元魔王は平和に暮らしたい -俺が殺したい程に必要ないなら勝手にしろ ただしスローライフを邪魔するなら絶対に許さん―   作:ヨシMAX

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第35話 俺の帝国攻略戦 前編

 はい、おはようございます。俺です。

 

 いやあ、取り乱したね。

 俺さんとあろう者が怒りに我を忘れるとはあの事を言うんだね。

 もちろん反省はするが後悔はしていない。

 

 マリアと白龍姉妹はいつも通り呆れ果ててしまっているがアナスタシアは目をキラキラと輝かさせて俺の事を見ている……俺、教育間違ってる?

 

 俺達の前には死屍累々の光景と粉々になり瓦礫の山と化した皇帝の居城……だったものがあった。

 どうしてこうなったのかと言うと……え、大体わかるって?

 

 そう言わずに聞いてくれよ。

 あの時、俺は飛空艇を不時着させ怒りに任せて城に突撃したんだ。

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 「ちょっと行ってくるぞ!!」

 

 「あ、ちょっと待って、アルビー君!」

 

 「落ち着いてください、アルビー様」

 

 「城だけにしときな、アルビー様」

 

 

 三者三様の反応が返ってきた。

 あれ、アナスタシアはどこに行った?

 ああ、俺のバックパックにしがみ付いていた。

 

 

 「わぁ、私も一緒にいくのぉー」

 

 「わかったよ。ほい、こっちにこい」

 

 

 俺はアナスタシアの小さくて軽い身体を抱き寄せてしっかりと抱えてやる。

 彼女はにっこりとほほ笑んだが不意に俺に尋ねた。

 

 

 「アルビー、飛んでるけど大丈夫なの?」

 

 「えっ? んぅー、お、思い出させんなぁー」

 

 

 俺は我に返ったせいで自分が飛んでいる事に気付いてしまったので急いで高度を下げた。

 最近、浮いたり飛んだり落ちたりしてるので大分慣れてきたとはいえ気持ちの良いものではないね。

 

 俺達が高度を下げ帝都の街に入ろうとした頃、城壁の上で何か光っているのに気づく。

 慎重に降りていくと黒いローブを身に着けた怪しげな人物がランタンをもって立っていた。

 こいつは……。

 

 

 「アルビット・ルクシアス様ですね」

 

 「そうだが……。お前は誰だ?」

 

 「私達はアルビット様の味方でございます。大型荷電粒子砲が配備されているのは2門、城の側防塔(そくぼうとう)のあそことあそこにあります。破壊するなら急いだ方がよろしいかと……」

 

 

 男なのか女なのか体格や声からは判断できない。

 言えるのは雰囲気がとてつもなく嫌な感じと言う事ととてつもなく怪しいという事だけだ。

 

 

 「100%、信用しろと……?」

 

 「大丈夫です。そう時間をかけずとも我々は仲間になるでしょう」

 

 「言っている意味が……分からないな!」

 

 

 俺は黒ローブの人物に奇襲で魔弾を放った。

 アナスタシアは俺の様子に驚いたみたいだが次の瞬間には黒ローブの人物の姿は無かった。

 しかしどこからともなく声がする。

 

 

 「慌てる事はありません。私達はまた必ず相見(あいまみ)えるでしょう」

 

 

 そう言うと黒ローブの人物の気配は完全に消えた。

 

 

 「アルビー、信用するの?」

 

 「……まあ、確認するだけならタダだしな。アナ、なにか感じる事はあるか?」

 

 「今は何もわからないの。ごめんなさいなの……」

 

 「いや、大丈夫だ。謝る事はない。アナ、行こうか」

 

 「ハイなの」

 

 

 俺達は帝都にそびえたつ城に向かって飛び立った。

 念の為、黒ローブの人物が言っていた場所を調べてみようと思う。

 だが、まず間違いなく目的の物は見つかるだろうと俺は確信していた。

 

 近くまで来るとその異様な姿がはっきりと見えた。

 魔法金属製の黒く光る砲身に大型の加速器、反動を抑える為の大規模機材。

 そして莫大な電力を生み出す為の巨大な魔法クリスタルがあった。

 運用が死ぬほど難しい魔導荷電粒子砲だ。

 小型化はされていないが魔導式なので通常よりかはコンパクトだ、でもデカい。

 

 それでも100年前にこんな技術があるなんて……。

 この目で見なければ俄には信じられない話ではある。

 俺が魔王時代に開発し小型化させるのにもあらゆる知識を総動員させ、それでも50年以上かかった。

 

 いかに帝国とはいえ、たかが1国の技術力でこんなものが作れるだろうか。

 まあいい、こんなものがあると飛空艇団が使えなくて困る。

 さっさと破壊してしまおう。

 

 荷電粒子砲を破壊するのはそんなに苦労するものではない。

 なぜこの兵器がこんなにも大きいのに城に配備されているのか。

 単純に起動兵器に搭載するのが大きすぎて俺以外は無理なのと大型な加速器を破壊すれば使えなくなるという事、そしてその為の警備はほぼほぼ不可能である事。

 

 俺は黒い魔法の玉を出現させ2門の魔導荷電粒子砲を狙える場所に展開させた。

 そして2門同時に攻撃を開始させた。

 

 俺の攻撃は狙いを違わず大型の加速器が大爆発を起こし、もちろん他の機器にも次々と誘爆し城は凄まじい黒煙を立ち上らせていた。

 倉庫にいて爆発に巻き込まれなかった敵兵は為す術なく逃げ惑うしかなかった。

 

 その恐らくは技術兵と思われる一人を俺は捕まえて尋問した。

 アナスタシアは肩車され俺の後頭部にしがみ付いている。

 

 

 「うわっ?! な、何だよ、逃げないと危ないそ!」

 

 「騒ぐな、聞きたい事が終わればすぐに安全な場所に逃がしてやる」

 

 

 俺は右手に凄い剣を出して技術兵の首に近づける。

 

 

 「……わ、わかった。だから殺すな」

 

 「この兵器を作っ……設計したのは誰だ? 誰の知識だ?」

 

 「……。詳しい事はわからん。だが皇帝がある宗教と手を組みもたらされた技術であると聞いている」

 

 「な?! 宗教……。それはバスティア教団か?!」

 

 「……知っていたのか。……そうだ、俺から聞いたと絶対に言うなよ」

 

 

 技術兵の姿は青い光に包まれ消えた。

 アナスタシアが驚いて俺に聞く。

 

 

 「死んじゃったの?」

 

 「いや、魔法で帝都の宿屋に飛ばした。生きてる」

 

 「そう」

 

 

 どういう事だ。

 先ほど城壁であった黒ローブは間違いなくバスティア教団の人間だ。

 あいつは味方になると言ったが帝国の兵器は教団から持ち込まれたと言う。

 

 なにか遊ばれてる様な気がしてならないが……。

 今は帝国を落ち着かせるのが先だ。

 

 ふぅ、敵が増えたぜ。

 

 




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