無双龍ドラグ異世界で冒険者になる   作:アマノジャック

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太陽の森編終わりまで連日で投稿します。


戦隊レッドと千年を越えた想い

「う…!」パチッ

『レッド!?』

「良かった…やっと起きたわね。」

 

戦いが終わり、イドラ・アーヴォルンの回復魔法を受け、浅垣灯悟は目を覚ます。それにドラグレッダーとイドラは安堵した。

 

「ゴメン…ドラグ、イドラ、ロゥジー。それに太陽の森も…」

『…謝るのは俺の方だ。実際に森の被害は俺の炎によるものが多い……何よりイドラとボルキャンサーを殺しかけた。すまなかった。』

「2人とも何謝ってるのよ。私は無事だし、貴方たちが魔王族と大量のミラーモンスターを撃退してなかったら…ここにいた全員が死んでいたのよ。」

「その通りです!」

「ま、私の肩の穴は全治1ヶ月らしいがな。ついでに虎のミラーモンスターに殴られた腹も痛い。」

「ロゥジー!」

『ボ、ボクも脱皮すれば治るからね?…次がいつになるか分からないけど。』

「ボルちゃん!」

「『…』」ずーん

 

謝罪する灯悟とドラグレッダー。イドラとラーニヤがフォローするが…ロゥジー・ミストとボルキャンサーは自身の現状を伝え、灯悟とドラグレッダーの顔が暗くなる。

 

「だが、貴様らがいなかったらテルティナ様を守りきることは出来なかった…この傷は私の弱さの代償だ。貴様らの非ではない。」

「ロゥジー…成長しましたね。」うるっ

「特にアサガキトウゴ。貴様の腹に一撃を入れれた…それで少しだけ気が晴れた。」

「前言撤回です。」

『そういうことならボクもドラグレッダーを殴ったし……ごめんね?』

「あ、あれは私が呼び出したからでボルちゃんは悪くないから!むしろ、アメンバッグルをドラグさんに盗られた私が悪いと言うか…いや!ドラグさんを責めたい訳ではなく…!角に引っ掛かっただけの事故で…!」

『ラーニヤ、落ち着いて。』

 

ロゥジーとボルキャンサーから許しをもらったことに加え、慌てるラーニヤの姿にドラグレッダーは笑い、灯悟は感謝を伝えた。

 

『ク…クククク!ボルキャンサーにラーニヤよ。その謝罪受けれた。』

「ありがとう、みんな。」

「だから…お礼を言うのはこっちの方だって。」

「こうしちゃいられねぇ!外のみんなにも謝って壊しちまった分を働かねぇ……と?」

 

立ち上がった灯悟だったが目に映った何かに目を奪われた。

 

「なぁ…コレって何だ?」

『千年前に描かれた勇者一行の壁画らしい…ククク。どうだレッド…知ってる顔でもあったか?』

「…あぁ。お前もこの世界に来ていたんだな…"シルバー"。」

 

壁画には5()人が描かれており、その中のキズナレッドによく似たローブの戦士へと手を伸ばす灯悟。シルバー…正確な名前は"キズナシルバー"。灯悟がいた世界の『二階堂天理』の変身するキズナ戦士である。

 

「この世界に来た時…もしかしたらお前も来てるかなとは思っていたけど…」

「そのシルバーって人がこの世界に来ていたということは…」

「あぁ、絶縁王の攻撃から俺を庇って死んでしまった…いや…俺が死なせてしまったんだ…」

「レッド…」

 

後悔の顔でキズナシルバーの壁画から目を反らす灯悟。その先は姫騎士の姿があり…とある部分が目に入る。

 

「…ドラグ、この(・・)仮面ライダーを知っているか?」

 

その姫騎士の腰にはVバックルが付けられていた。

 

『あぁ、知っている。そのライダーは…』

 

「そうか、お主がキズナレッドか。まさか本当に現れるとはの。」

 

解説しようとしたドラグレッダーだったが…それを1人のエルフが遮った。

 

「大婆様!!」

「あの方が千年生きているという話の!?」

「どう見ても幼女では?」

『…ほぉ、千年でこの姿とは随分と肉が熟成されて旨そう……ん?何だこの半端な臭いは?』

『いや、大婆様を食べようとしないでくれる!?』

 

名は『ワァド』。他のエルフとは異なり肌は焼けてないため白く、ラーニヤよりも幼い見た目をしている。

 

「大婆様は独自の時間停止魔法で老化を抑えているのです。」

「発動中はずっと寝たきりじゃが………待てボルキャンサー。貴様、今喋ったか?」

『…あ、うん。レッドと会って何か喋れるようになったよ。』

「なるほど…シルバー殿と同じ能力か。」ちらっ

「へ?もしかしてシルバーのことを知って…」

 

ワァドは灯悟を見るとトコトコと壁画の前まで移動した。

 

「生き永らえた甲斐はあった…こうして、シルバー殿との約束が果たせるのじゃから。」フォン

 

そのまま壁画に手を伸ばし…刻印魔法を使う。すると壁からある女性の姿が映し出されたのだ。

 

《やぁ、久しぶりだねレッド。》

 

「シルバー!?」

「これは一体?」

「刻印魔法で壁に記録された映像を再生しているみたいです。…綺麗な人ね。」

『胸のデカイ女だ…』

 

キズナシルバー…否、天理の姿に言葉を無くす灯悟。イドラとドラグレッダーが複雑な顔をする一方で天理はそのまま言葉を続ける。

 

《君がこれを見ている頃には僕はもうこの世にいないだろう。何せ僕の予知が正しければ、君がコレを見れているのは千年後だからね。》

 

その後、灯悟にどうしても伝えたいことがあると言いながらも会話中に自身のデカイ(・・・)胸を眺めていたことを指摘する天理。灯悟は呆気に取られるも実際そうだとテルティナを筆頭に弄られ始めた。

 

『レッドよ…俺も初見時は性別を確認しているから恥ずかしらずとも…』

「止めてくれドラグ!今はその宥めが一番辛いんだぜっ!」

《いや全然悪いことで無いさ。君のそういう年相応の男の子さにはキュンとくるしね。》プププ

「異世界の壁画になんてことを残してるんだシルバー!?」

《だからねレッド…君はそんな何処にでもいる普通の男の子"浅垣灯悟"だということを忘れない欲しい。だって僕は…》

 

《おいテンリ。道草食ってないでさっさと行くぞ。》

《これ?録画?ビデオレター?イエーイ!彼氏君、見てるー?》

《これはまさかエルフ族が編みだしたという刻印魔法か!?興味が次々湧いてくるぞい!》

《ちょっと!?邪魔したらダメだってば!》

 

天理の会話の途中に3人の男と1人の女が割り込んできた。

 

《ゴメン、ちょっと待ってくれるかい?》ターンオーバーン

《待って天理。この子に任せましょ。》ポイッ

 

 

【ADVENT】

 

《頭が高い。》バサッ

《ぎゃーっ!!/何で俺までー!?》

 

女が1枚のカードを投げると白鳥(・・)のミラーモンスターが召喚され、3人の男を羽ばたきで起きた暴風により吹き飛ばした。

 

「もしかして今のって…」

「あぁ、千年前の勇者共じゃ…懐かしいの。」

 

いきなりの濃い情報量に圧倒されるイドラたち。ワァドも遠い目でそれをみる。

 

《ありがとう美穂(・・)。》

《…私は別に何もしてないから。先に行くわ。》

 

美穂と呼ばれた女はミラーモンスターを手鏡に戻すと去っていった。

 

《…とまぁ、こっちは君に勝るとも劣らない愉快な仲間と旅をしながら、魔王のガキ共やミラーモンスターと死闘を繰り広げたり、聖剣の素材集めのために大精霊をしばき倒したりとファンタジックな毎日を送っているよ。コレもレッド。君が絆の大切さを教えてくれたお陰だ。》

 

「シルバー…」

『こちらも魔王族の相手をしたり、種の回収だったり、似たようなものではあるな。』

「千年前からそうだったのね。」

『というか千年前からミラーモンスターっていたんだね…』

 

《だから僕は君たちと過ごしてきた日々を…あの日の選択を…何も後悔してはいない。君と共に戦い、君を守り抜き、この世界に転生する。それが僕の運命だったんだ。だからもう僕のことで後悔しないでくれ。今もきっと君の周りには、君を支え、君の幸せを願っている人がいるはずだ。今はその絆を大事にして欲しい。》

 

「…分かったぜシルバー!俺は今ここにある絆を今度こそ守りきる!そして!お前が守ったこの世界を今度は俺が守ってみせる!」

「レッド…」

「ようやくらしくなってきましたね。」

『俺より弱いお前が俺を守る…ククク。随分と大口を叩くではないか。』

「あらあら?ドラグレッダーってば遂にレッドとの絆を認めたのかしら?」

『…俺とレッドのビック絆・ソウルが反応した…内容はアレだったが、もう否定は出来ん。』

「そ、そう…」

『だがお前たち全員が俺の非常食だということも忘れるなよ?』

「分かってるって!これからも頼りにしてるぜドラグ!」バンバンっ

『…本当に分かっているのか?』

 

元気を取り戻した灯悟に呆れるドラグレッダー。タイミングを見計ってか天理が言葉を続けた。

 

《それじゃあ、最後に僕の予知を授けよう。君が次に向かうべき場所は亜人連合国の首都"フォリング"。そこに僕の仲間の生き残りがいる。きっと君の助けになってくれる筈だ…まぁ、君はかなり難色を示すことにはなりそうだけど。》

 

「ん?どういうことだぜ?」

「レッドが難色を示すって…」

「相当な変人ってことでしょうか?」

『レッド以上の変人か…興味はあるな。』

 

《仲良くしてやってくれ…おっと。そろそろ時間だ。それじゃあ、今度はしっかり長生きするんだよ。"またね"、レッド。》ザザザアァァ

 

天理がそう伝えると映像が終わった。

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