ドラグレッダーの背中へと乗った浅垣灯悟、イドラ・アーヴォルン、ザッツ、トビーの4人は目的地であるクラフーワイロの森へと着いた。
「じゃあ、入る前に…作戦会議だぜ!」
「何で今なのよ!?」
『トビーにはパーティ仲間に秘密しておきたいことがあった…だが、ここなら聞かれまい。』
「僕を気づかってくれたんだね、ありがとう。…まずはこれをみて欲しい。」すっ
『「「それはっ!?」」』
「何だそれ?」
トビーが取り出した物…それは未契約のカードデッキだった。なお、ザッツだけはそれを知らない。
「…やっぱり君たちは知っていたか。これを持っていると何か耳鳴り音がしてきて…でもフォウたちには聞こえてないみたいで…」
『どこで手に入れた?』
「ケラウズバネ遺跡ってダンジョンの住居跡に置いてあった…恐らくは数百年の前の物だと思う。」
『確かに古びているな。』
「使い方は分かってるのか?」
「…使う?これを?中に入ってるカードが武器になるとかかな?」
「いや、だから…何なんだそれ?」
『イドラ…見せてやれ。』すっ
「了解。凍て刺せ、氷精の槍…セルシウススパイク!」
コチーン!
イドラはドラグレッダーよりカードデッキを受け取り、杖から氷塊を生成すると…氷面に向けてカードデッキをかざした。
「トビー、アナタも私の真似をして。」
「分かった。えいっ!」
トビーもイドラを真似て氷面にカードデッキをかざすと…2人の腰にVバックルが装着される。
「何か出てきた!?」
「変身!」
「へ…変身?」
そして、2人はVバックルにカードデッキを入れると姿が変わった。イドラがなったのはドラグレッダーの力を持つ仮面ライダー龍騎。対してトビーがなったは…バイザーの位置が
「…え?僕の身体どうなってるのこれ?」さわさわっ
『この姿は…なるほど。』
「龍騎やシザース、ライアと比べると色が無いんだぜ…」
『…"ブランク体"と呼ばれる形態だ。パワーも耐久もミラーモンスターと契約しているライダーと比べ大きく劣る。』
「赤い兄ちゃんと似たような姿になりやがった…てか、魔導士の嬢ちゃんもなれるのかよ!?」
困惑するトビーとザッツにドラグレッダーは解説を続けつつ龍騎のカードデッキへと手を伸ばす。
『ミラーモンスターが相手だ。生身より良かろう…イドラ、カードを1枚もらう。』
「…アンタ、そのでかい手…いや爪でよく器用にカードが取れるわね。」
『ザッツよ…受けとれ。』
【GUARD VENT】
氷塊よりドラグシールドが召喚され、ザッツの肩へと付けられた。
「お?これは前に貸してくれた盾…2つあるのか?…あんなに丈夫だったのに結構軽いんだな。」
『肩当てであれば普段の装備の邪魔になるまい…とはいえザッツ、お前は生身だ。ミラーモンスターの奇襲には気を付けろ。』
「…何から何までありがとな。」
「じゃあ、俺も…絆装甲セット!絆装チェンジ!」ペッターン
灯悟もキズナレッドへと変身する。つまり…
「燃え盛る!熱き友情の戦士…キズナレッド!」
ドカーン!
爆発した。
『レッドお前!森の中のミラーモンスターに気付かれるだろが!というかもう絶対に気付かれたわ!』
「ご、ごめんだぜ…」
『バレた以上全員でここで固まっているのマズい…レッド、イドラ、ザッツよ。お前達は先に行け!俺はトビーと話すことがある。ミラーモンスターを見つけたら目立つよう戦うか、【ADVENT】で俺を呼べ。全員死ぬなよ?』
「任せろ!」
「えぇ!」
「いってくる!」
そのまま3人は森の中へと走り出した。
「それで…僕と話すことって。」
『まずはその姿の名を言おう…"仮面ライダーインペラー"だ。故にお前の契約するべきミラーモンスターは…』
………
『ヒヒヒ…ゴチソウダ!ゴチソウダ!』ビュンッ
「…っ!?弓矢の魔物!こいつがレインを…!」ガチンッ
「待つんだぜ先輩!ここは周りの木で動きにくい上にアイツの得意フィールド…無闇に突っ込むのは危険だぜ!」
「そうね…ドラグレッダーから盾を貰ったとはいえ、今のアンタは生身。まずはレッドに任せなさい!」
「『握手カリバー』!『指切リッパー』!」シェイクハンドッキング
森の中へと入った3人だったが…黄色のミラーモンスターとの戦闘が始まっていた。最初に動いたのはミラーモンスター…キズナレッドたちに向けて矢を飛ばすが、それをザッツがドラグシールドで受け流す。反撃にキズナレッドが双刃剣と二丁鎖鎌を手に持ち、ミラーモンスターへと迫った。
『…ヤッカイナヤツガキタナ。ニゲルカ。』
「待て!」
「いや、アンタが待ちなさ……行っちゃった。」
「やれやれ、追いかけるか…」
そのままミラーモンスターを追いかけるキズナレッド。そのまま後を追おうとするザッツだったが龍騎が待ったをかける。
「待って。ここでドラグレッダーたちを待つわ。」
「はぁ?なに言ってんだ?」
「相手の思い通りにさせたくないだけ。来たわよ…新手が。」
「…マジかよ。」
「5人も行って誰も生還しなかったことが気になっていたけど…やっぱり、複数体いたのね!」
『…』
『…』
先程のミラーモンスターとは配色の異なる2体のミラーモンスターが姿を見せたのだ。黒いミラーモンスターは細い剣を持っており、銀のミラーモンスターは左右の手と一体化した針を構えていた。
「得意なのは接近戦とみた…なら!曇天焦がす、炎精の鉄拳…イフリート・ブロウ!」
『…』ブンッ
ドーーン
龍騎は杖から炎の手を飛ばすも…黒いミラーモンスターの剣よりあっさりと斬られる。
「やっぱり魔法はダメなのね…これなら!」さっ
【STRIKE VENT】
「はぁ!!」ボボボッ
『…!』
龍騎はドラグクローを装備するとそこから炎を飛ばす。ドラグレッダーの援護は無いが、その炎は黒いミラーモンスターを後退させる。
「おらぁ!!」ブンッ
『…!』ガンっ
「…ちっ!」さっ
ザッツも自分の武器である斧を振り回し、銀のミラーモンスターへと攻撃する。しかし、あっさりと受け止められすぐに距離を取る。
「ダメだ!俺の攻撃が全然効いてねぇ!」
「私の魔法も火力が足りないわ。かといってレッドみたいに剣や拳を扱える訳じゃないし…こうなったら、来てドラグレッダー!」さっ
【ADVENT】
『グオォォォ!!』
龍騎の目の前に生成された鏡よりドラグレッダーが召喚され、2体のミラーモンスターを睨む。
『ほぉ…"バズスティンガー"か。』
「バズスティンガーね…どっちが?」
『両方だ。黒いのは"ワスプ"、銀のは"フロスト"と呼ばれている。』
「ややこしいわね…」
『であればザッツよ。お前が言っていた弓矢のミラーモンスターというのは"ビー"か"ブルーム"のどちらかだろう。』
「…弓使いが2体もいるのかよ。てか、A級の兄ちゃんはどうした?」
『トビーなら派手に暴れる絆バカの所へ向かったな。』
『…ギギギ。』
『ギッ!』こくっ
『…』さっ
『…』さっ
「アイツら逃げやがった!」
『…違うな、レッドの所へと向かうようだ。2人とも俺に乗れ…追いかけるぞ。』
「了解。」
「…頼んだ。」
………
一方でインペラーは無事にキズナレッドの元へと合流した。
『…シネッ!』ばっ
「甘いぜ!」グルグルっ
バズスティンガー・ビー(以下ビー)は痺れる弓矢を放つもキズナレッドが双刃剣を回転させて弾く。
「やあっ!」ブンッ
『カルイカルイ…シネッ!』ガキ…ブンッ
「ぐぅ…!」
続いてインペラーが隙の出来たビーに自前の大剣で斬りかるもあっさりと弓で受け止め、弾き返された。
「トビー!」
「大丈夫だレッド!アイツのあの弓を何とかしよう!」
『ケケケ…マズハヨワイホウヲクッテヤル!』ばっ
「危ない!」ジャララ…
バチンっ!
ビーはインペラーへと矢を放つもキズナレッドが鎖鎌で弾いて守る。
「助かったよレッド…悔しいな。冒険者としても仮面ライダーとしても役に立てないなんて。」
「そんなことな無いぜ!トビーがいたから…隙が出来た!来い、キズナビースト!『プロミストライカー』!」
《グルルルゥゥ!!》
『グエッ!?』
「今だ!」ジャララ…シュルッ
『ナ…!?』
キズナレッドはキズナイエローの相棒である虎のキズナビーストを呼び出し、背後からビーを地面に押さえつけた。そのまま鎖鎌を伸ばしてビーの弓を奪う。
「へへへ。これで厄介な武器は無くなった…決めるぜ!バーニング・キズナパ…」
「──レッド、しゃがめ!」
シュッ
「─!?矢がまた飛んできた!?」ガクンっ
『…ケッ。バレチマッタカ。』
キズナレッドの頭があった所に1本の矢が通る。飛んできた方向をみると、そこにはビーとよく似た配色のバズスティンガー・ブルームの姿があった。