「みんな!出来るだけ遠くに離れるんだぜ!」
魔王族のヴィダン相手にドラグレッダーが時間稼ぎをしている間…浅垣灯悟はエルフたちの避難させていた。
キーンキーン
「──ミラーモンスターの気配!」
『デカイノイタ…』
『ワタシハチイサイホウデイイ…』
「マズい!アイツらは魔力の種を抜かれたばかり…間に合えっ!」ぶんっ
『グエッ!』バキッ
『ニンゲンガヨクモ…ナッ!?』
『こっちに来い!』グイッ
「ボルキャンサー!?」
突然に聞こえる耳鳴り音…警戒する灯悟の前に2体のシアゴーストが姿を見せる。そして、シアゴーストたちは縛られたままのギミックとユーゲスに狙いを定め…捕食するべく距離を詰める。
灯悟はそれを阻止すべく生身のままシアゴーストの1体へと拳を叩きつけた。殴られたシアゴーストたちは灯悟に狙いを変えたものの…突然に現れたボルキャンサーの泡によりミラーワールドへと引き込まれた。
「はっ!今、皆が避難してるルートには窓がたくさんあった!早く行かない……と?」ドドドッ
避難しているエルフたちを助けるべく、走りだそうとした灯悟に…蛇腹の刃が刺さる。そして、口から血が流れ…そのまま壁へと叩きつけられた。
───
『レッド!!』
「レッド!」
「笑えるねぇ。"変身前に倒す"…シンプルだけどこれが一番爆笑ポイント高いかな。」
ドラグレッダーとイドラ・アーヴォルンが灯悟の名を呼ぶそばで宙からギザ歯が開くと…中からアブダビが姿を見せた。灯悟を刺した蛇腹の刃は大鎌へと形を戻す。
「アブダビ!」
「魔王族がもう1体!?」
「なんだいアブダビ?手柄の横取りにでも来たのかい?」
「やだなぁヴィダン兄。ボクはアメン、聖剣の勇者、異世界の戦士…そして、龍のミラーモンスター。
『ふざけるなぁ!』ボッ
「はいはい。君の相手はコイツに任せるから!」ポイッ
【ADVENT】
『…』ザクッ
ドラグレッダーがアブダビへと火の玉を放つ。するとアブダビはカードを目の前に投げると…デストワイルダーが召還され、爪の一振で火の玉を相殺した。
『グオォォォ!』
続いてドラグレッダーは口を広げデストワイルダーへと噛みつきに掛かる。
「前回、何をされたか覚えてないのかな~?デストワイルダー!」
『御意。』
【FREEZE VENT】
『…チッ!厄介な…』コチコ…
「ドラグレッダー!少しだけスピードを落として!『オーバー・シェイド』!」
コチコチコチッ!
『ナイスだイドラよ!』バリッ
『…何だと?う…うあっ!』
『グルルルル!』ガブッ
『こ…このぉ!』ビビビュ
『グル…!?しまっ…』
シュン……パリンッ!
「ドラグレッダー!?」
デストワイルダーはドラグレッダーを凍結させようとするもイドラが放った闇のバリアがそれを包むように守る。そして、凍ったバリアを突き破りながらドラグレッダーはデストワイルダーへと噛みついた。
しかし、デストワイルダーは腕を伸ばし爪から冷気と飛ばして自身の前に氷塊を形成すると…そのままドラグレッダーごとミラーワールドへと姿を消す。さらに宙にあった氷塊はそのまま地面へと落ち粉々に砕けた。
「何か予定と違うけど…龍のミラーモンスターが消えたからいっか。」
「ミラーワールドにつなげないと!鏡鏡…!」ごそごそ
「やらせないよ。」パチンッ
ドカーン!
「きゃあっ!!」
パリーン!!
ドラグレッダーを呼び戻そうとしたイドラだったが、アブダビはそれを許さずイドラを爆発させ…手鏡を破壊した。
そこからはアブダビとヴィダンによる一方的な蹂躙である。爆発と落雷…さらにはシアゴーストたちによる捕食行動。ロゥジー・ミストの反撃もラーニヤのアメンへの変身も許さず、辺りは地獄化とし…その場に立てる味方は誰もいない。そう思われていた。
『おらおらおらぁ!!』ボボボンッ
「おっと。」スッ
「ん~?」サッ
遠くから全力疾走しながらワイルドボーダーがエネルギー弾をアブダビとヴィダンへと飛ばしてきた。それにより爆発と落雷が止まる。そして、少し遅れながらもシールドボーダーも姿をみせた。
「…ふむ。どうやらミラーモンスターの裏切りが出たようで。」
「馬鹿だねぇ~。これに紛れてそこら辺の人間やエルフを食べたらいいのにさぁ~。」
『けっ!何が裏切りだ!俺たちを何百年も閉じ込めておいてよぉ!』
『そうだそうだ!お前たちの手下は全員やっつけたぞ!』
「だってさヴィダン兄。」
「やれやれ…たった2体のミラーモンスターに全滅させられるとは情けない。」
「というかボクがきた時点で結構少なかった気がするけどね。」
「共食いでもしたのでしょ。」
「ソレ笑えるね。んじゃ、アレを使ったら?」
「そうしよう…出番ですよ"ガルドサンダー"。」ポイっ
【ADVENT】
『…。』
ヴィダンが1枚のカードを宙へと投げる。そこに赤い鳳凰型のミラーモンスター『ガルドサンダー』が召喚された。
『兄ちゃん…コイツ…』
『あぁ。かなり強い…だが!今、止めれるのは俺たちだけだ!』
『ここの皆を…守るんだ!』
『…。』ボッ
『はぁっ!』ボンッ
ドカーーン!
ガルドサンダーの火炎弾とワイルドボーダーのエネルギー弾がぶつかり合い、大きな爆発が起きた。
───
「う…ぐっ!」
「レッド…今、回復魔法を…」
「させないよぉ!」
「─っ!?」
「どさくさに紛れていたつもりなのだろけど…丸分かり。ここ爆笑ポイントね…アッハッハッハッ!じゃあ、死ね。」
「!」ギュッ
イドラは何とか灯悟の元まで来たものの…アブダビに見つかってしまう。そしてアブダビはイドラにとどめを差すべく大鎌を振るい…蛇腹の刃が迫る。避けれないことを悟り、目を瞑るイドラ。そのまま自分へと刃が刺さる…はずだった。
ドスドスっ
「…え?レッド…?」
「…」
何と倒れていた筈の灯悟が庇い…自身の背中で刃からイドラを守ったのだ。そして、そのまま大声で叫ぶ。
「ロゥジー!」
「!!」
「いざという時は…殺してでも俺を止めてくれ。」
「…なんだと?」
【ぺっDOWN!】
伝え終わったと同時にいつもの"R"と書かれた絆装甲ではなく、"B"と書かれた絆装甲をキズナブレスにセットした。
「だ~から~…変身なんてさせないって……何っ!?」
変身を阻止すべく、大鎌から蛇腹の刃を伸ばすアブダビ。しかし、地面から生えてきた巨大な絆創膏により弾かれて失敗に終わる。
「出来ればコイツは…2度と使いたくなかったぜ…絆装チェンジ!!」
そして、伸びた大量の絆創膏は灯悟を包む。苦悶の声が漏れた後…変身した灯悟が絆創膏を突き破りながら姿を見せた。
「焼き尽くす…深き執着の戦士…キズナブラック!!」