元魔王は平和に暮らしたい -俺が殺したい程に必要ないなら勝手にしろ ただしスローライフを邪魔するなら絶対に許さん―   作:ヨシMAX

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第11話 俺がいつから万能だと思っていた?

 

 

 さて俺達3人は無人島(未確認なので今の所)に辿り着き良き場所に安住の館を築いた。

 誰も咎める人も届け出する役所もないので勝手に敷地を決めフェンスで囲った。

 見てくれは華奢でお洒落なフェンスだがメチャ硬くて防御力は半端ない。

 これを破ろうとするなら第5階位程度の破壊呪文は必要だろう。

 

 外観は満足いったぞ。

 なぜなら建物は多少デザインが古臭くても味となって評価が上がるからだ。

 

 その後、俺は姫様2人の注文に従って家具を作ったが……ダメ出しの嵐だった。

 古臭いだの……ダサいだの……機能性が悪いだの……挙句の果てになんかヤダってなんだよ!

 

 俺、泣いちゃうよ。

 元魔王だけどオイオイ泣くぞ!

 それはそれは見苦しくて胸が痛くなるぞ。

 

 結局、この問題はレティが絵に描く事で解決した。

 あの女神、他の能力はゴミなのに意外と絵心がありやんの。

 食器棚とか洋服ダンスとか机に椅子等々、絵だとあんな分かりやすいのなー。

 

 だが、誤算が1つあった。

 俺がカーテンやテーブルクロス、タオルなんかを作っているのを見てマリアが「服は作れないの?」と言うもんだから「もちろん作れるぜ!」と最高の笑顔で答えたんだ。

 

 そしたら次から次へとこれを作れ、これは出来るかと出るわ出るわ。

 注文の多い客だぜ。

 

 このお陰で俺とレティは徹夜で彼女に付き合わされたのだがそれは別の話か。

 魔王と女神を眠らせないなんて何て破廉恥な女だ……。

 

 なんだかこれまで俺しか働いていない気がするぞ。

 100歩譲ってレティはデザインをしてくれたか。

 マリアーっ、お前働いてないぞ。

 

 ……と言う訳でマリアに料理が出来ないか聞いてみたがまあまあ出来るとの事。

 それならばとクルーザーの保存庫を見てみたが既に目ぼしい食材は使ってしまっていて心許ない。

 そんな状況でマリアが俺に一言こう言った。

 

 

 「アルビー君、食材作れないの? と言うか料理そのものは出せないの?」

 

 

 なので俺はこう答えてやった。

 

 

 「作れるわけないだろ、魔法で生命がある物を作れる奴はいない。そういう奴は錬金術師と言うんだ」

 

 

 なぜか、この一言を言い放った後、マリアは顔色を失いレティはやはりと言う顔で項垂れた。

 なにを当たり前の事を言ってるんだ、この娘は。

 

 

 「……という事は食べ物に関しては自給自足って事かな?」

 

 「そうだな」

 

 「うわぁあああああああんん!! 私のご飯がぁ、ご飯がぁー」

 

 「うわっ、どうしたんだ、急に」

 

 『まあ、マリアが嘆くのも分かるけどアルビーも完ぺきではないと言う事だよ』

 

 

 そうなのだ。

 俺は命あるものは作れない。

 生き物はもちろん果実や野菜、なんなら種や植物も無理だ。

 それは一から育てなければならない。

 

 俺はそんな手間も一から経験してみたくて学園を脱走した。

 レティは元から俺の才覚は知っていたがマリアは俺の事を万能選手と思っていた節がある。

 ゆっくりと俺の出来る事と出来ない事を分からせなければいかんな。

 

 とは言え俺も無策で無謀な航海に出かけた訳ではない。

 俺は空間魔法も一流だ、いやいや、謙遜はするがそれでも一流だ。

 植物や作物の種は普段から沢山持っている。

 

 これで畑や田んぼで野菜や米が作れるな。

 俺が未来で屋敷を持っていた土地はこの世界では珍しく稲作が主流だった。

 実際に隣国では作物と言えば小麦でパンが主食の所が多い。

 でも俺は稲作をしている田んぼの風景が好きだったし米ももちろん好きなのだ。

 素人考えだと稲作を種から始めるのは結構ハードルが高いがそこはそれ。

 物さえあれば俺の能力で何とでもなるしな。

 

 あとは俺の好きな野菜や果物の種をたくさん持ってきた。

 種が少ないせいで全滅の憂き目にあっては悔いても悔やみきれないのでな。

 

 俺がそこら辺の所をマリアに一から懇切丁寧に説明したら最初は魂が抜けた様な顔をしていたが最後には涙目になりながらだが作業を手伝うと約束してくれた。

 働かざる者食うべからずとはよく言ったもんだ。

 

 だが彼女は俺の事を想ってついてきてくれた部分もある。

 厳しい作業はオイオイ慣れてから少しづつ手伝って貰う事にしよう。

 最初は出来る事から手伝ってもらわないとな、泣かれたら困るし。

 

 そう考えてみると大抵の事は俺で事足りてしまうし俺はやりたい様にやるつもりでこの島まで来た、そのために来た。

 

 2人にもやりたい事をやってもらいたい。

 ……と、そんな事を迂闊に話すとレティに限っては際限なくグータラしそうなので言わない様にしておく。

 マリアのやりたい事って何なんだろうな。

 今度、それとなく聞いてみるとしよう。

 

 取り敢えずその日の食事は俺が森で狩ってきた鳥と海で手掴みで捕まえた魚、そして偶然見つけた木の実を使ってご飯を作り2人に振る舞った。

 

 2人とも満足はしてお礼も言ってくれたのだがチートだ、万能だのうるさく言われたのは心外だった。

 

 おかしいな。

 俺が万能でないのは説明したつもりなんだが……。

 

 その後の2人は航海の疲れが出たのか眠たそうだったのでそれぞれの部屋で休んでもらった。

 

 俺はと言うと明日から始める稲作や果実の種を植えて美しい庭を作るための準備をしてから床に着いた。

 

 ようやく俺のスローライフが始まる。

 良い夢がみれそうだ。

 誰にも邪魔されない様にこの生活を守っていきたい。

 ……いや、フラグじゃないからな!

 

 侯爵の追手、来ないと良いなぁ。

 

 




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