元魔王は平和に暮らしたい -俺が殺したい程に必要ないなら勝手にしろ ただしスローライフを邪魔するなら絶対に許さん―   作:ヨシMAX

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第2章 元魔王、無人島に着く
第10話 俺、未開の島に着きました


 

 いやー、大変だった。

 

 レティとマリアがあれな感じになったので魔法で無理に寝かせたんだけどその後に海が荒れてな。

 俺自身は船酔いはしないのだが流石のクルーザーも波を被って一部が船内に入ってきたので魔法で海にくみ出したり命知らずな魚型の魔物が俺目掛けて飛んできたり……。

 

 流石にクラーケン級の化け物は出てこなかったが、何か……忙しかったぜ。

 そして夜も明け始めて水平線が明るくなってきたのを見ながら俺はコーヒーを啜っている。

 

 学園長と侯爵に捕まってからこっち、必ずしもよくやった……とは言い難いがとにかくここまで来た。

 

 俺、頑張ったよ。

 幾つか禁呪一歩手前の大魔法をブッパしてきたけど。

 

 

 「アルビー君、ここ……どこら辺だい?」

 

 『アルビー、お腹すいた……』

 

 

 似たもの姉妹が起きてきたよ。

 あーあ、マリア、寝ぐせ付いてるよ。

 レティ、レティ、顔拭くから動くなって。

 

 あーもう、

 俺は一人でのんびりスローライフする為にここまで戻ってきたのにこれじゃあお母さんじゃないか。

 はいはい、朝ごはんね、少しまってろ。

 

 俺がキッチンルームに籠り人数分の朝ごはんを用意していると突然マリアが駆け込んできた。

 

 

 「アルビー君!! アルビー君!!」

 

 「うぉっ、ビックリしたやないかぃ、どうしたんだ、そんな大声出して」

 

 「陸地だよ、陸地が……見えたよ」

 

 

 ほう、もう見えたか。

 待たせたな、俺の安息の地。

 

 心の中でクールに決めた俺だが実際に陸地をこの目で見てしまってからはワクワクが止まらなかった。

 少々、はしゃいでしまって2人に温かい目で見られたのは内緒だ。

 

 で、ここはどこかと言うと……確か俺は出向の時にリゾート地に着かず離れずいい感じの場所に、と言う希望をマリアに発注したはずだった。

 

 

 「……どこぉーーーっ、ここぉーーーーっ!!!」

 

 「わっ、うるさいねー、悪かったって言ってるじゃん。座標ミスっちゃったんだよ、テヘッ♡」

 

 「テヘッじゃないが」

 

 「ぐむむ」

 

 

 正直、ここがどこかはよくわからない。

 海図を見ると大陸の端の群島の一つっぽいのだが……。

 まあ、島自体は大きく木も生い茂っており資源には事欠かない様には見えるが。

 出来レースの様だがクルーザーは荒波を越えてきたせいか所々が傷んでしまいこれ以上の長旅にはメンテナンスが必要な状態だ。

 

 ぶっちゃけ、ここがどこであろうと割と関係ない。

 俺自身が居れば資源なんて幾らでも調達できる。

 もうここでいいか。

 

 俺のスローライフを始めるとするか。

 

 

 ☆★☆★☆★

 

 

 そんなこんなで島に上陸した。

 まずは住む所なのだがこれはクルーザーがあるので数日は代用できるだろう。

 だがこの娘達は船酔いするので海が時化ると眠る所ではなくなってしまう。

 それに風呂に入りたいだのまともな食事がしたいだの揺れないリビングで寛ぎたいだの……。

 このクルーザー、シャワーも付いてるし保存食だってあるし停泊中はほとんど揺れないじゃないか。

 

 ぐぬぬ……俺は面倒は嫌いだ、だが、話し相手は欲しい。

 出来れば揉めたくもない。

 

 ……仕方ないので家を建てようと思う。

 俺が未来の世界で住んでいた様なお屋敷は無理だろうが建てるからには良いものにしたい。

 海の近くで後ろは崖になっている場所を見つけた。

 何かあって逃げる場合はこの崖に脱出用の洞穴でも掘るか。

 よし、ここに建てよう。  

 

 

 『なに? なに? アルビー、家を建ててくれるの?』

 

 「この島なら木も沢山生えてるし丈夫な小屋も建てれそうだよねー」

 

 

 俺が何か始めるのかと2人は興味津々だ。

 

 

 「小屋? ノンノン、俺が居る以上はそんな粗末なものは建てない」

 

 

 俺は両手を上にあげ頭の中でお屋敷の設計図を描く。

 玄関の前は小ホール、リビングがあり周りを囲む様にみんなの部屋を……。

 キッチンはこの辺で……、ダイニングと浴室は日当たりの良いこの辺……。

 トイレは2か所作っておくか、洗面所なんかの水場は独立させた方がいいよな。

 

 動線はしっかりと考えた方が良い。

 1人は10分の1サイズとは言え女性の人口比率が倍なのだ。

 ラッキースケベとやらで肩身の狭い思いをするのは御免だ。

 

 ……よしっ! こんなもんだろう。

 

 

 「数多に散らばる万物の源よ 我の元に集い力を振るわん 無から有を 零から兆を 未知の創造を現実として定着させよ クラス―・ギャッチニー!」

 

 「ええっ!! えええぇぇぇーーーっ?!」

 

 『つくづく……人外と言うか……有能だねぇ』

 

 

 俺の呪文詠唱が終わるとその場所に家が建った。

 お屋敷と言う程の規模はないが決して小屋ではない。

 ポストアンドビーム工法と漆喰の塗り壁にこだわった美しい建造物だ。

 屋根は赤い瓦を使いレトロ感を出す為に煙突を付けた。

 

 魔法で室温管理なんて寝てても出来るがこう言ったアナログ感が大事なのだ。

 火を起こして暖を取る、素晴らしい無駄な時間じゃないか。

 俺はこういった無駄な労力に憧れていたのだ。

 

 多少、女性陣2人の何でこの形なの?

 ……と言う視線を感じたが気にしない事にする。

 

 まあ、その2人も建物の中に入ったらその快適性に驚き、喜んでいた。

 おいおい、建て主の俺を差し置いて自分の部屋を決めるなよ……。

 まあ、良いけどな。

 

 2人は中でワイワイ騒いでいるが俺は家の外で次の案を練っていた。

 家が崖の前にポツンとあってもなんとなく寂しいなと思ってな。

 鉄製の上部と下部に同じデザインを象った俺の胸位の高さのフェンスで家を囲う。

 ……なかなか良いじゃないか。

 

 何度も言うけど憧れてたんだよね。

 こういうこじんまりしたお洒落な家と広い庭。

 以前は魔王である以上、粗末な家には住めないから無駄に大きな屋敷に住んでいた。

 出来る限り生活に適した構造にしたけど死ぬまでに使わなかった部屋が幾つもあった。

 

 さてと……。

 そろそろお姫様2人が家具が欲しいという頃だろう。

 俺のセンスを見せつけてやるとしようか。

 




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