ダンジョンでモンスターと戦うのは間違っているだろうか 作:アイル123321
誤字などあったら、報告してもらえればと思います。
読みずらいなどもあったら感想などでもいいので教えていただけると改善できるかも?です。
空行多すぎですかね?
コボルトのルゥを仲間にした夜、ダンジョンから戻ったテリーとベルは、まっすぐにヘスティアのもとへ帰ってきた。
「かみさまー! ただいまーっ!」
「神様、ただいま戻りました」
テリーとベルがほぼ同時に玄関をくぐる。
「おかえり、テリー君、ベル君」
ヘスティアは笑顔で二人を迎えた。
「かみさま! わたし、モンスターを――コボルトを仲間にできました!」
テリーの目は輝いている。
「ほんとうかい?!」
ヘスティアは思わず身を乗り出した。
「はい! ルゥって名前にしました!」
「……スキルにあったから覚悟はしていたけど、本当にモンスターを仲間にできるなんて……」
ヘスティアは感慨深げに呟くと、ベルに視線を向ける。
「ベル君、君の目から見ても、その……ルゥ君? 仲間になったって感じたのかい?」
「ええ、テリーちゃんと戦っている最中に、急におとなしくなったんです。それからはずっとテリーちゃんにすり寄って、まるで姉弟みたいにでした。」
「そうか……。テリー君、話すこともできたんだね?」
「うん。名前をつけたときに、それがいいって言ってくれたんだ!」
「やっぱり、テイマーとは違うやり方でモンスターと絆を結べるんだね」
ヘスティアは小さく頷いた。
「テリー君。君の仲間モンスターは、きっとベル君や将来の仲間たちにも劣らない大事な存在になるよ。しっかり絆を深めてあげて」
「はい! 物語の中のテリーも、仲間のモンスターたちと一緒に困難に立ち向かっていました! わたしも負けないモンスターマスターテリーになります!」
「うん、その意気だね」
ヘスティアは嬉しそうに笑った。
「じゃあ、二人とも。ステータスの更新、しておこうか?」
「「はい、お願いします!」」
声を揃えて答える二人。
「じゃあまずはテリー君からだ。ベル君、ちょっと上で待っててもらえるかい?」
「わかりました」
ベルは階段を上がっていく。
「さ、テリー君。上着を脱いで、横になってくれるかな?」
テリーはおとなしく上着を脱ぎ、横たわる。
「じゃあ、更新するよ……。――これは……」
「どうかしました?」
テリーが不安そうに顔を上げる。
「……うん、ちょっと驚いた。今書き写すから、上着を着てベル君を呼んできてくれる?」
「わかりました!」
テリーがベルを連れて戻ってくると、ヘスティアは新しいステータスを見せた。
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【ステータス】
テリー Lv.1
力:Ⅰ2
耐久:Ⅰ10
器用:Ⅰ4
敏捷:Ⅰ4
魔力:Ⅰ1
《スキル》
【モンスターマスター】
・仲間にしたモンスターと意思疎通を取ることができる
・「スカウトアタック」が使えるようになる
・「モンスターファーム」が使えるようになる
・仲間モンスターのステータスが見えるようになる
《魔法》
【スカウトアタック】
・特殊な魔力を体に纏わせることが出来る
その状態で攻撃した時、確率でモンスターが仲間になる
その時の攻撃で相手モンスターが傷つくことは無い
一度に与えるダメージが大きいほど仲間になる確率は高くなる
仲間モンスターを連れている場合モンスターにも特殊な魔力を付与
詠唱 「スカウトアタック」
【召喚・送還】
・モンスターを異空間にあるモンスターファームから出し入れができる
召喚する際はモンスターファームにて事前に決めているメンバー3体のみ召喚可能
詠唱 「ゲートオープン」
またモンスターの名前をつけることでその名前のモンスター一体のみを指定し召喚することができる
詠唱 「ゲートオープン + モンスターの名前」
【転移】
・異空間にあるモンスターファームへ転移する
詠唱 「トランスファーム」
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「……あんまり上がってないですね……」
テリーは少し肩を落とす。
「最初はこんなもんだよ。ね、ベル君?」
「うん、僕もなり立ての時はそんな感じだったし、もっと深く潜るようになれば自然と伸びてくるよ」
「何年もランクアップしない冒険者だっているからね」
ヘスティアは優しく言う。
「テリー君はまだ子供なんだから、焦らず、少しずつ力をつけていけばいい」
「……はい。わかりました。焦らず頑張ります!」
「うん、それでいい。その調子だよ。……ところでね、気づいたかい? スキルの“モンスターマスター”に、新しい項目が追加されてる」
「うん! 仲間モンスターのステータスが見れるようになったんですね! 物語のテリーもそんな描写あったから、ちょっと似てるかも!」
「僕はその本読んだことないけど……ふふ、次のダンジョンで試してごらん!」
「うん! やってみる!」
「よし、じゃあ次はベル君の番だね。準備お願い」
ベルがステータス更新をしている間、テリーは憧れの物語の主人公と同じ力を得たことが嬉しくて、胸が高鳴っていた。
やがて夜も更けて――
「じゃあ、そろそろ寝ようか」
ヘスティアがぽつりと言った。
「そうですね……あっ、そうだ」
ベルが急に思い出したように声をあげる。
「テリーちゃん、伝え忘れてたけど、明日ぼくダンジョン行けないんだ」
「えっ、そうなんですか?」
「うん。エイナさんに買い物に誘われてて……」
「なにぃ!? ベル君、それってまさか……二人きりとかじゃないだろうね?」
「い、いや……僕以外に来るって話は聞いてないですけど……」
「ま、まさか……アドバイザーの立場を利用して……ゴニョゴニョ…」
「アハハハ……まあ、そういうことで。ごめんね、テリーちゃん」
「大丈夫ですよ! でもどうしようかなあ、ひとりでダンジョン行ってみようかな?」
「だ、ダメだよ! さすがにそれはまだ早い! 危険すぎる!」
ヘスティアが慌てて止めに入る。
「そうですか……じゃあ明日は街を探索してみます!」
「うん、それがいい。でもね、変な人について行っちゃダメだからね?」
「わかってますよぉ!」
翌朝
「では、行ってきます!」
ベルが明るく手を振る。
「行ってらっしゃい!」
テリーも笑顔で見送る。
「……行ってらっしゃい。早く帰ってくるんだよ~!」
ヘスティアは少しだけ寂しそうに見送った。
ベルは軽やかな足取りで走り去っていった。
テリーは、ベルが出かけた日の朝、ひとりでオラリオの街を歩いていた。
初めての一人旅に少し緊張しながらも、目を輝かせて周囲を見渡す。
「すごい……こんなにお店があるんだ……! まだまだ知らないものがいっぱい!」
賑わう市場通りを抜けた先、ふと香ばしい匂いに足を止める。
「あっ、この匂い……!」
小さな屋台。そこに立っていたのは、見慣れた神の姿だった。
「神様の屋台だぁ!」
嬉しそうに駆け寄ると、屋台の中でエプロンを着けたヘスティアが声を上げる。
「おや、テリー君! ここに寄ってくれたのかい?」
「うん! いろんなお店を見てたんだ! せっかくだから、ひとつください!」
「ふふっ、そうかいそうかい。ちょっと待っててね、できたてを持ってくるよ!」
ヘスティアが持ってきた熱々のじゃが丸くんを手に取った、そのときだった。
「あの……じゃが丸くん、ください」
静かで澄んだ声にテリーが振り向くと、そこには淡い金髪に透き通るような瞳を持つ少女――アイズ・ヴァレンシュタインの姿があった。
「わぁ、きれーな人ー!」
「ロキのところのヴァレンシュタイン君だよ。ベル君との件はあるけど、今は店員とお客だからね……。(小声)
一個でいいかな?」
アイズはコクリと頷き、ヘスティアが差し出したじゃが丸くんに視線を向けながらポケットを探る。
だが次の瞬間、ふと表情が曇った。
「……あ、財布、忘れた……」
「えぇ!? さすがにお金を払ってもらわないと、これは渡せないよ」
「はい……ごめんなさい。今日は諦めます……」
明らかにしょんぼりとした様子のアイズ。その姿を見て、テリーはポーチから小銭袋を取り出した。
「じゃあ、私が出します! 神様、ふたつ分払います!」
「えっ、テリー君、いいのかい?」
「うん! だって、困ってるなら助けなきゃ!」
アイズは少し驚いたように目を見開いたが、すぐに小さく頭を下げた。
「……ありがとう」
じゃが丸くんを受け取り、もぐもぐと口に運ぶアイズ。その表情がふっと和らぐ。
「……おいしい」
「でしょ? 神様のじゃが丸くんは最高なんだ!」
「まあ、僕が作ってるわけじゃないけどね〜」
アイズは静かにうなずくと、じっとテリーの目を見つめた。
「あなた、名前は?」
「テリーって言います! ヘスティア・ファミリアのテリーです!」
「テリー……。私はロキ・ファミリアのアイズ。困ったときは、言って。……今度は、私が助ける」
「ほんとに!?」
「うん。じゃが丸くんの恩は忘れない。約束」
そう言ってアイズは静かに手を差し出す。テリーがその手を握ると、彼女はほんの少し微笑んだように見えた。
その後、アイズは軽く手を振り、静かに街の雑踏へと歩き去っていった。
「すごい人だったなぁ……でも、ちょっとだけ仲良くなれたかも!」
「テリー君にとって、いい出会いになったみたいだね」
ヘスティアは微笑みながら、もぐもぐとじゃが丸くんを頬張るテリーを見守っていた。
そんなことがあった翌日
いつものようにダンジョンへ向かうベルとテリーの姿が、中央通りにあった。
街に人々が行き交う中、テリーがふと立ち止まり、恥ずかしそうにベルを見上げた。
「すみません、ダンジョンに行く前に……お手洗い、寄ってもいいですか?」
「うん、もちろん。僕はここで待ってるよ」
ベルがにっこりと笑うと、テリーは「はーい!」と元気よく返事をし、手を振って駆け足で路地の方へ走っていった。
ひとり残されたベルは、通りすがる冒険者たちの装備や会話をぼんやりと眺めながら、しばし時間を潰していた。
──そんな時。
「お兄さん!」
元気な声がすぐそばから響いた。振り向くと、赤いフードを目深に被った小柄な少女がこちらに手を振っていた。
「ん? 僕のこと?」
「そうです! お兄さんです。お兄さん、冒険者ですよね?」
「うん、そうだけど……何か用かな?」
少女は少し前のめりになりながら、明るく言った。
「突然ですが、サポーター探していませんか?」
「……あれ君は確か?」
ベルは少し驚いたように眉を上げた。
「混乱してるんですか?でも今の状況は簡単ですよ。冒険者のおこぼれにあずかりたい貧乏なサポーターが自分を売り込みに来ているんです!」
「そうじゃなくて、君昨日の
その子は何を言っているのかわからないように
「
その子の耳を触りながら
「本当だ、
「うぅ、お兄さん....」
「あぁ、ごめん、つい、人違いだったみたい」
「えっと、それで、リリルカさんはどうして僕に声を?」
「冒険者さん自らバックパック装備していましたので、おそらくはーと
それでお兄さん、どうですか、サポーターはいりませんか?」
「……僕としては、一緒に行ってもらえたら助かると思ってる。ただ、いま一緒のパーティで潜ってる子がいて……その子にも話を通したくて」
「懸念点がある……ということでしょうか? やっぱり、いきなりじゃ信用できない……ですよね?」
途端に不安げな声になる彼女。だが、ちょうどその時──
「お待たせしましたー!」
テリーが小走りで戻ってきた。息を弾ませながら、ベルの隣にぴょこんと立つ。
「この方は?」
「この子がテリーちゃん。僕のパーティメンバーだよ。そして、彼女はサポーターで、一緒に行かないかって声をかけてくれたんだ」
フードの下の目が、じっとテリーを見つめる。
「
「いえ、ヒューマンですよ?」
(私と同じぐらいの身長のヒューマンってかなり小さな子だよね...?)
その事実に戸惑いながらも、彼女は慌てて頭を下げた。
「そうなんですね。よ、よろしくお願いいたします……!」
「よろしくお願いします!」
テリーはにっこり笑って、ぺこりと頭を下げ返した。
「それでベルさん、サポーターはお願いするんですか?」
ベルは少しだけ声を落として、テリーの耳元で囁いた。
「サポーターがついてる間は、モンスターのスカウトや召喚は控えてね」
「ええっ!? どうしてですか?」
「神様も言ってたでしょ。『レアスキルなんだから、あんまり他の人に見せちゃダメ』って」
「うー……しょうがないですね。わかりました」
二人の様子を少し不安げに見守っていた少女が、おずおずと声をかける。
「……やっぱり、いらないでしょうか?」
「ううん、大丈夫!」
ベルは手をひらひら振って笑い、きっぱりと応えた。
「ちょっと相談してただけ。ぜひお願いしたいと思ってるよ!」
少女はぱっと顔を明るくし、小さく拳を握る。
「本当ですか! では、よろしくお願いします!」
「うん、よろしく!」
ベルは改めて彼女に手を差し出しながら、自己紹介をした。
「僕はベル・クラネル。一応、ヘスティア・ファミリアの団長だよ」
「私はテリー! 同じくヘスティア・ファミリアに所属してます!」
「私はリリルカ・アーデ、ソーマ・ファミリア所属です。気軽に“リリ”と呼んでください」
「よろしくね、リリちゃん!」
「うん、リリ、よろしく!」
ベルは明るく笑いながら、通りの先を指差した。
「それじゃあ、三人でダンジョンに向かおうか!」