「アアア!」
黒い英堵と思われるものは死柄木と対等に戦っていた。
「お前…なかなかやるじゃないか!『崩壊』が効かないなんて何したんだよ!」
明らかに死柄木の『崩壊』が届いているはずだが英堵は崩れない。
「ヲヲヲ!」
しかし、明らかに英堵に意識はない。がむしゃらに攻撃している。
周りのヒーローをも巻き込まんとするほどだ。
「英堵くん!しっかりして!」
「何やってんだ英堵ぉ!」
「ガアアア!」
友の声も届かない。
「…これじゃあ、らちが明かないね。この体が仕上がったらまた会おう西村英堵。」
「ギイイイ!」
英堵は吹き飛ばされ、死柄木の逃亡を許してしまった。
エンデヴァーの真相、死柄木の逃走、タルタロスの破壊…
人々はヒーローに対して不安を抱いていた。
その渦中の夜、英堵は眠れないでいた。
その時、自室に手紙が差し込まれる。
「…何してんだ、出久。」
「…英堵くん…」
緑谷は死柄木から狙われており、皆の安全のため雄英高校から去ろうとしていた。
「…お前らしいよ。」
「…止めても無駄だよ。」
緑谷の決意は固かった。
「…止めるつもりはない。…なあ、出久。頼みがある。」
「…なんだい、英堵くん?」
「俺も連れて行ってくれないか。」
英堵も決意をしていた。
「…なぜ君が出ていくんだい?」
「…緊急変身、『ブロークン・モード』。」
コールを受けた英堵の個性因子が活性化し、微粒子状に分解され拡散される。
そして英堵の体の表面に定着し英堵スーツとなるのだ!
「フェイスオン…」
死柄木と互角に渡り合った黒いスーツの姿になる。
「大丈夫だ。意識はある。…出久、俺に黒鞭を当ててみてくれ。」
「…分かった。」
緑谷は黒鞭を英堵に当てる。すると黒鞭が壊れたのだ。
「…理屈はわからねえが『"個性"の攻撃を無効化する』みたいなんだ。」
「…敵に狙われるかもしれないから…だよね。」
あまりにも強力すぎる"個性"。間違いなく狙われるだろう。
「…分かった。英堵くんが来てくれるなら百人力だよ。」
「…もうこのモードにしか変身できねえがな。」
俺も狙われてるんで出久君と一緒に行きます。ありがとうございました。
共有スペースに一つの手紙を残して二人は雄英高校を去っていった。
夜が明けてそうそう、英堵はマスキュラーと出会った。
「久しぶりじゃねえか西村!!また、やりあおうぜ!!」
「…今、お前に構っている暇はないんだ。」
「つれないこと言うなよ!」
「はあ…緊急変身、『ブロークン・モード』。」
英堵は心底めんどくさそうに変身する。
「並み居る敵を…正義の下破壊する…今、破壊の帳が下りる。」
「なんだその姿!かっこいいじゃねえか!」
「『壊拳 ブロークン・フィスト』。」
「また、比べ合おう」
マスキュラーの筋繊維が破壊される。
「そんな暇ないって言ってるだろ。」
「…マジかよ。」
「なるほど、これが『"個性"を破壊する』…だから『"個性"の攻撃を無効化する』のか。
…勉強代だ。もらっておけ。釣りはいらねえ。」
合宿のときと同じくアッパーカットでマスキュラーの意識を奪う。
「これにて一件コンプリート…夜はまだ明けないな。」
英堵の顔には一切の笑みがなかった。
「…よくこんな状況で笑ってられるな、出久。」
「ヒーローはどんな時でも笑顔でなきゃ…英堵くんも笑ったら?」
「…笑い方がわかんねえ…」
突如、緑谷の通信機が打ち抜かれる。
「緑色の少年と黒色の少年…おまえたちをつれていく。」
マイクが付いた銃弾が撃ち込まれていた。
「大人しく従えば手足は残してやる。」
AFOからの刺客、元公安直属ヒーローレディ・ナガンである。
「出久、場所分かるか?」
「1キロ先のあのビル!凌ぐより詰めた方がいい!」
「…3Sスコープがあれば楽だったな…
緑谷、お前がメインだ。俺はサポートに徹する。」
空中歩行をするスナイパーとの戦いは索敵が物を言う。
危機察知を持つ緑谷が主体となって戦いを進める。
「AFOの支配する未来の方がまだ幾らか澄んでるだろうぜ。」
「世界のほとんどはグレーで…だからこそそこに手を差し伸べなきゃ!」
緑谷がレディ・ナガンの銃身を砕く。
突如レディ・ナガンの体が光る。
「…緑色出久お前は本も」
「『懐拳 ブロークン・フィスト』。」
レディ・ナガンの光が治まる。
「…西村英堵…」
「何しようとしたかしらねえが…あの笑顔は悪人がするものじゃないな。」
レディ・ナガンの情報からAFOが緑色を狙っていることそして
「久しぶりだなあ…西村英堵。俺はお前を狙うよ。理由は…何でもいいだろ?」
美洲華が英堵を狙っていることを知った。
二人はより一層敵から狙われることになった。
「オールマイト…もうついてこなくて大丈夫です。
ここからは僕と英堵くんでやります。」
「まて…ご飯食べてないだろ…!!」
「弁当ありがとうございました。おいしかったです。
次はタコさんウィンナーいっぱい入れくださいね。
…次があればですけど。」
とてもヒーローには見えない二人は人を助けに行った。
戦え、西村英堵。超えろ、西村英堵。
Episode32
「私も…戦わせてください!」
「てめぇらは今笑えてんのかよ?」
「…君たちじゃ勝てない。どいてくれ。」
「『私のヒーロー』じゃないですか!」
次回、デイ・ブレイク 君のハートにターゲットロック!
いろいろかっ飛ばしてきました。
その分次回は濃密な回になります。