無双龍ドラグ異世界で冒険者になる   作:アマノジャック

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絆創戦隊キズナファイブ TURN21『切られた絆にドンとまつり縫い!』 後編

「ありがとうございます!会場の準備もすぐに終わらせ……え?」

 

全ての屋台業者への説得および契約の更新が終わった万丈寺流が祭り会場へと戻ると信じられない光景が自身の目に映る。

 

『万丈寺さん?どうされました?』

「私が戻ると会場の準備が終わってまして…」

『えぇ!?朝のあの状況からもう終わらせたのですか!?』

「すみません、後でまたかけ直しますので…それでは!」

 

電話を切った流は慌てて部下の1人へと事情を聞く。

 

「おい!もう終わってるようだけど…何があったんだ?」

「それがその…ある宅配業者の男が指揮し始めまして…」

「何か謎のカリスマがあって、皆もそれに従ってたら…」

「終わってました。」

「後、メインのやぐらはあの人1人で完成させてしました。音響設備とか提灯も設置されてました…重機も足場も無しで。」

「…その男の名前は?いや、会社名でもいい。」

「会社名は『シロクマ宅配便』、名札には『桃井タロウ』と書かれていました…」

「…桃井タロウ…一体何者なんだ?」

 

………

 

「はぁ…はぁ…」

「シルバー!?」

 

浅垣灯悟がキズナファイブの秘密基地へと入るとふらつくキズナシルバーの姿があった。キズナシルバーはそのまま変身を解いて二階堂天理へと戻り、その場で倒れた。

 

「さっきのペンギン怪人と戦ってきたのか!?やっぱり1人で戦うなんて危ないぜ!」

「そうは言っても僕の予知で無傷で戦いを避けれないことは分かってて…」

「予知した未来は変えられるんだろう?俺達と離れて未来を変えられるのなら…俺達と一緒に未来を変えることだってできる筈だぜ!」

「…レッド。本当に君は暑苦しいな…だけど君とならもしかしたら…」

「…」

「僕は少し休ませてもらうよ。レッド、君に1つ僕の予知を伝えておくよ…凄い人と共闘することになるから。」

「その…修二は…」

「今からの君次第さ。」

 

………

 

「…またここか。まぁ、いい。絆エネルギーを…」

 

「させないんだぜ!絆装チェンジ!」ペッターン

「「「絆装チェンジ!」」」ペッターン

 

4人が同時に変身を完了させる。

 

「澄み渡る…清き信頼の戦士!キズナブルー!」

「永遠に輝く…約束の戦士!キズナイエロー!」

「咲き乱れ…荒ぶる恋愛の戦士!キズナピンク!」

「燃え盛る…熱き友情の戦士!キズナレッド!」

 

「「「「絆創戦隊…キズナファイブ!」」」」

 

ドカーン

 

変身し、名乗り、背後が爆発。エンギリーペンギンはそんな4人を嘲るように笑った。

 

「キズナファイブなのに4人じゃねぇか…まぁ、俺が原因なんだけどな。ちょうどいい。切って、切って、切って…キズナゼロにしてやんよ!さっきの銀の奴見たいにな!」ジャキッ

「…っ!それはシルバーのことか!!」

 

エンギリーペンギンが得物を構え、瞬時に間合いを詰めてくる。最初に動いたのは激昂したキズナレッド。

 

「『握手カリバー』!おらおらおらぁ!!」シェイクハンドッキング

「…ほぉ、パワーはあるが…集中力が乱れてんだよ!」ぶんっ

「ぐわっ!」ばきっ

「私も忘れるな!」

「…忘れちゃいねぇよ!」ぶんっ

「くっ…!」ばきっ

 

キズナレッドは双剣を双刃剣状態に変えて振り回すが、エンギリーペンギンは軽く身を翻して回避し、即座に反撃。今度はキズナブルーが双剣で攻撃するも、圧倒的な力の差で後ろに吹き飛ばされる。

 

「コイツ…普通に強いぞ!」

「ピンク、私たちも行くわよ!『指切リッパー』!」

「えぇ!『縁結ビームガン!』」マチビトスナイプ

「…お前らにはがっかりだ。」ぶんっ

「「きゃっ!?」」どんっ

 

キズナイエローが二丁鎖鎌を振り回すも、エンギリーペンギンは一瞥もせずに得物で弾く。キズナピンクの銃撃も簡単に弾かれ、4人は次々と圧されていく。

 

「くそっ…全然効かない!」

「まだまだだぜ…!」

 

エンギリーペンギンは嘲笑を浮かべながら得物を振り回す。

 

「お前たちの絆など、俺が全部切ってやる…まずはか弱ぇか弱ぇ女2人から片付ける。」

「女だからって舐めんじゃないわよ!」

「うるせぇ!」げしっ

「ごっ…!」

「イエロー!!」

「この…!このっ!」マチビトスナイプ

「ふんっ!」ぶんっ

「がっ…!」

「ピンク!」

「さて残り2人、赤と青…どっちから片付けるか?」

 

エンギリーペンギンはキズナイエロー、キズナピンクを一蹴する。余裕の顔で次の相手を選ぼうとしている状況──その時だった。

 

【ィヨー!】

 

「あん?」

 

突如聞こえてきた掛け声にエンギリーペンギンが振り返る。そこには…

 

「やあやあやあ、祭りだ!祭りだ!踊れ!歌え!袖振り合うも他生の縁…躓く石も縁の端くれ!共に踊れば繋がる縁!この世は楽園!悩みなんざ吹っ飛ばせ!笑え笑え…ハーハッハッハッハ!!」

 

数人の男が担ぐ神輿…その上でバイクに跨がった謎の戦士が姿を見せた。

 

「誰だ君は!?」

「その声って…さっきの配達員さん!?」

「何か天女みたいな人もいるんですけど!?」

「これがシルバーの言ってた凄い人か!」

 

キズナファイブの4人も驚く隣で戦士はバイクを動かし、エンギリーペンギンへと突っ込んだ。エンギリーペンギンは斬りかかるも戦士はジャンプで飛び越え背後へと回り…バイクから降りる。

 

「…んで、誰だお前は?」

「桃から生まれた…『ドンモモタロウ』!」

 

【よっ、日本一!】

 

「かなり強そうだ…いくぞ!」

「さぁ、楽しもうぜ!勝負勝負!」

 

ドンモモタロウとエンギリーペンギンは互いの獲物を持つと正面からぶつかり合う。しかし、終始ドンモモタロウが圧倒しており…エンギリーペンギンの攻撃は当たらない。

 

「はっはっはっ!そんなんで俺に勝てると思っているのか?」

「…これならどうだ?トボガン斬り!」ぶんっ

「甘い甘い!」がきんっ

「なっ!?」

 

エンギリーペンギンは滑る動きにより一瞬で間合いを詰めドンモモタロウに斬りかかるも、彼の武器"ザングラソード"で呆気なく対応された。エンギリーペンギンは地面を転がりながら立ち上がるが、すでに息が上がっていた。

 

「はぁ…はぁ…!最高だなお前!」

「終わりだ!はぁ!」ぶんっ

「ぐっ!?」

 

【へい!へい!へい!へい!かもぉん!】

 

「ザングラソード!」

 

【モモタロ斬♪モモタロ斬♪モモタロ…必殺奥義!】

 

「快桃乱麻!」

 

【アバタロ斬!】

 

 

「があぁぁ……まだ…だ!まだ…戦いたい!!」

 

ドンモモタロウの必殺技が決まるも…エンギリーペンギンは耐える。自分たちを圧倒していた絶縁魔の様子にキズナレッドたちは目を丸くする。

 

「アイツが追い詰められてるわ!」

「横入りで気が引けるけど…でも今がチャンスだ!レッド!」

「おう!いくぜブルー!」シャイクハンドッキング

 

 

【ファイナルペッTURN】

 

隙の出来たエンギリーペンギンへ、キズナレッドとキズナブルーが握手カリバーを持つと同時に飛び込む。

 

「「必殺!友文字斬り!!」」

 

炎を纏った双刃剣と冷気を纏った双剣が交差し、『友』の字を刻んだ必殺技がエンギリーペンギンを切り裂いた。

 

「ぐああああっ!?」

 

ドカーーン!

 

エンギリーペンギンは大きく吹き飛ばされ、地面に転がり爆発した。今度こそ倒されたのだ。ドンモモタロウは満足げに笑う。

 

「ハーハッハッハッ!またな!」

 

そう言い残し、ドンモモタロウはバイクに乗って去っていった。

 

「…一体何者だったんだ、あの人?」

「キズナ戦士…じゃないわよね?」

「素敵…♡」

「ありがとうだぜ!ドンモモタロウ!」

 

しかし、勝利は束の間だった。倒れたエンギリーペンギンの身体が突然、黒く膨張し始めた。

 

「ぐ…ぐおおおおお!!」

 

「なっ!?絆エネルギーが暴走してる!?」

「やばい!巨大化するぞ!」

 

『…まだ…戦えるのか?来いキズナファイブ!』

 

エンギリーペンギンは巨大な怪物へと姿を変え、キズナファイブに得物を向ける。

 

《みんな聞けブレラ!修二が復活した…すぐにそっちに送るブレラ!》

「本当か!」

《緊急キズナワープを使えブレラ!》

「緊急キズナワープ!」

 

ボンッ!

 

カサブーの指示に従い、キズナレッドが緊急キズナワープを使うと…キズナグリーンが姿をみせた。

 

「皆さん…お待たせしたであります!キズナグリーン、ここに復活であります!」

「良かった…本当に良かった!」

「ブルー、喜ぶのは後よ!」

「今はアイツを倒しましょう!」

「みんな…合体だ!」

「「「「了解!」」」」

「来い!キズナビースト!」

 

5人がキズナビーストを呼び出し、最終決戦兵器へと合体する。

 

「無限の絆で未来を創る…絆創合体!マキシマム・キズナカイザー!!」

 

「いけ!キズナカイザー!」

『…ふっ、愚直にくるか。なら、俺も…!』

 

完成したキズナカイザーがエンギリーペンギンと対峙する。先制したのはキズナカイザー…とにかくエンギリーペンギンへと走って距離を詰める。エンギリーペンギンはカウンターの構えを取る。

 

『はっ!』ぶんっ

「グレート真剣白刃取り!」ぱしっ

『…ほぉ。』

「おらぁ!」げしっ

『…っ!』

 

キズナカイザーはエンギリーペンギンの抜刀してきた得物を手で受け止め、そのまま腹へ蹴りを入れる。

 

「奴から武器を奪ったぞ!」

「へへっ!武器の無いお前なんて怖くないんだぜ!」

「変身前に攻撃と正々堂々の戦いをしなかった貴殿に文句は言わせないであります!」

『言わねえよ…身体が軽くなった!"トボガンアタック"!』スルッ

 

ドゴンッ!

 

「き…消えた……なっ!?」がたんっ

「コイツ高速でタックルしてきた…しかも武器は奪い返されたぞ。」

「…なるほど、地面を滑ってきたのでありますな。なら…!」

 

『何をするつもりか知らねぇが…終わりだ!"トボガン斬り"!』ジャキっ

 

エンギリーペンギンは抜刀しつつすり足でキズナカイザーへと距離を詰める。対してキズナカイザーは地面を殴り、地中からの衝撃波でその軌道を荒らす。結果、すり足中のエンギリーペンギンが大きく体勢崩した。

 

『ごっ…!?』

「上手く行ったでありますな!」

「トドメだぜ!夢と友情の爆裂超新星…!」

「「「「マキシマム・キズナブラスター!!」」」」

 

ドゴォォォォ…

 

『ははは…満足だぁ!!』

 

ドカーーン!

 

凄まじく放射された絆エネルギーがエンギリーペンギンを包み大爆発を起こす。これにより奪われた絆エネルギーたちは戻っていく…全員が和解するまでそう時間はかからないだろう。

 

「俺達の絆の勝利だぜ!」

 

───

 

「大丈夫シルバー……うぉ!?」

「レッド…お陰様でね。この通りさ!」

 

戻ってきた灯悟が天理の元へと訪ねるとそこには浴衣姿の天理がいた。

 

「どうかな?似合ってる?」

「めちゃくちゃ似合って…ます…」

「ふふふ。ありがとう。」

 

微笑む天理に灯悟の顔が赤くなる。

 

「なぁ、シルバー。その…一緒に祭り回らないか?」

「いいよ。」

「やっぱりダメか…ん?シルバー、もう一度返事を聞いていいか?」

「いいよって言ったんだ。レッド、僕と一緒にお祭りデートをしよう!」

「んんん…!やったぜ!」

 

年相応にはしゃぐ灯悟。しかし、この後にバンソウキラーと再び戦うこととなったのはまた別のお話。

 

………

 

『次回の絆創戦隊キズナファイブは…?』

 

『ツカサがゼツエンダーの怪人とデートォ!?』

『戦闘中に突然、正面から告白してきたとのことでありますが…』

『罠なら罠でこっちが利用するだけなので大丈夫です!』

『キズナピンクよ…俺のデートプランは楽しめているか?』

『貴方、本当に絶縁魔なの?』

 

『TURN22 ハニーなトラップ!…結んだ絆で全てを繋ぐぜ!』

 

 

───

 

「…うわぁ。相変わらず濃い内容ね…」

「Zzz…」

 

イドラ・アーヴォルンはそう言いながら眠っている灯悟の頭に付けた魔導具『バフォメットⅢ』を回収した。この魔導具には記憶を映写する機能があり、灯悟の記憶を映し出していたのだ。

 

「あの鳥のゼツエンマ?かなりの戦闘凶でしたね。ドンモモタロウさんがいなければ…」

「テルティナ様、あの程度相手で苦戦するようでは今後も足手纏いになるかと。」

「いや、今のレッドさんなら余裕の相手ですよね!?」

 

ここはギルド。灯悟たちの帰還を待っていたテルティナ王女とロゥジー・ミストの姿もある。さらに…

 

「こ、これがレッドのいた世界なんだ…」

「寧ろイドラさんの持ってる魔導具が凄い気が…」

「こんなのと戦っていたんだな。」

「パーティまで組んで…面白そうな世界ね。」

 

トビー、フォウ、バリー、トパーズの4人もみていたのだ。ここで灯悟の目が覚める。

 

「んぁ…」

「起きたかアサガキトウゴ。」

「また俺の記憶見てたのかよ…ふわぁぁ。」

 

大きくアクビをしながらキョロキョロと辺りを見渡す灯悟。

 

「あれ?ドラグは?」

「ドラグレッダーならギルドマスターの所にいるはずよ。」

「そっか。ちょっと行ってくるぜ!」

 

灯悟は慌てて立ち上がり、足早にギルドマスターの元へと向かう。心の中では、ドラグレッダーの大きな背中がまだ近くにある気がしていた。あのツンとした態度、でも本当は仲間を守ってくれている優しさ…さっきまで一緒に旅してきたはずだが、急に恋しくなる。しかし──

 

「…え?もう行ったって?」

「シャウハの使いと一緒に魔導塔へ向かったな。」

「……そうか。」

 

既にその姿が無いと知り灯悟は小さく呟く。胸の奥が、急に熱くなって、でも少しだけ冷たくなったような…不思議な感覚。ドラグレッダーがいない。

 

「…ドラグ、黙って先に行きやがって…」

 

灯悟は苦笑いを浮かべながら、でもその目に寂しさが浮かんだ。一緒に戦ってきた日々、ギルドでの宴、指輪を付けられた時の照れくささ…全部が急に懐かしくなる。でも、すぐに顔を上げた。

 

「ま、いいか。ドラグはドラグでちゃんと役目を果たしてるんだろ。俺も…俺たちも、ちゃんと前を向いて進まないとだぜ!」

「アイツからの伝言だ。クエストの報酬の分配はお前が決めろ…だとよ。」

「ありがとうだぜ、ギルマス!」

 

報酬金が入った袋を片手に灯悟は仲間たちの方へ戻る。寂しさはまだ胸の奥に残っていたが、それ以上に「また会える」という確信が、熱く灯っていた。そして、灯悟たちも直ぐにニヅベルへと旅立ったのだ。




ここまで見ていただきありがとうございました。続きが書けましたらまた投稿させていただきます。
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