緊急変身 ヒーローアカデミア   作:神剣狩刃

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Ex Special3 クロス・ヒーローズ part10

ドームがなくなり、塩導が四人に近づく。

「さて、これで残りは三人、張り切って」

「なに平然としているんだよ!?自分が何したかわかってんのか!?」

本来の英堵が塩導の胸ぐらをつかんで詰め寄る。

 

塩導は何が何だか分からないというような顔をして答える。

「なにって…人を殺しただけじゃない。そんぐらいで取り乱してたら」

「人を殺した『だけ』だと!?それがどれぐらい罪が重いことなのか分かってるのか!?」

「じゃあ、どうすればよかったのよ?アタシが殺さなかったら、あたしが死んでいたのよ?」

「そ、それは分かっている…でも…だからと言って…!」

 

狼狽える本来の英堵に、塩導が現実を叩きつける。

「あんたはヒーローでアタシは敵、価値観が違うのは当然よ。

でも、あんたは愛する人の為に助けて、あたしは愛する人の為に殺す…

手段が違うだけで目的は同じでしょ?なら、アタシの糾弾は後にするべきよ。」

堂々と言い放つ塩導に気圧され、本来の英堵は手を離した。

「…分かり合える敵と分かり合えない敵か…」

 

一同は先へと進む。次の部屋には金髪のウルフカットの男性、土口がいた。

「えっ、モトちゃん裏切ったの!?マジか…裏切り者には縛り乳首だな…!」

「殺す。」

土口の品のない発言に、塩導は明確な殺意をもって襲い掛かる。

 

「一対一ならなんとでもなるね。モトちゃんの"個性"は触れなきゃいいだけだし。」

塩導の奇襲をゆらりと避けた土口は、見えない何かで一瞬で塩導を縛り上げた。

「はい。ここから乳首を攻めれば縛り乳首だね。でも…」

土口は縛り上げた塩導を蹴り転がし、八百万を指さす。

 

「そこのおっぱいのでかい子!俺と『自主規制』しない!?」

とんでもない発言に一同は吹き出した。

「ド、『自主規制』ですって!?なんて破廉恥な!?」

「言っちゃダメです百姉さん!そういう作戦です!多分!」

「あ、相棒みたいなこと言ったぞアイツ!?」

「変態って…本来の意味でか…これは厄介だな…」

「だからさっき言ったじゃない…!」

 

動揺する一同に土口はたたみかけるように発言する。

「『自主規制』でこの反応か…それじゃあ『自主規制』とかどうよ!?」

「な、『自主規制』!?何なんですのそれは!?」

「それ以上百姉さんに卑猥なことを言わせるなあああ!!!」

黒い鎧を"想像"した創が土口に襲い掛かる。

 

「おいおい、口上言ってないだろ?言わせてくれよ?」

再び土口が見えない何かで縛ろうとする。

「『黒よ、切れ(シュバルツ・シュナイデン)!』」

鎧の全身にカッターが生え、何かをブチブチと切る。

 

「おっと…なら、愛刀ティラミス!」

土口の刀と、創の剣がぶつかる。創の剣が弾き飛ばされる。

「ぐっ…!?純粋な力で飛ばされた…!?」

「なんだ、力は大したことないな?オラオラ!」

土口の刀が創の鎧を滅多打ちにする。

 

「創さん!創さんから離れなさい!」

八百万が土口に大盾を持って駆け寄る。

「だから、口上まで待ってほしいって!」

土口は八百万を飛び越しながら何かを手から放つ。

 

その痛みに八百万は思わず盾を離してしまった。

「痛っ…!?今、何をしましたの…!?」

「種も仕掛けもある手品だぜ。」

土口が手を握ると、八百万が何かに縛り上げられた。

 

「きゃあ!?なんですのこれ!?」

「見えにくい糸ですわ。奴に振舞うチャーシューを煮る時によく使いますの。

ちょっと力を入れれば肉が切れますわ。これでおっぱいのでかい人質の完成ですわ。」

ふざけた口調と言い回しに反し、土口はとんでもない実力を持っていた。

「…これで実力差が分かっただろ?でも、むやみに人を傷つけたくはない。」

 

土口は八百万の拘束を解きながら話し始める。

「いいか、お前達、取引をしよう。俺はこの子と『自主規制』したい。

だが…そこの黒騎士はこの子のことが好きなんだろう。流石に俺でもわかる。

で、多分、その黒騎士とこの子は色々作れる"個性"だろ?

だから、この子の『自主規制』を作ってくれ。そしたらこの子を離す。」

 

とんでもない要求に一同は再び吹き出す。

「わ、私の、だ、『自主規制』だなんて…サイッテーですわ!」

「だから言っちゃダメですって百姉さん…!」

「なんか…懐柔できそうじゃないか?」

「奇遇だな。俺もそう思っていた。」

「強いけどエロイのよこいつ…!だから、簡単に取り込めるはずだわ…!」

 

塩導の発言に四人は、創と八百万に期待の眼差しを送る。

「…いや、絶対に嫌ですよ!?彼女の体を差し出す彼氏が何処に」

「私が許可しますわ!私の体でこの危機が抜けられるのならば!」

「抜けるのは危機じゃなくて君の体だけどね!」

「やかましいですわ!創さん!私の手を握って!」

「そ、それじゃあ…ええっと…どうぞ!」

創と八百万が手を握る。

 

「『私の『自主規制』』!!!」

八百万が叫ぶと八百万の『自主規制』が出てきた。

「うひょお!マジで作ってくれた!一生ついていきます!けど、まずこれを試させて!」

土口は八百万の『自主規制』を抱きかかえて部屋を出て行った。

 

「アイツと相棒を組ませたらマズい気がする…」

「確かに、峰田さんと組ませたら碌なことにならなさそうですわ…」

「『秩序の三柱』がこうもあっさりと崩れるとはな…」

「所詮、ただの寄せ集めなのよ。実際、黒騎士だけでどうにかなっていたし。」

「じゃあ、何で呼んだんだろう…目的があるのかな…?」

 

晴れやかな顔になった土口が戻ってきた。

「俺の名前は土口精!『金色の狂犬』だ!とある島に住んでいたんだけど攫われた!

『帰りたかったら協力しろ』って言われてしばらくは協力してたけど…

あんた達の"個性"なら元の世界に帰る道具を作れそうだ!協力するぜ!」

 

意外とまともな笑顔と動機に、本来の英堵が質問する。

「お前は…敵じゃないのか…?」

「敵じゃないさ。何だったら治安を守る側だ。こっちの世界で言うヒーローだよ。」

「何がヒーローよ。人質とって、性犯罪まがいのことして。」

「ためらいなく人を殺したあなたが言うことではありませんわ。」

「なんというか…良い人なのはわかるんだけど…方向性がなあ…」

「なんにせよ、これで残りは鹿角と黒騎士だけだ。」

 

先に進もうとする一同に、土口が待ったをかける。

「鹿角はともかく…黒騎士はやばい。危険日に中出しするぐらいやばい。」

「その言い方だと…対策をしないとやばいって言いたいのか?」

「的確ですが…もう少し言葉を選んでほしいですわ。」

「意識を失わせればいいんですよね?だったらそこまで難しくないです。」

「対策を知っているならやりようはあるだろう。気を引き締めていくぞ。」

「おら、鹿角!黒騎士!とっととアタシを元の世界に…!?」

勢いよくドアを開けた塩導の視界には、とんでもない光景が広がっていた。

 

鹿の顔をした男と、赤い髪の少年が無残に切り捨てられており、

その部屋の中心には紅白の鎧を着た何者かが立っていた。

「我が名を騙り理を超える者…神を騙り理を超える者…

大きすぎる…修正が必要だ…」

 

紅白の鎧の人物が一同に紅の剣を向ける。

「我が名は『九玉』、理を司る者…

世を超えし者達よ、理の内に修正してやろう…」

180cmにも満たないその存在は、まるで一つの世界のような存在感を放つ。

一同は、瞬時に臨戦態勢をとった。




この土口君は本物です。あの島からやってきました。

そしてここにきて唐突なボスです。
元ネタはアマードコアシリーズの『ナインボール』です。
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