緊急変身 ヒーローアカデミア   作:神剣狩刃

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今回めっちゃ長いです。時間をかけて読んでくださいね。


Ex Special フォーエバー・ヒーロー

美洲華くん…この子と一緒に生きてください…

 

ダメだ!トガちゃん!死んじゃダメだ!

 

美洲華くん…大好きです…

 

…トガちゃん?トガちゃん!うあああ!!!!!!

 

…『気に入らない』…こんなの『気に入らない』!!!

 

パパ…いいの?

 

ああ…こんな『気に入らない』世界に未練はない。

『真利名(マリナ)』お前は…『ヒーロー』になれる。

 

そうだとも。君たちをこんなひどい目に合わせた…

『弩木井来牙』を殺せばね。

 

緊急変身 ヒーローアカデミア!

『フォーエバー・ヒーロー』!

 

ヒーロー。敬慕の的となる人物。英雄。

彼らの任務は世界にはびこる敵『ヴィラン』達と戦い

人々の平和と安全を守ることである!

 

時はクリスマス。

 

来牙は香山とのクリスマスデートに出かけていた。

 

「睡さん。聖なる夜に貴女と食事できること…俺は幸せに思います。」

「そう固くならないの。いいお店取ったんだから楽しまなくちゃ。」

「…そうですね。俺は酒がダメなのでシャンメリーですが、乾杯。」

「私は遠慮なく飲んじゃうわね。乾杯。」

 

二人のグラスが鳴り、楽しいパーティーの始まりを告げる。

 

一方、英堵の家でもクリスマスパーティーが開かれていた。

サンタの格好をする美洲華と、トナカイの格好をするオールマイトが

トガちゃんと芽楼ちゃんを楽しませる。

 

「わーたーしーがー…トナカイになってきた!」

「メリークリスマス…プレゼントは用意したぜ。」

「わあ…似合っています。芽楼ちゃん、パパはかっこいいですね。

ついでにオールマイトおじちゃんも。」

「きゃっきゃ。あぶー。」

 

予定日よりも早く産まれた芽楼ちゃんだったが、問題なくすくすく育っていた。

 

「というわけで三人にはオールマイトグッズの詰め合わせだ!

限定品だったトートバッグもあるぞ!ディナーも私の奢りだ!」

「嬉しいなあ…寿司を用意してくれるなんて…」

「カルビ、ハンバーグ、えび天、ツナマヨコーン…

こんなのお寿司じゃないです。でも、おいしいです。」

「ばぶー。」

 

幸せそうなパーティーの中、インターホンが鳴る。

「来牙君がやっと帰ってきたな!ここは私が出よう!」

「ありがたいなあ…プレゼントがあるって兄弟子に伝えてくれ。」

「二人の愛がこもったプレゼントです。…ちょっと散らかりますけど。」

「あー。」

 

オールマイトは来牙が帰ってきたのだろうと

モニターも見ずにドアを開ける。

 

「お楽しみだったかな、来牙…君…?」

「あなた…『弩木井来牙』ね…」

 

そこに立っていたのはボロボロではあるものの…

血のように真っ赤で、宝石のように美しい鱗を持った女性だった。

 

「死んでもらうわ!ソード『アクアリ」

「うるさいなあ…サンタは間に合ってるんだよ…」

騒ぎを聞いた美洲華が顔を覗かせる。

「…『パパ』…?何でここにいるの…?」

赤い女性は美洲華をみて『パパ』と言った。

「…あ?『パパ』…まさか…お前、芽楼ちゃんか…?」

 

美洲華はその見た目と発言から相手の正体を推理した。

だが、その推理はあり得ない。

なぜなら芽楼ちゃんはすぐそこにいる

トガちゃんと遊んでいる赤ちゃんだからだ。

「…オールマイト。電話を貸してほしい。兄弟子に連絡する。」

 

来牙は飲み潰れた香山を背負いながら電話に出た。

「え!?未来から来た芽楼ちゃんが俺を殺そうとしている!?」

あまりにも急で唐突な事態に流石の来牙も動揺が隠せない。

「睡さん!ちょっと走りますよ!」

「うー…おしっこ…おしっこ…もれちゃう…」

酔った香山は自身の欲求を素直に口にしている。

「…何があっても責任取ります!」

来牙は背中に生暖かさを感じながら走った。

 

「どういうことだ美洲華!?」

「来牙さん、おかえりなさいです。…お楽しみを邪魔しちゃいましたか?」

「うるさいなあ…兄弟子、なんか臭うから風呂入れ。」

「ハッハッハ!未来の芽楼ちゃんはよく食べるなあ!」

「もぐもぐ…最後の晩餐になるかもしれないから…」

「うー…」

「…とりあえず睡さんをきれいにしよう…」

来牙は香山の入浴介助をすることにした。

 

来牙は来るべき時に備えていたマスクを装着し、

香山の服を脱がす。香山の18禁ボディーが露になる。

「…これは入浴介助だ…決して変なことをしているわけではない…」

「やん…来牙さんったら大胆…///」

来牙は理性を働かせながら香山を浴室に入れる。

 

「睡さん、お湯かけますよ…」

「んう…温かい…来牙さん…体洗って…///」

酔っている影響か、香山は大胆なことを要求する。

「え!?い、いや…わ、分かりました…」

下手に浴室を開けると眠り香で巻き込みかねないため来牙は意を決する。

 

「上手よ来牙さん…気持ちいいわ…///」

明らかに盛ってる演技の香山だが、来牙には効果覿面だ。

「そ、その、睡さん…お静かに…」

来牙は香山よりも顔を赤くしながら入浴介助を進める。

 

来牙は何とか体を流し洗い終え

「来牙さん、『ココ』…洗ってませんよ…///」

香山は自分の股間を指さす。

「そ、そこは…自分で洗ってください…」

流石の来牙もそれはできないようだ。

「意気地なし…自分で洗います…」

そこでも香山の演技が来牙を苦しめた。

 

何とか入浴介助を終えた来牙は一同の歓迎を受ける。

「兄弟子…クリスマスだから大目に見てやるよ。」

「来牙さんも男の人です。美洲華くんもそうでしたから。」

「来牙君!一応家族の前だ!次からはほどほどに頼むぞ!」

「話に聞いた通りの最低な男ね…」

「ねー。」

「…勘弁してくれ…」

 

香山を横にし来牙は未来から来た芽楼らしき女性から話を聞く。

「私の名前は真利名(マリナ)。パパはそこにいる北点美洲華だけど…

ママのことは良く知らない。私を産んだ時に死んじゃったってパパが言ってた。」

 

マリナ曰く、美洲華はトガちゃんと一夜を過ごした後、逃げ出して二人で暮らしていた。

何とか産むことはできたもののトガちゃんは消耗しきって死んでしまったという。

 

「私、死んじゃうんですか…?芽楼ちゃんを残して…?」

トガちゃんは今にも泣きだしそうな顔をしている。

「大丈夫だあ…『産んだ時』死んだって言ってる。…本当に未来から来たのか?」

美洲華はトガちゃんをなだめながら質問する。

「私を過去に送った人はタイムマシンって言ってたわ。」

 

「ちょ、ちょっと待ちたまえ!簡単に言うが『タイムマシン』なんてできるのか!?」

オールマイトが当然の質問を投げかける。

「出来ているから私はここにいるのよ。じゃなきゃなんだっていうのよ?」

「…真利名ちゃんの世界の美洲華はどこにいる?」

来牙は何か思い当たる節があるようだ。

「ものすごく強かったから…そのタイムマシンの『原材料』になったわ。」

 

「…『生命体』を『原材料』にして『発明』…あいつにしかできないだろう。

俺の予想が間違っていなければ…『霊道 武例羅(レイドウ ブレラ)』のはずだ。」

「…そんな名前だったわ。パパが言ってた。…知り合い?」

「俺が昔に逮捕した敵だ。『命のマッドサイエンティスト』と言われてるはずだ。」

「来牙君が逮捕したのか!あれは助かった!

私が『原材料』にされたらまずい、ということで手出しができなかったんだ!」

 

霊道 武例羅 敵名『マッド・ブレラ』

"個性"『生体機械変化(メイド・イン・ライフ)』

手を使い生命体から機械を作り出すことができる。

その生命体の強さに応じて様々なものが作り出せる。

本人は捕まったが、製造された機械の回収はいまだに続いてる。

 

「でも…おかしくないですか?未来でも捕まっているはずですよ?」

今度はトガちゃんが質問を投げかける。

「私のパパは本当に強かったの。光さえ見切ってたわ。」

「…おそらくだが…そっちの美洲華は俺を調べていくうちに奴を知った。

そして『気に入らない』過去を変えるために奴を脱獄させたのだろう。

愛するものを失った悲しみと怒りがそれを可能にしたのだろう…」

 

現在の美洲華は愛する者と守る者のために成長した。

悲しみと怒りでも成長することは十分に考えられる。

 

「…明日、奴と話してくる。真利名ちゃんはこの家にいてくれ。」

「そうね。パパとママからあんたのことを全部聞いてやるわ。」

「兄弟子は…何が好きだっけ?塩むすびだったか?」

「あとは香山さんが好きです。一緒に遊園地と焼肉に行ったそうです。」

「うー…」

「多分、そういう話を聞きたいわけではないと思うが…」

 

夜が明け、来牙は霊道が収容されている刑務所に向かった。

「また君と話をする日が来るとはね。来牙君。」

「霊道…武例羅…お前なら…『タイムマシン』を作れるか?」

そして面会が始まる。

 

「『タイムマシン』…何度も夢見たが…作れなかったなあ。

過去に行って君に復讐してやりたいがね。」

「…貴様でもできないものがあるのだな。」

「私は人の理は超えられても世の理は超えられない。

ただ、タイムマシンはできないが…『平行世界』の移動ならできるな。」

「『平行世界』…?どういうことだ。」

来牙は霊道の説を聞く。

 

「バタフライエフェクト。蝶が飛ぶと…何だったか…桶屋が儲かる?

とにかく、小さな要因一つでも違えば世界は大きく変わる。

例えば…人が一人いなかっただけでも大きく違う。

世界には何億、何十億といる人間の一人が欠ける…

世界規模で見たら小さなことだが事象としては大違いだ。」

 

「だから『もしこうだったら』の世界は無数にある。

マンションには多くの部屋があるだろ?部屋と部屋は別々だが…

人は手段があればその部屋を行き来できる。

『平行世界』の移動はこんな感じだ。イメージしやすいだろ?」

 

「だから後は手段を用意するだけ…私なら『人間一人』で出来るな。」

「…平行世界のお前が俺を殺す刺客を送り込んできた。」

来牙は霊道に包み隠さず伝えた。

「おかしいな…平行世界の私はそんなに馬鹿だったのか…」

霊道は心底不思議そうに悩んでいる。

 

「もし私が君に復讐するなら誰かに頼んだりはしない。

自分の手で君に復讐する。それに君を殺したりはしない。

一番の復讐は『一生消えない傷を負わせる』だからね。

そうだなあ…君の『大切な人間』…『愛する人間』を殺すな。」

 

その言葉を聞いて来牙は立ち上がった。

「まさか…『真利名ちゃんはブラフ』…!?」

「君ともあろう男が守るべき存在から離れるとはね…」

「しまった…『睡さん』が危ない!」

「頑張り給え。君は私を捕まえた男だからね。」

霊道は心底楽しそうに笑っていた。

 

「…なんであんなことしちゃったのかしら私…」

香山は二日酔いに苦しみ、昨日の失態に苦しんでいた。

「来牙さんに会いたいわ…色々謝りたいわ…」

ピンポンとインターホンが鳴る。モニターには来牙が映っている。

「ナイスタイミングね…流石来牙さんだわ…」

 

香山はガチャリとドアを開けて来牙を出迎える。

「おはようございます。香山さん。大丈夫ですか?」

「昨日はごめんなさい来牙さん…でも、本気だったのよ?」

「…気にしないでください。それより協力してほしいことがあるんですけど…」

来牙は何事もなかったかのように返す。

「こんな私でよろしければ協力するわ…」

「来てほしいところがあるんです。」

来牙は香山を車に乗せる。

 

「…来牙さんどこに行くのかしら?」

香山が質問するや否や座席から拘束具が飛び出し、香山を動けなくする。

「え!?く、来牙さん!?どいう言うこと!?」

「まさか下の名前で呼び合う仲だったとは…誤算でしたよ『香山さん』。」

「…!?来牙さんじゃない!?」

 

「『プロヒーローミッドナイト』…本名『香山睡』。

超常解放戦線との戦いの中、窮地に陥ったところを弩木井来牙に助けられる。

そして凶悪敵『北点美洲華』と『渡我被身子』のことを知り、同居を決める。

『私』の技術なら朝飯前ですね。本当に朝飯を食べていませんがね。」

 

光学迷彩とボイスチェンジャーによる変装が解け

『弩木井来牙』から『霊道武例羅』になる。

 

「どこに行くかでしたね。あなたと来牙君の墓場ですよ。

結婚していたら二つ目の墓場になりますね。」

「…指輪はしてないわ?見せてあげましょうか?」

「あなたとはいい話ができそうだ。」

 

本物の来牙が家に着く。

「美洲華!睡さんはいるか!?」

美洲華は呑気にサンタさんのエプロンをして朝御飯を作っている。

「いやあ?兄弟子に愛想尽かして帰ったんじゃないか?」

トガちゃんと真利名は芽楼ちゃんと遊んでいる。

「芽楼ちゃんは大きくなったらこんなかあいい子になるんですよー。」

「…私にもこんな時があったのね…」

「ぱーいー…」

「しまった…!遅かったか…!」

 

来牙の携帯に非通知の番号からの連絡が来る。来牙は即座に出る。

「霊道!貴様!」

「本当は香山さんの電話を使いたかったんですけどね。

来牙君、今から指定する場所へ一時間以内に一人で来てください。

もし時間以内に一人でこれなかったら…彼女で安眠枕でも作りましょうか。」

 

「睡さんに手を出してみろ!俺は貴様を」

「来牙さん!来ちゃダメ!来たら殺されちゃうわ!」

香山が電話越しに叫ぶ。

「では指定の場所は…です。いい目印がありますので迷わないでくださいね。」

通話が切れる。

 

「兄弟子…俺も」

「…お前はトガちゃんと芽楼ちゃんを守れ。」

「わ、私も行き」

「トガちゃんは俺に近づくな。そして、ここから離れるんだ。

…間違いなく次の標的はトガちゃんたちだ。俺が片付ける…!」

来牙の決意は堅かった。

 

「兄弟子、プレゼントだ。武器もなしに戦えないだろ。」

「私と美洲華くんお手製のロッド『シリウス』です。

美洲華くんが外側壊しちゃったみたいですから。」

「美洲華…トガちゃん…すまない。ありがとう。」

 

美洲華の鱗が装飾されたロッド『シリウス』を持ち、

来牙は地獄の業火のような怒りを携え家を出ていく。

 

「…あの人、あんな目をするのね。」

真利名は憎き来牙をただ茫然と見つめていた。

 

指定されたポイントは意外と近く、歩いて行ける場所であった。

『角の生えた事務所の前の広場』に着いた来牙は二人を見つける。

 

「霊道!睡さんから手を放せ!」

「手は放しますけど、拘束は解きませんよ。」

「来牙さん!逃げて!」

「逃げれるなら逃げてください。百人組手です。」

霊道が指を鳴らすと何体もの機械人間が現れる。

 

「街頭に群がる羽虫から作りました。蹴散らせますよね。」

「文字通りの100人組手か…これで俺を倒せると思っているのか?」

「思ってません。勘を取り戻すにはちょうどいいでしょう?」

「俺はいつでも現役だ!舐めるなよ!」

 

「ロッド『シリウス』!」

 

来牙が鱗がいつの間にか落ちていた警棒を振り抜く。

それは狩りを執り行う『猟犬(ハウンド)』のようだった。

 

「百鬼夜行を打ちのめす…正義の猟犬!俺は悪を狩る!」

 

「うおおお!!!」

警棒を振るい、拳を振るい、脚を振るい機械人間を倒していく。

それでも、警棒にだんだんとひびが入っていく。そしてついに割れる。

 

「ソード『シリウス』!」

 

剣になり機械人間を切り捨てていく。見る見るうちに数は減っていき…

「次は貴様だ…霊道!」

切っ先を霊道に向ける。

 

「準備運動が終わったようですね。私も本気で行きますよ。

M V P G G

『モスト・ヴァリュアブル・パワード・ギア・ジェノサイド』。」

霊道が赤色のパワードスーツに身を包む。

 

霊道は一瞬で来牙に近づく。

「何!?」

「ふん。」

腕を振るうだけで来牙は吹き飛ばされる。

「おやおや…握手をしようとしたんですがね…」

「くっ…!でやあああ!」

 

来牙の振り下ろした剣は体の装甲にたやすく弾かれる。

「なんだと…!?」

「対策してますよ。ですが、その剣は危ないですね。」

霊道は弾かれた剣掴み、バキンと握りつぶした。

「馬鹿な…!?」

 

「なまくらですね。ふん。」

来牙のがら空きのボディに拳が入る。

「がっ…かっ…」

来牙は膝から崩れ落ち、うずくまる。

「無様ですね来牙君…"個性"でもあれば勝てたでしょうに…」

「こ、"個性"がなくとも…!ヒーローに…」

「楽しかったよ。じゃなばい。」

来牙に向けて拳が振り下ろされる。

 

「ソード『アルタイル』!」

 

高圧の水が霊道の拳の装甲を吹き飛ばす。

 

「…!?一人でこなかったのか…!?」

「違うなあ!勝手についてきたんだよ!

『余計なお世話はヒーローの本質』…助太刀に来たぜ、兄弟子。」

家に居るはずの美洲華がそこにいた。

 

「美洲華!?なぜここが!?」

「俺の鱗が道に落ちてたんでなあ…いいプレゼントだろ!」

歩いてる最中に落ちた美洲華の鱗が道しるべとなったのだ。

 

明らかに不機嫌そうに霊道は叫ぶ。

「約束を違えたな!あいつには死んでもらう!」

「やめろ霊道!」

霊道は香山がいる場所に向けて光線を放つ。

そのあとには塵一つ残っていなかった。

 

「…誰にも気付かれないように動く…私の得意技です。」

 

いつの間にかトガちゃんが香山を助けていた。

「トガちゃん!?芽楼ちゃんは!?」

「来牙君!私がつれて来た!」

車から芽楼ちゃんを抱えたオールマイトが出てきた。

「たー!」

 

「来牙君!香山君にかっこいいところを見せてやれ!」

「来牙さん!美洲華くんを悲しませたら許しません!」

「来牙さん!頑張って!」

「皆…!感謝する…!」

 

「兄弟子!こいつを使え!」

美洲華はソード『アクアリウス』を来牙に向けて投げる。

「兄弟子が『気に入った』からやるよ!」

 

「美洲華…だからお前のことが『気に入った』んだ!」

来牙はソード『アクアリウス』を受け取り霊道に構える。

「霊道!俺はお前が…『気に入らない』!」

 

「この死にぞこないがあああ!」

霊道は逆上し反対の拳を振るう。

「そこだ!」

振るわれたはずの霊道の拳が宙を舞う。

「どんな装甲でも関節を狙えばもろいものだ。」

 

「馬鹿な…この私が…!」

「ソード『アクアリウス』!アクアリウス・スラッシュ!」

来牙の連斬が霊道の装甲をはがしていく。

「うおおお!!!」

「この私が負けるだと!?」

「…お前の負けだ、霊道。」

霊道は一糸まとわぬ姿になっていた。

 

「くくく…ハーッハッハッハ!負けだと!?この私が!?

ふざけるな!こうなったら…起動しろ!

S O M F B

『自主規制』『自主規制』『自主規制』『自主規制』『自主規制』!」

突如地面が揺れる。地面から巨大な人型の機械が出てきたのだ。

 

「自分の作った発明品を忘れる馬鹿がどこにいる!?

これがあるからこの場所にしたのだ!叩き潰せ!」

機械の巨大な拳が一同に迫る。

 

「ちょっと待ちなさいよ!」

武装された巨大な拳が機械の拳を打ち砕く。

「私の事務所の前で暴れるなんて…いい度胸してるじゃない!

この『Mt.レディー』…いや、『エベレストレディー』が相手をするわ!」

 

「『二重拳 デュアルロール』!」

ジェット噴射を利用したテンプシーロールが巨大な機械を瞬く間に粉砕していく!」

「おりゃおりゃおりゃおりゃあああ!!!」

そしてついには巨大な機械は跡形もなく消えたのだ!

「これにて一件コンプリート…以後お見シリおきを。」

 

「馬鹿な…この私が…完璧な計画だったはずなのに…」

「知らねえのか…?クリスマスには奇跡が起こるんだよ。」

「霊道…この場にお前が『原材料』にできる『生命体』はいない!」

「くくく…ハーッハッハッハ!本当にそうかなあ!?」

 

霊道は高らかに笑う。そして自身の残った手をレーザー砲に変える。

 

「『自分の命』は『自分の好き勝手』にできるよなあ!?

貴様の『大切な人間』!『愛する人間』を消してやる!

地獄で待ってるぞ来牙ああ」

 

「パパとママを傷つけるな!!!」

 

真利名がレーザー砲と繋がってる肩を切り落とした。

 

「こ、この…犯罪者の娘が…!これで貴様も犯罪者だ…!

一生消えない罪を…抱いて生きていけ…!」

霊道は力なくかくりと倒れた。

「…たとえどんな罪を背負っても…

『パパとママを守れた』ってことが…私の一生の支えになるから。」

 

真利名は来牙に歩み寄る。

 

「…私を逮捕して。傷害罪でしょ?」

「それは…俺も同じだ…。」

 

「じゃあ…大量殺人。私、ものすごく人を殺してるから。」

「こっちの世界じゃあ…何もしてないだろう…」

 

「あなたが罪を負ったら…パパとママが悲しむ。だから…私が罪を負う。

だって…私はこの世界にはいない人だから。」

「…この世界の名前がなければ…逮捕はできない…」

 

来牙は何とか抵抗する。

 

「そうね…ジョン・ドゥでもいいけれど…

『北点美洲華』と『渡我被身子』から取って…

『美洲子(ビスコ)』がいいわ。強くて健康そうだから。」

 

美洲子が警察に連行され事件は終わった。

 

「…何しょぼくれた顔してるのよ、来牙さん?」

香山が来牙の顔を覗き込む。

「…睡さん。俺は…正しかったのでしょうか…」

「何よそれ?私を助けてくれたじゃない?

それの何が間違っているっていうのよ?」

「俺も罪を背負うべきで」

「馬鹿言ってるんじゃないわよ!」

香山が来牙の頬を叩く。

 

「私、攫われた時ものすごく怖かったのよ!?

贋物の来牙さんに攫われて!本物の来牙さんに会いたくて!

でも、来牙さんに死んでほしくなかったから来ちゃダメって言って!

それでも来牙さんは来てくれた!私のために戦ってくれた!

私を助けてくれた!本当にうれしかった!」

香山は大粒の涙を流しながら叫ぶ。

 

「なのに何よ!罪背負って捕まりたい!?私からまた離れちゃうの!?

そもそも来牙さんが私から離れたのがいけないんでしょ!?

償いたいならずっと私のそばにいて!私を守って!

だって…来牙さんは『私のヒーロー』だから!!!」

香山は泣きながら来牙に抱き着く。

 

「お願い…来牙さん…行かないで…」

 

「睡さん…俺が間違っていました。」

「来牙さん…」

来牙の発言に香山は顔を上げる。

 

「俺はずっと迷っていたんです。本当にこのまま睡さんと一緒にいていいのか。

迷惑じゃないかとか、俺なんかでいいのかとか…でも、今日で決めました。」

 

「睡さん。あなたを『守りたい』です。一生をかけて『守ります』。

大好きです。だから…結婚してください。」

来牙は自分の思いを素直に口にした。

 

「ばっ、馬鹿言ってんじゃないわよ…!急に何言ってるのよ…!」

「えっ…いや…すみませんでした…急すぎですよね…」

 

「…そういえば来牙さん…私の裸見たわよね?」

「えっ!?あ、あれは、その、睡さんが酔っていて…」

「『何があっても責任取ります』って言ってたわよね?」

「えー…はい…言いました。」

「それじゃあ、責任取ってください。一生かけて。」

「…へっ…?」

 

「私だって大好きよ。来牙さん、結婚しましょう。」

香山も自分の思いを素直に口にした。

 

「『気に入ったぜ』兄弟子!キスしちまえ!」

「アツアツなのです。ちゅーしちゃえばいいです。」

「そうだ来牙君!男を見せるんだ!」

「うー!」

 

「もう…騒がしい外野ね…どうするの来牙さ」

来牙が香山の唇を奪う。

「…エイから教えてもらいました。

『好きを伝えるときはキスをする』…ど、どうでしょうか…?」

香山はやれやれとため息をつく。

 

「…あのねえ、来牙さん?先日言ったでしょう?

そういうことは人前でしないって…『イケない』人ね…」

「あっ…いや…すみま」

今度は香山が来牙の唇を奪う。

「私、『イケないこと』が好きなのよ。伊達に18禁ヒーローやってないわ。

大歓迎よ!さあ、今はみんなに見せつけちゃいましょう!」

「えっ!?睡さ」

この後しばらく二人はイチャイチャしていたという。

 

Ex Special2

「俺と明ちゃんがクリスマスックスしてるときにこんなことがあったのかよ!?」

「ちょ、ちょっと英堵さん///思い出させないでください///」

「だからてめぇの出番がなかったのかよ!?」

「おいおい、やばいぜ相棒!次の回!」

「え?禊企画?『笑ってはいけないヒーロー24時』?」

次回、ドント・ラフ 君のハートにターゲットロック!




というわけでスペシャルエピソードでした。
来牙さん主人公にするならこれしかないでしょと。
来牙さんとミッドナイト先生のR-18もいつか書きます。

次もスペシャルエピソードで長めです。
アイディアを出すために散歩に行ってきます。

R18編いる?

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