緊急変身 ヒーローアカデミア   作:神剣狩刃

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Episode22 エンヴィー・ファイト

二次試験は災害現場から人を助ける試験であった。

英堵は3Sスコープやイエローモードを駆使し、多くの人を助けた。

結果は合格であったが…

「嘘だろ…勝己の名前がない…」

合格発表の表に爆豪勝己の文字はなかった。

 

「…なんて声をかければいいんだろう…」

英堵は悩んでいた。

 

俺は勝己と一緒に行く!

 

それは仮免許を共に合格するという意味でもあった。

後の補講を受ければ仮免をもらえるらしいが不合格の事実は消えない。

「…ん?」

悩んで外を眺めていると二人の人物が寮から出ていくのが見える。

 

「勝己と…緑谷…」

何かを感じた英堵は二人の後を尾行していった。

 

「オールマイトからもらったんだろその"個性"。」

緑谷の"個性"の衝撃の事実に英堵は驚きを隠せなかった。

だが、さらに衝撃の言葉が飛び出す。

「戦えや。ここで今。

てめぇの何がオールマイトにそこまでさせたのか確かめさせろ。」

爆豪が緑谷に向かって構え、歩み寄る。

 

(緑谷…!!!)

思わず英堵は駆けだしていた。

 

「な…!?西村!?」

「西村くん!?」

まさか人に会うとは思わず二人は驚く。

「…よくわかんねぇけど…勝己、なに焦ってんだ?」

 

「あ…?」

「…らしくねえぞ。いつも周りを見下して…

自分が一番みたいに振舞うのがお前だろ!?なにこんな…

…こんな雑魚にビビってんだよ!?」

英堵から思わぬ言葉が飛び出し二人は硬直する。

 

そして英堵は緑谷に指を向ける。

「え…?」

「は…?」

「俺と戦え、緑谷君。」

緊張が走る。

 

「何で君と戦わなきゃいけないんだ!?」

「緊急変身、レッドモード!」

 

コールを受けた英堵の個性因子が活性化し、微粒子状に分解され拡散される。

そして英堵の体の表面に定着し英堵スーツとなるのだ!

「フェイスオン!!!」

 

変身した英堵は緑谷に襲い掛かる。

「待ってよ!何で戦わなきゃいけないんだよ!?」

「むかつくんだよ!緑谷!お前がなあ!」

「え…!?」

英堵は心の内を打ち明ける。

 

「お前はいつも俺の上を行っていた!

最初の戦闘訓練の時も!合宿の時も!勝己を助けるときだって!

お前が中心になって!お前は俺の上を行っていた!」

「西村くん…」

 

「それにお前はいつも勝己に目を付けられていた!

勝己の方が実力は上なのに!

いつも勝己はお前に本気だった!

俺とはせいぜい小突き合うぐらいなのに!」

「西村…」

 

「何もかもがむかつくんだよ!だから!ここでお前を倒す!

俺がお前よりも実力があるって証明するために!

勝己が俺と本気で向き合ってくれるようにするために!」

 

子供のわがままのような、しかし、一切の偽りのない本音だった。

その言葉を受け緑谷は覚悟を決める。

「…やるなら…本気でやろう!

僕だって…君に勝てなきゃかっちゃんには勝てないから!」

 

爆豪も覚悟を決めた。

「…西村、クソデクとの戦いはてめぇに託す。…負けたらぶっ殺す。」

三者の思いが入り乱れる、喧嘩が始まった。

 

「フルカウル!」

「緊急変身、イエローモード!」

(英堵くんはシュートスタイルを知っている…

ってことを考えているのも読まれるから!)

緑谷は左足で蹴りを放つ。英堵はそれを受け止め吹っ飛ばされる。

 

「読み合い合戦は不毛だなあ!身体能力で押してやる!緊急変身、レッドモード!」

レッドモードになりレッドマグナムを連射する。

「くっ…!なんて速さだ…!」

「どうしたあ!勝己だったら余裕で回避してるぞ!」

「…そんなにかっちゃんに憧れてるんだね…!」

二人が組み合う。

 

「当たり前だ!勝己は俺に勝った!だから超えたいんだ!」

「それは僕もおんなじだ!嫌なところと同じぐらい凄さが鮮烈だった!」

二人の頭がぶつかる。

 

「オールマイトより身近な"凄い人"だったんだ!」

「本気でぶつかって分かり合えた"友達"なんだ!」

「かっちゃんを!」「勝己を!」

「「追いかけてきたんだ!」」

 

緑谷の体が強く光る。

「フルカウル8%!!!」

「『光速拳 ライトニングフィスト』!!!」

夜の街にまばゆい閃光が走る。1秒後、英堵は緑谷を組み伏していた。

 

「…勝己だったらお前を殺してるかもしれねえぞ?」

「…かも…知れないね…」

「そこまでにしよう二人共。」

二人の戦いはオールマイトに止められた。

 

オールマイトは爆豪の気持ちを受け止め宥めた。

「互いに認め合い真っ当に高め合うことができれば

救けて勝つ勝って救ける『宇宙一のヒーロー』になれるんだ。」

 

オールマイトの言葉を受け英堵は緑谷に頭を下げる。

「君を雑魚なんて言ってごめん。思わなきゃ…追いつけないと思ったんだ。」

「大丈夫だよ。かっちゃんからさんざん言われてるから。」

「ありがとう…『出久』。」

「…!ありがとう!『英堵』くん!」

 

「…あー…西村…俺も悪かった。」

爆豪は西村に頭を下げる。

「…お前は俺に本気でぶつかれなかったんだ。…妙なところで弱かったからよ。

もし本気でぶつかっちまったら…どんな結果になるかわからねぇ…

もしかしたら"友達"がおわっちまうかもしれねぇって思っちまったんだ。

…だが、今のお前を見て分かった。…『英堵』、お前は弱くねぇ。」

「…!ありがとう勝己…お前にそう言われたら何よりもうれしいよ…!」

 

雨降って地固まる。上りゆく朝焼けが一同を包んでいく。

 

戦え、西村英堵。超えろ、西村英堵。

 

Episode23

「『宇宙一のヒーロー』です。」

「面白い子たちだね。サーも好きそうだ。」

「西村英堵…」

「緑谷出久…」

「「一発ギャグやります。」」

次回、スチューデンツ・ゴー・インターン 君のハートにターゲットロック!




救助試験は英堵が轟とイサナの因縁を知らないからバッサリカットしました。
それに英堵はレスキューに使えるモードが3つ(思考、読心、いい声)があるので
救助に専念するんじゃないかなと思いました。

…爆豪がらしくないことを言ってる?
本気でぶつかって認めた相手に対してはこれぐらいいいそうだと作者は思ったんです…
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