緊急変身 ヒーローアカデミア   作:神剣狩刃

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Episode7 コンフリクト・プライド

昼休憩とレクリエーションが終わり最終種目が決まる。

トーナメント形式の一対一の戦闘だ。英堵は対戦表を確認する。

最終試合で対戦相手は爆豪勝己であった。英堵は直ちに対策を考え始める。

観客席で対策を考え、気になっていた発目の試合を見て、控室に向かい改めて考える。

「座って考えてもあれだな。緊急変身、グリーンモード、よっこらせっと…」

 

これはグリーンモードでのシンキングポーズである。

これをすると何かがひらめくのだが…

 

「…ダメだ。勝てるヴィジョンが浮かばない…」

爆豪対策で一番に考えるべきは個性ではない。

もちろん個性を考えなくていいわけではないがまず考えるべきは類まれなるセンスだ。

爆破という個性をありとあらゆる方法で使ってくる。

俺が思いついたことはすでにできていると考えるべきであろう。

攻撃、回避、牽制…しかも、時間が経てば経つほど強くなる。

狙うべきは早期決着か?うってつけの光速拳はもう使えない。

いや、本当に使えないのか?とりあえず開幕で試してみて、ダメだったときは…

 

「西村君!」

「フーイズ誰!?」

英堵は突然の来客に驚きシンキングポーズから崩れる。

「な、なんだ緑谷君か…びっくりしたなーもう。」

「ご、ごめん…考え事してたよね…」

英堵の邪魔をしてしまった緑谷は心底申し訳なさそうに謝る。

「…それじゃあ、邪魔した罰だ。…緑谷君、ちょっと話し相手になってくれ。」

「え…こ、こんな僕でよければいくらでも…」

 

英堵は変身を解いて深呼吸を一つする。

「正直言って勝てる見込みがない。いくら考えたって対策が思いつかない。」

「えっ…そ、それじゃあ…」

「でも、勝てないからって逃げてたら

『宇宙一のヒーロー』にはなれないって思ってる。」

…諦めずにどんな物事にも全力で挑むのが『宇宙一のヒーロー』だ!」

 

西村は緑谷に宣言する。あるいは自分に言い聞かせる。

「西村君…」

緑谷は複雑そうな表情で控室を出る英堵を見送る。

 

会場に二人が対峙する。

「一回戦最後の組み合わせ!両者ともウニみたいな髪型だな!

ヒーローウニの縄張り争いか!?」

笑いを取りにいったであろう実況に二人は一切表情を変えない。

「中学生からちょっとした有名人!!堅気の顔じゃねえヒーロー科爆豪勝己!!」

爆豪が英堵を睨みつける。

 

「対!!正に『変身するヒーロー』!!ヒーロー科西村英堵!!」

英堵が余裕の笑みを浮かべる。

「秒殺してやるよ、クソウニ。」

「本気を出すにはちょうどいい。そっくりそのまま返すぜ…爆豪。」

「…らしくなくマジになったかぁ!?西村ぁ!」

「緊急変身、イエローモード!」

 

コールを受けた英堵の個性因子が活性化し、微粒子状に分解され拡散される。

そして英堵の体の表面に定着し英堵スーツとなるのだ!

「フェイスオン!」

 

英堵は爆発に備えつつ、"個性"を使うため地面に手を着け姿勢を低くする。

 

イエローモードはエスパーである。

その手で触れることで物体を介し人の心を読み取れるのだ。

 

(こいつは右の大振りの初撃を知っている…なら左だ!)

左の拳から振るわれる爆撃を英堵は何とか回避する。

心を読んでいたとはいえギリギリの回避になる。

「光速拳、ライトニングフィスト!!!」

英堵はとっておきを試すため叫ぶ。

(こいつ…!さっきの早業か…!なら空中に…!)

 

光速拳は不発に終わったが、爆豪は爆破を器用に使い空中に逃げる。

「焦ったな!?緊急変身、レッドモード!ハイブリッドマグナム!」

レッドモードに切り替え空中の爆豪に向けて大きなエネルギー弾を放つ。

「西村てめぇ…!オラぁ!」

騎馬戦のように爆破で相殺する。あたりに煙が漂う。

「緊急変身、イエローモード!」

再びイエローモードになり地面に手を着ける。しかし、何も聞こえない。

 

「何も聞こえないってことは…そこだな!光速拳、ライトニングフィスト!」

英堵は空に向けて拳を振るう。またも不発に終わった光速拳の先から爆発音が聞こえる。

「ちぃっ!…出し惜しみしてんじゃねぇぞクソウニ!」

「ナンセンス…お楽しみは最後まで取っておくものですよ、ボンバーアーチン。」

 

心を読んで先手を打つ英堵に対し、持ち前のセンスと爆破をうまくさばく爆豪。

一進一退の攻防が繰り広げられる。だが、少しずつ状況が変わっていく。

 

「はあ、はあ…緊急変身、レッドモード…!」

「どうしたクソウニ…!息が上がってるぜ…!降参したらどうだ…!」

イエローモードのエスパー能力は体力を多く消費する。

二週間で鍛えた英堵だが、無尽蔵の体力ではないため限界が見えつつあるのだ。

「ここでお前に勝てなきゃ…『宇宙一のヒーロー』になれないんでな…!」

「はあ、はあ…そいつは無理だな…!てめぇは俺に負ける…!

そして俺が『宇宙一のヒーロー』になってやる…!」

流石の爆豪も体力の消耗が見えるが煽る余裕があり、汗も多くかいている。

 

「これで消し飛びなぁ!ハウザーインパクト!」

爆轟が放った勢いと火力を加えた特大爆発はまさに人間榴弾と言っても過言ではない。

今までにない爆発が会場を包む。その爆心地にいた英堵は…

 

「いいことを教えてやる…俺はしぶといんだ!この学校で一番な!」

変身が解け、煤だらけになりながらも立っていた。

「てめぇ…!」

爆豪も驚きを隠せない。そして英堵は一歩一歩爆豪に近づく。

「あれだけの爆発を起こせばしばらくは爆発できないだろう…

『諦めなければなんとかなる』!捲土重来!光速拳、ライトニングフィスト!」

「…っ!!!」

爆轟は敗北を覚悟する。あの速さを対処できる力はもうない。

爆轟の顔に英堵の拳が触れる。

 

ぺち、とあまりにも情けない音がなる。

「…何のつもりだクソウニ…?」

「いかんばんせん…せっしやく…」

 

何かを言い切る前に英堵は膝から崩れ落ちる。

「…は?」

「あーっとぉ!?西村がダウンしたぁ!?」

ミッドナイトが行動不能の審判を下す。

「クソウニ…まさかブラフだったのかよ…へっ、してやられた…ぜ…」

「勝者、爆豪勝己ィィィ!!!」

 

勝利宣言を聞き爆豪も意識を手放す。

西村英堵初戦敗退。

 

Episode8

「てめぇも西村みたいに全力を出せよ!」

「悔しいよ…めちゃくちゃ悔しいよ!」

「どんなヒーローも一度は泣いたはずだ。」

「おう…西村。」

次回、アフター・フェスティバル 君のハートにターゲットロック!




爆豪は自分の爆発音で二十四時間に一分の制約が聞こえていませんでした。
そのため光速拳の動きを警戒していました。

この作品ではお茶子と切島が戦いました。
決着はお茶子の無重力投げで切島の場外です。
これでほぼ原作と同じ組み合わせになるので、後半戦はおよそカットです。

え、常闇君?…心操君の騎馬に入っていました。多分。
そのほかの矛盾があったら…すみませんその都度考えます。
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