元魔王は平和に暮らしたい -俺が殺したい程に必要ないなら勝手にしろ ただしスローライフを邪魔するなら絶対に許さん―   作:ヨシMAX

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第22話 俺はハーレムは望んで……ない

 はい、おはようございます。俺です。

 

 シース辺境伯との海戦後に俺は波間を漂う奴隷の乗った脱出船を1隻救助した。

 そこにいたのは何れも奴隷の少女達。

 

 内訳は魔族の少女2人、白龍族の少女1人、犬人族の少女1人、ダークエルフの幼女が1人、白龍族の子は遠くからは確認できなかったな、奥にいたのかもしれない、……女の子ばかりだから助けた訳では断じてないぞ。

 

 俺は未来の魔王時代もこうして身寄りのない子供達の面倒を見ていたのだ。

 だから、褒めてほしいという事でも無いがな。

 自己満足と切り捨てて貰って構わんよ。

 

 だが、保護した当初ボロボロの子供達に満足な衣食住を与え、学ぶ場を提供し、生きる為の知識を与えると本当に凛々しく成長するんだ。

 

 彼等と対等に話が出来る様になった時に感じる一抹の寂寥感と幸福感は子供の出来なかった俺に親の真似事をする理由をくれたのだ。

 

 ただ、今回は少し事情が変わった。

 

 今の俺は18歳の若僧で信頼で結ばれた仲間が居る訳ではない。

 居るのは俺と同じ歳のまだまだ余裕がなく不安定なマリアと基本的にダメだが男女間のなんちゃらに関しては積極的にからかってくる女神が一匹……。

 

 

 『まずは私を匹で数えるのを止めようかね』

 

 「俺はレティの事とは一言も言っとらんが」

 

 『この島の女神なんて私だけでしょうがよ!』

 

 

 俺の肩でちっさい女神が喚いている。

 

 あー、うっさい。

 

 DG君達に曳航されて脱出船は島に到着した。

 改めて見ると船は最早沈没寸前の状態で彼女達の決死の逃避行が目に浮かび心が痛んだ。

 

 

 「お帰りなさーい、アルビー君。そっちのみんなが船に乗ってた子達だね。私はリアマリアだよ、マリアって呼んでね♪」

 

 

 島で待ってたマリアが俺達を見つけると船の方に急いでかけてきて労ってくれた。

 少女達に乾いたタオルと魔法瓶に入れた温かいお茶を持参し振る舞ってくれている。

 本当にマリアは普段は危なかしいが気持ちの優しい気の効く良い女性だ。

 

 関係ないがお茶の葉はメルから手に入れた。

 自給自足を目指してはいるがお茶っ葉まではまだ手が回らんのだ。

 少々値の張る美味しいお茶だぞ。

 

 そんなマリアの気遣いや可愛いDG君と気さくなレティのキャラのお陰で少女達にもようやく安堵の表情を読みとる事が出来た。

 

 おかしいなぁー。

 

 俺も頑張って貢献したんだけどなー。

 なぜかみんな俺の方を向かないんだよなぁー。

 悲しみが止まらないぜ。

 

 

 「アルビー君、アルビー君、何でそんな所で膝を抱えてるのさ。早く自己紹介してよ、島の主なんだから」 

 

 

 えっ?

 俺、島の主って認識でいいの♪?

 すっかりなんだか便利屋かお母さん扱いされてたので嬉しいんですけど。

 

 ウッキウキで少女達の方に行くと若干引かれた。

 いかんぞ、ここは威厳をしめしつつも好感度を重視せねばなるまい。

 第一印象、大事!

 

 

 「お、おほん。……俺がこの島の主(自称)、アルビット・ルクシアスだ。俺の事もアルビーでいい。気軽に頼む。さて、察するに恐らくあのクソ辺境伯に捕まって本国に送還途中だったのだろうが見ての通り艦隊は壊滅した。君らは自由だ」

 

 

 少女達が乗ってるとは思わなかったので俺も思い切りやってしまった。

 トラウマとして残らなければいいが。

 俺は更に続けた。

 

 

 「国に帰っても構わないし、どこか目的地があるなら十分な休息の後に送り届けると約束する。とにかく君達に危害を加えるものはもういない。その隷属の首輪も俺なら外せる。少し近付くが我慢してくれたら一瞬だ」

 

 

 俺がそう言うと少女達は驚きと喜びが混じった様な顔で俺を取り囲んできた。

 

 近い、近いよ?!

 そんなに俺をちやほやするな。

 すぐ外すから。

 

 俺は順番に少女達の首輪を破壊し外していった。

 白龍族の子は涙ながらに喜び、魔族と犬人族は飛び上がって躍り狂っているw

 ダークエルフの幼女は何が起こっているのか良くわかってない様だ、あどけなくて可愛い♡

 

 

 「さて、君達。首輪も外れたしもう声も出せるだろう。1人ずつ名前を教えてほしい」

 

 「えっ! あの首輪、沈黙効果もついてたの?」

 

 「そりゃそうだろうよ、でなけりゃ魔法唱え放題で大変な事になるわ。その筋のゴミ共はクソったれな趣味の時は部屋に封印魔法を掛ける」

 

 

 マリアが驚きの声をあげるが当たり前だろう。

 そう、まさに俺が学園で拉致られた時の様に部屋に魔法を掛けるのだ、そうしないと奴隷の悲鳴が聴けないからな。……気分が悪い。

 

 

 「あ……、たすけて……いただき、有難うございます。私は……白龍族です。名前は……人の発音だと……200文字位になりますので……白雪と……お呼びください」

 

 「声を取り戻してしばらくは発声がし辛いもんだ。白雪さんか。ゆっくり話してくれて大丈夫だ。よろしく頼む」

 

 

 その後も自己紹介が続き魔族の2人はなんと双子で名前はミツキとハツキと言う。

 犬人族は犬の耳と尻尾がある以外はまんま外見は人そのものだ、名前はチュルカ。

 最後にダークエルフの幼女なのだが何だか俺に懐いてしまった。

 名前を聞き出そうにも俺の足にしがみついてなかなかうまく行かなかった。

 名前はアナスタシア、良い響きだ。

 

 一気に賑やかになった島だが恐らくこれも彼女達を祖国に帰すまでの一時的なものだろう。

 

 早速懐いてきたアナとの関係をからかってきたレティには仕返しとしてマリアに思う存分可愛がりをさせておいた。

 

 マリアは可愛い女の子が増えて満足そうだ。

 俺は……嬉しくないわけではないが1人位男の子が居てほしかった、主なのに肩身が狭いぜ。

 

 

 




魔王は名前は覚えます。
覚えられないのは中の人です。

よろしければ評価いただけると中の人が喜びます('◇')ゞ
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