Episode1 レインボー・チャレンジャー
ここは雄英高校。多くのヒーローを生み出した名門高校。
晴天の空の下、ヒーローを目指す気合十分のツンツン頭の少年がその門をくぐる。
「来たぜ来たぜ!この俺、西村 英堵(ニシムラ エイド)が雄英高校の入試に来たぜ!
超絶怒涛、旭日昇天!一気に行くぜ!!!」
実技試験説明でボイスヒーロー「プレゼント・マイク」が、会場を沸かす。
「エヴィバディセイヘイ!!!」
「ヨーコソー!!!」
「ノリのいい受験生のリスナーがいるな!!内容をプレゼンするぜ!!アーユーレディー!?」
「イェアーーー!!!」
…少なくとも英堵はテンションを上げているから沸かしているだろう。
簡単に説明すると演習場で仮想敵を倒しポイントを稼ぐ、というものだ。
英堵は会場に着くや否や"個性"を発動する。
「チェンジスタンバイ!緊急変身『エマージェンシー』!レッドモード!」
コールを受けた英堵の個性因子が活性化し、微粒子状に分解され拡散される。そして英堵の体の表面に定着し西村スーツ(英堵本人が名付けた)となるのだ!
「フェイスオン!」
会場にいる受験生は驚く。英堵の姿が変わっていき赤いスーツに包まれ、
最後にはウニを想起させるツンツン頭が
なぜかすっぽりとそのスーツに収まったのだから。
「スタート!」
ほとんど受験生は英堵の変身に気を取られ気の抜けたスタートを聞き逃してしまった。
だが、英堵本人は違った。
「先手必勝、迅速果断!スーパークールに決めるぜ!」
まさに弾丸のように飛び出し敵ロボット群を見つける。
「「「標的捕捉!ぶっこ」」」
「レッドマグナム!」
英堵は二丁拳銃のように構える。すると指先からエネルギー弾が飛び出す。
複数体のロボットを見事打ち抜き撃破する。
「余裕綽々、されど用心堅固…エマージェンシー!ブルーモード!」
赤色のスーツがみるみる青いスーツに変わっていく。
「ブルーライフルー!」
左手で右腕を支えながらエネルギー弾を放つ。
ビルの上にいた敵ロボットの頭を打ち抜く。
「イッツパーフェクト。1㎞以内じゃ訳ないな。失礼するぜベイビー。」
キザったらしいセリフを吐き次の獲物を探す。
英堵はそれなりに敵ロボを倒したあたりで何かを掴みかける。
「…この試験は敵を倒すだけじゃないよな…エマージェンシー、グリーンモード。」
控えめなコールをし青色のスーツが緑色のスーツに変わる。
「よっこらせっと…」
ビルの壁を使い逆立ちする。
これはグリーンモードでのシンキングポーズである。これをすると何かがひらめくのだ。
ヒーロー試験、ポイント制、0P敵ロボ…
「そうかわかった!エマージェンシー!ピンクモード!」
今度は緑色のスーツがピンク色のスーツになる。
そして足がすくんで動けなくなっている緑髪の少年に声をかける。
「大丈夫だよ!怖がらないで落ち着いてやれば君もヒーローになれるよ!」
「はっ…そうだ…僕は今まで鍛えてきたじゃないか…!ありがとうございます!」
少年に発破をかけ…
「大丈夫!?今助けるからね…!あきらめちゃだめだよ…!」
「メルスぃ☆」
キラキラを瓦礫から救助する。
「終了!!!」
試験が終了する。
「ふー…全身全霊、粉骨砕身…後は野となれ山となれ夢となれ…なーんてね。」
試験を終えた英堵は自宅に到着する。
「只今帰宅、帰家穏坐…ちかれたびー…」
その扉を開くと、かわいいハートマークをあしらったエプロンを着た…
190㎝超のガタイのいい坊主大男がいた。
「おう、おかえり。その様子だと…手ごたえありだな、エイ。風呂沸いてるぞ。」
英堵を迎え入れた坊主頭のいかつい大男は弩木井来牙(ドギイクルガ)。
警察のお偉いさんで、英堵を鍛えた師匠でもある。
「お風呂…入り入れ入らるる…」
疲れてヘロヘロの英堵だったが弩木井に勧められて何とか服を脱ぎ風呂に入る。
頭と体を頑張って洗い、ざぶんと湯に浸かる。
「あー…生き返るわー…やっぱ苦境を超えた後の風呂は最高だよな、つくね、ぽんじり、はつもと?」
お気に入りのラバーダック3羽に話かける。
つくねはピーと答え、ぽんじりはひっくり返り、はつもとはぷかぷかと浮いている。
「だよなー…受かってたらいいなあ…ぶくぶく…」
肩どころか口元まで湯に浸かり色々思い出す。
筆記は問題ない。別に学力は問題ない。学校のテストはいつも上位の方だ。
問題は実技の方だ。思い出した限りでは50Pは取ったはず…
あとは人助けした分が加算されれば…70ぐらいはいくか?
70ならともかく50Pぐらいじゃ危ういよなあ…
「エイ。飯ができたぞ。今日はお前の好きな餃子だ。」
「ホント!?よっしゃあ!それじゃあ、また明日な!つくね、ぽんじり、はつもと!」
3羽との別れは名残惜しいが餃子が待っている。来牙さんの餃子は最高なんだ。
しばらく餃子はいいやと思うほど舌鼓をぽんぽこ、いやドンドコ打ち就寝準備に入る。
ちなみに来牙さんの作る餃子はニンニクを使わない社会人に優しい餃子である。
「…悩んでても仕方ないか。おやすみなさい…むにゃむにゃ…」
数日後英堵の家に雄英高校から手紙が届く。
空中に映し出されたオールマイトが合格通知をしたのだ。
「よっしゃあ!不撓不屈で大願成就だぜ!」
「よくやったな、エイ。これでお前もヒーローへの第一歩を踏み出せるぞ。」
きゃっきゃとはしゃぐ英堵と静かに頷く来牙は対照的だが
ともに喜びに満ち溢れているのは間違いないだろう。
しかし、ここが目的ではない。むしろここからだ。
戦え、西村英堵。超えろ、西村英堵。
Episode2
「俺、西村英堵!気取らない性格だからエイちゃんって呼んでくれ!」
「個性を使った体力テスト…!どきがむねむねしますな!」
「最下位は除籍とする。」
「絶対に負けねぇ…!勝負だ爆弾ウニ!」
「うるせぇ!お前もだろうがクソウニ!」
次回、ラショナル・テスト 君のハートにターゲットロック!
好きなものと好きなものを組み合わせたら面白いものができるんじゃないか、という発想で作りました。拙い文章ですが皆様の時間つぶしになれば幸いです。
4/8追記 英堵の表記が一部土射となっていたところを修正しました。
ちなみに土射は英堵の没ネームです。(もとは土射英堵でした。)
4/10追記 誤字修正