強化合宿は最悪の形で終わった。
生徒、職員、プロヒーロー…誰にとっても大きな被害を受けた。
悔やむオールマイトの下に電話がかかる。
「…俺だ。来牙だ。…いい進展があった。…敵連合の居場所を掴めるかもしれない。」
一方、英堵は合宿所近くの病院へ運ばれて入院していた。
同室の緑谷と共にただ茫然としていた。
そんな病室に1-Aのメンバーがやってきた。明らかにメンバーが足りていない。
様々な話をしていくうちに英堵と緑谷の目に涙が浮かぶ。
「届かなかった…!勝己に…!届かなかったんだ…!」
「かっちゃんは僕の手を…すり抜けていったんだ…!」
「じゃあ今度は救けよう。」
「「「へ!?」」」」
切島が盗み聞きした話によると敵には発信機がついており
受信デバイスがあれば救助に行けるという。
あまりにも無謀な話に飯田が叱責する。
「ここからはプロに任せる案件だ!生徒の出る舞台ではないんだ馬鹿者!」
それに負けじと切島は反論する。
「ここで動けなきゃ俺ァヒーローでも男でもなくなっちまうんだよ!!!
なぁ西村!!緑谷!!まだ手は届くんだよ!」
切島の熱い言葉に英堵の眼が燃える。
「俺は行く…!ここで動かなきゃ『宇宙一のヒーロー』になんかなれねえ…!」
「…俺と切島と英堵が行くことになるな。」
どうやら轟も行く気のようだ。
「待って。…皆爆豪ちゃんを攫われてショックなのよ。でも冷静になりましょう。
どれ程正当な感情であろうとまた戦闘を行うというなら
ルールを破るというならその行為は敵のそれと同じ行為なのよ。」
梅雨ちゃんの言葉に一同は言葉を失う。
「そんなわけねえだろ!?なんで友達を救っちゃいけないってルールがあるんだよ!?
だったらそのルールが間違ってる!!!間違ったルールに従ってるお前の方が敵だ!!!」
英堵は叫んだ。目の前にいる蛙の敵に。
今度こそ一同は言葉を失った。
その夜。病院前に西村、緑谷、切島、轟、八百万、そして…
「ならば…俺も連れて行け。」
飯田の6人が集まり、『非戦闘』を条件に爆豪救出作戦を決行することが決まった。
発信機の示した座標は神奈川県横浜市神野区。22時ごろ到着する予定だ。
誰にも認められないどころか咎められてもおかしくない。
だが誰一人として後戻りはしなかった。
神野区に着き6人はドンキ・オオテで変装をする。
「ぶち殺すぞゴラア!?」
(((((気合入りすぎでは…?)))))
もはやジェネリック爆豪となった英堵に一同は若干引いている。
そんな中、街頭モニターに雄英高校の謝罪会見が流れる。
八百万が作った受信機をもとにアジトにたどり着く。
何とか潜入し切島と英堵が窓から内部を除く。脳無の量産工場だったようだ。
突如工場が音を立てて崩れていく。
「あの子が発案した武装…なかなかいいじゃない。今度お礼を言わなくちゃ。」
頭部と両手両足を武装したMt.レディーが工場を破壊したのである。
ヒーローたちの不意打ちを受けた敵は全員拘束されて動けなくなっている。
だが、突如空間から現れた黒い液体から脳無が現れ、爆豪を攫っていく。
そしてそこに現れた巨悪の権化『オール・フォー・ワン』が蹂躙する。
圧倒的な威圧感に飲まれる6人。
「んっじゃこりゃあ!!」
しかし、爆豪の声を聞き我に返る。
(待ってろ勝己、今助けてやる…!)
(ここで動けなきゃ何も…!)
焦り動き出そうとした英堵と緑谷を飯田が止める。
その時であった。
「すべてを返してもらうぞオール・フォー・ワン!!」
「また僕を殺すか。オールマイト。」
オールマイトとオール・フォー・ワンが激突する。
オールマイトが爆豪を助けようとするもオール・フォー・ワンが邪魔をする。
その間にも敵連合は爆豪を連れ去ろうとしている。
流石の爆轟も6対1では逃げることができない。
戦わずしてどうやって爆豪を救出するか。
(…何も思い浮かばねえ…!グリーンモードになっても逆立ちできねえ…!)
英堵がグリーンモードで思考能力を上げるには逆立ちをすることが条件である。
今、この状況で一切の音を立てずに逆立ちをすることなど不可能である。
「皆!聞いて!戦闘行為にならず、僕たちもこの場から去れて、
かっちゃんを救け出せる方法がある!!」
緑谷が何かを思いつく。
「英堵くん、君が成功率を上げる鍵だ!」
「…捲土重来、やってやるぜ!」
タイミングを見計らい緑谷と飯田で推進力を作る。
そして、切島の硬化で壁を破る。
その瞬間、轟の氷結で道を作り高く飛ぶ。
敵の手の届かぬ高さから英堵が手を伸ばす。
「勝己!!!勝ち逃げすんな!!!俺ともう一回戦え!!!」
「…もう一回俺が勝つ!!」
届かなかった手が今届き、繋がる。
一同はレシプロバーストと爆発によって離脱していく。
敵連合も磁力の"個性"によって飛び出すが
「タイタンクリフ!」
武装し巨大化したMt.レディーによって阻まれる。
「Mt.レディー!」
英堵の呼びかけにMt.レディーは振り向く。
「…こんなに早くお礼が言えると思わなかったわ。ありがとね。」
英堵は投げキッスのサービスをもらいにっと笑う。
戦闘区域から逃げた英堵たちは奪還成功を喜ぶ。
「勝己…勝己ぃぃぃ!!!うわあああん!!!」
「ば、馬鹿野郎!?こんな人前で情けなく泣くんじゃねえ!」
「もう会えないかと思ったぁぁぁ!!!」
「わーったから!泣くな!俺は無事だ!…お前のおかげでな。」
「うわあああん!!!ありがどおおお!!!がづぎぃぃぃ!!!」
「あー!!もう!!てめぇら西村を何とかしろ!!!」
(((二度とないだろうな、こんな光景…)))
緑谷のように大泣きする英堵抱き着かれて困っている爆豪…
一同はかけがえのないものを取り返した。
オールマイトもオール・フォー・ワンを倒した。
絶望の夜は明けたのだ。
Episode19
「寮生活ってちょっと憧れてたんだよね。」
「俺の部屋は…大したことないぜ?」
「本当に…本当にごめん!!!」
次回、ハイツ・アライアンス 君のハートにターゲットロック!
先に謝ります。梅雨ちゃん並びに梅雨ちゃんファンの方、本当にごめんなさい。
私は梅雨ちゃんが嫌いなわけではありません。
むしろ没案の段階では梅雨ちゃんがメインヒロインでした。
でも、デカレンジャーの地球署メンバーもライン越え発言たまにありましたから…
オールマイトとオール・フォー・ワンの戦いの描写がない?
だって本編と同じですから…だったら原作読んだ方が面白いですし…