元魔王は平和に暮らしたい -俺が殺したい程に必要ないなら勝手にしろ ただしスローライフを邪魔するなら絶対に許さん― 作:ヨシMAX
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はい、おはようございます。俺です。
島を飛び立ち、血気に逸る仲間の言を受けアフターバーナーを点火させ一気にベレルメーゼンの領空まで入ってきました俺です。
「何がぁ"仲間の言を受け"だよぉー! 死ぬかと思ったよ、私はぁ!」
「マリア、吹っ飛んでたの」
「確かに、凄い加速でございましたねぇ。私が龍に戻っても追い付けるかわかりませんね」
「ご謙遜だな、龍の飛行速度に勝てる飛行機なんて100年後でも無理だよ」
「……随分自信をもって言いきるんだね、アルビー君、まるで見てきた様に……」
やばっ、思わず口が滑った。
まあ、確かに見て知ってるんだけどな。
ぐむむ、どう誤魔化そうか。
「マリア様、私も少し言葉足らずだったかしら。この機の加速は素晴らしいですが私達、龍族も加速に時間がかかるだけで負けるものではない……と言う事ですわ。ですが瞬間的な加速ならこちらの機の方が速いかもしれません」
「へぇー、そうなのかぁ。要はこの飛行機も龍族も凄いって事だねぇー」
おお、マリアが天真爛漫な子で助かった!
決してアホなのではないぞぉ。
天真爛漫、無邪気とも言うな♪
見ると白雪が静かに微笑んで俺を見ていた。
まるで「秘密がバレずに良かったですね」とでも言っているかの様だったが。
白龍族と言うのは魂の揺らぎでも見れるのか?
……そう言えば俺の身体はどうなってるのか。
確かにおかしく思う時はある。
一見、俺の身体に俺の意志が入っている為、回りにも違和感なく溶け込めているが実の所は俺の意思は100年後から飛んできているはず。
では元から俺の身体にあった100年前の俺の魂は一体どこに行ったのか?
まあ、これは今考えても答えはでないな。
帰って覚えてたらレティに聞いてみよう。
何しろこの現象をやった張本人だからな。
……今度2人の時に白雪にも聞いてみよう。
あの一件以来、過度な○交渉は迫ってこなくなったしな。
ただ純粋に普通に好意を寄せられてる様だ……悪い気はもちろんしない。
……おやっ?
「アルビー、アルビー、やっぱり来たの」
アナスタシアが俺の服の裾をひっぱり懸命に訴える、どうした、顔が真っ青だ。
「どうした? アナスタシア、何が来たんだ?」
ピーッ! ピーッ!
今度はけたたましく警報音が機内に響く!
ええい、何事だ。
「なに、なに、どうしたの?!」
「落ち着け、マリア。……敵機接近警報だがこんな高高度で? まさかな……」
ずがぁぁぁーーーーんっ!!
次の瞬間、爆発音が鳴り響き機体が傾く。
「うわぁー!」「ふぇー!」「きゃー!」
指揮機は直ぐに体勢を立て直すとフロントパネルに超望遠で敵影らしきものを映し出した。
まじか!
ここは上空1万5,000mだぞ?!
そんな空気の薄い所で爆発を生じる攻撃だと?!
……と言っても攻撃を受けたのは事実だ、認めて思考を切り替えよう。
俺は倍率を調整し更にアップにする。
メチャクチャ遠いのにこの存在感は……。
とてつもなく大きいと言うことだな。
まずいぞ、この空域だとドラゴンか?
……すると隣で見てた白雪の美しい顔がみるみる歪んでいくではないか。
「ど、どうしたんだ? 白雪?」
「ね……」
「んっ?」
「姉さまっ!! どうしてこんな所に?!」
え?
あれ、白雪のネーチャンなの?
羽を拡げてるので100m位あるんじゃない?
ってこれはヤバイ!
「白雪! もしかしてお前の姉は……」
「そうですね、私の姉は……」
「「妹が奴隷にされ追放されたと思ってる」」
「……だよな。しまったー! 各自、自宅に連絡させておけば良かったぁー」
「その様な事を悔いても仕方ありません。姉は私の気配を感じ取り完全にこの飛空艇団を敵と認定しています!」
「え? 白雪ちゃん、何で分かるの?」
マリアが尋ねる。
確かに攻撃は受けたが冷静に話し合えば……。
「眼が完全に紅い。あれは白龍族が怒りで我を忘れている状態」
白雪に代わりアナスタシアが教えてくれた。
なんてこった。
ベレルメーゼンを殲滅に来たらこちらが殲滅の危機かよ。
優秀な航空戦力とは言え白龍族(龍形態)と戦うには心もとないなぁ、仕方ない、ここは俺が……出れるかなぁ、1万5,000って……無理やろ。
「アルビー様、ここは私にお任せを」
「え? だ、大丈夫なのか?」
「ええ、少しの間なら」
つけられていた隷属アイテムは俺が破壊したが長い期間、能力を封じられていると龍化は不安定になると言う噂を聞いた事がある。
「大丈夫です。少し姉妹で話し合ってきます」
白雪は険しかった表情を和らげニッコリ笑うと後方デッキに繋がる扉辺りに気流を発生させ機内が急減圧にならない様に魔法をかけてから外に出ていった。
とても可愛い笑顔の筈が激怒オーラのせいでメチャクチャ怖かった!
俺は今後どんな争乱に巻き込まれても白龍族だけには手は出さないと誓う。
と、今はどうでも良い事を誓っていると扉の外が輝き、そして身の縮む様な、だけどどこか安心出来る様な龍の咆哮が辺りに響く。
そして白く輝く巨大なドラゴンが指揮機を追い抜き前方の巨大な影に向かい飛んでいった。
俺は彼女の集中を妨げぬよう飛空艇団を後方1万mまで降下させ待機させた。
姉ドラゴンのヘイトは完全に指揮機だけに集まっている様だったからだ。
妹想いの優しい姉と容姿端麗、器量良しの妹。
字面だけ追えばお嬢様姉妹の喧嘩なのだが。
……実際は怪獣大戦争だぞ。
大丈夫なんだろうなー、白雪ぃ。
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