これが二作目で一作目をメインとして少しずつ書いて行きたいと思っています
宜しくお願いいします
雪が深々と降る夜
人気の全くない街の裏路地を制服姿の少女が1人、黒ずくめの男2人に追いかけられていた
少女の背中まで伸びた濡れ羽色の髪が走るたびに左右に揺らしながら路地脇に積み上げられていた段ボールや鉄製パイプを崩しながら何とか後ろの男二人を撒こうと必死だった
(ハァハァ、なんで私がこんな目に、第一になんで初対面の人間に、「お前は危険だ死ね」っていわれなければいけないのよ!)
息を切らしながら、今に至るまでの経緯を思い返す
今夜は聖夜のクリスマス、この少女も通っている高校から帰宅後なじみの女友達数人と街で遊ぶ予定でいた、しかしそんな予定を覆したのが黒ずくめの2人組だった
――貴様の身に宿る力は危険だ
――死ね
待ち合わせ場所の公園で一足先に待っていた彼女に2人が言ったセリフだ
最初はただの冗談だと思っていた、今日はクリスマス、そういった雰囲気に酔って痛い事をしでかす輩は毎年いる、だから少女もそう思っていたそう信じた
が、2人は普通ではなかった、袖口から短刀の様なものを抜き出しゆっくりと少女に近づき斬りかかって来た、それを紙一重で交わし持っていた荷物を丸ごと棄て、走りだし冒頭に至る
息切れと寒さによる体力の消耗が重なり遂に少女は男たちに捕まってしまった
後ろの襟元を掴まれ建物の壁に抑えつけられた、壁に当たる際に斬ったのか頬から少し血が流れている、悲鳴を上げようにももう一人に口を押さえつけられ声が出せない
「ようやく捕まえたか、手こずらせよって」
「全くだ、こいつ無駄に体力が有りやがる」
「!!!!!」
「早く殺せ、こんな寒い日に只の小娘1人を消すためにかりだされ正直疲れた」
「りょうかーい♪」
「!?」
若い声の男が空中に手をかざす、瞬間男のに現れたものに少女は目を見開いて驚いた、『光の槍』そうとしか言い表せないような夜の闇を照らす強く細い光の棒
それを少女の腹部に当て
「!!!!!!!!!!」
ズブリと汚い笑みを浮かべた男の槍が少女の横腹を貫いた、想像を絶する激痛が少女を襲う
貫いた槍を捻りながら静かに引き抜き腹部から大量の血が吹き出る
男は掴んでいた襟を話し地面に少女を投げ捨てる、流れ出る血が雪の積もった白い地面を真っ赤に染める
「はい終了、俺たちを恨まないでねぇ、恨むならそんなモンをその身に宿したキミの運命と神を恨んでね」
「帰るぞ」
霞み始めた少女の視界から2人は翼を生やし上空へと消え去って行く
「・・・・助け、を呼ばな、くちゃ」
地面を這いながら、人の多い通りに向かおうとするが少し進んだだけで少女の動きが止まってしまう
「(あれ?手が動かない?)・・・・ゴホッ」
口から咳と一緒にコップ一杯程の血が出る
さらに手が寒さで赤くなり霜焼け状態となったため手に力が入らない
(もしかして私、死ぬの?アハハ嫌だなそれ明日から冬休みなんだよ?折角高校に入ったのに恋人の1人も作らず青春を終えてしまうの?人生を終えてしまうの?・・・・いやだよそんなの)
碌に見えなくなり只開いただけの両目から涙が零れる
誰もいない暗い路地で誰に看取られるわけでもなく、あまりにも短い生涯の幕を閉じようとする少女
降り積もる雪が少女の体を優しく包み力を奪う
(いやだ、まだ生きたい!生きていたい!誰でもいいから助けて!神様でも天使でも悪魔でも何でもいい!誰だっていい!私まだ『生きたい』!・・・・ま、だ、死に、たく、ない)
声に出ない心の叫びを最後に少女は動かなくなった
まだ心臓は動いていたが意識はもうとうに途切れていた
動かなくなった少女の体に変化が起きた
少女の両足に赤い宝玉が付いた銀色の脛当てが現れたのだ
『Drain』
赤い宝玉から光と共に静かに発せられた機械的な声が暗い夜空に響き渡った
後日、少女が襲われた一帯で集団貧血昏倒事件と小動物の一斉死亡事件が新聞を賑わせたが、結局は原因が解明できず、単なる偶然としていつしかその事件自体消えうせていた
誤字脱字感想等があれば宜しくお願いいたします
主人公の名前や神器は次回以降明かしていきたいと思っていいます