無双龍ドラグ異世界で冒険者になる   作:アマノジャック

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戦隊レッドと新たなる力

魔力の種の暴走により巨大な砂嵐化したアジールを戻すべくキズナレッドたち5人はキズナカイザーへと乗り…必殺技を放った。

 

「ぶち抜け!爆裂超新星!マキシマム・キズナブラスター!!」

 

ドゴォォォン!!

 

『やったか!?』

「─っ!?」

 

必殺技の命中により激しい爆発が起き、勝利を確信するキズナレッド、イドラ・アーヴォルン、ロゥジー・ミスト、ラーニヤの4人。しかし…砂嵐は再び現れた。

 

「全然効いてないではないか!」

「まさかあの超火力砲が効かないなんて…」

 

「4人も揃って『やったか!?』なんて言ったら、そりゃやれてないのがお約束ですよ。」

 

冷静にツッコミをいれるテルティナ王女。キズナレッドは次にキズナカイザーの剣を呼び出した。

 

「剣で砂嵐をどうするつもりだ?」

「こうするんだよ!」

 

キズナレッドは剣を持ったキズナカイザーを回転させ…巨大な竜巻を作り出し、砂嵐へとぶつけた。その名も…

 

『グレート・キズナトルネード!』

 

「どうだ!」

 

竜巻は確かに砂嵐を相殺したものの…

 

「どうだ…じゃないわ!馬鹿者が!」

「「オロロロ…」」

「目…目が…」

 

ロゥジーはフラつき、テルティナは目を回し、イドラとラーニヤは吐く…とキズナカイザーの内部はとんでもないことになっていた。そして、キズナレッド自身もフラついていた。しかし、そこまでもしても砂嵐はすぐに復活しキズナカイザーへと襲いかかる。

 

「そんな…バラバラに散らしても復活するだと…!」

「恐らく、砂嵐に本体や核はなく、砂の1粒1粒にアジールの魔力と因子が分散しているんだわ!周りの砂を取り込んで元の状態に戻ってしまうのよ。」

「そんな化け物になってしまって…アジールは元に戻れるのですか…」

 

『ならば固めれば良いだろう…』

 

イドラの分析を聞き、不安になるラーニヤ。そこにドラグレッダーとボルキャンサーがミラーワールドから手鏡を通じて声を伝える。

 

「ドラグ!!何か考えがあるんだな!」

『…最初に言っておくが、この考えは不安な点が多く、俺自身は力になれない。ほぼボルキャンサー任せになる。』

「ボルちゃん任せ?」

『あー、うん!なるほどね!ボクの泡で砂嵐を包んでアジールの形に凝縮すればいいんだね!』

『…その通りだ。その状態でテルティナの特権魔法による種の回収を想定しているが…泡で全てのアジールを包めるか、砂嵐で泡が壊れないか、そもそもそれで種を回収出切るのか……少し考えただけでこれ程の不安があり、上手くいけるかどうか…』

「私は問題ありません。」

『ボクもだよ!』

「今はこれしかないようですし…お願いします!どうかアジールを助けてください!」

「凝縮したとして砂の質量が…」

 

ドラグレッダーの考えた作戦に乗るテルティナとボルキャンサーとラーニヤ。イドラだけは何かを考え始めていた。

 

「なら、実行するしかないんだぜ!ボルキャンサー、泡で砂嵐を包むってどんな想定だ?でかいの作ってそのまま封じ込める感じか?」

『うーん、そうすると砂嵐に泡が負けるかな。ある程度は沢山の小さい泡で砂嵐の砂を削っておいて少しずつ結合させようと思う。だから、レッドたちは砂を蹴散らし続けて!』

「了解だぜ!」

『それなら俺も多少は役に立とう…』

「いくぞ!!」

 

キズナカイザーは剣を振るい、ドラグレッダーも自身の尻尾を振るって砂嵐を散らす。そこにボルキャンサーが泡の弾丸を放ち、崩れた砂を包む。こうして少しずつ砂嵐を削っていこうとしているが……砂嵐が小さくなる気配は無く、そのままドラグレッダーとキズナカイザーへと襲いかかり…ボルキャンサーの泡を破壊しさらに大きくなってしまった。

 

『あっ!?折角集めたアジールが!?』

『ぬぅ、…これを繰り返すとなれば、流石の俺もキツいな…』

「くそっ!もう1回最初から…」

 

「待ってみんな!」

 

「イドラ?」

『どうした?…はっ!まさかボルキャンサーの泡を凍らせ…』

「ごめんドラグレッダー。別の作戦を閃いたの。あんたの考えていたのとは離れるけど…」

『構わない。お前の考えなら俺より良いに決まってる…だから聞かせてくれ!』

 

イドラの出した作戦は…絆エネルギーを使うというものだった。以前イドラは帝都にて偶然にも緊急キズナワープを発動させキズナレッドを自分の所まで一瞬で呼び寄せたと言う。そして、先ほど太陽の森にてモンジャバディに拐われた時も同じくキズナレッドの緊急キズナワープにより助けて貰ったそうだ。

 

つまりは、絆エネルギーを応用してアジールの部分のみを緊急キズナワープで呼び寄せ、身体を再構築しようというものだった。そのためにも強い絆エネルギーが必要なため、ラーニヤとボルキャンサー確認をするイドラ。

 

「私はアジールが本当に辛い時に助けることが出来なかった…」

『ボクは…それにすら気づけなかった…』

「だから今度こそ彼を助けたい!いえ、助けてみせます!」

『それでいっぱいお喋りをするんだ!せっかく、人間の言葉が話せるようになったから!ラーニヤのこと、エルフと人間の今後のこと、アメンのこと、この前のデートのこと…』

「ボ、ボルちゃん!?」カァ

 

「絆はバッチリみたいだな!」

「デート…ボルキャンサー。その話、後で詳しく…」

『イドラ。』

「んん…それじゃあ、行くわよ!ラーニヤ、こっちに来て!」

「はい!」

 

アジールとの絆を確認し、杖を構えるイドラ。そのままラーニヤを中心に魔法陣を生成し始めた。

 

「ラーニヤとアジールの絆エネルギーをマキシマム・キズナカイザーで増幅!ボルキャンサー、外に氷を生成したからそこから出て巨大な泡で砂嵐をキズナカイザーごと全部包んで!」

『了解!』

「泡の内側に再構成術式を展開するから…ドラグレッダーは泡が壊れないように守って!」

『任せろ!』

「アジールの回収を始めるわ!!」

 

氷を通じてミラーワールドから外へと出るボルキャンサーとドラグレッダー。ボルキャンサーは自身を中心に巨大な泡を作り…砂嵐を包み込んだ。そして、泡の外へと出ようする砂嵐をドラグレッダーが尻尾で蹴散らしていると、イドラの魔法陣が次々と現れる。

 

『森に…行かせるか!!』

『ふんっ!…おいボルキャンサー、そっちにも行ったぞ!』ブンッ

『ぐぎぐぎぐ…!ボクはボクで…泡の維持に…いっぱいいっぱいだよ…』

『くそっ!無駄に知恵のある砂嵐だな!』

 

泡の外に出ようとしていた砂嵐は泡の元凶であるボルキャンサーへと狙い変えた。ドラグレッダーはキズナカイザーの周りを飛び回り、ボルキャンサーの守りに入るが…砂嵐はキズナカイザーごとボルキャンサーへと襲いかかる。

 

「…!!このままじゃ、砂嵐が太陽の森に衝突する!」

『うぐぐぐ…ボ、ボク…もう…!』

 

『させねぇよ!』

 

『COPY VENT』

 

突然に氷からエビルダイバーが現れ…ボルキャンサーと同様に巨大な泡を生成し、ボルキャンサーをキズナカイザーごと包み砂嵐から守る。

 

『エビルダイバー!』

『エビルもボクと同じく泡を…』

『違ぇ、ただのコピーだ。』

『お前…そんなことが出来たのか?』

『さっき赤いのの武器を真似たろ?今回はボルキャンサーの泡を真似ただけだ。』

『いや、俺はそんな能力知らんぞ?少なくとも公式ではない…』

『公式?龍の旦那…こんな時に何言ってんだ?』

『でもこれなら…イドラ!砂嵐はボクたちに任せて、アジールをお願い!』

 

「分かったわ!」

 

ボルキャンサーが泡で砂嵐を封じ込め、エビルダイバーが泡でキズナカイザーを砂嵐から守り、ドラグレッダーが2つの泡を破壊させないよう砂嵐を攻撃する。しかし状況はあまり変わらない。3体のミラーモンスターの協力があっても、キズナカイザーの操作と魔法陣の両立に回収が思うように行かず、自身の見通しの甘さを悔やむイドラ。

 

「踏ん張れみんな!」

「─!?」

 

ここでキズナレッドの声が耳に入る。

 

「イドラ!キズナカイザーは俺たち3人が全力で維持する!だからイドラは魔法に専念するんだ!俺はイドラの魔法を…イドラを信じる!」

 

「あーもう、ほんと好き。」

 

惚れた男(キズナレッド)の声援に気合いが入るイドラ。その時、不思議なことが起こった。キズナレッドの胸にある赤い菱形の石が輝きだしたのだ。

 

「コレはまさか…俺とイドラの『ビッグ(バン)・ソウル』が反応している!?」

「このタイミングで新しい機能を出さないでくださる!?そっちが気になって集中出来ねぇわよ!」

 

『…そんなのがあるのかよ。しかし、何故俺とではなくイドラと…』

 

イドラのツッコミを無視しつつキズナレッドは自身の胸を叩いた。

 

「ビッグ絆・ソウル!イグニッション!紡がれし絆の結晶が新たな希望を創造する!」

 

そして、イドラとキズナカイザーの手元にそれぞれ杖が生成された。その名は…

 

『ホープフル・キズナセプター!』

 

「キズナカイザーの新たな武器!」

「これが私とレッドの愛の『絆だ!』……絆の結晶!…え?」

 

不思議なことが続く。杖を持ったキズナカイザーの身体が金色に輝いたのだ!その名も『ゴールデン・キズナカイザー』!!

 

「キズナカイザーの色が金色に…」

『…何で戦隊ロボが通常色から金ぴかになっているんだ?』

「無限のパワーが沸き上がってくるぜ!限界を超えた絆の力が!」

『いや、訳が分からんが!?』

 

ドラグレッダーのツッコミを流しつつも、イドラは杖をかざす。すると砂嵐を囲んでいた魔法陣が大きくなり…回収の速度が速くなったのだ。

 

「すごい!キズナカイザーのエネルギーが自分の魔力のように扱える!これならいける!」

「みんな、もうひと踏ん張りだぜ!」

「いくわよラーニヤ!焦がれし強き絆の腕が想いの欠片を集繕する……『エレメンタル・キズナリビルド!』」

「アジール!!」

 

回収された砂は魔法陣を通じてラーニヤの元へと集まり…アジールの形へと形成され始め…ラーニヤはそれを抱きしめる。

 

「貴方の焦燥も絶望も…今度こそ一緒に背負うから…だからお願い!本当に貴方に戻って!アジール!」

 

「君は本当に変わらないね…ラーニヤ。変わらないでいてくれて…ありがとう。」

 

アジールは元の人間へと戻り…ラーニヤを抱きしめ返したのだ。

 

 

「よ…良かった…」

「コレで万事解決…結果オーライだぜ…」

 

『旦……ぐえっ!?ボルキャンサー、何すんだ!』ビシッ

『エビルの気持ちは分かるよ。ボクも今すぐに駆けつけたいけど…今だけは待ってあげて。』

 

キズナレッドたちも戦いが終わったことで力が抜け、その場でヘロヘロと座り込み、ラーニヤとアジールの2人を見守った。しかし、互いに抱き合ったままずっと離れる気配が無かったため痺れを切らしたボルキャンサーがテルティナに種を回収する指示し、簒奪の銀狼(ヴリコラカス)にアジールを食わせたことでようやく離れたのだった。

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