元魔王は平和に暮らしたい -俺が殺したい程に必要ないなら勝手にしろ ただしスローライフを邪魔するなら絶対に許さん―   作:ヨシMAX

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第5章 元魔王、帝国の闇へ
第32話 俺は出ないけど話は進むようだ


 おい、朝だぞ。私はコンフュードだ。

 

 あれから私はひたすら北西に歩き続け帝国の前線基地に辿り着く事が出来た。

 きっとお前はまだ生きろと死んだ兵士達が私に帝国の最後の希望として力を貸してくれたのだろう。

 帝国の礎を支えるには余りにも脆い最後であったが私が回顧録を執筆する際には数行の言葉を割いてやることにしよう、有り難く思うがよい。

 

 そうだな……、この帝国も良い人材はいるが皇帝が無能なせいで、ああも一方的に殲滅されるハメになったのだ。

 あのバカ皇帝、さっさと私が原理と仕組みを提言した飛空艇と言う乗り物を造るべきなのだ。

 飛空艇が量産の暁にはあの様な島等捻り潰してくれるわ。

 

 ……あの街外れに停泊していた物体、私のイメージしていた飛空艇に似ていたな。

 

 

 くっそ!

 きっとどこかの国が研究して我が帝国を出し抜き先に前線に配備したに違いない!

 ううむ、こうなると先に帝都に戻り核心の情報を皇帝にお伝えしご判断を仰ぐか……、無能でも皇帝は皇帝だ、一定の儀礼は示さねばな。

 

 一噌の事、私が皇帝になってやるか……フフフ。

 だが現皇帝は無能で俗物だがそれでも数多の戦場を潜り抜けてきた。

 

 狙うなら現皇帝の長男。

 こいつは本物の役立たずで大食漢のギャンブル好き、酒好き、女好きの役満ドラ息子だ。

 

 こんなやつが皇帝になる事以上の帝都臣民にとっての不幸はないだろうよ。

 それなら私が皇帝になり強力な富国強兵策を講じて軍事国家に育て上げた後に世界を蹂躙……統一していった方が余程世界のためであるな。

 

 まずはあの忌々しい島領主からだ!

 だがあの未知の乗り物の解析が先だな。

 私は密かに魔法の水晶を使い先程の結界の向こう側の光景を記録しておいた。

 

 これがあれば……。

 

 

 「貴方が撤退された将軍ですか?!」

 

 

 むっ?

 なんだ? この見張り兵は?

 いきなり失礼な男だな。

 ムシャクシャすらし所属を調べて一族全員を厳罰にしてやるのも愉快で気が晴れるかもしれん。

 

 

 「いかにも私がコンフュード将軍であるが?」

 

 「20万の兵士を無駄死にさせ港町を放棄して逃げ帰ってきたと言うのは……本当ですか?」

 

 「こいつ……兵達の前で私の評価を下げる気か。仕方ない、まずはこいつも無礼討ちで黙らすか……」

 

 「本当なのかと聞いている!!」

 

 「……っ!! こいつ!! ……ふ、ふはははっ、なかなかな胆力である事は認めよう。しかし彼我の戦力差を考えられない兵は死ぬぞ。……ああ、そうだ! 夜間未明の総攻撃により街は瓦礫の山になり兵士も船も全滅だ! これで満足か?!」

 

 「……そうでしたか。大変失礼いたしました。この処罰につきましては決定次第従います」

 

 

 意外にも見張り兵は敬礼をし下がった。

 周りの兵達に若干の戸惑いは見られるがここでの騒ぎをこれ以上大きくするのはマズイ、これ位が落とし処であろう。

 

 そしてそれは私が基地の司令塔に向かうべく再度歩き始めた際に起きた。

 

 

 「ぐふっ?!」

 

 

 腰に鋭い痛みが走り、異物に肉を切り裂かれる嫌な感じと込み上げてくる血の味。

 熱かった腰が急激に冷え下半身の感覚が失くなり全く力が入らなくなっていく。

 

 

 どさっ!

 

 

 私は倒れたのだろうか?

 

 何か重たいもので押さえつけられている気がするのでどうやら私は倒れた所を馬乗りで背中を刺され続けているらしい。

 周りが騒いでいるが何か凄く遠い感じがする。

 

 

 「離せぇ!!! こいつが仲間を無駄死にさせたんだぞ!!」

 

 「わかってる! だが裁くのは帝国だ!」

 

 

 どうでも良いが人の上で取っ組み合いをするのは止めてくれないか。

 こ、皇帝を目指そうかとした矢先に……。

 

 こんな所で……終わると……はな。

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 あの時、新兵の討伐隊全滅の報を受けて何も後先考えず将軍に問いただしてしまったのは事実だ。

 

 しかし落ち着いて気を沈めた今、自分が将軍を刺殺してしまったとは我ながら信じられない。

 俺は一体どうしてしまったのか。

 

 

 「そんな暗い顔すんなって。まー将軍を殺っちまったんだしその場で切り捨てられても仕方ない状況ではあったがな」

 

 「迷惑をかけて本当にすまない」

 

 

 俺は今、独房に入れられドアの窓から見張り役の同僚と話をしていた。

 

 

 「安心はするなよ。俺達はおまえと言う人物を知っていて将軍の悪評も知っていた。基地の大勢の兵達の嘆願でとりあえず帝都に連行され軍法会議にかけて貰える事にはなったが結局死刑になるかもしれんのだぞ」

 

 「そうなってしまったら仕方ない。観念するさ」

 

 「……しかしなぁ、お前……。一体何があった? そりゃ知り合いの兵士が全滅すれば取り乱すのも分からんでもないが……」

 

 「正直、俺にも何がなんだか……。気付いたら黒い感情に流され将軍に馬乗りになってた。……そう言えば……見張り台から駆け出して男にぶつかったな。変な男だったが……あんな奴、基地にいたかな?」

 

 「男だと……? どんな奴だったんだ?」

 

 「黒のマントにフードを被り目が異常に……ギラついてたな。痩せこけて……手に紋章の様な刺青があった様な……」

 

 

 そう言った瞬間、同僚の顔色が変わった。

 

 

 「刺青……?! 手の甲か?」

 

 「あ、ああ、右手の甲に……昆虫の様な……蜘蛛だったかな……」

 

 「……っ! わかった! 後は任せてそこで一眠りしてろ。絶対悪い様にしねーから逃げんなよ!」

 

 

 同僚はそう言うと猛スピードで出ていってしまった、一体どうしたんだ、逃げれるわけないだろ。

 

 なんだか疲れたな。

 この後の事は起きてから考えるか。

 まあ、俺に自由が戻るとは思えんがな。

 

 俺は疲れた身体をどうにか引きずり独房にある簡素なカビ臭いベットに横たわるとペラペラの毛布にくるまり眠りについた。

 




アルビー「最近出番少くナーイ?」
マリア「私も影薄くナーイ?」
レティ「私なんて留守番ですが?」
ミツキ&ハツキ&チュルカ「私達はまだ一言もしゃべってませんが?」

アルビー「中の人の癖がでてるねー」
マリア「こちらに興味が戻るまで待つしかないかー」

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