無双龍ドラグ異世界で冒険者になる   作:アマノジャック

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無双龍と太陽の森3

「──っ!?」シュオォォ

「テルティナ様!?」

 

突然落ちてきたカードに触れたテルティナ王女はカードの中へと吸い込まれた。いや、テルティナだけではない。

 

「な、何だこれは!?」

「気を付けろ!カードの様な物に触れると吸い込まれるぞ!」

『みんな、逃げて!』

 

カードに触れた住民たちが次々と吸い込まれていたのだ。そして、そのカードはサボテンの高い位置に座った男の手元へと集まっていた。

 

「流石はエルフ、高レアリティな美男美女揃いだぜ…まっ、男はいらねぇけど!」ポイッ

 

「アレは…魔力の種!?特権魔法使いか!」

「私の前で森の民に手を出して…」スッ

「ラーニヤ?」

「生きて帰れると思うなよクソ人間!!」

「好戦的な霊が憑依したレベルの変わり様だぜ!!」

『これが先ほど言っていた仮面か…だが、俺も気持ちは同じだ!グルル…!』

 

ラーニヤはその男へと怒りの表情を向け、ドラグレッダーも怒りの唸りを上げる。

 

「戦闘前に心に仮面を被るルーティン…まだやっているんだね。」

『まぁまぁ、そこがあの嬢ちゃんの魅力だろ?』

「─!?」

『お前は…!』

 

そこにピンクのエイに乗った男が現れる。隣には顔を布で隠した大男も翼を広げて飛んでおり、空中からラーニヤたちを見下ろしていた。

 

「相変わらずだな君は。」

「アジール!!」

 

『おいおい…ボルキャンサーの他に何かヤバそうなミラーモンスターがいるんだけど?』

『『エビルダイバー』か…』

『げっ…俺の名前を知ってんのかよ!?まぁなんだ、後で相手してやっから…今は2人の時間を邪魔してやんなよ。』

『…』ギロッ

 

エビルダイバーを睨むドラグレッダー…ラーニヤは言葉を続けた。

 

「アジール…あんたはどうしちまったんだ!以前のあんたは亜人と人間が共存できる世界を目指していたのに!」

「その目標は今も昔も変わってはいないよ。」

「…はぁ?アメンの力だけじゃなく、ボルちゃんまで奪おうして…私達を支配しようとしておいて…今さらなに言ってんだ!」

「…君達はククジャの反逆を覚えているかい?」

 

アジールは自身の街で起きたことを語り出す。エルフの魔法を優遇したため、人間の労働者たちによる反乱が起き、族長である自身の父親が亡くなった。例え、エルフらと共にこれを乗り越えようとも…必ず誰かに不満が生まれ、共存は出来なくなる。故にアジールの至った決断は…

 

「僕が絶対的な力で頂点に立ち、僕以外の者を全て平等に支配することで、完全なる共存を実現してみせる!エルフだけじゃない、人間も等しく僕が支配する!だからラーニヤ…大人しく全て僕に従ってくれないか?そうすれば、カードに封じた人質も解放しよう。」

 

自身の力による独裁的な支配だった。

 

「アジールあんた…そんな馬鹿みたいなことを本気で言ってるのね。」

「分かってはもらえないか…」

「レッド!」

「おう!力で抑えつけることが共存だなんて言う馬鹿野郎を…俺達で目ぇ覚まさせてやるぜ!」

 

キズナブレスに絆装プレートをセットする浅垣灯悟、隣ではラーニヤが"アメンバッグル"と呼ばれる肩掛けカバンの中心に"レリーフグリフバッジ"と呼ばれるメダルをセットしていた。

 

「絆装チェンジ!」ペッターン

「戴天身!」スフィスフィ…スフィンクス

 

そして灯悟はキズナレッドに、ラーニヤはアメンへと変身したのだ。

 

「さぁ!謝って仲直りすんなら今の内だぜ!」

「おいおいおい!こっちには人質がいんのを忘れてんのか?逆らうってんならコイツらはカードのままだ……ぜぁあああ!?」ズルッ

 

カードを持つ男が脅そうとするも…そこは既に怒り狂ったロゥジー・ミストが迫っており、足場にしていたサボテンが斬られた。

 

「どんな特権魔法も術者を倒せば解除される…つまり、貴様を倒せばテルティナ様もその他も解放されるということだ。」

「ちっ…!」

「『ユーゲス』、後は任せたよ。」

「わかってるよ!」

「『ウドゥド遺跡』においで…そこで決着を付けよう。エビルダイバー、『ギミック』!」

『おうよ!龍のミラーモンスター…待ってるぜ!』

「…」コクッ

 

『俺をご指名のようだ…乗れ。追いかけるぞ。』

「おう!ラーニヤも…」

「…」ラクラク…ラクダ

 

その場から去っていくアジールたちを追うべく、キズナレッドはドラグレッダーへと乗った。そのままラーニヤにも乗るように促すが、ラーニヤは2輪の乗り物…バイクを召喚した。初見の乗り物にイドラ・アーヴォルンは目を丸くした。

 

「ナニソレ!?」

「うぉおおお!バイクだ!そっちに乗りたい!」

『…!』ずーん

 

何気ないキズナレッドの一言がドラグレッダーを傷つけた。

 

『…ふんっ、ならばそっちに乗ればいい。俺なんかよりもな!俺はミラーワールドで少しでも活動時間を温存する!』

「ドラグ!?」

 

そのままドラグレッダーは無理やりキズナレッドの手鏡へと入る。

 

「あーあ、ドラグレッダーってば拗ねちゃったわね…」

「状況を考えてくれよ!?そんなこと言ってる場合じゃ…」

「おたくのレッド、借りてくぞ!」グイッ

「ラーニヤ!?待ってくれ!こっちはどうすんだ!?」

「とっとと行け。テルティナ様は私が救う。」

『ボクも一緒に戦う!だから…ボクの代わりにラーニヤを守ってねレッド!ドラグレッダー!』

「ということで早く行きなさい!予言が本当なら貴方の力が必要になるハズよ!」

「わかったぜ!皆も気を付けろよぉおおお!」

 

ブォオオオオオ!!

 

バイクの激しい排気音と共にアメンとキズナレッドとドラグレッダーたちはアジールを追い始めた。

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