無双龍ドラグ異世界で冒険者になる   作:アマノジャック

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無双龍と太陽の森

「ここが我らの里『ルグシム』です。そして、改めてまして私は『ラーニヤ』。次期族長にして7代目のアメン継承者です。」

『ケーショーシャデス!』

 

変身を解いた浅垣灯悟たちはそのままエルフの少女…ラーニヤとボルキャンサーに付いていき、里へ入る。そこはサボテンを住居にしたエルフたちの姿があった。

 

「いや、誰だ貴様は?」

「さっきとキャラ違い過ぎません?」

『さっきとは…どんなのだったんだ?』

「私とテルティナ様に向かって『クソ人間』とか言ってきてだな…」

『ふむ、だいたい分かった。』

「す、すみません…小さい頃から内気なところがありまして。その…戦闘中はああやって心に強気な仮面を被って勢いをつけてないと…恥ずかしくて戦えないんです…」

『ソコモラーニヤノミリョク!』

「(かわいいなコイツ。)」

 

先ほどまで見ていた変身時とのギャップにロゥジー・ミストとテルティナ王女は唖然としていたが…本性を知り、その場が少し和む。

 

「それよりもそのオレンジのカニが気になるんだぜ!」

「ボルちゃんのことですか?」

「そうそう!お前ってミラーモンスターなのか?」

『ミラーモンスター?ゴメンネ、ボクニハゼンゼンワカラナイヤ…』

「そっか分からないか…」

『いや、ミラーモンスターだ。俺のいた世界にはコイツと契約した仮面ライダーもいたからな。』

「あの…もしかしてボルちゃんの言ってることがわかるのですか?」

「ずっと、キシャキシャ言ってるだけに聞こえるけど…」

『やはりレッドだけが理解しているのか…』

 

ボルキャンサーの言葉を理解した灯悟にイドラ・アーヴォルンらは驚きつつも、話は進む。

 

『所でラーニヤよ、先ほど仮面を付けてると言ったな。お前のアメンの力は…仮面ライダーで良いのか?』

「へ?少なくともそのような話は聞いたことがありませんが……と言うか貴方は普通に喋るのですね。」

『…理由は俺も分からんがそこのボルキャンサーと同じミラーモンスターではある。レッドと関わった以上はそのうち喋りだすかもしれないぞ。して、ボルキャンサーはずっとこの里にいたのか?』

「はい。何年も前に父が連れ帰ってきたらしくて私が物心ついた頃には既に。で、では…この里の現状と予言の話をしていきましょう。」

 

そして、ドラグレッダーたちはラーニヤの案内により遺跡のような所へと入る。その中の壁画には…キズナレッドに似た赤い戦士の絵が描かれていたのだ。

 

「これって…」

「レッドそっくりね。」

『いや、本人だろ。』

「コレは千年前、勇者様一行にいた『予言者様』が残された予言だそうです。」

「予言者…」ピクッ

『…レッド?』

 

灯悟が小さく反応した隣でイドラが壁画の文字を読んでいく。

 

「これは古代エルフ語ね。何々…『森に大いなる禍が迫りし時、赤き戦士異空より現れ、禍退け輪をもたらす』、要約するとこんな感じね。」

「その大いなる禍ってのは何だ?」

「恐らく魔力の種の持ち主…ククジャの街の領主『アジール』のことです。」

「ククジャ?何処かで聞いたような…」

「先ほど会いましたネオスさんが向かっていった街ですよ。確か魔鉱石の採掘で栄えた街で、数年前に反乱で領主が亡くなる事件があったはずです。」

「その後、領主を引き継いだのが先代領主の息子のアジールです。奴は触れたものを砂に変え、意のままに操る特権魔法を使い、この森を侵略しに来たのです。」

「それまでククジャと太陽の森は種族の垣根を越えて、よい関係を築いていたのに…!」ギリッ

「全てあの強欲息子がぶち壊しやがった!」

 

「…」

『ラーニヤ…ダイジョーブダヨ…』ポンッ

 

仲間の発言に顔を暗くするラーニヤ…そこにボルキャンサーが慰めるように頭を撫でる。…絵面的にはハサミで叩いてるように見えるが、ちゃんと撫でている。そして、ラーニヤは言葉を続ける。

 

「勿論、我々は抵抗し戦いました。最初こそボルちゃんの活躍もあって優位になっていたのですが…」

「ピンクの海鷂魚(エイ)の魔物が加わってことで形勢は逆転。元々、この砂漠においてアジールの砂を最強最悪…」

「アメンの力をもってしても、進行を食い止めるのが精一杯でした…」

『ボクガモットツヨカッタラ…ラーニヤ…ミンナ…ゴメンネ…』

「そんなことないよボルちゃん。アナタがエイの魔物を引き受けてくれたから私はアジールの方に集中できたから。」

『ラーニヤ…』

「奴は『アメンとボルキャンサーを引き渡し、隷属を誓うなら不要な血は流さない。しかし、逆らうならこの森に住む全ての命を砂に変える』…そう告げて去っていきました。」

「そんな時に無断で森に入る人間がいたら…」

「そりゃ全力で迎撃しますわ…」

「ネオスもタイミングが悪かったな…」

「あのー、ネオスとはどなたのことでしょうか?」

『俺たちよりも前にここに入っていた商人だ…お前たちに追い返されたと聞いたが?』

「いえ…本日来た人間はあなたたちしかいない筈ですが…」

「えぇ!どういうことだぜ!?」

『…』

 

ラーニヤの回答に混乱する灯悟と目付きがより鋭くなるドラグレッダー…話を戻すべくロゥジーが灯悟へと注意をする。

 

「アサガキトウゴ。これは過ぎた話だ…あまり深く考えるな。」

「とにかく!我々の力だけでは奴に勝つことは出来ません。出会ったばかりの…それも異種族の方に頼むことではないのは重々承知です!ですが、どうか我々に力をお貸し…」

「おう!良いぜ!」

「即答!?」

「困ってる人がいたのなら問答無用で助ける!異種族だろうが出会って1秒だろうが関係ないぜ!」

『ククク…それでこそレッドだ!』

「そうね…」

 

灯悟の解答に満足そうな顔のドラグレッダーとヤレヤレとした顔のイドラ。

 

「私たちも魔力の種が絡んでる以上見過ごせません!ですよねロゥジー!」

「……あい。」

 

テルティナも賛同し、ロゥジーに同意を求めるも…複雑な顔で曖昧な返事をされた。しかし、ラーニヤと先ほどまで戦っていたことを考えると返事があっただけでも御の字だろう。

 

「という訳で!エルフと人間!新たな絆でこの森を守ろうぜ!」

 

「「『オォォォ!!』」」

 

灯悟の言葉にその場全員(ロゥジーを除く)が賛同した。こうしてドラグレッダーたちはラーニヤたちと共闘することとなったのだ。

 

『ところでラーニヤよ…1つ聞きたいことがある。』

「はい!えーと…」

『あぁ、自己紹介が遅れたな。俺の名はドラグレッダー…C級の冒険者だ。ボルキャンサーとは同じミラーモンスターになる。』

『ボクハミラーモンスター…ボクハミラーモンスター…』

「…そのミラーモンスターというのも今日が初耳なのですが…コホン!それで私に聞きたいこととは?ボルちゃんのことですか?」

『いや、千年前の冒険者たちのことだ。その中に大きな鳥がいたと耳にしてな…何か知っていることはないか?』

「大きな鳥…聞いたことあります!ここにある壁画には描かれていませんが…4人を乗せて空を飛んだり、水辺から奇襲を仕掛けたり、凄まじい羽ばたきで突風を起こしたり、などなど勇者様たちを大きくサポートしたのだとか。」

『…ミラーモンスターで間違いなさそうだ。して、その鳥の色は?』

「色ですか?うーん…流石にそこまでは。高貴な姿だったらしいので…それを連想させる色でしょうか?千年前から生きてる大婆様なら知ってるかも知れませんが…ここ数百年は寝たきりなのですよ。次に目を覚ますのは何十年後になるか…」

『いや、十分だ。感謝する…高貴な色か。金の可能性はあるな…』

「俺からもいいか?さっき言ってた予言者についてだけど…」

 

ドラグレッダーと灯悟はラーニヤへと質問をする。2人の質問に対してラーニヤは自身の知ってる範囲で解答し、千年前の大婆様ならどちらもより詳しく、知っているだろうとのことだった。

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