元魔王は平和に暮らしたい -俺が殺したい程に必要ないなら勝手にしろ ただしスローライフを邪魔するなら絶対に許さん―   作:ヨシMAX

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第31話 俺の帝都上京物語

 はい、おはようございます。俺です。

 

 ベレルメーゼン帝国の南端にある港町を急襲し更地に戻した俺達は街から少し離れた草原に飛空挺団を着陸させ一晩休んだ。

 

 ここから先、空路と陸路のどちらから進むか迷って皆に意見を聞いたが高度1万mにいれば見つかる訳がないと呆れられた。

 

 まあ、それはそうか。

 ちょいちょい忘れがちだがここは100年前の世界なので防衛網が驚く程に確立されていない。

 100年後なんて1万mに居ようが見つかり次第大型魔導荷電粒子砲で撃ち落とされるからな。

 

 生前に1度だけだが自分の屋敷に戻る時に自分で配備した防衛網に撃ち落とされたからな。

 油断も隙もないのだけど。

 

 結局、帝国まで空路で行き港町と同じ要領で攻撃を仕掛ける事にしてその日は就寝した。

 

 こんな中で奇襲を受けるとは考えにくいが周囲に結界を張っておいた。

 

☆★☆★☆★

 

 

 ぐっ……。

 私は……生きてるのか?

 目を開けると私は真っ暗な中に横たわっていた。

 すぐに瓦礫に埋まっている事には気づいたが身体中が痛んでなかなか思い通りに動かない。

 見える範囲で確認すると身体は傷だらけの血塗れだった。

 それでも致命的な臓器の損傷や骨折はない様だ。

 割と私の悪運は強いんだな。

 

 

 「ぐぅっ!! がはっ……」

 

 

 傷口から血が滲むのも気にしていられん。

 私は身体強化魔法を無理やり発動し瓦礫を持ち上げ地上へ抜け出す事に成功した。

 

 

 「ぜぇー、ぜぇー、一体何が起きたんだ……」

 

 

 辺りを見回すと……何もなかった。

 信じられなかったが凄まじい攻撃を受けて瓦礫の山になってしまった様だ。

 ふらふらと彷徨いながら街であった場所を歩き回ると爆発や崩落で地面が抉れており何回も転倒しそうになった。

 

 念の為に民共を疎開させておいて良かった。

 兵が全滅したのは痛恨であったが人的被害を抑えられたのは不幸中の幸いであった。

 

 んっ?

 街の外れに灯りが見える。

 

 そちらの方向に歩いていくと結界が張られており近づく事は出来なかったが奇妙な機械が夥しい数、停泊していた。

 

これは……なんだ?

 少なくともこれらの部隊に港町は壊滅の憂き目にあわされたのだろうか。

 ……だとしたら絶対に許さない。

 

 だがこれだけの戦果を上げる敵は驚異だ。

 私だけの力ではどうにもならない。

 

 このコンフュード将軍にここまでの屈辱を味あわせたのだ、ただでは済まさんがここは退こう。

 

 近くに帝国の前線基地があったはずだ。

 何とかそこまで辿り着ければ……。

 

 土に還った帝国臣民達よ、私に……力を……。

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 翌朝、目覚めた俺は街跡を見て回った。

 我ながらここまで破壊し尽くしたのはちょっとやり過ぎたかと思ったのだが……。

 

 不思議と街民の亡骸にあう事はなかった。

 相当、凄惨な光景を目の当たりにするだろうと覚悟をしていたのだが正直少しホッとした。

 まあ、兵隊の遺体は足の踏み場もない位に溢れていたので1ヶ所に集めて白雪に浄化の魔法をかけて貰った。

 

 そして皆で祈りを捧げ荼毘に付した。

 俺は宗教は信じない、魔王だしな。

 ただ生前の爺さんの言葉を思い出しただけだ。

 

 兵士共、俺を恨め。

 理不尽にお前らの命を摘んだのはこの俺だ。

 ただお前らが負けたのは弱かったからだ。

 組む相手を誤ったお前達の……ミスだ。

 

 唯一、おまえ達の為に動けるとしたらこの戦いの後は帝国はもはやどこの国にも負けない強国にしてやろう、それは俺が約束する。

 

 その後、帝都へ向かう飛空艇の中でなぜか他の皆が優しかった。

 マリアは膝枕で髪を撫でてくれていた。

 白龍姉妹とアナは何も言わなかったが近くに座っていてくれた。

 うーん、俺、そんなに参った顔してたんだな。

 気を遣わせてしまったよ、スマンな。

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 「交代だ! ご苦労さん」

 

 「ああ、もうそんな時間か」

 

 

 帝国前線基地の見張り台。

 俺の仕事場だが今日も何事もなく終わった。

 些か張り合いの無い毎日だが俺は満足だ。

 

 俺の幼馴染みは先日帝国が地方討伐を計画した為、その軍に徴兵されていった。

 彼は上昇志向が強く口癖は「俺は将軍になる!」だった、全く理解に苦しむ。

 

 何事もない毎日が一番だ。

 今回の戦闘は討伐戦だと言う。

 きっとあいつも全然手柄を立てられなかったと愚痴りながら帰ってくる事だろう。

 酒でも酌み交わしながら静かに聞いてやろう。

 あ、この前、奢った金を返してもらわなきゃな!

 

 

 「んっ? 何か騒がしいな」

 

 

 引き継ぎを終えて家に帰ろうかと思った所に何やら騒がしい怒号が聞こえてきた。

 全く、俺が帰ってからにしてくれ。

 

 

 「おい、何かあったのか?」

 

 

 俺は近くを通った新兵を呼び止めた。

 

 

 「はっ! 地方討伐隊が南の港町で敵と交戦した後、ぜ、全滅したとの事! コンフュード将軍は命からがら戦線より離脱し、先ほどこの基地に到着なされました!」

 

 えっ?!

 何を言ってるのか。

 あれだけの大軍が全滅なんて……。

 

 

 「おまえっ! いい加減な事を言うな!!」

 

 「ちょっ、おま、落ち着けって!」

 

 

 思わず新兵に手が出そうになった所を同僚に羽交い締めにされ止められた。

 

 

 「情報が錯綜してるが全滅して将軍がこちらにいらしてるのは事実だ!」

 

 

 そんな、あいつが死ぬなんて……。

 何があったのか、将軍に確かめなくては……。

 俺は騒ぎの中心に向かって駆け出した。

 

 




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