緊急変身 ヒーローアカデミア   作:神剣狩刃

75 / 79
かなりの残酷描写があります。注意してください。


Ex Special3 クロス・ヒーローズ part9

平行世界へ移動して数日、四人は情報を集めていた。

「鹿角の手下以外の敵はいない。鹿角が処刑したのだろうな。」

「AFOも敵連合もいないのはありがたいっすけど、本拠地を構えてるのはきびしいっすね…」

「そこに強い人がいる…僕たち四人で勝てるかなあ…」

「『秩序の三柱』に加えて黒騎士…でもこの黒騎士は見覚えがありますわ。」

 

創と百姉さんが黒騎士に関しての情報を提供する。

「『ありとあらゆる物を作り、ありとあらゆる事象を引き起こした』。

英堵さんの話に嘘がないとしたら…多分、僕だと思います。」

「『終さんを具現化した創さん』かと思われます。

平行世界から連れてきたのではないでしょうか。」

 

平行世界の英堵がいるのであれば、平行世界の創がいてもおかしくない。

鹿角が連れてきて、自身の目的の為に利用し、美洲華と真利名の死体を"想像"させた。

そして『絶対秩序制度』を施工させた。

状況証拠による推理だが、そこまでおかしな話ではない。

 

あまりの身勝手さに平行世界の英堵が怒りを露にする。

「そのために来牙さんが…!鹿角…!絶対に許さん…!」

三人も同じ思いを口にする。

「正義の形は人それぞれかもしれねえけど…やり方は間違っている…!」

「やって良いことと悪いことがある…!」

「必ず倒しましょう…!そして、この世界に平和をもたらしましょう…!」

 

「平和をもたらすね…それに関しては同感よ。」

改めて決意を固めた三人の下に、鹿角の手下の女性ががやってくる。

四人は戦闘態勢を取る。女性は八百万を見て驚いていた。

 

「平行世界にも八百万がいるのね…もう一回、心をぶち折ってあげるわ!」

女性が叫びながら、八百万に向けて突進する。

「…と言いたいところだけど、事情が事情なのよね…」

が、八百万の前で立ち止まる。

 

「あんた達、鹿角を倒したいでしょ?アタシに協力してくれない?」

女性の発言に一同は唖然としていた。

「アタシ、塩導基子(えんどうもとこ)。支配者やってるわ。

"個性"は『塩基』。バカの芦戸の塩基性バージョンだと思って。」

 

聞き覚えのある名前に、本来の英堵が反応した。

「バカの芦戸…もしかして、雄英の芦戸の事か!?」

塩導がうんざりした顔で説明する。

「そうよ。アタシは訳アリで雄英生から敵になったの。

で、支配者になったんだけど…鹿角のクズがアタシを攫ったのよ。」

 

創が何かを察したような顔で話しかける。

「もしかして…裏切るつもりですか?」

創の言葉に、塩導が溜息をつきながら反論する。

「裏切るほどあいつのことを信頼していないわ。

元の世界に戻るために嫌々従ってたのよ。」

 

八百万は不信をぬぐい切れず、質問をする。

「では…『秩序の三柱』と黒騎士について教えてくれますか?」

塩導は邪悪に微笑みながら、嬉しそうに語る。

 

「まずアタシ。恐怖担当で、処刑をやっているわ。

で、白キノコの『孤ヶ見響(こがみきょう)』。

ギャンブル狂で、命を賭けることに快感を覚える変態よ。

最後に金髪の『土口精(とぐちせい)』。マジの変態よ。

ただ…"個性"が無いのに滅茶苦茶強いわ。これが『秩序の三柱』よ。

黒騎士は…とんでもない"個性"なのは分かるけど、良く知らないわ。」

 

四人がが嫌そうな顔をしながら頷く。

「終だ…」「終さんだ…」「終姉さんだ…」「終さんですわ…」

「なによ、人がありがたい情報を言ってるのに『終わり』だなんて失礼ね?

とにかく、鹿角の本拠地に行って、あいつをぶちのめして、早く帰りたいのよ。」

この横暴さに、四人は終に通じる何かを感じ取った。

 

流石に手放しで信じる訳にはいかない、と平行世界の英堵が質問をする。

「お前が裏切らないっていう保証はどこにある?」

塩導は簡単に言ってのけた。

「あたしの"個性"を破壊してちょうだい。それならいいでしょ?」

その言葉を聞いて、平行世界の英堵がすぐに行動した。

「『壊拳 ブロークンフィスト』!」

 

殴られた塩導は機嫌よく笑っている。

「肌がピリピリしない…塩基でよく荒れるのよ。気分いいわ。」

「…これで大丈夫だ。身体能力だけだったら俺で制圧できる。」

平行世界の英堵がよしといった以上、三人は特に何も言わなかった。

 

一同は創と八百万が創った『自動で目的地に行く車』で、鹿角の本拠地へ向かう。

「敵になったと聞くが…なぜ敵になったんだ?」

「端的に言うと…トガちゃんを好きになったからよ。」

「トガちゃんは悪い奴から好かれるな…って、トガちゃんは元々敵か。」

「類は友を呼ぶってやつですかね…塩導さんなら終姉さんとも仲良くやれそうです。」

「塩導さんなら、終さんの手綱を握れそうですわね…」

 

なんだかんだと話していくうちに、鹿角の本拠地に着いた。

「さて…鹿角の鼻を、角を、プライドをぶち折ってやるわよ。」

「お前が仕切るな。道中は助かったがここからはそうもいかない。」

「最悪、人質として使いましょう。縛っておきますわ。」

「もう縛ってる…発想が敵だよ百姉さん…」

「というわけで…どうもーピザーラ神野店でーす。」

 

本来の英堵がドアを蹴破ると、眼帯をした白いマッシュヘアーの男、孤ヶ見がいた。

「うへっ、本当に来やがった…あァ、堪んねェな…!」

拳銃を構えながら、舌を出し、笑っていた。

「ただ殺すのはつまらねェ…一対一のギャンブルで決めようぜ!」

 

「アタシが行くわ。少なくとも…鹿角よりあんた達についていった方がよさそうだわ。」

「…八百万、解いてやれ。弾避けぐらいにはなるだろ。」

平行世界の英堵の指示で八百万が拘束を解く。

「おら、やってこい。勝ったら信用してやる。」

平行世界の英堵が左手で塩導の背中を押す。

 

「身内だろうと容赦はしねェ!"キル・オア・ダイ"!」

孤ヶ見が指を鳴らすと透明なドームが現れ、塩導と孤ヶ見を包んだ。

「俺の"個性"は俺と誰か一人を閉じ込めるドームを作れる!

そのドームはドーム内のどちらかが死ぬまで壊れない!」

「出れらる方を決める命を賭けたギャンブルするって訳ね…」

いやそうな顔をする塩導に対し、孤ヶ見が狂ったように笑う。

 

「うへへへ!その通りだ!そのギャンブルは単純!

自分に向けてか、相手に向けてか引き金を引く!相手に向けて聞いたら手番が変わる!

先に死んだ方の負けだ!弾はお前が込めていいが、俺が先手だ!

どうだ、分かりやすいだろ!」

「分かりやすいわね…顔がピリピリして、むかつくほどに…!」

塩導は底嫌そうな顔をしながら、拳銃と弾を受け取る。

 

「一応全員に見えないように弾を入れるわね…はい、良いわ。」

塩導は手早く孤ヶ見に銃を返した。

「…俺は拳銃に込められた弾が、重さである程度分かる。入ってて一発だな?」

「さあね?あなたの想像に任せるわ。早くやってちょうだい。」

 

孤ヶ見は二連続で自分の頭に向けて引き金を引いた。

「ひゃっはっはっはァ!これでこそ生を実感できる!死ねや!」

そして、塩導に向けて引き金を引いた。弾は出なかった。

「あー、惜しいなあ!ほらよ!1/3だぜ!」

孤ヶ見は塩導に拳銃を渡そうとした。

 

「いえ、0/3よ。でも、アタシの勝ちだわ。」

塩導は孤ヶ見の腹部を思い切り殴った。

「ぼ…ごえ…」

「『先に死んだ方が負け』…死に方に関しては何も言ってなかったわね。」

塩導が孤ヶ見の顔に触れる。孤ヶ見の顔が溶け、破裂する。

 

塩導は平行世界の英堵に話しかける。

「…これを見越していたの?」

「…通信機がついていることぐらいは考えた。そしたら敵も油断するだろうともな。」

「鹿角を倒したらアタシの世界に来ない?いい役職に座らせるわ。」

「俺は『宇宙一のヒーロー』でな。敵にはならん。」

 

一瞬の惨劇に、三人は呆然と立ち尽くすしかなかった。




秩序の三柱の二柱がなくなりましたね。

ちなみに、この孤ヶ見君は
『もし彼がヒロアカ世界にいたら』という平行世界の存在で、
本来の孤ヶ見君ではありません。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。