時は少し前に戻る。太陽の森へと戻っていたエビルダイバーはアジールのそばにいる予定だったが…ボルキャンサーにより止められていた。
『おいボルキャンサー!何で俺は旦那のそばにいたらいけないんだよ!』
『だってアジールを庇うつもりでしょ?』
『当たり前だろ!じゃなきゃ旦那は…』
『必要ないから。ボク、これでもアジールのことは子供の頃から知ってるの…だから分かる。アジールは1人でちゃんと謝れる子だから。』
『んだよそれ…!』
『だからもう少しだけ待っててね。』
そのまま互いのパートナーが持つ手鏡ごしに様子を見るボルキャンサーとエビルダイバーだったが…
『─!?ミラーモンスターの気配だ!』
『あぁ!俺も感じた…どうする?急いでドラグの旦那を呼ぶか?』
『ハヤクナニカタベタイ』『モウスコシデゴハンイッパイノトコロニ…』『ゼンインブンアルカナ?』『タベルタベル』『タピオカパン』『ショウカンシロショウカン』『ヴィダンコロス』『ハラゴシラエシナイト』
大量のシアゴーストたちが既に近づいていたのだ。
『ヴィダンの旦那がいるのか!?』
『…ヴィダン?』
『俺の封印を解いてアジールの旦那を紹介してくれた恩人だ!早くドラグの旦那を呼びにいかないと…』
『いや、もう遅いね…あの数相手にボク1人は困る。ここからあっちの世界に繋がりそうなのは…奥にある皆の家の窓か。そこに着く前にボクたちで対処するよ!』ジャキッ
『おうよ!』バチバチバチッ
そして、ボルキャンサーとエビルダイバーは…対処へと向かったのだ。
『ハァッ!!』ボボッ
『グ…』ドカーン
『くたばりやがれっ!!』バチバチッ
『ビビビ…』ドカーン
『はぁはぁ…ボルキャンサー、あとどれくらいだ?』
『まだまだ…あ、残っていたのが消えた!あっちに召喚されたのかも!ボク、ちょっと回収してくる!』プクッ
『おい!俺も連れていけ!?』
『あっちにはラーニヤとドラグレッダーがいるから大丈夫!少しでも減らしてあげて、こっちはこっちで対処しよ!すぐに連れて戻る!』
1体、2体…次々とシアゴーストを倒すボルキャンサーたち。しかし、ヴィダンに召喚された残っていたシアゴーストが姿を消す。ボルキャンサーは泡を通じて現実世界の状況を見つつ…召喚されたシアゴーストたちを次々とミラーワールドに戻していき、エビルダイバーと共に倒していったのだ。
………
『ヨウヤク…シネタ…』シュゥ…
『…あむっ!今ので最後か?』もぐもぐ
『だね、急いでラーニヤたちを助けに…!?』
『おいおいおい!マジかよ!?』
『…』『…』『…』『…』『…』『…』『…』『…』『…』『…』『…』『…』『…』『…』
ボルキャンサーとエビルダイバーは残ったシアゴーストを倒したかと思えば、イモリ型のミラーモンスター『ゲルニュート』の大群が現れる。そして、全員が2体へ手から粘液と背中の手裏剣を飛ばそうした…その時だった。
『グルルルゥ!!』
『はーなーせー!!』
『『ドラグレッダー!?』』
突然ドラグレッダーがデストワイルダーに噛みついた状態でミラーワールドへと現れたのだ。
───
「焼き尽くす…深き執着の戦士…キズナブラック!!」
絶対絶命の状況の中、浅垣灯悟はキズナブラックへと変身した。
「キズナ…ブラックですって?」
「あの状態の彼は何と呼べばいいのでしょう?レッドさん?ブラックさん?」
「何だあの禍々しさ…!あれは本当にアサガキトウゴか?」
その姿に困惑するイドラ・アーヴォルン、テルティナ王女、ロゥジー・ミストの3人。
「あーあ、結局変身させちゃったか。」
「何、死に損ないが1匹息を吹き替えした程度…然したる問題はないでしょ……はぁ!」バチバチッ
「…」スッ…ゲシッ
「速…ぐあっ!?」
「ヴィダン兄!?」
ヴィダンの雷をかわし…顔に蹴りを決めるキズナブラック。
「うわあぁぁぁ!!」
そのまま叫び声と共に自身の背中から大量の絆創膏を伸ばしてアブダビへと襲撃し始めた。対してアブダビは大量のカードを宙へと投げた。
「ええい!出てこいミラーモンスターたち全員!!」
【ADVENT】【ADVENT】【ADVENT】【ADVENT】【ADVENT】【ADVENT】【ADVENT】【ADVENT】【ADVENT】【ADVENT】【ADVENT】【ADVENT】【ADVENT】【ADVENT】【ADVENT】【ADVENT】【ADVENT】【ADVENT】【ADVENT】【ADVENT】【ADVENT】【ADVENT】【ADVENT】【ADVENT】【ADVENT】【ADVENT】【ADVENT】【ADVENT】【ADVENT】【ADVENT】
辺りに響く大量のミラーモンスター召喚の音声。しかし、誰に姿をみせることはない。
「何故だ!?何故…出てこない…!ゲルニュ!?」
「うわあぁぁ!!」バキッ
「ごっ…!?」
そのまま拳に何重にも巻かれた絆創膏の一撃を食らう。
「凄い…!あの魔王族2体を圧倒してる…!」
「くっ…!どれだけ強くとも…ここにいる全員を守りながら戦えますか!」
「電気にはアース…電気にはアース…!」
バチバチバチバチッ!!
ヴィダンはキズナブラックではなく、イドラたちへと狙いを定めて雷を落とす。対してキズナブラックは背中から伸ばした絆創膏を地面に差して…避雷針を生成した。そして…手に1枚のカードを持ち、目の前に投げた。
「来いドラグ!!」
【ADVENT】
『タスケ…テ…』
『グオオォォ…お?』バクッ
「龍のミラーモンスター!?」
「ゲルニュート!?まさか呼べなかった原因はお前かっ!?」
カードよりミラーワールドにいたドラグレッダーがゲルニュートを捕食しながら召喚された。ドラグレッダーは状況に困惑しながらもキズナブラックへと語りかけた。
『お前…レッドなのか?』
「ビック絆・ソウル、イグニッション。…ドラグ、等価交換だ。俺の力をやる。だから…お前の力を貸せぇ!」
【キズ✕・シェアリング】
『やめろレッド!レッ……グッ!グ…グオオォォォオ!!』
ドラグレッダーの言葉を無視してキズナブラックは胸の石を輝かせる。するとドラグレッダーの顔に大きな黒い絆創膏が巻かれ、その数秒後…咆哮とともにドラグレッダーの身体全体が黒く染まり始めたのだ。それはドラグ"レッダー"と言うよりはドラグ"ブラッカー"と呼ぶべき姿。そして…
【SWORD VENT】
【STRIKE VENT】
【GUARD VENT】
低い音声と共にどこからか
「うわぁぁ!!」ブンッ
「ぐっ!」ガキンッ
『グオォォ!!』ブンッ
「ぐえっ!?」ゴボッ
キズナブラックの剣の一撃がアブダビを圧倒し、ドラグブラッカーの尻尾の一振がヴィダンの腹へと当たり、吐血させる。
「「デストワイルダー/ガルドサンダー!!」」
追い詰められて自身の仲間であるミラーモンスターの名を呼ぶものの…デストワイルダーはミラーワールドの中であり、ガルドサンダーはワイルドボーダーとシールドボーダーを相手に離れることは出来ない。
キズナブラックはドラグクローをアブダビへと向け…そのまま前へと突き出すと、それに合わせドラグブラッカーが
「ギィヤャァァ!?ボクの手がぁ!?」
身体こそ守れたものの、6つあったうちの4つの手が黒く石化して地面へと落ちた。さらにキズナブラックはカードを1枚、ドラグブラッカーへと投げる。
「終わりだ。」ポイッ
『グルル…』
【FINAL VENT】
「なっ!?」ぎちぎちっ
キズナブラックが背中から伸びた絆創膏でヴィダンを拘束する。そして、ドラグブラッカーはキズナブラックの背後へと回り大きく口を開き…黒い火の玉を吐き出した。キズナブラックはそれを背中から受け止め加速して…ヴィダンへと急接近。そのままドラグセイバーで首を斬り落とした。
「
バクッ
そして、落ちてくるヴィダンの身体をドラグブラッカーは1口で捕食した。
「ヴィダンを倒した!?」
「いや、アレをみろ!」
「間一髪だったねヴィダン兄。」
しかし、頭の方はアブダビにより回収されており…
「まだだ…"第二形態"になれば…!」
「その状態じゃ流石に無理だって。」
しかも喋っており生存も確認されたのだ。
「ここは一先ず撤退するよ!」バシュン
アブダビは宙にキザ歯の口を開かせ、ヴィダンと共に中へ入ると…姿を消した。