元魔王は平和に暮らしたい -俺が殺したい程に必要ないなら勝手にしろ ただしスローライフを邪魔するなら絶対に許さん― 作:ヨシMAX
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はい、おはようございます。俺です。
農作物に家畜……じゃなくてペット、家に温泉にメルちゃんお肉セット。
生活に最低限必要なものがようやっと揃ったという感じかな。
んっ?
作物はついこの間に準備したばかりだからまだ出来ないだろうって?
まあ、そうだな、そこはあれよ、魔の法と書いて魔法よ。
種を蒔いたら芽が出て蔓が伸びて花が咲き散って実が出来る。
ここまでが30分、普通でしょ?
そして最適の収穫時期を見定めて刈り入れる。
これもマリアとゴーレムさんが全てやってくれた。
えっ?
お前は何やってるのかって?
んーっ、総監督?
『アルビィー、今日の朝ごはんはなぁーにぃ?』
「小麦が取れたのでパンを焼いてみた。あと卵とベーコンが手に入ったので目玉焼きにサラダだ」
「何か飲み物はあるかなー?」
「メルクリウスに紅茶を発注して昨日届いた。ミルクでもレモンでも好きな方で飲むといい」
ん?
まるで家政婦じゃないかって?
仕方ないじゃないか、レティは小さいしマリアは作物のお世話で疲れている。
ここの生活がもう少しシステマチックに改造出来るまでは俺も出来る事をしなければいけない。
とは言え、大分ゴーレムさんに代行してもらえる様にプログラムを変更出来てきた。
家政婦生活から抜け出し悠々自適な生活を手に入れるのももはや目前である。
☆★☆★☆★
さて、今日はこの島の探索をしてみようと思う。
ここは大陸群島の端の孤島であるのだがそれなりの大きさがある。
だが俺の力があればこの程度の島を探索するなど造作もない事だ。
例によってスーッと地上高30センチ程、浮かんで島内を進んでいく。
平地に生えている樹木の多くは落葉広葉樹の為、肥沃な森林土が所々に広がっている。
……かと思えば遠くに見える山は常緑広葉樹と針葉樹が混在しているのが見えた。
島内の水源の配置や樹木の種類から鑑みるに比較的温暖であるが雨季がある程の雨量はない。
温暖湿潤気候に近い気候だと推測できる。
極端に暑くも寒くもならず自然が色濃く残り日光量も雨量もそこそこある。
比較的生きていくに適した境遇と言えよう。
とても良い情報だ、収穫だぞ。
道中に見てきた限りは木々で食用に適した実をつける種は少なかった。
これは畑の作物が順調に育っているので特に問題にならない。
それに銀杏の木や栗の木は見つけたので今度実を取りにこようと思う。
次に海岸線。
遠浅の砂浜が殆どだが割と屋敷に近い位置に切り立った崖があり、その下は深い海だった。
何故分かったかって?
入ったからさ、海にね。
知ってるかい?
海ってさ、水があるだけで宙に浮いてるのと同じじゃん?
いやー、吐いたね。高い所にいる様な気持ち悪さ一杯だったよ。
それとこれは聞いた話だけどさ。
急深の海は大物が比較的釣れやすいと聞いた事がある。
海釣りに最適だよね。
今度、みんなで魚釣りにこよう。
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さて、こんな調子で島の反対側に着いた頃だった。
俺はある海岸線で妙な物を見つけた。
それは30人乗り位の船だった。
もちろんマリアが貸してくれたクルーザーより数段も劣るものだ。
裸船にマストが付いたという最低限に毛が生えた様なレベルだ、上陸用の舟かもしれない。
旗には髑髏と反り返った剣、シャムシールが組み合わさったマークが描かれていた。
海賊か?
つい数時間前まで中で人が活動していた気配があるが実際には人気は一切ない。
だが船から降りて森までの足跡が続いていた、数は30程、船の定員と同じ位だ。
この島は今の所、無人島の筈だがなんの用事があって上陸したのか。
そこはかとなく嫌な予感がするが今、行方を追うのは骨が折れる。
30人程度の戦力なら吹けば飛ぶ、俺の相手ではない。
島の全体像をしっかりと把握してから捜索してみるか。
んっ?
どうやって全体像を調べるのかって?
そんな時はこれ、オシニレグト・コォーートォー(秘密道具風)。
この魔道具は半径1キロの範囲で未踏の場所も補填して図面化してくれる優れものの地図だ。
なので大体の行程で未踏破地域を駆け抜ければ地図は完成する。
魔道具の効力として半径1キロと言うのはこの手の魔道具の中ではまあまあな広範囲だ。
なので、この島の残りの未踏破範囲もあと20%位だ。
俺の空中浮遊は最高速度は時速800キロ位は出るが平時に使用する場合は時速40キロ位だ。
その速度で海岸線を走るとだいたい30分程かかった。
この事から海岸線は約20キロ、孤島としてはそこそこの大きさだと思われる。
一般人が開拓するには少々大きいかもしれないが島民は俺だ。
やりがいのある仕事になりそうだ。
そんな事を考えていると急に頭の中に声が響いた。
『アルビーっ!! 今どこなの?! 大変だよ! すぐに帰ってきて!!』
「レティか、どうした?! 何事だ?!」
俺は答えるより早く屋敷に向かって急ぎ、飛び始めた。
『屋敷に野蛮な男達が攻めてきたんだよぉー、ゴーレム君達が守ってくれたけどやられちゃって……マリアが攫われちゃった!』
「ちっ!」
俺は嫌な予感を信じなかった自分に舌打ちをし屋敷へのスピードを上げる。
ゴーレム君は頑丈ではあるが配置した個体は全て作業用なので武器で殴れば壊れてしまう。
くっそ、戦闘用も数体配置しておくんだったな。
まあ、でもあれでマリアは魔法の実力者だ。
結果的に彼女が攫われてしまう程の戦力なら数体置いておいても同じ事だろう。
屋敷に籠られたならともかく攫われたならさっきの舟に戻ってくる可能性が高いな。
俺は屋敷と舟の線上に乗る様に移動した。
これなら仮に少し位逸れても俺の気配を察する能力で賊を感知できるだろう。
そうだな……。
大陸の近くの孤島なんだ。
こういった事も想定して考えておくべきだったな。
この事態が治まったら直ちに防衛力を高める事にしよう。
さて、俺の縄張り(未公認)を荒らした報いは受けてもらうからな。
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