ようこそ先生、呪われた地へ…   作:nr/成

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時系列は本編後となっております


interlude. ルイスパリッシュの武器事情

陽射しの気持ちい晴天のある日、ルイスパリッシュ観光協会の駅舎の表で

清潔なござを引いて、3人の協会員が大小複数のナイフを広げているのを見つけた先生は声をかける。

 

"やぁ、なにをしているのかな"

「あっ、先生、こんにちは」

「こんにちは、先生。いま、装備の手入れをしているんです」

「最近通ってる学校が忙しくて顔を出せてなかったから、今日にまとめてやっちゃおうって」

 

鈍く光を反射する抜身のナイフを見せながら研磨道具を準備する生徒達

ふと、先生はとある疑問を口にした。

 

"やっぱり、他のルイスパリッシュの生徒達も異形に対処するためにナイフが必須なんだね"

 

サヨコとリコを思い浮かべながら言った言葉に即座に否定が入る。

 

「先生、アレといっしょにしないでください」

"あ、アレって……"

「あのですねぇ先生、ルイスパリッシュでは音を出さないように動くのが常とはいえここはキヴォトスですよ?

 なにかあったら、コレの方が早いし安全に決まってるじゃないですか」

 

指をピストルの形にして何度も撃つ。それに同調し何度も頷きながら、1人が語る。

 

「確かに私達もナイフ使って倒したりしますけど……基本的に奇襲時であって

 正面きって挑むことはほとんどないよ」

「むしろ、銃持ってるのにメインで刀と槍使ってるあっちが異常なんです。普通にサブか予備ですよ」

「ルイスパリッシュは自然多いから廃校になる前から、もしもの時用に持ってる人もいたので馴染みはあるけどさぁ

 だからってクマに遭遇したらナイフでやってやろうとは思わないでしょ」

 

矢継ぎ早に繰り出される言葉の応酬に先生はたじたじになる。

 

"じゃ、じゃあ……なんでリコとサヨコは刀と槍を?"

「それはなんとも……まぁ、おかしいけど、ここだと音が最小限で弾の消費が抑えられるってのはかなりのアドだからね」

「そのためって訳じゃないけど、うちだと銃剣とか近接を想定したカスタムも結構あるよね」

「迷走してるんじゃないかってのもある気がするけど……使い勝手に関しては…まぁ、人による……かな?

 少なくとも私は、ナイフ持った方がいいなって思った」

 

近接想定のカスタムという言葉に個人的な興味が湧いた先生は話を掘ってみる。

 

"例えばどんな装備を施しているの?"

「そうだなぁ、銃身切ったライフル銃があるんだけど

 反動きついし次弾まで微妙に時間かかるから、グリップエンドにメイスを取り付けたのとか?」

 

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「それ使ったことある。使うたびに持ち替えなきゃいけないから面倒だった」

「無難に銃剣つけることもあれば斧とか取り付けてたね。散弾銃に」

 

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「私、未だに分からないのがハンドガンのグリップエンドにナイフつけてるのと

 ライフルのストックに刃付けたのはちょっと理解が追い付かない……」

 

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各々、特徴的な仕様を語りあってるなか先生はまたも疑問を口にする。

 

"そういえば、ニィナはナイフじゃなくてナックルダスターを使うよね?

もしかしてそれも……"

「はい、変です」

「私としては論外」

「そうかなぁ、結構便利だけど」

 

同意が続く中、最後の一人が爆弾発言を落とした。

 

「正気かお前?」

「えっ、ひどい……けど、会長やサヨコみたいにメインで使ってるわけじゃないからね

 ほら、見てこれ」

 

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彼女が取り出したリボルバーにはトリガーガードからグリップエンドにかけて護拳のように、ナックルダスターが取り付けられていた。

 

「うわぁ……」

「えぇ……?」

「結構いいよ?近づかれたら、そのまま殴ればいいもん」

 

合理的に見えるが、彼女達の感情面は追い付かない

先生だけは実物の複合武器(マルチプルウェポン)に軽く目を輝かせていた。

 

「ま、まぁ……こんなところかなぁ。」

「あけすけと色々言ったけど、重宝してるといえばしてるしただ一つ重大な欠点を言うと……」

 

勿体ぶりながら先生にとってはロマンあるそれの欠点を彼女は語った。

 

「ほら銃って私達にとって肌身離さず持ってるものだからさ

 それ持ったのに気づかないまま、外にでちゃうの……」

「うん……いや、それお前だけだよ」

「いーや!絶対、私以外にもやってるね!」

"それ、大丈夫だったの?"

「外に出てさ、しばらくしたら後ろからすいません、その銃は……って声かけられるじゃん?

 銃見るじゃん?でかでかと主張する刃物が見えるじゃん?」

 

あっ、終わった……といいながら手首を合わせて手錠をかけられたジェスチャーをした。

 

"捕まったの!?"

「声かけてきたのはニィナだったので事なきを得ましたよ、先生」

「こっちはめっちゃ焦ったのにアイツ半笑いだったんだぞ!」

「持つべきものは公権力の身内、はっきりわかるね……」

 

1人自爆した彼女は、話題を変えるように話し出す。

 

「と、ところで、会長とサヨコが一番異質だけど先生は会長が廃校前から刀を使ってたのは知ってた?」

"えっ、そうなの?"

「そうだよ。サヨコは異形が出始めたあとにうちにあったボムランチャーっていうのを改造して、あの槍にしたし」

 

【挿絵表示】

 

「入学当初から使ってたとか言われてるけど詳細は誰も知らないんじゃない?」

「会長と刀に着いては逸話はいくつかあるけど、そのなかでも面白い話があってさ……

 会長は刀で散弾を全て防いだって話があるんだ」

"刀で!?"

「そう、刀1本で」

 

そんなことある訳ないのにねぇと生徒3人はけらけら笑う。

 

「会長もあんな人だから、この話を信じるか信じないかは……」

 

「あなた次第って事ですね、先生」

 

突如背後から帰ってきた続きに全員が振り返る

そこには、茶目っ気ある微笑みで佇むイコがバットを肩にかけて立っていた。

 

【挿絵表示】

 

 

"こんにちは、イコ"

「なんの用、イコ」

「なんだ、イコ先輩か」

「どうしました?先輩」

 

「なんか反応に差がある気がしますね……」

 

イコは広報について聞こうと思ったらしく先生を呼びに来たのだという

先生は先程まで話していた事からイコがバットを持っていることが気になった。

 

"そういえば、イコはナイフじゃなくてバットを持ってるね"

「えぇ、ナイフは音が出ませんが近づくとなるとこっちも危ないですから

 その点バットは程よい長さと固さ、そして入手のしやすさがあるので私は気に入っています」

 

私自身、体躯が良いほうではないのでとイコは付け加えた

 

「それに……入手がしやすいって事はそれだけ身近と言うことなんです

 どういうことか分かりますか?」

 

先生は首を振る。

 

「……何をしても、怪しまれがたい。と、言うことですよ」

 

「イコ先輩……もしかして誰かヤっちゃいました?」

「ヤってないです」

「分かりました言い方を変えます…殺りました?」

「殺っていません。というか、撃った方が早いのですから必然的にこれは予備みたいなものですよ」

 

先生、行きますよ。とイコは先生を連れて足早にその場から去っていく

3人は特に悪びれも無く、からかい過ぎたなと減らない口で思った。

唯一彼女たちはある一言だけは、心の中にとどめていた。

 

 

 

(どっちかっていったら、あんた積極的にバットで殴りに行くよなぁ……)




元ネタのゲームには個性的な銃が数多く登場するので本編に採用しなかった銃を紹介してみました
挿絵画像は元ネタのゲームのスクショを使用しております
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