英堵は全力疾走しながら雄英に戻ってきた。
「おっせーぞ英堵ぉ!?クソデクより遅ぇとは何事だぁ!?」
真っ先に爆豪が歓迎する。
「歓迎してねぇわ!…いや、全くしてねぇ訳じゃねぇが…」
「いやー、どうしても急にゴッティッペルが飲みたくなってさ。」
「変な略称作る暇あったら早く帰ってこいや!」
「勝己は放っておいて、早く会場へ行こう!時間ないから!」
「おめぇのせいで時間ねぇんだよ英堵ぉ!」
ライブが始まり爆豪の爆発が轟く。
ダンスや演奏で会場のボルテージが上がっていく。
「サビだ!ここで全員ブッ殺せ!!!」
爆豪の叫びと共に1-A全員が"個性"を使った演出を繰り広げる。
氷、光線、無重力…ありとあらゆる"個性"を使った演出はここでしか見られないだろう。
「わあぁ!!」
ミリオに抱えられたエリちゃんが満面の笑みを浮かべる。
「見えるかい英堵くん!!エリちゃんが笑ったよ!!」
ミリオも嬉し涙を流しながら笑う。
ライブが終わり片付けをする中、英堵はエリちゃんとミリオに会う。
「エイさん!色々あってすごくって私…わああって言っちゃった!」
「…よかったあああ!!!」
その言葉は英堵は嬉し涙を噴水のように流した。
「良かねんだよ相棒!遅刻、サボリ、散らかしで役満するな!」
「三役じゃ役満にならないぞ相棒おおお!!!」
「そういう話じゃねぇだろ英堵ぉ!」
片付けを終わらせた英堵はサポート科の所に緑谷を連れて行った。
「見せたいものがあるって…何だい英堵くん?」
「見てのお楽しみだよ。おーい!めーいちゃーん!」
「英堵さん!お待ちしてました!おや、緑谷さんも一緒ですか!
では見てください!英堵さんが考え、私が作った…二人のベイビーを!」
発目が指さした先にあるのは数々の巨大な武装だった。
「うわー…大きなサポートグッズだね…もしかして…」
「そうよ、私のために二人が作ってくれたのよ。いいファンを持ったものだわ。」
Mt.レディーがその武装から顔を覗かせる。
「…ねえ、英堵君…このセリフ言わないとだめなの?」
「そのほうがかっこいいですって!映えますよ!それに出演料もらってるでしょ!」
「…変なCMやらされるぐらい困ってるのよ…
何で私が中濃ソースのCMやらなきゃいけないのよ…」
何かブツブツ言ってたMt.レディーだったが意を決めて何かを叫ぶ。
「『ビルドアップ・ゲットレディー!?』」
「『Mt.レディー!』」
英堵の掛け声と共にMt.レディーが巨大化する。そして巨大な武装を装着していく。
「『特捜武装! エベレストレディー』!」
「「「キタコレ!!!」」」
Mt.レディーのキタコレ族が大興奮する。
「す、すごい…!巨大化した際の機動力の低下と小回りのなさを補うための
ジェットとバーニアスラスタ…
それに四肢に装甲を特化させることで防御手段としても使える…!
カラーリングも青と白で名峰の景色を表現している…!すごい武装だよ、英堵くん!」
「俺はデザインぐらいしか考えてないぞ。すごいのは本当に組んじまった明ちゃんさ。」
「いやー!とんでもない無茶ぶりでした!でも私天才メカニックですから!」
発目はフフフと笑い胸を張る。
「…こっちのエベレストも美しいな…」
「英堵くん?君がジャッジメントを受けるかい?」
「…相棒のせいだな。ところで出久、あれできた?」
「もうそろそろかな。とってくるよ!」
英堵に頼まれたものを英堵に渡すために緑谷は駆けだす。
「…明ちゃん!後で話があるんだけど!文化祭終わったら時間くれるかな!」
「いいでしょう!この後36時間寝るので!
その前に話したいことは話してください!」
「それじゃあ、連絡入れたら来てね!」
楽しい文化祭も終わりになった。
どこか物悲しい夕暮れの中、英堵は正門でエリちゃんと話す。
「…おや、エリちゃん文化祭楽しくなかったの?」
「楽しかったけど…」
「…きっとこれが楽しみだったんだよね!」
英堵はリンゴアメをエリちゃんに差し出す。
「売ってた!?俺探したよ!?」
「プログラム見てないかもって思ったんです。
レシピ見て、朝一に材料買って、作って…皮から赤色煮だすの大変でしたよ。」
エリちゃんは英堵からもらったリンゴアメをかじる。
「フフ…さらにあまいですよー…」
エリちゃんが嬉しそうに笑う。
「エリちゃん…1+1は?」
「にっ!」
英堵のおまじないは成功したようだ。
エリちゃんと別れた英堵の下にある人物が来た。
「お待たせしました!英堵さん!手早くお願いします!大分視界が揺れてます!」
目は口程に睡眠不足を言っている発目だ。
「それじゃあ手早くいこう!明ちゃん!好きです!付き合ってください!」
英堵は手早く告白した。
「…へ?」
流石の発目もその言葉に固まる。
「手早すぎた?…体育祭で一目惚れしたんだ。
サポートグッズをかっこよく扱う明ちゃんは今でも思い出せるよ。
それから遊園地にも行ったね。
本気で悩んでいて…だからあんなに怒ってたんだよね。あの時はごめん。
でも、明ちゃんを助けれたときは本当にうれしかった。そして3Sスコープだね。
これのおかげで俺はいろんなピンチを乗り越えれた。
エリちゃんを助けられたのも明ちゃんのおかげだよ。
だから…俺は明ちゃんが好きだ。付き合いたいし…何より守りたいんだ。」
英堵の告白を受け発目は…
「…うっ…ひっく…」
泣いていた。
「…嘘でしょ…俺のことそんなに嫌いだ」
「そんなわけないじゃないですか!私だって英堵さんのことが好きです!」
発目も泣きながら告白する。
「体育祭で私に声をかけてベイビーを活躍させてくれました!
スランプで追いつめられていた私は英堵さんにひどいことを言って!
でも、英堵さんは私を助けてくれて!
『誰かを助けるため』に開発するってことを思い出させてくれて!
私だけでは思いつかないようなアイディアを出してくれて!
今回の発表は大成功になりました!
そんな英堵さんを嫌いなんて言えるわけないじゃないですか!大好きです!
でも!でも!よく分からなくて!どうすればいいかわからないんです!」
発目の目からは大粒の涙がこぼれる。
「…明ちゃん。心は見えないから行動にして表すんだ。
悲しいときには泣いて、怒っているときは頬を膨らませて…
そして嬉しいときには笑うんだ。…明ちゃんは今、悲しいのかな?」
「そんなわけありません!嬉しいです!」
「それじゃあ…笑うんだよ。」
「笑う…もしかして…」
「「1+1は…にっ!」」
二人はおまじないによって笑顔になる。
「…それじゃあ、改めて言うよ。明ちゃん、好きです。付き合ってください。」
「…はい!よろしくお願いします!英堵さん!私も好きです!大好きです!」
二人は笑顔で抱き合う。
「あ、そうだ。明ちゃん。ちょっといいかな?」
「はい!なんでしょ」
発目の言葉を遮るように英堵は発目の唇を奪う。
「…好きを伝えるときはキスをするんだ。」
「…ず」
「ず?」
「するいです!英堵さんだけ好きを伝えて!私も伝えたいです!」
「もちろ」
今度は発目が英堵の唇を奪う。英堵がしたものよりも長く。
「全く…ヒーローが恋愛に現抜かすなど…合理的ではないな…」
二人の様子を遠くから相澤が眺めている。
「二人の門出を祝えるユーモアがないとヒーローは務まらないぞ、相澤?」
ナイトアイもその様子を眺めている。どこかうれしそうだ。
「…"見た"のか、佐々木?」
「…見るまでもなく幸せそうだが…見てみるか。」
ナイトアイは彼らの未来を見た。
「…これはこれは…」
「何が見えたんだ?」
「ふふ…これは私だけの秘密にしておこう。」
「…悪いものではなさそうだな。」
愛する人を、守るべき人を手にした英堵。
これから彼は強くなっていくだろう。
戦え、西村英堵。超えろ、西村英堵。
Episode28
「おいホークス…俺と戦え。」
「君の個性について話がしたい。」
「私が見た未来では…君は『オーバーホールに殺されていた』。」
「…両親の個性から考えるに…」
次回、トゥルー・エイド 君のハートにターゲットロック!
というわけで発目ちゃんが英堵の彼女になりました。
ゲロ甘イチャイチャ回は…もしかしたらやるかもしれません。
ナイトアイは退場が早かったので作者の考えるナイトアイの人間関係があります。
オリジナル設定ですので変なところがあってもご容赦ください。
今回は『見る』"個性"つながりです。
あと、せっかく生きているので英堵の個性の真相を語ってもらいます。