手を取り合った平行世界の英堵と九玉が一同に礼を言う。
「世話になったな。感謝する。」
「迷惑をかけたな。申し訳ない。」
「終姉さんが素直に謝ってる…珍しい…」
「私達の終さんもこれぐらいになってほしいですわ…」
「なんだっていいから早くアタシを元の世界に戻しなさい!トガちゃん不足なのよ!」
「俺も早く故郷に戻りてえなあ…『自主規制』パーティーがしたい。」
「しまらないなあ…九玉さん、お願いします。」
本来の英堵が九玉に申し訳なさそうに催促する。
「もちろんだ。ただ、この者達には二度と会えないと思った方がいい。
お前達がやってきた機械は我々が破壊するからな。」
「創と八百万もあの機械は作らないでくれ。何が起きるか分からない。」
「もちろんです。この事件のことは墓場まで持っていきますよ。」
「でしたら、意外とすぐかもしれませんわね。」
八百万のとんでもない一言に一同は驚愕する。
「だって…結婚は人生の墓場というでしょう?
私、プロヒーローとなると同時に創さんと結婚しますわ!」
八百万が創を抱きしめる。
「百姉さん、そういうところは変わらないですね…」
それを見て一同は大笑いする。
「だっはっは!俺も明ちゃんとの結婚はそうするかな!」
「ははは、先輩との結婚の時もこれぐらい面白いこと言いたかったなあ。」
「見せつけてくれるわね!アタシも帰ったらトガちゃんと結婚よ!」
ついに別れの時が来た。まずは一番の問題児の塩導が旅立つ。
「アタシは敵だからあんた達とは二度と会いたくないわ。
そんでもってすぐに忘れるわ。あんた達もアタシの事はすぐ忘れなさい。」
最後まで相容れない存在だった。
次に土口が旅立つ。
「平行世界には思いもよらない強敵がいたんだな…俺もまだまだ強くならないと。
でも…この世界のまだ見ぬ女たちと『自主規制』したかったあああ!!!」
こちらも最後まで変わらない存在だった。
そして、創と八百万が旅経つ。
「いやー…本当に『想像できない未来』でしたね。ノリと勢いで言うものじゃないです。」
「早めの新婚旅行だと思えば楽しいものでしたわ!次はどこに行きましょうか、創さん!」
二人仲良く笑顔で帰って行った。
最後に本来の英堵が旅立つ。
「卒業式のスピーチにはいい言葉も聞けたし…頑張れよ、俺。」
「お前こそ頑張れよ。明ちゃんを、来牙さんを、何より平和を…守ってくれ。」
平行世界の英堵と共ににっと笑って旅立つ。
塩導の世界
「あー!疲れた疲れた疲れたー!今日は臨時支配者の日よ!」
「モトちゃんのワガママがすごいです。仁くん、お願いします。」
「いいぜ!やだよ!相当お疲れのようだからな!」
「こりゃ買い出しが大変そうだね。おじさんだけじゃ厳しいよ。」
「なら私、手伝うわ。スピナーも来てちょうだい。」
「仕方ないな…運転は任せろ。」
「ちっ…帰ってきやがった。俺の天下も今日までか…」
「お前がリーダーなのは変わりないだろ、死柄木。」
創と八百万の世界
「私クリエイティは、プロヒーロー『ハンドレット』と婚約関係になります。」
「えーっと…不束者ですがよろしくお願いします…。」
「嘘でしょ…創と百様が結婚…!?」
「二人の子供を育てたいとか言ってたやつが驚くな。」
土口の世界?
「君はヒーローになれる。君なら私の"力"受け継ぐに値」
「すまねえ…ここはどこで…あんたは誰で…俺は誰だ?」
「…え?」
本来の英堵の世界
「ただいまあ!」
「「「「おかえりなさい!」」」」」
「いー!」
「いやー、大変だった!お風呂入りたい!あと、来牙さんの餃子食べたい!」
そして時は流れ、英堵の卒業式になる。
「俺、卒業生代表の西村英堵!気取らない性格だからエイちゃんって呼んでくれ!」
「「「エイちゃーん!!!」」」
「堅っ苦しい話は無しだ!皆、『宇宙一のヒーロー』になりたいかー!?」
「「「なりたーい!!!」」」
「馬鹿野郎!違うだろ!」
「「「なんで!?」」」
「だって、ここにいるみんなが『宇宙一のヒーロー』だろ!」
「「「おお!!!」」」
「幾重にも辛酸を舐め、七難八苦を越え、艱難辛苦の果て、満願成就に至る!
最近知ったかっこいい言葉を借りたが、『宇宙一のヒーロー』に終わりはない!
さあ、一気に行くぜ!緊急変身、エイドモード!」
「というわけで、シメは派手に爆発で行くぜ!勝己!」
「任せろや英堵ぉ!こっちは準備万端だ!」
「「『皇帝の爆弾』!!!」
「「「うおおお!!!会場をぶっ壊したあ!!!」」」
宇宙一の卒業式は爆発オチになった。
そして、さらに時は流れ、八年後になる。
「No.1の『コメディアンヒーロー』ルミリオンと!」
「万年No.2だけど『宇宙一のヒーロー』ヘロス!」
「「俺達が来た!」」
「「「わあああ!!!本物だあああ!!!」」」
英堵はルミリオンと一緒に、ウラビティの"個性"カウンセリングにやってきていた。
「「というわけで早速…桃早く収穫しなきゃあアアア!!!」」
木に登ったルミリオンとヘロスが、葉っぱから高速で尻を出し入れする。
「全部俺のだ!!出荷後にスーパーで買え!!」
「いいや俺のですね!見切り品になってから買いますよ!」
ウラビティの"個性"によって浮かされた子供が、2人の尻を光線で捕らえる。
「「あっ。」」
二人はズルズルと木から落ちる。
「ふふ…収穫されたのは去年の"空巣大将軍"以来だぜ…」
「二人同時は俺とルミリオンが組んでから初じゃないですか?」
二人は子供の肩を抱き、ポーズを決める。
「「ん~…わたしたちがつくりました。」」
子供たちは大盛り上がりを見せる。
そんな中、英堵のスマホが鳴る。
「おっと…みんなごめんね。はい、ヘロスです。…おっ、明ちゃんのお迎えですか!
はい!喜んで今行きます!ってことで、これにて一件コンプリート!ヒーローアカデミアは~?」
「「「日本晴れ!!!」」」
大喜びの子供たちを尻目に、英堵は走り出す。
「ルミリオン!ナイトアイに『ヘロスは終日連絡がつかない』、と伝言お願いします!」
「いいよ!蜜月な夫婦の行楽を楽しんできなよ!」
英堵は駐車場に停めてある、大型バイクを発進させる。
「行くぜ、明ちゃんベイビー第609418子『マシンケルベロス』!」
あっという間にライトリーラボに到着する。
「お邪魔しまーす!明ちゃんの宇宙一の旦那さんが来ましたー!」
奥からまつ毛の激しい女性がやってくる。
「あら、英堵さん!相変わらず明がお世話になっていますわ!」
「絢爛崎先輩!お久しぶりです!明ちゃんお風呂入ってます?」
絢爛崎が豪華な頭を抱える。
「それが3日入っていないものでして…」
「それはいけないですね…んじゃ、いつものラボから連れてきますよ!」
英堵は明のいるラボに向かう。
Only Meiと書かれた扉を開ける。
「コラ、明ちゃん!しっかりお風呂入んなきゃダメでしょ!」
そこには煤やら隈やらで真っ黒になった明がいた。
「あっ、英堵さん!まだ3日目です!まだ行けます!」
「しかも寝てないでしょ!強制連行だ!『光速拳 ライトニングフィスト』!」
1秒後 明の体がロープでまかれる。
2秒後 英堵が明をお姫様抱っこする。
3秒後 「光速拳、解除。」
「…あっと言う間もありませんでした!」
「クンクン…うっへえ…流石にキツイよ、明ちゃん…」
「昔はあんなに喜んで嗅いでいたじゃないですか!」
「常識な付き合いを始めてから変わったんだよ。2日に1回は入ってね。」
「むー…英堵さんのためです。仕方ありませんね…」
英堵と明は自宅に帰る。
「ただいま!明ちゃんお風呂入れるから準備してください!」
「おかえりい…兄弟子と睡さんはまだ仕事中だ。」
「おかえりなさいです。英堵くんに明ちゃん。」
美洲華とトガちゃんの後ろから、大きくなった芽楼ちゃんがひょこっと顔を出す。
「おかえりなさいです。英堵さん、明さん。」
「芽楼ちゃんはいつ見ても可愛いですね!私たちも子供が欲しいです!」
「明さん、お風呂入ってください。臭いです。」
芽楼ちゃんの遠慮ない一言に明が膝から崩れ落ちる。
「まあまあ…今日子供作っちゃう?」
「…っ!そうしましょう!何だったらお風呂で」
「流石に寝室でだよ。というわけで…うるさかったらごめんね。」
「大丈夫です。来牙さんと睡さんに比べれば平気です。」
「風呂の準備ができたあ…早く入りな。」
「私はパパとママと晩御飯の準備をします。」
お風呂から出た二人はそのまま食卓に案内される。
「あっ、来牙さんと睡さん!おかえりなさい!」
「おう、ただいま。二人で仲良くお風呂か、羨ましいな。」
「羨ましがる必要ないわよ。今度は…私達の番ですもの。」
睡に引っ張られて来牙は浴室へ消えた。
「アレは長風呂になりそうですね!私達で先に食べちゃいましょう!」
「今日は兄弟子直伝の餃子だあ…おかわりはまだまだあるからな。」
「私とママでいっぱい包みました。いっぱい食べてください。」
「芽楼ちゃん包むの上手なんですよ。後で見せてあげます。」
「「「「「それでは…いただきます!!!」」」」」
こうして、平和な日々が続いていくのであった。
「これで俺達の物語はおしまいだ!でも、平和な日々は続いていくぜ!」
「この平和は英堵さんを筆頭に『宇宙一のヒーロー』達が守ってくれます!」
「というわけで明ちゃん!早速ベイビー作ろ!できれば女の子がいいな!」
「そんなに慌てなくても、私は英堵さんとずっと一緒にいますよ!」
これにて一件コンプリート!次は、きみたちが『宇宙一のヒーロー』になる番だ!
ということで緊急変身 ヒーローアカデミア完結になります。
しばらくは連載中の作品に集中させていただきます。
ご愛読、ありがとうございました。別の作品でお会いしましょう。