元魔王は平和に暮らしたい -俺が殺したい程に必要ないなら勝手にしろ ただしスローライフを邪魔するなら絶対に許さん―   作:ヨシMAX

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第19話 やはり俺の島の要塞化は間違っている

 はい、おはようございます。俺です。

 

 あの後、俺は島に結界と防衛地点を作り戦闘用ゴーレム兵君を80体配備した。

 ゴーレム兵君には対地と対空の2種類の装備を用意し装備換装用に整備工場も建てた。

 仕上げにドラゴン型特別仕様ゴーレム君10体を空に放った。

 これで完璧とは言えないがそこそこ頑丈な島になったんではないだろうか。

 

 そんな感じで俺は一応満足して敵の侵攻に目を光らせていたのだが……。

 

 

 来ない。

 

 

 待っても待っても来ない。

 そろそろ襲撃から1か月が経つが全く来ない。

 ドラゴン型特別仕様ゴーレム君の数を倍にして結界の外まで見に行かせたが欠片も見えない。

 

 ……どうしてだ。

 

 まずいぞ、レティもマリアも「あーあ、やっちゃったね、アルビー(アルビー君)」って顔して見てくるし無言の圧力がつよつよ過ぎてゾワゾワするさぁー。

 

 確かに俺も考えたよー。

 奴らの船が帰りに事故で沈んだ可能性について。

 でも、奴らに雇い主かいぬしが居るのなら……いや、確実にいるはずだし連絡が途絶えれば訝しむだろうよ。

 おかしいだろー、なんで来ないんだよー。

 

 だが、その時、俺は基本的なミスをしていた。

 

 奴らは()()()()()()

 大艦隊と大軍団を編成し俺達を捻り潰さんばかりの戦力を集めていた。

 そいつ等が俺の島に来るならまだ楽だ。

 それ以上の凶悪な戦力で潰すだけだからだ。

 

 ただ、それより先に偵察巡洋艦に俺達の島の変わり様を見られていた。

 ミスったぜ、幻影の魔法をかけ忘れていた。

 

 だから奴らは外界から俺のかけた結界を分析しどの程度の強度があるのか、どうすれば破る事が出来るのかを考えて準備していたのだ。

 なぜ奴らがこの島にそこまで拘るのかは分からないが根気強く分析したようだ。

 そして俺がその些細なミスに気付く日が来た。

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 「アルビー君、今日さぁ、もし時間が有ったら田んぼ作ってくれないかなぁ、私も手伝うから」

 

 「んっ、いいよ。そうだね。そろそろ米も作りたいな、ご飯は必要だ」

 

 「そうなるとさぁ、きれいな水源と苗が必要だね。種はメルさんから買ったんだっけ?」

 

 「ああ、沢山仕入れて苗まで育てておいたゾ♡」

 

 「さすがダァゼ♡」

 

 『何を2人でダサい掛け合いしてんのさ』

 

 「失礼な、アルビー君と私のナイスなコミュニケーションだよ」

 

 「そうだぞ、レティも良く学ぶ様に」

 

 『えっ? それ私もやるの?』

 

 

 では、早速。

 俺はお馴染みの汎用ゴーレム君をたんまり出現させ集合させた。

 

 

 「貴様等、やる事は分かっているな?!」

 

 『ぐももぉぉぉおおおおおおおおお!!』

 

 「本日をもって貴様等はウジ虫を――――」

 

 『――――っ!!』

 

 「―っ!!」

 

 『―っ!!』

 

 ……

 

 

 一通りのやりとりを終えるとなぜかマリアが呆れた顔をして俺を眺めている。

 どうした? 何かあったか?

 

 

 「その儀式は必須なのかぃ? アルビー君」

 

 「もちろんだ! これが無いとゴーレム君はその能力を十全に発揮する事が出来ないのだ!」

 

 「なによ、その説明台詞みたいなの」

 

 

 俺はマリアの白い目も気にせずゴーレム君達と地図を囲んで打ち合わせをした。

 

 えっ?

 プログラムで行動を決めてたんじゃないかって?

 なかなか鋭いね、って誰に答えてるんだ、俺は。

 

 それはもちろん可能だけど人数が多い場合は口頭で指示を出した方が早くないかい?

 あれ? 俺何か変な事言ってるかなー。

 おかしいなー、こんなのゴーレム君使いの常識のはずなのだが。

 

 ともあれ()()が起きたのは打ち合わせもそろそろ終わろうかとしてた時だった。

 

 きぃぃぃぃーーーんっ!!!

 

 突然、鼓膜を突き刺す様なけたたましくも不愉快な轟音が辺りに鳴り響いたのだ。

 俺はともかくレティとマリアは堪らず両耳をふさいでその場に座り込んでしまった。

 

 

 「きぃやぁぁぁぁっ!! なになになに?!」

 

 『うくぅぅー、これは……まさか?!』

 

 

 マリアは訳もわからず混乱しているようだ。

 無理もない、この音は初めて聴くと堪える。

 まさかとは思ったが俺は確信していた。

 さすが一応、神であるレティも感づいたらしい。

 

 この音はあれだ、俺が張った結界を魔法で無理繰り破ろうとしている音だ。

 さては奴等、既にこの近くに来て多重結界に気づいていたのか。

 

 くっそ! これは俺の失策だな。

 だが幸いなのはこの爆音が鳴っているという事は敵は結界を正しく解除する方法を知らんのだ。

 不当なやり方で解除しているので真っ当な方の結界が軋んでいるのだ、なんつー脳筋なのか……。

 

 しかし、ようやく来たか。

 そう言えば戦闘用ゴーレム兵君もドラゴン型特別仕様ゴーレム君も未だ戦闘配置にはついてない。

 当たり前だ、敵は侵入してないからな。

 つくづく思うが過去に帰ってきて俺の頭は錆びてしまったのだろうか、こんなミスをするとはね。

 

 俺は戦闘用ゴーレム兵君に総員第一戦闘配置に付くよう命令を出す。

 

 と、平行して結界の出す爆音からマリアとレティを守るために魔法でバフをかけてやった。

 

 それにしてもやってくれるじゃないか。

 ベレルメーゼン帝国の奴等……。

 

 俺が奇跡的に転移してきた先でスローライフを決めようかという時に邪魔をしてきてあまつさえ俺の連れを拐わんとした。

 そしてそれが阻止され撃退されたにも関わらず再度、俺の領地(自称)を訪れ施された結界を解除しようとしている。

 

 俺達への悪意は明白だな。

 お前らには地獄すら生温い。

 

 元魔王の俺が本気で叩きのめしてやろうじゃないか、

 覚悟しておけよ。

 ……って、そんな余裕もないよ、多分ね。

 




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