無双龍ドラグ異世界で冒険者になる   作:アマノジャック

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無双龍と今後の計画

ドラグレッダー達は今後について話し合っていた。

 

「次の目的地は亜人連合国の首都フォリング…とは言ったもののフォリングがある大陸"イルジア"に行くには海を渡らなきゃならないのよね…」

『ほぉ、大陸が他にあるのか。ちなみここの大陸は何と言う?』

「お父様が統べるこの大陸は"リアラ"と呼ばれています。とにかく何処かで船を調達しないとですね。」

「キズナカイザーで飛んでいけばいいんじゃないか?」

「あんなのが空から来たら侵略だと思われるわ。」

『亜人の国というなら…ミラーモンスターである俺の背中はどうだ?ボルキャンサーがいた以上、他にもミラーモンスターがいる可能性がある。』

「大陸渡りきるまでにドラグレッダーの身体が消えるでしょ。」

『レッドがさっき言っていたキズナカイザーで途中までいけば…』

「益々侵略しにいってるじゃない。それに魔王族のミラーモンスターと勘違いされる可能性もあるわ。」

『むぅ…!』

「とりあえず船で向かう前提で話を進めます。皇国最大の港である"メカモ港"なら船はあるかもしれませんが…亜人連合と皇国は長らく冷戦状態なので、そもそも人間だけではフォリングに入国できるかどうか…」

『ミラーモンスターの俺は…』

「出てきたらややこしい未来が見えるから、私たちが良いと言うまでミラーワールドでじっとしてなさい。」

「博士の仲間であるシルバーや初代アメンの名前を出すとかどうだ?」

「千年前の人間よ…流石に無理があるわ。そもそも博士までその話が届く保証がない。」

「「むむむ…」」

 

まずは入国をどうするかで話が詰まる。ここでラーニヤが手を上げた。

 

「それなら私とボルちゃんを同行させてください!太陽の森は中立な立場でありますが亜人連合とは交流がありますので…私がアメンの名を出せば、顔つなぎ役になれるかと思います!」

『もしかしたボクの顔を覚えている住人がいるかもしれないし。』

「おお!そいつは助かるぜ!」

「だけど次期族長が里を離れても大丈夫なの?」

「レッドさん達はこの森を救ってくださいました!だから今度はこちらが皆さんの力になりたいのです!それに3年前に先代(ちちうえ)が亡くなってからは族長代理の2人が里をまとめてくれてますので問題ありません。」

「3年前に父親を…」

「イドラさん?」

「いえ…シンパシーと言いますか…私の父も3年前に亡くなりましたので…」

「そう…だったんですね…」

 

「…」キュッ

『テルティナよ。どうかしたか?』

「い、いえ…その…何でもありません。」

 

テルティナ王女の顔が暗くなるも直ぐに戻す。

 

「という訳で私も皆さんの旅に同行させてください!」

「いいやダメじゃ。」

「大婆様!?」

「ラーニヤよ…貴様アメンの修行をサボっておったじゃろ。」

「!?」ドキッ

 

突然現れたワァドに図星を突かれ、ラーニヤの口が閉ざされた。脳裏に浮かぶのは昼寝をしたり、アジールとデートをしたり、シザースへと変身する自分の姿。

 

「やはりの…」

『大婆様!?違うの!ラーニヤはその…仮面ライダーの修行を…』

「ボルキャンサー…貴様、ラーニヤの逃走を手伝っていたじゃろ。不審な消え方を何度もしたそうじゃが…ミラーワールドを悪用したな。」

『…あ。いや、その…』

「貴様がラーニヤを甘やかすからアメンとして全然戦えなくなったんじゃろ。そもそも誰でもなれる仮面ライダーの力をラーニヤに使わすなと何度も言っておろうが!ラーヴァンを想うならその娘のラーニヤをしっかりしたアメンにさせるのが貴様の役目じゃろ!」ツンツンツン

『ご…ごめんなさいぃ!!』

「ボルちゃん!」

 

ラーニヤを庇おうとしたボルキャンサーだったが…あっさりとワァドに圧倒された。そのままワァドはラーニヤへと詰め寄る。

 

「ラーニヤ、貴様がアメンの力を100%引き出せておれば、ククジャの坊主や魔王族にも遅れを取ることはなかったハズじゃ。そもそも、心に仮面を付けねば戦えないなぞ論外オブ論外じゃ。」ツンツンツン

「ひ、ひぃ~!」

「じゃから貴様のような未熟者には…儂が一からみっちり修行をつけ直してやる。」

『大婆様!ラーニヤにはフォリングへの顔つなぎ役が…』

「ここからメカモまでは1月以上はかかる…それまでにキッチリ仕上げて転移魔法で送りつけてやろう。それに万が一、こやつが壊れても代理を送るから安心せい。」

「私は何も安心できないのですが!?」

『大婆様!ボクも一緒に…』

「ククジャの坊主!」

「は、はい!」

「ボルキャンサーはしばらく貴様が預かれ…目を離すなよ?」

「…了解しました。」

「では早速、始めるかの。」ズルズル

「助けてアジール!!ボルちゃーん!?」

『ラーニヤァーッ!!』

 

「顔つなぎの件はラーニヤの無事を祈るしかないわね…」

 

ラーニヤがワァドに引きずられ、その場を後にする…何はともあれ、入国方法は決まったのだ。

 

………

 

「後は船をどうするかでしょうか?」

「イルジア大陸までは結構距離がありますので、長期間の航海が可能な大型船をどう用意するか…」

「空がダメってんならキズナカイザーで泳いで行くってのはどうだ?」

「空とか海とか関係なく決戦兵器で乗り込むのがアウトなのよ。」

『俺は兵器扱いかよ…』

 

《それなら丁度いい話があるわよ。》

 

「「『!!?』」」

 

突然にイドラ・アーヴォルンの帽子が喋りだした。

 

《こんばんはテルティナ様。それと雑多共。》ヴォン

 

「シャウハ!?どこから現れてんのよアンタ!?」

 

そして次の瞬間、シャウハの姿が映写される。

 

《こんなこともあろうかとあんたの帽子に監視兼通信用の魔導具を仕込んでおいたのよ。》

「…!!」いらっ

「それでシャウハ。いい話というのは?」

《イルジア大陸に渡るための船が必要なのでしょう?でしたらメカモ港に駐屯している第一騎士団からお借りしては如何です?》

 

シャウハ曰く、魔力の種の接収により帝都から逃亡した貴族がいたらしく、亜人連合への亡命を阻止するために港を封鎖しているとのこと。さらに逃亡者はメカモ近くの"ニヅベル"と"ルイーグ"に潜伏している可能性が高いため、その調査も依頼してきたのだ。

 

「なるほど、それで皇族直轄の第一騎士団がメカモ港に…私はてっきり、ダリエル兄様が亜人連合に攻め込む準備を始めたのかと。」

《ははっ、冗談として聞き流しておきますよ。因みにニヅベルでは魔力の種の接収に赴いた騎士が消息を絶ったなんて報告がございます。お気をつけてください。その代わり、テルティナ様達が港に着いたら船を手配するよう、こっちで手を回しておきますんで。》

「ありがとうございます。」

「これで船の問題も解決だな!」

《まぁ、一国の姫君が敵対国の首都に乗り込むだなんて…反対されるかもしれませんが。特に騎士団長マッハヴォルト卿には…ねぇ?》

「「…」」

 

シャウハの言葉にテルティナとロゥジー・ミストが張り詰めた顔になる。そしてシャウハはドラグレッダーへと顔を向けた。

 

《そうそう。龍のミラーモンスター…》

『長くて呼びにくかろう…ドラグレッダーだ。ドラグでもいい。』

《ドラグレッダー。ミラーモンスターを解放するから護衛として魔導塔に来てもらう。とりあえず、メズスのギルドにでも着いたら連絡してくれ…転移魔法で拾いにいくから。》

『了解した。』

「ドラグ…」

『レッド、メズスからは別行動だ…何、直ぐに終わらせてこよう。それにお前はさっき、ここにある絆を守りきる、って言ってただろ?それは俺がすぐそばにいないと出来ないことか?』

「いや、やってやるんだぜ!そっちもしっかりやるんだぞドラグ!」

『クククッ!誰にものを言ってやがる!』

 

ドラグレッダーは手鏡から尻尾を出し、浅垣灯悟はそれに拳を当てる。

 

《つーワケで後はヨロシク。》

「ちょっと待ちなさい!アンタとは話したいことが山ほどあんのよ!」

《あっそ。それじゃあ、3行にまとめて手紙で送っといて。鼻紙くらいには使ってあげるわ。》ヴォン

 

シャウハはそう言うと映写は消えた。しかし、イドラは魔導具を掴み魔力を込めると…再びシャウハの姿が映写された。

 

《…は?そいつの通信はこっちからの一方通行だったはず。》

「アンタがテルティナ様と話してる間にちょこっと弄らせてもらったわ。それにしても凄いわねこの魔導具。本物と見紛う程の映像と声の送受信…それをここまで小さなサイズに収める緻密な術式構造。こんな精度の高い魔導具はみたことがないわ。」

《何?あんたが話したかったことって私のご機嫌取り?》

「絆を結ぶにはまず相手のことをよく知ること…そして、凄いことは素直に認めること。シャウハ、はっきり言うわ。私はアンタと絆を結びたいの。」

 

『ククク…これは誰に影響されたんだろうな?なぁ、レッド?』

「…あぁ。」

 

《…絆だぁ?小綺麗言葉を使うなよ!あんたは自分の理想のために私を利用したいだけだろ?》

「勿論アンタの力を利用させてもらう。その代わりにアンタにも私の力を利用させてあげる。」

《はぁ?あんたの力なんて私に必要ねぇわよ。そもそもあんたの父親から地位と名誉を奪って魔導から追放した私を憎んでんだろ?腹の底で憎んでるような奴と絆を結べるわけねぇだろ!》

「…確かにあんたのせいでウチは没落したし、いつかは見返してやろうとは思っているわ。だけど、魔導士としては本気で尊敬してるし、ズバズバはっきりとモノを言うアンタの性格は…割と好きよ。」

《は?…き、貴様なんぞに褒められたって、なんっにも嬉しかないっての!》

 

ボーン

 

いざこざを始めたイドラとシャウハだったが…最終的にイドラの『好き』と言葉にシャウハの顔が赤くなり、魔導具が爆発して会話が終わる。

 

「…まさか、あのシャウハが照れました?」

「絆の芽生えって感じだな!」

 

その光景にテルティナが驚き…灯悟は満足そうにサムズアップをしていた。

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