無双龍ドラグ異世界で冒険者になる   作:アマノジャック

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無双龍と王家の杖

ドラグレッダーたちはシャウハ・シェムハザールの魔法によりテルティナ王女の故郷『帝都アヴァルロスト』の『魔導塔』とへと来ていた。そんなことのあった夜…

 

「治療は大成功。種の侵食を抑える薬を処方したから…明日には回復すると思うわ。」

『本当か!良かった…』

 

テルティナは無事に回復した。

 

「…どうしてあんたがそんな薬を?」

「私も魔力の種を追ってたからに決まってんじゃん。でも私の後ろ盾って王族様だからさ…表立って動けなかったんだよねェ。」

「…やはり、王族の中にも種の保有者がいるのね。」

「まぁ、大半は未使用で保有数を他の貴族と競ったり、いざというときの武力として牽制に使ってるっぽいけどね。とりあえず、今日はここに泊めてやっから付いてきな。」ゴクゴクッ

 

イドラ・アーヴォルンらに説明をしつつ、シャウハはビンに入った液体を一気に飲み始める。そのまま、部屋を後にしたためイドラ、浅垣灯悟、ドラグレッダーらが後を付いていく。すると螺旋階段を降りていくと2人の人間とすれ違い、灯悟がシャウハへと質問をした。

 

「ここにいるのはみんな魔導士なのか?」

「まぁね。彼らは研究資格を持った正規の魔導研究員…そこらの野良魔導士とは違う選りすぐりだよ。」

「野良魔導士?」

「研究資格も無く、塔にも所属していない魔導士のことよ。だいたいの魔導士の冒険者はコレよ。」

 

そのまま魔導士の研究の資格や審査についての現状を話すイドラ。それらは全てシャウハにのり管理されており、シャウハ自身ももっと管理や規制を徹底したいとの考えであった。魔法技術により多くの人に恩恵を与えたいイドラとそれらの悪用から多くを守ろうとするシャウハ…2人の意見は正反対であった。結果、口論が始まった。

 

『レッド…2人はなぜ喧嘩になっている?俺にはどちらも正しく思えるが?やりたいやつがやる、悪用した者は罰する…それで良いのでは?』

「…それで簡単に解決出来ることじゃないんだ。まぁ、俺は魔法に関して全然分からないけど…こういう光景は俺の世界にもよくあったよ。」

『…』

 

『俺は人を守るためにライダーになったんだ…だったら、ライダーを守ったっていい!』

 

『やっぱりライダー同士の戦いなんか止めたい。それが正しいかどうかじゃなくて、俺もライダーの1人として叶えたい願いがそれなんだ…』

 

『──!?今のは…?』ビクッ

「ドラグ?」

『…何でもない。お前は自分の身体を休めることを考え…』

 

「ねぇ、異世界の人…あんたはコイツの夢をどう思う?」

「…」

 

シャウハは灯悟へと意見の聞く。すると…

 

「確かにイドラの夢は難しいかもしれないぜ。」

「…え?」

『レッド?』

 

まさかの意見に目を丸くなるイドラとドラグレッダー…そのまま灯悟は話を続けようとするも…

 

「戯れるように奔れ!風精の遊興!シルフィ・ライド!」

「『イドラ!?』」

 

イドラは箒へと跨がり…魔導塔から外へと出ていった。

 

『追いかけるぞ!レッド、乗れ!』

「おう!頼…」

 

「勝手に動かないでくれる?」

 

ドラグレッダーたちは急いで追いかけようとするもシャウハに止められた。

 

「まだ俺の言いたいことは終わって…」

「あー、お前は好きに追いかけていいから。龍のミラーモンスター…あんたはダメだ。本来であればここに滞在すら許されない…面倒なことにしたくなきゃ大人しくしてな。」

『…レッド、お前1人で行ってこい。先に部屋で待っておこう。』

「…分かったぜ。」

 

灯悟はそう言うと、塔の窓から飛び出し…キズナレッドへと変身した。そして、青い鳥のキズナビーストを呼び出し…イドラの後を追いかけたのだ。

 

『してシャウハよ…お前は何故、ミラーモンスターを知っている?まさか…仮面ライダーなのか?』

「そんなんじゃねーから。つーか、ここにもミラーモンスターがいるんだよ。」

『──なんだと!?すぐに殺さなければ…』

「やめろ。はぁ…あんたも色々と聞きたいだろうけど、私からも質問いい?」

『なんだ?』

 

「あんた…なんで人の言葉を喋れるんだ?」

 

『…は?』

 

───

 

「あれがミラーモンスター…暴走した魔獣と姿が似ていました。安易に簒奪の銀狼(ヴリコラカス)を出しては……あら?」

『テルティナ!!』ズバッ

 

テルティナが休んでいる部屋の鏡より慌てた様子のドラグレッダーが入ってきた。少し混乱しつつもテルティナは笑顔で出迎えた。

 

「ドラグさん?慌ててどうされました?」

『俺の言葉は分かるか?』

「えぇ、普通に分かりますけど…」

『デストワイルダーはどうだった?』

「デスト…ワイルダー?」かくんっ

 

テルティナは初耳のワードに首を傾げる…当然の反応だろう。あ、可愛い…と思いつつドラグレッダーは慌てて補足をする。

 

『簒奪の銀狼に抱きついた虎のミラーモンスターのことだ!どうなんだ?』

「へ?そういえばドラグさんと違って、獣みたいに吠えていたような…」

『…そうか。話は以上だ…休んでいるところすまなかった。』スポッ

「あ!ドラグさん…行っちゃった。…もしかして、ミラーモンスターって本来は人の言葉を喋れないのでしょうか?」

 

テルティナの呟きが静かな部屋に響き、窓から差し込む雪の光が自身の銀髪を照らした。

 

───

 

「コレはまさか"緊急キズナワ…!」シュン

「なんなんだアイツは…」

 

『ロゥジー!』スバッ

 

雪の降る中、ロゥジーは戻ってきた灯悟に宇宙の感動を話していたのだが…突然に灯悟が姿を消した。それと入れ替わるように窓からドラグレッダーがロゥジーの前へと姿を見せる。

 

「今度はクソ龍か…」

『お前は俺の言葉は分かるよな?』

「…今さらな話だな。」

『では他のミラーモンスターはどうだった?蜘蛛と虎のミラーモンスターの言葉は分かったか?』

「…はぁ?…そもそも喋っていたか?」

『…そうか。あと、レッドとイドラに話を…』

「アサガキトウゴならさっきまでここにいたが…」

『…帰っていたのか。今、どこに…』

 

えぇえええええ!!

ギャアァァアア!!

 

魔導塔のどこからか灯悟とイドラの声が響く。

 

『あそこか…俺はもう行こう。』

「待て!…アサガキトウゴは何者だ?ただのキズナ馬鹿では無いだろ。クソ龍、お前は何を知って…」

『ククク…俺もまだレッドについて理解出来てないことは多い。だが熱い奴ではあるな…そこは前の主と似てる。』

「前の主?」

『俺が前にいた世界では…ミラーモンスターと契約した人間が互いを殺しあっていた。残った1人が願い叶えれるらしくてな…俺の主はそれを止めようとしていた。』

「…人間同士で殺し合いだと?それで貴様の主は何故それを止める?」

『今回話すのはここまでだ。ロゥジーも早く休むといい。』スポッ

「…」

 

ロゥジーの疑問に対するドラグレッダーの返答はロゥジーに新たな疑問を生み出すだけだった。ロゥジーはドラグレッダーの去った窓を見上げ、聖剣を握りしめる。気がつけば雪が彼の肩に積もっていた。

 

───

 

『レッド、イドラ…聞きたいことがある。』

「「ド、ドラグ(レッダー)!?」」ビクッ

 

風呂のバスタブよりドラグレッダーが姿をみせる。イドラは裸であり、灯悟はカーテン越しに背中を向けて座っていた。

 

『む…取り込み中か。』

「いや、まぁ、そうと言えばそうね…」

「そ、それより、何の用なんだぜ?」

『…俺以外のミラーモンスターの言葉を知れたか知りたい。』

「えーと、虎のミラーモンスターのことかしら?そういえば、ドラグレッダーみたいに人間の言葉は出してなかったわね。」

「普通に蜘蛛も虎も喋っていたな!仲間を心配するとは中々の絆を感じる虎だったぜ!」

 

『…』

「…え?」

「ん?」

 

自分とは違う反応に言葉が詰まるイドラと灯悟。ドラグレッダーはため息を1つ吐く。

 

『そうか、レッド…貴様が原因か。ふむ…シャウハに何と言うべきか…』

「シャウハ!?ドラグレッダー、シャウハに何を言われたの?」

『何故俺が人間の言葉を喋れるかについてを聞かれてな…魔導塔のミラーモンスターは喋らないらしい。』

「ちょっと待ちなさいドラグレッダー!魔導塔のミラーモンスターって何?シャウハってミラーモンスターのこと知ってたの?」 

『これから話を聞きにいく…』

「あ、ドラグ!多分だけど…この絆装ブレスの機能の1つに言葉を翻訳するってのがあるから…それで分かったのかもしれないぜ!」

「でも、それでどうやってドラグレッダーが喋れるようになるのよ?」

『自分で言うのも何だが、俺は学習能力が非常に高い。それで覚えた……ということにしよう。それより2人とも。今日は色々とあった…早く休むが良い。』ズバッ

 

再びバスタブの水面からミラーワールドへと戻るドラグレッダー…灯悟は自身の絆装プレスを眺める。

 

「…ミラーモンスターの言葉を理解してたのって俺だけだったんだな。」

「…レッド、他にも調べたいことが出来たわ。もう少し付き合ってくれるかしら?」

「おう!ドンと来いだぜ!…ところで、風呂から出ないか?」

 

灯悟は咳払いをしつつバスタブにイドラへと声をかける。その後、イドラはめちゃめちゃ灯悟の身体を調べた。

 

………

 

そして、ドラグレッダーはシャウハの前へと戻ってきていた。

 

『以上が俺の考えだ。』

「…それを聞いて私に何をしろと?」

『この塔のミラーモンスターについて教えて欲しい。』

「じゃねぇだろ!そのレッドって奴を調べなきゃ何も分からねぇだろがっ!取引になってねぇよ!」

『…ふむ、ではやり方を変えよう。お前…アブダビを知っていたな?』

「なっ…!?王家の杖だから魔王族の情報くらい少しは知っててもおかしくねぇだろ!」

『あぁ…王家の杖は知らないが、お前のおかしな所を言ってやろう。見た目と臭いが一致しない……お前、何歳だ?』

「─っ!?」ビクッ

 

シャウハの額から冷や汗が流れる。

 

『…そう警戒するな。ここのミラーモンスターについて聞きたいだけだ。』

「…魔力の種に、代わる、最終兵器だ。もう、全てがダメに、なった時に…解き放つ、らしい。故に、お前に今、殺され、るのは困る。」ガクガクッ

『…そうか。ミラーモンスターの名前は?』

「知らない。あと私が、分かるのは、1体じゃ、ないことと、解放の仕方だけ。これ以上は…はぁ…はぁ…」ガクガクッ

『…ここまででよい。安心しろ、お前が味方であるうちは俺は誰にも口外しない…脅して悪かった。ゆっくり、休むといい。』

「…ちっ。」

 

ドラグレッダーは再び窓からミラーワールドへと帰っていった。シャウハは…しばらくその場から動くことは出来なかった。

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