の場合デジタルではダメなのだ。

 分かりやすい例えをするのなら、呪いの書物が表紙に人の皮を要求してくる、といえばそれっぽさが理解できるだろうか。魔導書とは中身の記述だけではなく、一冊丸ごとで魔術なのだという。

 

 さて、そんな資料室で何をしているのか。

 

 先に挙げた魔導書対策だ。カルデアはあくまで研究機関ゆえに、聖杯のみならずレイシフト先で手に入る素材、ひいては魔導書も回収対象としている。そのため『なんでそんなものを……?』といったような魔導書でも、何かに使えるかもしれない基礎研究の扱いで回収してくるのだ。

 

 そして問題となるのは素材集めで見たことがあるだろう、空を飛ぶタイプのアレ。キャスタークラスが軒並み素材として要求してくる禁断の頁を落とすアイツだ。

 奴らは何かを感じ取るとページを羽ばたかせ空中を飛翔し、見る見るうちに劣化していく困った連中だ。機密保持のつもりなのか何なのか。近くに人が来たら飛び出し、音が聞こえたら空を舞う。たまにガンドをぶっ放してくるやつもある。

 そんな有様で図書室を運営できるかと言われれば、言うまでもなく否だろう。司書は常に警戒態勢でタモ網を持ってそいつらを追いかける作業に忙殺されること請け合いだ。

 

 そんな連中を黙らせるのに一役買っているのがアンティコ・フォーミング。

 

 元は自分で歩き回ろうとしたのだが、式部さん曰く『神様なので』とのことで台車に乗せられ、ポリッシャーよろしく利用されているところ。敬われているんだか何なのだかわからないのだが、本人がいいと思うならなんかもう、それでいい気がする。

 

 ジャパニーズカミサマ扱いは改めてみると独特なところありますね……?

 

 しかもこれで発動条件を満たしているらしく、たまに飛んでいる魔導書も近くに寄るだけで煙に中てられた蚊のように落ちていく。シャドウボーダーを運転したときは効果がなかったのだが、速度の問題だろうか……?

 科学文明で自律的に空を飛ぶ魔導書なんて怪奇現象が認められるはずもなく、抑え込むこともなく連中を一方的に無力化できるため手伝いをすることと相成ったのである。

 

 そんなわけでカラカラと軽快な音を立ててポリッシャーの真似事をしている横で、彼らは議論に花を咲かせていた。

 

 「チキチキ! 第一回、最強ドラゴン選手権の開催だァーーーー!!!」

 

 ぱちぱちぱち。気乗りしないのか、せめて図書室なので静かにしようと努力したのか。そんな拍手の音が聞こえてきた。

 

 「当方、なぜこの場に呼ばれたのか少々理解に苦しんでいる」

 

 そこにいたのは主催のヴァン、ジーク、ジークフリート、シグルドの4人。いずれも(?)竜とかかわりのある面子である。半分ほど竜そのものなのは突っ込み待ちなのだろうか。

 

 「ドラゴン、かっこいいよね。それを倒した竜殺しもかっこいいじゃん?」

 「すまない、俺は竜殺しではないのだが……」

 「汝は竜!!!」

 

 ビシィ! そんな擬音が聞こえてきそうな勢いでヴァンはジークに手を向けた。

 なんだか特攻の入りそうな宣言である。

 

 「まずな、竜殺しはかっこいい。そしてそれが倒したドラゴンもかっこいい」

 「すまない、理解がいまいちできていなくてすまない……」

 「つまり、よ。俺の怨敵、めっちゃすごい選手権だ」

 

 ヴァンの言葉を聞いて、シグルドが腕を組んだ。

 

 「なるほど。しかし、当方とそちらのジークフリート、ひいてはジークにかかわる竜はファヴニールのみだがそれは良いのだろうか?」

 「格好いいと思えばファヴニールに限らずなんでもかまへんかまへん。ちなみに俺の最推しはバハムートよ」

 「いやまて、それは竜ではないのではないか?」

 

 某最終幻想によるイメージが先行しがちだが、実は原典のバハムートはドラゴンではなかったりする。

 アラビア語だとベヒーモスになるし、特徴だけを挙げるとリヴァイアサンと非常によく似通っているなど、その格好良さは現代のゲーム文化の賜物だ。

 ちなみにあのゲームの影響でティアマトなども割とドラゴンにされていたりするため、現代ドラゴンは強そうなやつを片っ端から汝は竜! している節がある。

 

 「なるほど。しかし、我々が共通の話題にできるドラゴンといえばファヴニールのみだ。聖女マルタや聖ゲオルギウスも誘うべきだと当方は進言する」

 「でもマルタさんって、女の子じゃん?」

 「……それは関係あるのか?」

 「滅茶苦茶ありまくりだよ。スケバン染みたヤコブ神拳の使い手とはいえ女の子だから、こういう話に誘うのはちょっと」

 

 ジークの疑問に対し妙な気遣いを見せるが、こんな下らない議論をするために大英雄二人に邪竜一人引っ張ってくる時点で今更である。

 なおゲオルギウスは人間が竜特攻をもっているせいか声をかけにくいという、これまたよくわからない理由だった。なんやおまえチキンか?

 

 「あ、でもヴリトラさん居たなら誘ったかも」

 「まさかヴリトラと面識があるのか……!?」

 「ないよ。でも君たちはあの人類大好きドSドラゴンと仲良くなれるんじゃないかな。一方的に気に入ってくれると思うよ」

 

 困惑するジークフリートに、聞けば困惑するような情報を浴びせていく。

 どうせ近い将来、カルデアに襲来するのだから知っていたほうがいい情報なのか……?

 

 そんなどうでもいい会話に耳を傾けていたのもつかの間のこと。床に落ちた魔導書を拾い上げ、台車に積み上げていく。

 

 台車の音か、あるいは人が近づくのが原因なのか。飛び出してくる野生の魔導書は後を絶たない。

 しかしそれもすぐに床に落ちるので、通りすがりがてら拾い上げて積み上げていくのだがこれが結構な数になる。

 なお今まで拾ってきた書籍は『今日の人肉料理100選』『ニビル星人アヌンナキの謎』『魔術的不可視惑星の観測法』『降霊魔術による魂への影響』などなど。どことなく胡散臭いものだらけなのは何故なのだろうか。というかそもそもこれらは魔導書と言っていいのか……?

 その中で一冊だけ、目を引くものがあった。

 

 『観測された■■■■の記録』

 

 認識阻害が掛かっているのだろうか。読めない魔導書というのは珍しくない。もとより神秘の秘匿を守ろうとする魔術師なら、それに類するものにはその手の魔術を仕込むだろう。何も不自然なところはない。

 しかしなぜだか、その時の私はそれに酷く興味を示していた。




 ちょっと仕事中に頭を強打したため、思考がまとまらなくなりました。その関係で更新ペースがいつまでかはわかりませんが落ちます。治ってきてる感覚はあるので、そこまでひどくはないはず
 コンベアの下を通行するのをデフォにするのやめてもろて……
 ちなみにこれだけ書くのに注釈入れまくって5日くらいかかりました。おF〇CKですわ

 当の本人はなんか良い感じの特殊能力とか生えてこねえかなとか馬鹿なこと言ってるくらいなので心配無用です。皆さんも気をつけましょうね…
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