元魔王は平和に暮らしたい -俺が殺したい程に必要ないなら勝手にしろ ただしスローライフを邪魔するなら絶対に許さん― 作:ヨシMAX
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はい、おはようございます。俺です。
俺は今とても困っている。
皆でダンジョンに潜って高価なクリスタルや鉱物資源を大量に見つけられた。
全員で苦労してダンジョンを攻略後に掘り出すのがロマンだと思っていたので実施した所、その全員から総スカンを喰らってしまったのです。
アナログな手間をかけてこそ持ち出してきた宝物の価値が上がるんでねえの。
そしたらさ、みんなを危険にさらしてまで、なんでこんな面倒な事をするんだーってマリアが激怒するんだもの理不尽だよね。
その結果、俺は帝都に新たに建設中の城の脇に仮設されている小屋の屋上から簀巻きにされて吊るされている。
せめてもの温情として頭を上向きにして吊るされているのでまあ快適ではある。
これで逆さまに吊るされてたら多分俺は泣いていた、元魔王なのに。
まあ、こうなっては仕方ない。
明日の朝に見に来るであろうマリアにどう弁明するかを考えるか。
んーっ、でもさ、俺がいる時点で皆の安全なんて担保されてないかい?
100年後で無敵の魔王さんだったんだから100年前のこの時間軸でさー。
まー、負ける事は無いんじゃない?
驕り過ぎかなぁ……。
そんな事を考えながら夜の爽やかな風を感じてウトウトしていると頭の中に突然レティの叫び声が響いた。
『アルビー! アルビー!』
とても追い詰められた切迫した声だ。
あいつにしては珍しい、……なんて悠長な事を言ってる場合じゃないか。
(どうした、レティ、なにがあったんだ)
『アルビー、アルビー、もーなんで通じないんだよぉー』
ん?
一方通行になってる?
慌てるなよ、落ち着けぇ。
俺は遥か遠くにいるはずのレティの周辺の状況を探った。
なんだ、これは。
島の周辺の魔素が乱れに乱れている。
それはそれは目が滑る程にw
えっ?
何を見たのかって?
遠くの様子を魔素の動きを観測して探るスキルだよ。
基本中の基本スキルでしょ?
まあ、俺ならこの世界で起きてる事位なら全て探れるけどな。
今回だってレティから受信だけで来たのは俺のスキル能力が高いお陰だしな。
えっへん!
……違う、違う。
レティが大変だったんだ。
さて、どうしようかね。
マリアは、なぜかアナスタシアに俺では解けない封印を簀巻きに施させるので今の俺は文字通り手も足も出ないのだw
しかしアナスタシアって天才だよな。
俺の100年の努力を水の泡にするんだ、大したもんだよ。
物理的に布団の耐久力まで上げるんだぜ、異常だよね。
手も足も出ないならアナログ魔法陣の力を借りるか。
その為には……この吊るされている状態を何とかせねば。
実の所、簀巻きは解けないが吊るしているロープは切れるぞ。
ブツッ、ドサッ!
痛たたたたっ。
顔面から落ちちまった。
でもそんな事を気にしている場合じゃない。
こんな事もあろうかと島と帝都を一瞬で行き来できる様に転移魔法陣を仮設小屋の裏側に設置しておいたのさ!
……って得意げに誰に説明してるんだ、俺は。
急いで這いずりながらその魔法陣を目指すが……。
情けない姿だ、第三者が見たらとても未来の最強魔王だなんて思わないよね。
よし、あと数m、頑張れ、俺。
――、――。
――。
よし! 着いたぞ。
もう既に交信を諦めてしまったのかレティの声が聞こえなくなってしまった。
まずいぞぉ、急がなくては。
魔法陣、発動っ!
まっててぇー、レティー。
……、……。
あれ?
発動しないね。
ははぁ、なるほど、分かったよ。
この簀巻き、俺が体外に魔力を発動させるのも妨害してるんだ。
どんだけ~!!
しかたない、クリスタルを空間倉庫から取り出して……。
高いし貴重なんだよねー、このクリスタル。
でもレティ達の緊急事態なんだ、そんな事をきにしてられん。
俺は口でクリスタルを加えて魔力を流し込む。
簀巻きから出ている場所なら魔力は練れるみたいだ。
でもやはりクリスタル等々の媒介は必要らしい。
いいぞ、魔力を十分に流して……。
よし、こんなもんだろう!
魔法陣の中央にクリスタルを落として発動待機状態にさせる。
そして――。
「点と点、線と線を結び、遠く離れた拠点へと我々を運び給え、その瞬時の旅路は全ての事象を置き去りにせん。 トフランディーストック!」
魔法陣が淡く光り出しその効果を発揮し始めた。
よしっ! いくぞ!
俺は簀巻きのまま魔法陣の真上に倒れ込む。
すると俺の姿は強烈な光に包まれて瞬時に消えた。
次の瞬間、俺の姿は俺の島にあった。
暗闇の中に浮かぶ海龍の姿が見えた。
厄介なブレスでミツキとハツキ、チュルカとBG君達を攻撃していた。
見れば皆で頑張って作った田んぼや畑、ペット君達の飼育舎、果てはお屋敷までが瓦礫に埋もれてしまっていた。
「レティ――っ! 良く持たせたなぁ! 俺が来たからもう安心しろ!」
俺は怒り心頭であったがレティはなぜか白けた顔をして俺を見ていた。
なぜなのか。
「レティ! ついでに女神の力でこの簀巻き、外れないかぁ――っ?」
『何やってるんだよ! アルビー、そんな軽い封印ならゴミカススキルの私でも外せるよ』
なんとレティが指を鳴らした瞬間に簀巻きがスルリと外れて落ちたのだ。
なに、
光属性魔法を俺に対して効果が出るレベルで使ったの?
天才じゃすまないね、もう神じゃない?
とにかくこれでこちらの負けは無しだ。
甚大な被害は被ったがその代償はお前の全身で払ってもらうぞ!
「俺のぉお小遣いになれぇ――――っ!!」
アルビー君がギリギリで駆けつける! と言う話を書きたかった。
まあまあ満足いく出来ですがいかがでしたでしょうか?
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