緊急変身 ヒーローアカデミア   作:神剣狩刃

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Ex Special3 クロス・ヒーローズ part6

英堵達から初めて事情を聞いた三人は頭を抱えていた。

「信じがたい話ですが…平行世界の西村さんが大変な目にあったのは分かりました。」

「しかし、これから24時間どうするつもりだ?長時間身を隠せる場所など」

「とりあえず公安で匿うのは確定ね。適当な事件の参考人ということにしましょ。」

 

公安という言葉を聞いて二人の英堵の顔が引きつる。

「え、マジ?お二人ってそういうことできる立場の人間なの?」

「事件の参考人…VIP待遇になるのは違いないだろう…」

英堵達を見て終がにやりと笑う。

「泣く子も黙って失禁する『レディコンビ』よ?」

「よく失禁するのはコイツだがな。月一ペースでしているぞ。」

 

よく分からないやりとりに創と八百万が説明する。

「お二人の"個性"があっても、終姉さんの"個性"の対策は難しいと思います。」

「そもそも、"個性"がなくとも…終さんの体術は常人のそれではありませんわ。」

「なるほど…って結局よくわからないじゃん…」

「論より証拠、百聞は一見に如かず…公安で見せてもらおうじゃないか。」

「えっと…私も同行するほうがよろしいでしょうか…?」

ナガンが運転する車に乗って、一同は公安へ向かう。

 

公安に到着し、一同は情報を整理していく。

「…ですのでナガンさん。この機械を預かっていてください。」

「平行世界を移動する機械です。厳重に秘匿して扱ってください。」

「簡単にとんでもないことを言うようになったな…終のせいだな。」

「平行世界の私はこうなってしまっているのですね…複雑ですわ…」

「二人の百様に攻めてもらうのは後にするとして…二人の英堵君の"個性"が見たいわ。」

「…今とんでもないことを言わなかったかこの女?」

「式抜け出してイチャつく女ですから、今更じゃないですか?」

 

終に連れられて二人の英堵は公安の訓練施設にたどり着く。

「じゃ、"個性"を使ってちょうだい。」

ドーナツを頬張りながら出された指示に、二人の英堵は困惑する。

「公安ってこんな感じなのか…?」

「この世界の公安だけだろ。とにかく…」

 

「「緊急変身、エイドモード!」」

二人の英堵が『エイド』スーツに身を包む。

「なるほど…あたしと同じように宣言して発動するタイプね…それから?」

終はフムフムと興味深そうに注目している。

「では、俺が披露しよう。エイドマグナム!」

平行世界のヘロスがエネルギー弾を連射する。

 

「遠距離攻撃もできると…でも、本気って感じじゃないわね?」

「当然だ。エイドライフルによる狙撃も」

「それは火伊那さんがいるからいいわ。

貴方にしかできないことをみせてちょうだい。」

ふてぶてしく言う、終に対し、平行世界のヘロスが逆立ちをする。

 

「…こうすると思考能力が上がるんだ。あと心が読める。」

「じゃああたしの考えていることをあてて」

「このドM女が。俺たちのできること次第で、自分を攻めてもらうつもりだろ?」

平行世界のヘロスの発言に本来のヘロスが驚く。

 

「何言ってるんだ俺!?そんな訳ないだ…ろ…」

(ああ…本当に読めてるのね…!ゾクゾクしちゃうわ…!

火伊那さんや百様には申し訳ないけど…たまには味変もいいわよね…!)

平行世界のヘロスの言っていたことはドンピシャで、

本来のヘロスは力なく崩れ落ちた。

 

「…俺が相手してやるから、こっちの俺には手を出さないでくれ。」

「もちろんよ!さあ、あたしを満足させて頂戴!」

「…俺、皆のとこに戻りますね。」

色々と諦めた本来のヘロスは変身を解き、皆の下へ戻って行った。

 

不可解なものを目の当たりにしたような顔をした英堵に、二人の八百万が質問する。

「まあ、西村さん…何があったのですか?」

「えっと…俺の方のヤオモモか。いや…平行世界の俺に押し付けたんだ。」

「押し付けた…?終さんが何か面倒なことでもしましたか?」

「今度は百姉さんの方か。あの人…いろいろ終わってる人だな…」

 

英堵の反応を見て、終の弟と嫁が何かを察する。

「西村さん…もしかして"個性"を披露しました?」

「ああ…俺の"個性"は色々できるからな…」

「まさか…『あたしを攻めてほしい』とか言っていたか!?」

「言ってはいませんでしたけど、思っていましたね…

それを読んでしまって…今、平行世界の俺が対応しています。」

 

その言葉に、終の嫁と義妹が怒りを爆発させる。

「あの馬鹿!見境がなさすぎるだろ!私がいながら!」

「あの雌豚!見境がなさすぎますわ!私がいながら!」

二人が勢いよく飛び出していく。

残った三人は、呆然とその光景を眺めていた。

 

「…すみません、僕の姉が…」

「…平行世界の私はあんな風になってしまっているのですね…」

「ナガンさんもあんなんになっちまうんだな…奇想天外、驚天動地。」

 

しばらくして、ズタボロにされながらも満面の笑みを浮かべる終がやってきた。

「は、創…あんたと百様は帰りなさい…二人の西村君と西村君の百様は…

公安に泊めておくことにするわ…明日になったらまたお願い」

「こら終!まだお仕置きは終わってないぞ!逃げるんじゃない!」

「この雌豚が!まだまだ躾が足りないようですわね!」

「久しぶりに滾っちまったよ!もっと付き合え!」

そして、怒れる三人衆に引っ張られていった。

 

「なんていうか…あそこまでストレートだと、逆に感心するよな。」

「…アレが私だなんて…信じたくありませんわ…」

「無理に受け入れなくて大丈夫です、平行世界の百姉さん…」

 

今度は簀巻きにされた終と共に、嫁と義妹と平行世界の英堵がやってきた。

「とりあえず…創はこちらの八百万と帰ってくれ。二人の西村は終の部屋に、

そちらの八百万は私の部屋に泊まってくれ。このバカは外で寝させる。」

「ああ…火伊那さんもついにSに目覚めてくれたのね…嬉しいわ…」

「男同士、女同士で寝た方が安全だろう。このバカは除いてな。」

「一度死んだほうがいいと思いますわ。できる限り苦しみながら。」

 

心底申し訳ないという顔をし、創が部屋を出ていく。

「それじゃあ…また明日会いましょう、西村さん達、平行世界の百姉さん。」

「お、おう…また明日色々話そうな、創…」

「お、お気を付けてください、創さん…」

「私はまだ収まっていませんわ!創さん!今晩は覚悟してください!」

創はすべてを受け入れた顔をして、恋人に引っ張られていく。

 

「…昔の俺と明ちゃんの関係を思い出すぜ。」

「…奇遇ですわね。私も思い出しました。」

「時間も時間だ。それぞれの部屋で過ごすとしよう。」

「西村達。お前達は一応女の部屋に泊まるんだ。変なことはしないようにしろ。」

「一応って…これでもミス公安には選ばれる美女なのよ…」

それは見た目だけだと思いつつ、一同はそれぞれの部屋に行く。

 

終の部屋で二人の英堵は語り合う。

「なんというか…二度とないだろうな。こんな事って。」

「あってほしくないな。それだけの非常事態が起きているということだからな。」

「それはそうっすね。ところで…平行世界の俺は事件を解決したらどうするんですか?」

本来の英堵の質問に平行世界の英堵は困ったように笑った。

 

「まあ…前向きなことは考えていない。具体的なことを言うと…死ぬつもりだ。」

想像もしていなかった発言に本来の英堵は大いに驚いた。

「な、何でですか!?何も死ぬことはないじゃないですか!?生きていれば」

「生きている限り…失った事実を引きずって生きていかなければならないからな。」

平行世界の英堵の目には、新月の空のような闇が広がっていた。




相変わらず終姉さんは終姉さんですね。
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