場所はとある巨大な石像があるところ…何もない空間から発生したギザ歯よりデストワイルダーが姿を見せた。それをアブダビが出迎える。
『…アブダビ、今帰った。』
「お疲れ~、デストワイルダ~。いや~、本当に助かったよ…
『互いに思っていた以上のダメージを負ってしまったな。』
「それな!マジでアイツら笑えないわ!」
『…』
「とりあえず、これでも食べて回復に専念しなって。」ぽいっ
『…
アブダビはデストワイルダーに食事を与えると歩きだす。デストワイルダーも食べながらそれに着いていく。
「くっ…こんな醜態を家族に晒すことになるとは…!」
『ヴィダン様、今は生還を喜びましょう。』
「そうそう。それにヴィダン兄の醜態には皆、慣れっこだし。笑って流してくれるよ。」
『…』もぐもぐ
途中で2頭身状態のヴィダンとガルドサンダーも合流し、4人は奥へと進んでいく。
「帰ったか…ヴィダン、アブダビ。」
出迎えたのは2本角に4本腕の巨漢と3対角に額へ単眼を付けたメカクレの女。
「久しぶりだね…『ドマド』兄。『ブイダラ』ちゃん。」
『おいおい!俺ッチも忘れないでくれよ!』
「『グリ』ちゃん…口を閉じなさい。兄さん達の邪魔よ。」
『へいへい…』
さらにはカメレオン型のミラーモンスター『バイオグリーザ』の姿に…
「…」ブチッ
『──!』
さらには
「兄弟全員集合…ってワケではないみたいだね。」
「仕方あるまい。"あいつ"には今、重要な仕事を任せているから……な?」フラッ
ぐうぅぅぅ
「ドラグ兄!?」
『俺ッチに任せなっ!』シュルルル
立ち上がったドマドだったが…大きな空腹の音と共に倒れかけ、バイオグリーザが伸ばした舌により支えられる。
「やはり、我の腹を満たせるのは
『俺らにとっては少量でも高エネルギーであるが…ドマドには少ないと言うのか。』ごくんっ
「ていうか今デスちゃんが食べた分をドマド兄さんにあげれば良かったんじゃない?」
「ブイダラちゃん、そんなこと言わないの。コイツがいなかったら負の魔力がドマド兄に流れないままだったの。」
『私は貰ってすらいませんし…』ぎゅるる
「だってガルドサンダーは何の貢献もしなかったじゃん。とにかく、ドマド兄が餓死する前に早く
「案ずるな。コイツは身体が
全員の目線は宙へと浮かぶ魔王の身体へと向いた。
「千年も掛かってしまったが
「
「いいねぇ♪何して遊んでもらうんだい?」
「人間おままごとに人間積み木でしょ、それから人間細工に人間図鑑も作りたいな♪」
『壊れたら俺ッチが食って新しいの用意してやんよ!』
テンション高くブイダラは自身の願いを語る。
「ブイダラちゃんは本当に人間で遊ぶのが好きだね。」
「だって見て良し、壊して良し、操って良し、色んな遊び方があって全然飽きないんだもん!ねぇ、グリちゃん?」
『そうだなそうだな!特に壊して良し、ってのが最高だ。俺ッチが食えることになるし!』
「な、なあブイダラちゃん?めっちゃ長くなりそうだし…それやる前に兄さんと
「イヤよ!
『正確には"ごっこ遊び"によるキズナシルバーのコピー能力だけどな!』
「グリちゃん、それは言わないお約束でしょ?」
『ごっこ遊び』…ブイダラが単眼で見た武装や能力をコピーする力。千年前の勇者たちの戦いにより、二階堂天理の持っていた"予知能力"をコピーしている。
「よって、人間界でチョロチョロ暗躍してる兄さん達なんて下の下だよっ!しかもヴィダ兄さんなんて、ちょっとでも手柄を上げるために出しゃばって…2頭身になって帰ってくるなんてマジ哀れなんですけど!」
「ぐぬぬ…!そういうブイダラちゃんだって、最近予知の精度が落ちてるって聞きましたよ!」
「…だから生きて帰ってこれたんじゃない。」
「ブイダラちゃん?」
「今だから言うけど…今回、ヴィダ兄さんが死ぬ予言が見えたの。」
「なっ!?」
ヴィダンの額から汗が流れる。
「千年間ハズれなかったブイの予言、キズナレッドが関わることで次々とハズレるようになったの。イドラ・アーヴォルンはマナメタルの採取時にドラゴンに殺され、太陽の森もアメンも暴走したアジールによって滅ぶはずだった…ヴィダ兄さん、ここを出る前のこと覚えてる?」
「未契約のカードデッキと大量のミラーモンスターを引き連れるように言ってたけど…」
「…もしかして、バイオグリーザがボクにヴィダン兄のところへ向かうように言ったのも…」
「これで確定したわ。キズナレッドは特大級のノイズよ…だから、ここまで戦力を増量してあげたのに!何で今回ちゃんとアイツらを殺しきれなかったのよ!」もー
そのままブイダラはヴィダンとアブダビへと詰めよった。
「そうしたかったけど…こっちは
『俺の【FREEZE VENT】にも対抗してやがったし…』
「アブ兄さんとデスちゃんの意気地無し!!」
「ブイダラちゃんも戦ってみなよ!奴の理不尽さがわかるから!」
「落ち着け。」
「「「『…!』」」」ピタッ
ドマドのドスの効いた一言に全員が止まる。
「第四の封印が解かれれば我らの魔力も戻り、第二形態への変身も可能になる。さらに此方のミラーモンスターたちも"真の力"が引き出される。そうなれば勇者や異世界人、龍のミラーモンスターに遅れを取ることもなかろう。それに…いざとなれば我がまとめて殺しにいく。」
「「「『…』」」」
「だから無理はするな。皆で
「ん?何々?」
そして、ドマドは穏やかな口調に戻すとアブダビに自分の近くに来るよう命じた。そして、鳥型ミラーモンスターの下に置かれた器を取る、その中身である血を4本の石化したアブダビの手に浴びせてのだ。それと同時にアブダビの手が回復した。
「ドマド兄!?それ、ドマド兄の貴重な食料で…」
「お前のケガが治る方が大事だ。」
「…ありがとうドマド兄。とりあえず、ドマド兄が今ここを離れたら封印の解放が遅れそうだし、キズナレッドたちには関わらない方針でいこうか。」
「…」
「それに計画が次の段階へ進めば
『全ては魔王様と』
「ご飯を頂くため。」「遊んでもらうため。」「結婚するため。」「お喋りするため。」
『まずは亜人連合国を獄炎と鮮血で染め上げる。』
魔王族の4人は心を1つにしたのだった。
………
「…」
『ブイダラ、皆に言わなくて良かったのか?』
「…ドマド兄さんもヴィダ兄さんもアブ兄さんも…それに"あの子"も頑張っている。"予知能力"の精度が落ちてる今、アブももっと頑張らないと。」
『…アンタのそういうところ俺ッチは好きだぜ。』
「とにかく!龍のミラーモンスターがいないアイツらなら…アブの敵じゃないわ!ニヅベルに向かうわよバイオグリーザ!」
『おうよ!』