元魔王は平和に暮らしたい -俺が殺したい程に必要ないなら勝手にしろ ただしスローライフを邪魔するなら絶対に許さん―   作:ヨシMAX

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50話到達です。
いつも閲覧有難うございます(^ ^)/


第50話 俺とアナスタシアのパン作り

 

 

 はい、おはようございます、俺です。

 

 俺は食糧事情改善の為、汎用ゴーレム君を大量に動員し広大な麦畑を作った。

 一重に麦と言っても大麦、小麦、ライ麦、オーツ麦と用途により様々な種類があるのだが一応、均等に作付けしてみた。

 一度、刈り入れて帝国にあった種を研究しその内に作りたいものによって生産量を調整したら良いだろう。

 

 現状の役割分担なのだが白雪はすっかり強力なナンバー2に収まっておりマリアと白星は軍事関係を担っている。

 フェルメイルは街の建築や工事関係の指揮と修繕維持を一手に引き受けており俺よりも忙しくしている。

 チュルカは帝国の家畜ペット関係の統治をしておりこちらも多忙そうである。

 そして俺達のマスコット天才児アナスタシアは常に俺の隣にいる。

 

 残るミツキとハツキであったが意外にもこの農場仕事に適性があった。

 元々は島でマリアが担っていた役目であったが彼女は戦っても強い、上手い具合に適材適所でハマった。

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 さて、今日は100年後の製法でパンを試作してみようと思います。

 事前に必要な材料を揃えて城の厨房にやってきました。

 空いてるのはアナだけなので俺の手伝いをしてもらう。

 

 

 「アルビー、パンは固いからアナは余り好きじゃないの」

 

 「大丈夫だ。今回はきちんと小麦を使うからパンは固くならない」

 

 「街で売ってる固いパンは何か違うものなの?」

 

 「俺も買って食べてみた。悪いけど固くてあまり美味しくなかったな。あれはライ麦で作っているんだろう。どうやら元皇帝は帝国の痩せた土地で大麦やライ麦しか作ってなかった様だ。ライ麦や大麦で作るパンもあるが俺は小麦パンが好きなんでな」

 

 「小麦……? 大麦とライ麦とどう違うの?」

 

 「うーん、俺もあまり詳しくはないんだが含まれる栄養分の割合が違うんだな。ライ麦で作ると固くなってしまうんだがその代わり日持ちはする。使う材料によっていい点、悪い点は出てきてしまうと言う訳だな」

 

 「なるほどなの。でも帝国でも少しは小麦取れたって聞いた事ある。なんでみんな小麦でパンを作らないの?」

 

 「皇帝は取れる限り国民から税を取ってたんだ。小麦はもちろん、なんとカマドにまで税金をかけてたんだってよ。小麦は高価だわ、カマドにも税金掛るわで、だからそもそも自分でパンを焼くという事は国民にとっては、かなりの贅沢らしい」

 

 「国民、可哀想なの」

 

 「俺も小麦のパンなんてあまり食べた事ないぞ」

 

 「……私も。私達も可哀想なの」

 

 

 なんか微妙な空気が流れたが……。

 気を取り直して魔王時代に読んだ本の記憶でパン生地のレシピを確認する。

 俺は自慢じゃないが一度読んだ本は一言一句、挿絵も覚えている。

 

 材料をボールに入れひたすら捏ねる、捏ねる、捏ねる。

 ある程度まとまってきたらボールに叩きつけ、捏ねて、叩きつけ、捏ねる。

 それを延々と繰り返して滑らかさが出てきたら一次発酵としてねかせる。

 

 結構な時間を待たなければいけないので二人で街までご飯を食べて帰る。

 良い感じで発酵が進んだので10等分して濡れ布巾をかけて更に休ませる。

 

 

 特に言及はしないが先ほどからアナスタシアも小さな体で俺の動きを見様見真似で模倣し頑張って同じ様に作ってくれている。

 

 先ほどよりか短めな時間を休ませてから10等分にした生地を雫型にする。

 それから生地の下部分を手で軽く伸ばしてから綿棒で上部分をした部分よりも平たく伸ばす。

 25センチ程伸びたら平たく伸ばした上部分からクルクルと巻きつけ巻き終わりは

しっかりと本体に付ける。

 そして二次発酵として一次発酵と同じ位ねかせる。

 

 仕上げに丸めた生地に溶き卵を塗り焼くのだが……。

 

 

 「アナ、大体200℃で15分間焼きたいんだけど……出来る?」

 

 「んっ、火の魔法を教えてくれたら出来ると思うの」

 

 

 まじか、相変わらず凄いな。

 俺は初歩の火魔法をアナに教えた。

 それにしても教えた瞬間に使えるようになるって凄くない?

 

 

 「じゃあ、やってみるの」

 

 

 俺は簡易的なカマドを作るとアナに火の呪文を唱えてもらいパン生地をじっくりと焼き上げていく。

 

 

 「良い匂いなの」

 

 「そうだな」

 

 

 10分が過ぎた頃、だんだんといい香りがしてくる。

 パン生地も薄い茶色になってきた。

 

 

 「出来たと思うの」

 

 

 15分後、俺の考えていたバターロールパンが完成した。

 うーむ、記憶の通りの分量で作ったから融通が利かずに10個分出来てしまった。

 俺達は9人だから1個余る。

 

 仕方ない……。

 

 

 「アナ、余った1個は半分こして先に食べちゃうか?」

 

 「それが良いの」

 

 

 俺は焼き立てのバターロールを1個取って真ん中で割るとアナにあげる。

 アナは半分に割った断面の白さと柔らかさに驚いて目をまん丸くした。

 

 

 「アルビー、凄いの、このパン、おしとんみたいなの!」

 

 「おふとん、な。どうだ、フワフワだろ」

 

 「フワフワなのぉー。美味しいのぉー」

 

 

 なんとアナスタシアは涙ぐみながらパンを頬張っている。

 そんなに美味しいのか、それともこれまで碌な食べ物を与えられなかったのか。

 

 そうかぁ、みんな奴隷に落とされてたんだもんな。

 素材が揃ったら俺の100年後のとっておきレシピで皆に美味しいものを沢山作ってやらないとな。

 

 俺はその日の食事前に皆にバターロールを振る舞い感想を聞こうと思ったのだが皆が感涙に咽びそれ所ではなかった。

 まあ100年前の皆にそこまで刺さったのなら大量生産して売り出せばベレルメーゼン帝国の特産品になる事うけ合いだろう。

 

 さてこういう分野は白雪が適任だな。

 パン工場計画を立てるとしよう。

 

 




GW忙しくて更新が出来ませんでしたが
少しづつペースを回復していきたいと思います。(執筆時期がGWでした)

パンの製法はネット検索まる出しです( ;∀;)
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