雄英生を名乗る少年、相心創に英堵は困惑していた。
「嘘だろ…俺のクラスにこんな奴いなかったぞ…?」
「三年生が一年生のクラスにいるわけないですよ!」
創の発言に英堵は違和感を掴んだ。
「一年生…?俺は三年生だぞ?ほら、俺の手帳を見ろ。」
英堵は創に自身の生徒手帳を渡した。
「…3-A!?嘘だ!?僕のクラスに君みたいな人はいなかったよ!?」
創も英堵の手帳を見て驚いていた。
「どうしたんですか二人共!?何かトラブルでもありましたか!?」
そんな二人を見かねて、発目がやってきた。
「ああ、明ちゃん、この子」
「分かった!発目さん!また何か変な発明品を作りましたね!?」
創の発言に発目が驚く。
「ええ!?いや、まだ何も作っていませんよ!?というかあなたは誰ですか!?」
「創ですよ!言ってもろくに覚えないじゃないですか!興味がないとか言って!」
創の発言に英堵はかなり考えていた。
(制服姿の明ちゃんを見て発明品と言うワードが出て来たし、
明ちゃんが自分と俺とベイビー作り以外に興味がないことも知っている…
間違いなく雄英生だ。でも、こんな奴は知らない…)
「…考えるならこれだよな!緊急変身、エイドモード!」
コールを受けた英堵の個性因子が活性化し、微粒子状に分解され拡散される。
そして英堵の体の表面に定着し『エイド』スーツとなるのだ!
「フェイスオン!からの…『ディープ・アンダースタンド』!」
変身を終えた英堵は逆立ちをする。
これは進化した『アンダースタンド』である。
すべてのスーツの能力を得たエイドモードで行うことにより
思考能力を上げながらエスパー能力を使えるのである。
(変身した!?この人も"個性"を持っているんだ!?
ああ、はやく百姉さんに会いたいよ…相談したいよ…)
平行世界から『逃げてきた』んです…!
3-A!?嘘だ!?僕のクラスに君みたいな人はいなかったよ!?
「嘘だろ…!?でも、俺はその人物を目の当たりにしてる…!」
閃いた英堵は創に質問をする。
「創、お前の思っている百姉さんってヤオモモの事か!?」
心を読まれた創は驚きながら答える。
「ええ!?何で!?い、いや、そうだよ!八百万百だよ!」
確信を得た英堵は創に話しかける。
「ちょっと待ってろ、ヤオモモ呼んでくる!」
英堵はハイツアライアンスに駆け込む。
キッチンで妙に体格のいい八百万が紅茶を淹れていた。
「ちょうどよかった!ヤオモモ!ちょっと顔貸して」
「すみません…どなたでしょうか…?」
八百万の口から、英堵の想像をはるかに超える答えが返ってきた。
「うっそだろ…!?ヤオモモまで何言って」
「朝からうるせーぞ相棒…昨日は明ちゃんをお楽しみだったか?」
峰田が階段から降りてきた。
「すみません、峰田さん。こちらのお方は…?」
「おいおい、寝ぼけてんなら目覚めにヤオヨロッパイを揉んでや」
英堵は瞬間的に状況を理解した。手をワキワキする峰田を蹴り飛ばす。
「色々省略してデリート許可!ストライクアウト!」
「ぐえあ!?」
「峰田さん!?あなた!少し乱暴すぎますわ!」
英堵は怒る八百万に触れる。
(な、なんですのこのお方!?ここは少々手荒ですが…!)
英堵は八百万の蹴りを軽々と避ける。
「流石だな、『百姉さん』!」
八百万がピクリと反応する。
「なぜその呼び方を知っているのですか…!?創さんしかそう呼ばないのに…!?」
「その創さんが困ってるんだよ!だから顔貸してくれ!」
「ええ!?創さんがいるのですか!?速く案内してください!」
英堵は八百万を連れて寮を出て行った。
「あ…相棒…後で明ちゃんに言いつけてやるからな…」
校門では創と発目が待っていた。
「英堵さん!待ちくたびれましたよ!」
「ごめんね明ちゃん!おーい、創!百姉さん連れてきたぞ!」
校門の外で創と八百万が抱き合う。
「百姉さん!心細かったです!」
「私もです創さん!卒業式中にこんなことが起きるなんて!」
「見せつけてくれますね!私たちも抱き合いましょう!」
「それはいいけれど…卒業式?」
発目を抱きしめながら、英堵は創と八百万を観察する。
確かに、制服の胸元に花の飾りがついている。
「今はクリスマスアフターだぜ?ほら…」
英堵は二人にスマホを見せる。12/27日の午前中を示していた。
「…事情を説明してくれるか、二人共?」
創と八百万曰く、卒業式のスピーチで
手を繋ぎながら『誰にも想像できない未来』と言ってしまったらしい。
そのせいでこの世界にやってきてしまったのではないかという。
「すげえ"個性"だな…手を繋げば何でもできるのか…」
「あー…厳密に言うと違うんですよ。まず、僕の"個性"は…」
相心創の"個性"が知りたい方は"創造"と"想像"を読んで欲しい。
創の"個性"の話を聞き、発目が目をキラキラ輝かせる。
「私が持っていたらとんでもないことになりそうな"個性"ですね!」
「いやいや、想像したものを具現化するわけじゃないから…」
「それが、想像上のものを具現化することもできるんです。そのためには…」
このことに関しても、"創造"と"想像"を読んで欲しい。
創と八百万のとんでもない"個性"に、二人はぽかんと口を開けていた。
「…この二人がいたら私の危機です!英堵さん!どうしましょう!?」
発目は英堵をがくがく揺さぶるが、英堵は何か考えていた。
「…もしかしたら…この二人なら、できるかもしれない…!」
「"創造"と"想像"が組み合わさったら…不可能なことなんてないですから。」
「創さん…頼もしいですわ…」
英堵は創と八百万に頼みごとをする。
「訳あって、想像上のものを作りたいんだ。でも、人に知られちゃいけない。
だから俺の家に来てくれないか?ちょっと大所帯だけど、悪い人はいない。」
創と八百万は顔を見合わせて、力強く頷いた。
「困っている人がいるなら…ヒーローとして助けます。」
「私達にできる事であればやって見せます。」
「…ありがとう。それじゃあ早速行くぜ!」
英堵達は英堵の家に向かった。
「というわけで、協力者の平行世界のヒーロー二人です。」
「相心創です。」「八百万百です。」
「「よろしくお願いします。」」
英堵の家にいる6人はぽかんと口を開けた。
「まあ…エイが連れてくるということは悪い人ではないだろう。」
「来牙さんが言うなら…そうね。一人は良く知っている顔だし。」
「驚いたなあ…まあ、この家にはそういうやつがよく来るんだろ。」
「そうですね。来年はどんな世界の誰が来るのでしょう。」
「うー。」
「そもそも俺は平行世界の人だ。そういわれたら受け入れるしかない。」
6人は意外と早く受け入れた。
そして、それぞれの事情を話
「待ってください。…ドーナツとアイスミルクあります?」
「アレがないと話し合いができませんわ。」
「よーし…じゃんけんで負けた二名、買ってこい。」
「絶対に負けません!英堵さんに勝ちます!」
「両方の世界の俺に勝つつもりかい、明ちゃん?」
「これは…負けられない戦いだな?」
「楽しみだなあ…久々に兄弟子との戦いだ。」
「兄弟喧嘩に痴話喧嘩…こんなに喧嘩が多発することは一生ないでしょうね。」
「芽楼ちゃん、ママが勝つところ見ててくださいね。」
「まーま、まーま!」
「初めてだなあ…兄弟子?」
「お前と二人きりで出かけることは道場でもなかったな…」
「来牙さん、思い出に浸って、帰ってくるの遅くなっちゃだめよ?」
「美洲華くん、チョコファッションが食べたいです。」
「なあー。」
…公正なじゃんけんの結果、来牙と美洲華が買い出しに行くことになった。
あの最終回からここに繋がります。
具体的なものでなくても具現化してしまうのは困りものですね。