元魔王は平和に暮らしたい -俺が殺したい程に必要ないなら勝手にしろ ただしスローライフを邪魔するなら絶対に許さん― 作:ヨシMAX
PVの伸びがとてもモチベーションが上がります。
よろしくお願いします。
第1話 神様、登場
前世で側近に裏切られ敗死した俺、こと魔王である。
火に焼かれ意識を手放して再び目が覚めると……白かった。
いや、何言ってるの? と言われるかもしれないけどそうなんだもん。
見渡す限り、白、白、白。
地平線が見える位に何もない白い空間。
あー、俺はやはり死んだのか。
天国も地獄もなく死んだら「無」なんだな。
新たな発見であるが生きてる人間に伝えられないのが残念だ。
まあ、どうでも良いけど今後何もなく無なのに意識があるのは辛いな。
魔導書でも歴史書でも良いから何か書物でも無いのかなー。
神とやらもサービスが悪いな、身体でも鍛えるかな。
……あ、でも今気づいたわ。
俺、身体無いわ。
なんか白い空間に光っている球があり、それが俺。
暇だし、腹も空かないし、疲れもしない様だから地平線目指して飛び続けてみるか。
しかし、食事の楽しみも身体を鍛える楽しみも何にも楽しみがないのはキツイ。
ボーっとしてると意識が希薄になってくる気がする。
やばい、俺、消えるかもしれん。
まあ、やる事もないしどうでも良いか……。
それにしても――
「ヒマだぁあああああーーーーーっ!!!」
心の底から叫んだ。
こんな事なら意識も消してくれーっと思った瞬間、
『うるさいですよぉーーーーっ!!!』
叫びに返事が来た。
だ、誰だ?!
誰かいるのか?
それとも暇すぎて俺の頭が早くもおかしくなったのか?
『残念ながらあなたはまともですよ、まだ』
失礼な声であるがなんだろう、とても心地の良い安らぎを感じる声である。
『褒めても何も出ませんよ。ちょっと忙しかったので来るのが遅れました。そして忙しいのでサッサと終わらせましょう』
何を言ってるんだ、この声は。
ああ、あんたも死んでこの世界に閉じ込められたのか?
やる事無くて困るよなー、しりとりでもする?
『しませんよ。私は閉じ込められてもいませんし暇でもありません。私はあなた方の所謂、神と言う立場の存在です。恐れ戦いて敬いなさい』
神だと?!
それこそ魔王である俺とは相いれない存在ではないか。
冗談はほどほどにしてくれ。
『信じないわけですかぁ。悲しいですね。仕方がないので貴方が死ぬまで守り切った部下にも言えない秘密をここで発表しても良いのですが……』
はっ?
何言ってるの? そんな事ある訳ないでしょう!
『そんな事はないですよぉー。戦場で拾った娘に英才教育をした事は世間も知る所ですが……』
そ、そうだぞ。
そんな事は俺は隠してないぞ、そもそも身寄りのない子供達を大勢引き取って育てたんだ。
褒められこそすれ責められる事なんて……。
『その娘に特注した色々な衣装を着せてカメラと呼ばれる魔法アイテムで紙に映し出し秘密の部屋はその紙で一杯だとか……』
ス、ストーカーじゃないぞ。
俺とユリアは健全な関係だ。
俺の秘密の趣味趣向なんであって彼女に迷惑はかけてない。
『迷惑はかけてないかもしれないですねー。でも何も知らない彼女にあなたは色々と教え込みあんな事やこんな事を夜な夜な……』
分かったっ!
分かったから、もう止めろください。
なんでそんな事まで知ってるんだよ、って神だからだって?
本当かよ。。。
それにしても眠れないから夜にユリアを呼び出して遊んでもらったのはそんなに恥ずかしい事なのか。
ユリアに女騎士の恰好をしてもらって上官と新米騎士ごっこはそんなに恥ずかしい事だったのか。
し、知らなかったぜ。
くそっ、神の奴め、俺の秘密を掘り返しやがって。
死体蹴りにも程がある悪行だぞ。
『そんな恥ずかしい元魔王様に私からのある提案があります。前世に戻りもう一度人生をやり直す機会をあげちゃいまーす』
えっ?
なんだって?!
人生をやり直す機会って本当に?
『本当ですよ。何て言ったって私は女神ですからね。あ、女神と言っても私のあられもない姿を想像しちゃいけませんよ、天罰下しますよ』
せんわ!
天罰下しちゃいますよってなかなかのパワーワードだな。
それにしてもなんで俺だけそんなチャンス貰えちゃう訳ですか?
俺は魔王だしそんなに良い子でも無かったですけど。
『謙遜しちゃいけませんよ、あなたは戦乱渦巻くこの世界でなるべく戦争にならないよう上手に平和を保ってくれました。これは称賛に値します。頑張った者には神としてチャンスを与えるのです』
ほへーっ。
俺自身がただ単に戦いを嫌ってただけなんだけどな。
何が評価されるかわからんね、そういう事ならぜひお願いしたいのだけど。
『わかりましたよー。復活のタイミングに希望はありますか? あとは残したいスキルや能力があれば教えてください』
復活したいタイミングかぁ。
魔王になる前がいいなあ。
スキルなんかも残してくれるのか、助かるな。
『まあ、でも脱着が面倒くさいのでそのまま過去に送りますか。魔王になる前のタイミングですかぁ。ざっと100年前でいいですかね。じゃあ準備してくださーい』
は?
ちょっと待て。
俺は享年118歳だぞ!
100年前に戻ったら18歳じゃねえか、戻りすぎだ!
それに100年前に俺が魔王の頃の能力を持ってたら異常だよ。
絶対目立っちまうから勘弁してくれ!
『そんなに喜ばなくてもいいですよー。あ、おまけにエイミーさんとユリアさんが産まれたらあなたに引き合わせてあげますよ。なんて優しい私。でも2人が産まれるのはずっと後なのであなたはしばらくボッチですねー。クスクスーっ』
喜んでねえわ。
送り出し方が雑だって言ってるんだよ。
なんだよ、面倒くさいって。
俺の人生がかかってるんだぞ、しっかりやれーっ!
……と言う俺の必死の叫びも空しく俺の意識は再び失われ暗闇に落ちていくのであった。
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