九玉の圧倒的な存在感の前に、平行世界の英堵が先陣を切った。
「一気に決める!『光速拳 ライトニングフィスト』!」
平行世界の英堵が光り輝く。
1秒後 平行世界の英堵の拳のラッシュを九玉が受け止める。
2秒後 蹴りのラッシュも九玉が受け止める。
3秒後 平行世界のエイドが背後に回るも、九玉は振り返って対応する。
4秒後 『救済拳』で鎧を破壊する。黒い皮膚が見えた。
5秒後 すぐに鎧が修復され、平行世界の英堵が殴り飛ばされる。
「光の速度で動くか…理を超えている…修正せねばならぬ。」
光速拳があっさりと攻略され、一同は驚愕していた。
「光の速度に対応するって…どんな身体能力ならできるんですか…!?」
「皆さん、落ち着いてください…!対策を考えましょう…!」
「アタシの"個性"じゃ無理そうね。鎧を壊さないと始まらないもの。」
「勝己は予測して対策しまくって、攻略していたから…」
「少なくとも…真っ向勝負じゃ勝てないってことだろ!」
土口が二丁拳銃構えながら突進する。
「オラ、来いよ九玉!お前のケツに弾をポケットインしてやるぜ!」
二丁拳銃から弾が放たれる。弾は鎧に当たり弾かれる。
「…ライオット弾じゃ無理だよなあ!」
「無駄なことを…その口を閉じさせてやる。」
九玉が振るった剣を土口は愛刀で受け止める。愛刀が弾き飛ばされる。
「しまった!?…なーんちゃって!」
すぐさま土口は制服から何かを飛ばす。九玉はそれを軽く叩き落とす。
「…羅漢銭見破るってマジかよ…意識の外からでも対応すんのかよ…」
九玉の足元には何枚かの穴あき硬貨が散らばっていた。
「子供騙しの手品では我を倒すことは」
「倒すことはできなくとも、捕らえることはできる!」
土口が右手をぎゅっと握ると、九玉に見えない何かが絡みつく。
「弾丸と羅漢銭に糸を通していたのさ!特殊配合のピアノ線で」
「笑止千万、かような糸では我を捕らえる事能わず。」
九玉は力で無理やり糸を引きちぎった。
「おいおい…泣けるぜ。始末書ものだな?」
「所詮貴様は凡人…理の内でしかない。退け、命だけは助けよう。」
全ての策を出しつくした土口は、諦めて引き下がるしかなかった。
「残るは四人か…理の内に散れ。」
九玉が四人に襲い掛かる。
「ちょっと寝てないで盾になりなさいよ八百万!」
塩導がなぜか裸で横になっていた八百万を盾にする。
「止めろ百姉さんが!!!」
止めに入ろうとした、創の手を八百万の手がつかむ。
「大丈夫ですわ創さん!今のうちに武装を!」
「えっ!?…あっ、そうか!『創造想像』!」
九玉が塩導に攻撃している間に、創は黒いワルキューレになる。
「…人形か。いい演技だったぞ。」
九玉が真っ二つにしたのは、先ほど"創造"された八百万の『自主規制』だった。
「アタシは本物だと思って盾にしたのよ!一応試してやる!」
塩導は両手から液体を放つ。九玉の鎧は何も変わらなかった。
「外道が…生かしてはおかさ」
「『黒よ、貫け!』」
ワルキューレになった創が九玉の腹部を貫く。
「うおおお!!!」
「奇襲か…だが!『破滅の波動』!」
九玉が右手から衝撃波を放ち、創を吹き飛ばす。
「想定通り!百姉さん!」
吹き飛ばされた創の後ろでは、八百万が電磁投射砲を用意していた。
「西村さん!」
「ストライクアウト!」
本来の英堵が雷撃拳で電磁投射砲を起動する。
凄まじい轟音と共に、射撃が九玉に直撃する。
「一気に行くぜ!『光速拳 ライトニングフィスト』!」
本来の英堵が光り輝く。
1秒後 本来の英堵が吹き飛ばされる九玉に追い付く。
2秒後 九玉の鎧が砕かれ、黒い体が露になる。
3秒後 その体に『破壊拳』が打ち込まれる。
4秒後 九玉の体の破壊が始まると同時に、九玉が衝撃波で本来の英堵を吹き飛ばす。
5秒後 九玉の体が破壊されながら修復されていく。
吹き飛ばされた英堵は受け身を取る。そして一同は態勢を整える。
「マジかよ…"超再生"…黒い体…あれって脳無か!?」
「黒霧さんみたいな存在…あり得るわね。」
「だとしたら…!たたみかければ勝機はあります!」
「もう変身はできないが…やれる限りやってやる!」
「俺に至っては"個性"ないけどな!たたみかけてぶっかけていこうぜ!」
「はい!皆さん、全力でお願いします!この機を逃したら勝ち目は」
「貴様達に勝ち目などない。我は理、何者も理を超えることは出来ぬ。
塵芥となれ、『壊滅の一閃』。」
九玉が剣を横にひと振りする。凄まじい爆発が起こる。
建物が崩れ、瓦礫が降り注いだ。
「マジかよ…防御拳つかってこれかよ…」
「僕と百姉さんで…大盾を作りましたけど…」
「それでも防ぎきれませんでしたわ…」
「あんたバカ!?なんでアタシを庇ったのよ!?」
「愛する人がいるんだろ…守ってやるさ…」
一同は爆発に吹き飛ばされて、瓦礫には巻き込まれていなかったが、
九玉の一撃で満身創痍になっていた。
「ほう…我の一撃を耐えるか。だが…次は無い様だな。」
瓦礫の中から九玉が出て来る。これと言ったダメージは無い様だ。
その様子を見て、平行世界の英堵が絶望する。
「ダメだ…もう、この世界に平和は…」
「馬鹿野郎!ここにきて諦められるかよ!」
本来の英堵が叫ぶ。
「あいつを倒せば、この世界に平和が戻ってくるんだ!
秩序が何だ!理が何だ!平和をもたらせない秩序や理に意味はねえ!」
それに続いて声が上がる。
「そうですよ…!ここには…僕と百姉さんがいる…!」
「なぜなら…"創造"と"想像"が組み合わさったら…不可能なことなんてありませんわ…!」
「そうよ!誰かに屈する支配者なんて格好がつかないわ!」
「幾重にも辛酸を舐め、七難八苦を越え、艱難辛苦の果て、満願成就に至る…!
さァ、交わり乱れて…狂いましょう…!やっと言えたぜチクショウ…!」
「『諦めなければなんとかなる』!『正義は絶対勝つ』!
だって…俺達は『宇宙一のヒーロー』だからだ!」
世界が違い、考えも、価値観も、立場も違う。
だが、彼らは『助けたい人を助ける』『宇宙一のヒーロー』だ。
「『宇宙一のヒーロー』…」
平行世界の英堵は呆然としている。
「創、百姉さん!手を貸してくれ!二人の"個性"と俺の"個性"で…
九玉を…この世の理を"Plus Ultra"してやるぜ!」
本来の英堵が創と八百万に手を伸ばす。
二人は力強く頷き、その手を掴んだ。
「「『想像せよ』!!!」」
「緊急変身!!!」
「「「『宇宙一のヒーロー』!!!」」」
コールを受けた本来の英堵の個性因子が活性化し、微粒子状に分解され拡散される。
その際、創の"想像"と八百万の"創造"の個性が作用し、無限の可能性を秘める。
そして本来のエイドの表面に定着し、『宇宙一のヒーロー』になるのだ!
「フェイスオン!」
ついに来ました限定フォーム。
次回でその強さをお披露目します。